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HP、気候変動対策の意欲的な目標を発表
炭素排出量や循環型経済、森林に焦点を当てた気候変動対策の広範な計画
海洋保全から森林再生まで影響範囲を拡大するパートナーシップを発表

2021年4月22日

株式会社 日本HP

目標

  • 2040年までにHPのバリューチェーン全体で温室効果ガス(GHG)排出量ネットゼロを達成。初めに、2030年までにサプライ事業でカーボンニュートラルを実現
  • 2030年までにHPのバリューチェーンの温室効果ガス排出量を50%削減(*1)
  • 2025年までにHPのオペレーションにおいてカーボンニュートラルと廃棄物ゼロを達成(*2)
  • 2030年までに製品および梱包材の循環利用率75%を達成(*3)
  • HPブランド用紙および紙製の梱包材について森林破壊ゼロを継続(*4)
  • 2030年までにHP製品やプリントサービスで使用されるHP以外の用紙による森林破壊を抑制(*5)

新たなパートナーシップ

  • 「HP Sustainable Forests Collaborative」の拡充
  • Forest Stewardship Council®(森林管理協議会、FSC®)のデジタルマーケットプレイスを支援
  • オーシャン・コンサーバンシーのTrash Free Seas Alliance®運営委員会に参加

本リリースは、HP Inc.(本社:米国カリフォルニア州パロアルト)が、2021年4月20日(現地時間)に発表した英文リリースに基づいて作成した日本語抄訳です。

HP Inc.は、4月22日のアースデイに先立ち、テクノロジー業界において最も意欲的かつ包括的な気候変動対策目標を発表しました。これは、炭素排出量ネットゼロの完全な再生型経済の推進、HP全体における環境フットプリントの削減、業界で最も持続可能な製品とソリューションのポートフォリオ構築による長期的なビジネスの強化に向けた進捗を明らかにするものです。

HPの社長兼CEOであるエンリケ・ロレス(Enrique Lores)は、次のように述べています。「気候変動は、私たちの世代の決定的な課題であり、早急な行動と投資が求められています。今こそ、地球を守り、世界経済にイノベーションと成長の新たな源を生み出すために、大胆な行動と意欲的な目標を掲げる時です。2040年までにHPのバリューチェーン全体で炭素排出量ネットゼロを目指すことで、私たちは進歩を加速させ、世界で最も持続可能で公正なテクノロジー企業になるという目標を推進していきます。」

ビジネス変革の事例
HPは本目標を達成するために、5つの戦略的な分野に注力し、事業成長と炭素排出量や資源消費を切り離して考え、イノベーションを推進し、設計やビジネスモデルの変革を推進していきます。

  • プリントとコンピューター・アズ・ア・サービス:プリンター用サプライ品のリニューアル、ハードウェア・アズ・ア・サービス、認定の中古ハードウェア提供
  • 持続可能な材料:再生可能なリサイクル材料の使用を加速
  • サプライチェーンの脱炭素化:サプライヤーの炭素排出量削減、再生可能電力利用、製品の運搬に地上輸送や代替燃料および電気自動車の導入を推進、支援
  • エネルギーの効率化:既存および新たなエネルギー効率に優れた製品技術の設計
  • 森林への投資:森林の再生と保護への投資により、印刷や梱包材に使用される繊維に対処し、認証取得済み材料または再生材料の調達を継続

炭素排出量と循環型経済
本目標を達成するために、HPのオペレーションにおけるカーボンニュートラルを2025年までに実現し、2030年までにScope1、2、3で発生する温室効果ガス(GHG)排出量を2019年比の絶対水準で50%削減します(*6)。また、2030年までに製品および梱包材の年間総使用量(重量)の75%を、リサイクル、再生可能、または再利用された材料とすることをコミットしています。これにより、HPは、2040年までにバリューチェーン全体で炭素排出量ネットゼロの達成を目指します。HPの循環型経済の取り組みに沿って、HPのオペレーションは2025年までにHPが管理する施設において廃棄物ゼロを達成します(*7)。また、HPのカスタマーサポートは、2030年までにHPとパートナーの運営の両方でカーボンニュートラルを実現します。

HPは、再生プラスチックや金属などの持続可能な材料の使用量を増やすことによる循環型経済の実現や、森林の再生と保護への投資といった、さまざまな取り組みを推進します(*8)。1991年以来、8億7,500万本以上のHPカートリッジ、1億1,400万本以上の衣料用ハンガー、46億9,000万本以上の使用済みペットボトルを埋め立て廃棄する代わりに、新しいHP製品を製造するためにアップサイクルしてきました。世界で最も持続可能なPCポートフォリオを発表し、製品ポートフォリオ全体にわたるイノベーションを継続し、主要パートナーと循環型経済の実現に向けた取り組みを続けています。HPは、NextWave Plasticsのメンバーとして、オーシャンバウンド・プラスチックのサプライチェーンにおける初のグローバルなネットワーク構築に業界を超えて協働しています。また、エレン・マッカーサー財団と連携して循環型経済のパフォーマンス測定ツール「Circulytics」に取り組んでいます。

