HP、デジタル印刷で量産を実現する段ボール用インクジェット輪転印刷機のイノベーションを発表

2021年8月23日

株式会社 日本HP

HP Inc.(本社:米国カリフォルニア州パロアルト)が、2021年8月3日(現地時間)に発表した英文リリースに基づいて作成した日本語抄訳です。

HP Inc.(以下「HP」)は、2021年8月に米国で開催されたパッケージングの見本市「SuperCorrExpo」に合わせ、パッケージのデジタル印刷において量産と高い収益性を実現する、HP PageWideの新たな段ボールパッケージ用ソリューションを発表しました。

段ボールパッケージ向けHP PageWideを活用するコンバーターは、段ボール市場におけるデジタル印刷をリードし、世界最大の印刷量を誇ります。2021年には2020年との比較で60%以上の成長率を記録しました(*1)。

HP PageWide Industrial担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるカルロス・ファレ(Carles Farre)は次のように述べています。「サプライチェーンはこれまで経験したことのないプレッシャーに直面しています。コロナ禍によって市場動向の変化が加速し、より高速で柔軟なパッケージソリューションの提供がコンバーターに求められています。デジタル印刷によるパッケージは、特にEコマース、食品、家庭用品など量産生産が求められるメインストリームの製品を扱うブランド企業の段ボールパッケージのサプライチェーンを根本から変革できます。アナログ印刷で数週間かかっていた市場投入までの時間をHPデジタル印刷機でわずか数日に短縮できます。さらに、廃棄物の削減というサステナビリティにおける利点や、多様なデザインが店頭の棚に与えるインパクトも実現できます。」

HPサーマルインクジェット技術と水性インクを搭載するHP PageWideは、段ボール市場向けにライナー原紙に印刷するプレプリントと、段ボールシートに直接印刷するポストプリントの両方に対応します。プレプリント対応の「HP PageWide T1195i Press」および「HP PageWide T470S Press」、ポストプリント対応の「HP PageWide C500 Press」は、鮮やかなグラフィックスとオフセット品質を実現するほか、食品用パッケージの基準にも準拠しています。

〈デジタルプレプリントに対応した段ボール用印刷機の経済性と給紙機能が向上〉
HPは、段ボール印刷技術を進化させ、パッケージコンバーターやブランド企業がアナログからデジタルへの移行によるメリットを得られる新たな機会を創出し続けています。HPは、新たなプリントヘッド技術を搭載したプレプリント対応段ボール用デジタル輪転印刷機「HP PageWide T1195i Press」を発表しました。

幅110インチの「HP PageWide T1195i Press」に搭載された新しいHPサーマルインクジェットプリントヘッドは、ロール給紙式印刷機の堅牢性と経済性を向上させました。これにより、デジタル印刷によるメインストリームの生産を促進し、コンバーターがさらに多くのジョブをフレキソプレプリントおよびオフセット印刷の合紙加工からデジタルに移行できるようにします。このプリントヘッド技術にはサーマルコントロール機能が組み込まれており、プレプリントシステムの性能が向上し、運用コストの削減につながる一方で、一貫性のある高品質な印刷を高速で提供します。新たなプリントヘッドを搭載した「HP PageWide T1195i Press」は、給紙機能の向上により、幅広いライナーとアプリケーションをサポートします。

米国の主要な統合パッケージソリューションプロバイダーであるGeorgia-PacificのHummingbird®は、新製品「HP PageWide T1195i Press」を導入する初の企業となります。同社は、今年開設されるアリゾナ州フェニックスの拠点に「HP PageWide T1195i Press」を導入予定です。

Georgia-Pacificのデジタル印刷ソリューション担当バイスプレジデントであるRobert Seay氏は次のように述べています。「当社のHummingbird事業は、西部でより良いサービスを提供するために、アリゾナ州で2台目となる『HP PageWide T1100 Press』シリーズを購入します。パッケージ向けのデジタル印刷ソリューションを強化して米国全土のお客様により柔軟性を提供することで、納期の短縮に対する要求の高まりにも応えられるようになります。『HP PageWide T1195i Press』に搭載されている新しいプリントヘッド技術によって、生産能力のさらなる向上と運用コストの削減が見込まれます。Hummingbirdは、戦略的顧客としてHPと協力しながら、Hummingbirdが新たな市場やアプリケーションに参入する能力の強化につながるシステム性能の向上を検証していきます。」

Hummingbirdは、北米で消費財向けパッケージ商品や、電子機器、食品・飲料ブランド企業向けに、デジタル印刷段ボールパッケージの幅広いソリューションを提供しています。Hummingbirdのデジタルサービスには、シェルフレディパッケージ(SRP)、食品トレイ、大型の箱、Eコマースソリューション、大量の店舗ディスプレイ(POP)などがあります。

