2020年9月28日
株式会社 日本HP
本文書では、HP Inc.(本社:カリフォルニア州パロアルト)が、2020年8月4日(現地時間)に発信した印刷市場の分析と、本年3月に発表したB2対応の商業印刷向け印刷機「HP Indigo 100Kデジタル印刷機」の海外での導入状況をご紹介しています。
この10年間、商業印刷は低迷していますが、依然として数十億ドル規模の巨大な産業です。商業印刷の総枚数は減少が続くと見込まれていますが、デジタル印刷のシェアは量と価値の両面で拡大することが予想されます。
印刷業界に精通した経営者はこの状況を認識しており、デジタル印刷のシェア拡大に備えています。アナログ印刷機とデジタル印刷機が混在している印刷会社では、オフセット印刷ジョブの一部をデジタルに移行することによって、小ロットジョブを短納期で対応しています。仕事内容を分析し、総保有コスト(TCO)を算出することによって、アナログ技術とデジタル技術の最適化を実現し、エンドツーエンドで効率を最大化することで全体の利益を向上させることが可能になります。
危機が起きる前から、小ロットかつ短納期の依頼は一般的となっており、印刷事業者は迅速かつ機敏に対応することが求められていました。このことがデジタル印刷への機運を高め、さらに多くの印刷会社がオフセット印刷からデジタルに移行し、新たなデジタル印刷およびワークフロー技術を活用しています。
Eコマースがこれまで例がないほど加速しています。米国商務省によると、Eコマースが10%成長するのに2009年から2019年の10年かかりましたが、2020年春にはわずか8週間でさらに10%成長しました。最近の外出自粛期間には、家族のフォトアルバムやパーソナライズされたグリーティングカードなどの商品に対する消費者の需要が高まっています。便利なWeb to Printサービスを提供する店舗は24時間365日利用可能ですが、最近の課題は消費者の期待に見合うAmazonのような納期で商品を納入できるようにすることです。
Bennett Graphics
米国アトランタの近くに位置するBennett Graphicsは最近、「HP Indigo 100Kデジタル印刷機」を設置しました。この印刷機は毎日、何万枚ものB2用紙を連続で両面印刷することが可能で、デジタル枚葉印刷の生産性に新しい基準を打ち立てました。デジタル印刷の能力を向上させたBennett Graphicsは、期限の迫った大量注文のビジネス機会を柔軟に捉えて、ダイレクトメール事業の成長を促進させています。
Bennett Graphicsのオペレーションズ担当バイスプレジデントであるアダム・サイズ(Adam Seiz)氏は次のように述べています。「ジョブをデジタルで実行できると印刷準備時間が短縮され、オフセット印刷の段取りに起因する無駄が削減されます。それと同時に、処理速度の30%向上があらゆることに影響を与えます。このように、HP Indigo 100Kデジタル印刷機による印刷量が増えるほど、工場としての機能が向上し、効率が高まり、コストを削減できます。HP Indigoとの併用によって、オフセット印刷機はより大量のジョブのみに集中することができ、卓越した品質を優れた生産性で提供できます。」
ONLINEPRINTERS Group
ドイツに拠点を置くONLINEPRINTERS Groupは、欧州の主要なオンライン印刷会社であり、ドイツ最大のオフセット印刷会社のひとつです。HP Indigoデジタル印刷機を所有し、将来のスマートプリントファクトリーを構想するのに役立つHP Indigoデジタル印刷機のクラウドベースの生産自動化および管理システムである「PrintOSX」を広く使用しています。
1,600人を超える従業員を抱えるONLINEPRINTERS Groupは、名刺や事務用品、チラシからカタログ、パンフレットに至るまで、約5,000種の印刷製品を欧州30カ国の100万社を超える顧客に販売しています。同社の印刷製品の多くは、22のオンラインショップを通じて11カ国語で販売およびマーケティングされています。
Onlineprintersは「HP Indigo 100Kデジタル印刷機」の最初のベータ版のユーザーで、変化し続ける顧客行動に合わせるために、長年をかけてHP Indigoデジタル印刷機によってデジタル印刷の可能性を拡大していました。最大の柔軟性でさまざまな注文を効率的に処理できるよう、生産を中断せずに多種多様なメディアに印刷できる能力が必須要件でした。
ONLINEPRINTERS GroupのCEOであるローランド・ケプラー(Roland Keppler)氏は次のように述べています。「顧客行動は変化し続け、ここ数年は発注印刷量が少なくなる代わりに、発注頻度が増えています。今や、一年分のパンフレットを倉庫に保管したい人はいません。当社は、2021年までに、総受注のほぼ半数をデジタルで生産することになるでしょう。」
Wihabo
HP Indigoデジタル印刷機の長年のユーザーでオランダに本拠地を置くWihaboは最近、「HP Indigo 100Kデジタル印刷機」を導入することを決定しました。Wihaboは1986年に設立された家族経営の会社で、Tony's Chocolonelyをはじめとした国内および外国の顧客にユニークでパーソナライズされた大量印刷を提供する企業として知られています。
Wihaboは大量の商業印刷ジョブに対応するために既存の「HP Indigo 10000デジタル印刷機」を新製品である「HP Indigo 100Kデジタル印刷機」に置き換えました。そして、同社が所有している「HP Indigo 12000デジタル印刷機」1台と「HP Indigo 7900デジタル印刷機」2台の計3台を、主に特殊印刷用途に使用することにしました。
Wihaboのテクニカルディレクターであるヨリス・ボッシュ(Joris Bosch)氏は次のように述べています。「HP Indigo 100Kデジタル印刷機により省エネルギーと省資源の実現を楽しみにしています。デジタル印刷機の生産強化モード(EPM)のスピードと品質によって、オフセット印刷のさらに多くをデジタルに移行できます。HP PrintOSxと組み合わせることで、リアルタイムのデータを使用してワークフローと効率性を向上させ、お客様のニーズにより迅速に対応できるようになります。」
オフセット機ユーザーを対象としてに設計された「HP Indigo 100Kデジタル印刷機」は、これまでのB2デジタル印刷分野では届かなかったオフセット機のような高品質と高速印刷を両立します。
世界的なパンデミックがどれくらい続くかは定かではありませんが、機敏かつ効率的な対応力は今後も不要になるものではありません。人件費を増やさず、生産性を最大限に維持する上では自動化が最も重要になってきます。
5G 通信帯域幅の拡大に伴うAIやインダストリー4.0、Eコマースの成長は、デジタル印刷の新時代に向かって加速し続けます。現在の危機はこういった技術の広範に及ぶ影響を拡大しました。また、準備が十分に整っていないと、この「ニューノーマル」が続いていく中で方向転換をすることが難しくなります。
ほとんどのディスラプション下と同様に、ビジョンを持ち積極的な姿勢の企業は、パンデミックの影響に対処しながらも、この困難な時期をイノベーションと成長の絶好の機会と捉え、事業を前進させるために取り組むでしょう。今こそ、未来を築くための一歩を踏み出す絶好の機会かもしれません。作家のウィリアム・アーサー・ウォードの言葉の通り、「チャンスとは日の出のようなものだ。待ちすぎると逃してしまう」のです。
■「HP Indigoデジタル印刷機」に関する情報は、以下のURLを参照してください。
http://www.hp.com/jp/indigo
■製品写真ライブラリ(画像データは以下のURLからご覧になれます。)
http://www.hp.com/jp/digital_pr
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