HPは、自社のオペレーション、サプライチェーン、製品およびソリューションに関するカーボンフットプリントをすべて公表し、炭素排出量の削減目標を設定した初のグローバルIT企業です。また、科学的根拠に基づく削減目標の設定を推進するイニシアチブSBT(Science Based Targets)によってGHG排出量削減目標が承認された最初の10%の企業の一社です。承認された目標には、気温上昇を1.5 ℃抑えるため、2025年までにScope1および2の排出量を2015年比で60%削減することも含まれています。HPは、2年連続で国際NGOのCDPの「気候変動」、「フォレスト(森林)」、「ウォーター(水)」の3つの分野においてAリスト入りしたほか、CDPのサプライヤー・エンゲージメント・リーダー・ボードに選定された、唯一のテクノロジー企業です。また、2016年に事業で使用する電気の100%再生可能エネルギー化を目指す企業のグローバルイニシアチブ「RE100」に参加し、2017年には事業活動で使う車両のゼロエミッション化を目指す国際イニシアチブ「EV100」に加盟しました。

HPサプライ品における炭素排出量の削減
HPは、プリンティング事業をトランザクションモデルからサービスモデルに転換し、HPとHP製品のカーボンフットプリントを積極的に削減していきます。ネットゼロのバリューチェーンへの移行を加速するため、2030年までにサプライ事業でカーボンニュートラルを実現できるよう尽力しています。

HPは、「HP Instant Ink with Planet Partners」のパイロット版を導入し、リサイクルや新たな再生機能により純正のHPサプライ品の寿命を延ばすことで、サプライ品におけるカーボンニュートラルへの移行を開始します。このパイロット版によってお客様は、循環型経済の実現に向けて、バージンプラスチックの使用量を減らし、オーシャンバウンド・プラスチックをはじめとする廃棄物を削減できます。2021年5月にドイツで発売される「HP Instant Ink with Planet Partners」では、「HP Instant Ink」の定期購入者が再充填したカートリッジを受け取ることを選択できます。HPのテクノロジーとエンジニアリングをエンド・ツー・エンドで活用することが、このパイロット版の特長です。HPの純正サプライ品の一貫した信頼性と優れた印刷品質によって、印刷の刷り直しが減り、廃棄物を削減できます。

森林の再生と保護
HPは、世界自然保護基金(WWF)やアーバーデイ財団などのグローバルパートナー、また「HP Sustainable Forests Collaborative」を通じて、自然に配慮したソリューションにも注力しています。HPは、自社ブランドの用紙や梱包材の調達において、森林破壊ゼロの目標を達成している世界でも数少ない企業のひとつです。2020年には、HPブランド用紙と紙製の製品梱包材の99%について森林破壊ゼロを達成し、残りの1%については、報告された繊維使用量が「HP Sustainable Paper and Wood Policy」(*9)を満たしているかどうかが評価されます。HPブランド用紙は、2016年よりすべてが認証取得済み材料またはリサイクル材料から製造されています。紙製の製品梱包材には、HPの調達プロセスの強化と、100社を超えるサプライヤーとの5年にわたる取り組みの成果が反映されています。HPは、あらゆる是正措置を管理し、この成果を今後も維持するために、適合保証プログラムを導入しました。

HPは、2030年までに、HPブランド用紙の責任ある調達に加えて、HPプリンターやプリントサービスに使用されるHP以外の用紙による森林破壊を防止するため、森林の再生や保護などへの投資を拡大していきます(*10)。

HPは、自社での繊維調達にとどまらず、自社の製品やサービスに使用される用紙も含めて森林破壊に対処する目標を設定した唯一のテクノロジー企業です。

HPプリンターによるすべての印刷が責任を持って調達され、森林の再生と保護に貢献するというビジョンを確実にするために、HPはForest Positive Framework(*11)を作成しました。この取り組みでは、主要なNGOや団体と連携して、森林のために科学的根拠に基づいた目標の設定、業界との協働、より効率的なプリンティング技術の革新など、森林の再生と保護を超えた取り組みを行っています。

サステナブルインパクトおよび気候変動に対する継続的なコミットメント
人々、地球、地域社会にサステナブルインパクトをもたらすための取り組みは、HPのビジネス戦略と事業活動に盛り込まれています。また、この取り組みは、お客様の購買決定において、ますます重要になっています。HPのサステナブルインパクトの取り組みによって、2020年には2年連続で10億米ドル以上の新たな収益が創出されました。