〈コンポスト化(堆肥化)が可能なデジタルパッケージで持続可能性の認知度を向上〉
HPは、HP PageWideの持続可能性を高めるため、「HP PageWide C500」のデジタル段ボールパッケージ用インクの試験を完了し、家庭および産業システムにおける堆肥化の認証を取得しました(*2)。堆肥化が可能な製品を認証するグローバルな独立機関であるドイツのDin Certcoは、「HP PageWide C500」用HP CV150インクの堆肥化プロセスに「適合マーク」を付与し、インクが「堆肥化プロセスに害をもたらさない添加剤」であることを確認しました。

「HP PageWide C500」の堆肥化可能認証により、コンバーターとブランド企業は、需要に応じた数量の印刷、在庫の無駄の削減、環境への全体的な影響の軽減が可能になるほか、段ボールパッケージの持続可能性の認知度を向上させ、循環型経済に寄与することができます。

これは「HP PageWide C500」による印刷が、欧州の堆肥化試験規格EN 13432などの主要な規格に準拠し、堆肥化と生分解により回収可能なパッケージに使用できることを証明するものです。また、ドイツのPapiertechnische Stiftung(PTS)の標準プロセスを用いてHP PageWide段ボール用インクの試験も実施され、リサイクル可能であることが確認されました。

HPの水性インクは、食品用や繊細な製品のパッケージに使用でき、米国農務省(USDA)や食品医薬品局( FDA)の 連邦規則集第21巻(21 CFR)、ネスレガイダンス、スイス条例、EuPIAなどのグローバルな食品安全性および環境の主要ガイドラインに適合しています。このインクにはUV反応性化学物質は含まれていないため、食品パッケージに使用する際に追加施策を必要としません(*3)。

「HP PageWide C500」2台を稼働させている米国のCompanyBoxは、ブランド企業が持続可能性にますます関心を寄せていると語ります。CompanyBoxの社長であるKyle Dejesus氏は次のように述べています。「この水性インクは、ブランド企業が当社を選択する大きな理由の一つであり、当社の差別化要因となっています。ブランド企業は、当社がお客様の環境配慮を実現できるよう持続可能性を重視していることを把握しています。そのため、発注した製品が環境を汚染しないという安心感を得られます。」

〈新しい「HP PrintOS」アプリケーションが印刷効率を向上〉
HPは、「HP PageWide C500」のオーナー向けにクラウドベースの「HP PrintOS」アプリケーションを発表しました。「HP PrintOS」によって、自社の印刷機を最大限に活用し、生産の簡略化と自動化を図り、革新と成長を実現することができます。このアプリケーションは、以下のように拠点の全体的な効率性を向上させ、生産現場の管理を最適化します。

  • PrintOS Mobileアプリ:リアルタイムの状況やジョブステータスの更新、また印刷面積や印刷機の可用性の日次計算など、生産改善を追跡するタブレットまたはスマートフォン向けアプリ
  • PrintOS Print Beat:印刷機および消耗品の履歴と、より迅速で適切な意思決定や印刷業務改善のための準リアルタイムのデータを提供する、最適化アプリ
  • PrintOS Jobs:消耗品、印刷素材、印刷時間などのジョブデータを提供。素材の使用量や印刷時間など、生産状況やジョブのコストに関するデータを管理システム(MISまたはERP)に統合することで、完了したジョブの正確なコストを把握し、より正確な見積書の作成が可能
  • PrintOS SuppliesおよびInventory Managementアプリ:顧客による在庫レベルの最適化が可能

〈業界の連携によりデジタルプレプリントを簡略化〉
HPのデジタルプレプリントは、大量と少量の両方のジョブが混在していても1本のロールで一貫性のあるオフセット品質で印刷できることで、段ボール市場に大きな利点をもたらします。HPのデジタルプレプリントでアナログからデジタルへの移行を促進するために、HPは顧客のデジタルビジネス簡素化と成長加速化を図るエンドツーエンドのソリューションを開発しています。

HPのデジタルプレプリントは、世界中のさまざまなコルゲーターで実証済みのソリューションです。HPは、業界大手であるFosberおよびErhardt+Leimer(E+L)と連携することで、新しいコルゲーターの一機能、または既存のコルゲーターに後付けで設置するソリューションとして、同じロール内のデジタルプレプリントのジョブ変更をコルゲーターに伝達、同期できるようにします。

これにより、コンバーターは迅速な納品、最低発注数量(MOQ)、廃棄物や在庫の削減など市場の需要に動的に対応し、コルゲーターの性能に影響を及ぼすことなく、市場競争力を高めることができます。

*1:Karstedt Partners, LLCの2021年第1四半期レポート。

*2:EN 13432 ASTM 6400およびNF T51-800:2015に従い、堆肥化に関する試験をDIN CERTCOが実施。HP PageWide C500用CV150インクの試験は2020年11月に実施。

*3:水性インクHP A30およびHP CV150は、段ボールパッケージの外側の印刷に使用するものです。

■「HPの段ボールパッケージ」に関する情報は、以下のURLを参照してください。
 http://www.hp.com/go/corrugatedpackaging(英語)

■製品写真ライブラリ(画像データは以下のURLからご覧になれます。)
 http://www.hp.com/jp/digital_pr