世界の海洋および森林の再生と保護へのコミットメントを強化するために、HPはNGOとのパートナーシップに関する最新情報も発表します。

HPは、オーシャン・コンサーバンシーのTrash Free Seas Allianceに、最新のシグネチャーイニシアチブ「ASPPIRe(Advancing Solutions to Plastic Pollution through Inclusive Recycling)」の運営委員会のメンバーとして参加しました。ASPPIReの目標は、世界中の海洋のプラスチック汚染を緩和し、一部の地域において低価値のプラスチックのための安定市場を創出するとともに、再生材料の可用性を向上させることです。HPは、運営委員会で唯一のテクノロジー企業であり、PepsiCo、スターバックス コーヒー カンパニー、ダウ、Kimberly-Clarkといった世界最大規模のブランドと協働しています。

また、「HP Sustainable Forests Collaborative」に新たなパートナーとしてAndhra Paper Limited、Crown Van Gelder、Felix Schoeller Group、International Paper Company、Lenzing Papier、Mondi Uncoated Fine Paperが参加します。さらに、規模を問わずに森林保全に取り組んでいる最大規模のオープンメンバーシップの非営利団体であるアーバーデイ財団が、アドバイザーとして加わります。アーバーデイ財団のミッションは、森林プロジェクトに科学的に実証されたアプローチを提供することです。業界を超えたコラボレーションは、森林の生態系を健全に保つための科学的で実行可能なアプローチを示すものです。HPと業界パートナーは、次世代のために森林の再生と保護の取り組みに参加する組織を求めています。

また、HPはForest Stewardship Council(森林管理協議会、FSC)のデジタルマーケットプレイス「One Simple Action」(https://onesimpleaction.org/)の創設スポンサーであることも発表します。このマーケットプレイスによって、消費者はFSCが重要である理由を理解し、森林保全に関わりたい消費者は製品を購入することもできます。FSC認証は、重要な森林の生態系だけでなく、それらに依存している野生動物や労働者を保護する、市場で最も厳格な基準です。

HPの既存のNGOとのコラボレーションに加え、これらの新しいパートナーシップは、天然資源を守り、生物多様性が失われるのを防ぎ、気候変動の問題に取り組んでいきます。

HPは、オーシャンバウンド・プラスチックや水性塗料など、持続可能な素材や塗料で仕上げをした責任ある設計と製造が評価され、7つのGood Green Design Awards(グッドグリーンデザイン賞)を受賞しています。詳細は、こちら(英語)をご覧ください。

詳細情報
詳細は以下のリンクをご覧ください。

*1:2019年と比較したScope1、2、3のGHG排出量の絶対的削減量。製品使用時に消費されるHPブランド以外の用紙は除きます。

*2:廃棄物ゼロの事業活動:2025年までにHPが直接関わっているすべての事業活動において、埋め立て対象となる非危険物の廃棄物をなくします。これには、世界中でHPが所有および管理している拠点が含まれます。廃棄物ゼロは、ULまたはTRUE認証基準で定められています。

*3:2030年までに、HPの年間の製品および梱包材の総重量に占める、リサイクルおよび再生可能な材料や再利用された製品および部品の割合。2030年までに、HPの製品および梱包材の年間総使用量(重量)は、再生材料および/または再利用材料、製品、部品から調達します。

*4:HPブランド用紙および紙製の製品梱包材は、FSC認証を優先して、認証およびリサイクルされたものを使用します。梱包材とは、製品に付属する箱と、その箱の中にあるすべての紙(包装材および材料を含む)を指します。

*5:重量ベースの繊維は、1)厳格な第三者基準による認証を受けたもの、2)リサイクルされたもの、3)HPのForest Positive Frameworkを通じた森林の再生、保護、その他のイニシアチブによってバランスの取れたものとします。紙には、HP Media Solutions Locatorカタログに掲載されていないHP産業用印刷機の繊維ベースの基材は含まれません。

*6:HPのバリューチェーン以外で、GHGプロトコルに従い間接的な排出源として製品を使用中に消費されたHPブランド以外の用紙は含まれません。

*7:廃棄物ゼロのオペレーション:2025年までにHPが直接関わっているすべての事業活動において、埋立対象となる非危険物の廃棄物をなくします。これには世界中のHPが所有および管理するすべての拠点が含まれます。廃棄物ゼロは、ULまたはTRUEの認証基準で定められています。

*8:再生プラスチックは、EPEATの定義および算出方法に基づきます。

*9:2020年には、HPブランド用紙および紙製の製品梱包材の99%が、認証またはリサイクル資源から調達されました。梱包材とは、製品に付属する箱と、その箱の中にあるすべての紙を指します。

*10:重量ベースの繊維は、1)厳格な第三者基準による認証を受けたもの、2)再生資源由来のもの、3)HPのForest Positive Frameworkを通じた森林の再生、保護、その他のイニシアチブによってバランスの取れたものとします。

*11:「HP Forest Positive Framework」は、HPの森林に関する目標を実現するための戦略的基盤です。

文中の社名、商品名は、各社の商標または登録商標です。

記載されている情報は発表時点でのものです。内容は予告なく変更する場合がございます。
あらかじめご了承ください。