身近に起こりえる標的型攻撃への備え
株式会社 IT コミュニケーションズ(以下 “ITC”)は、総合広告代理店としてこれまで数多くの企業活動を支えてきた企業だ。SEM をはじめとしたインターネット広告やソリューション業務、Web サイトの構築・分析、システム設計・開発・運用、各種プロモーションなど、豊富なノウハウで幅広いサービスが提供できる強みを持っている。
同社は業種的にもクライアント企業の機密情報や個人情報を扱うことが多いため、セキュリティは積極的に強化してきた背景がある。「ですが、昨今の標的型攻撃は日々進化しており、従来のウイルス対策だけでは不十分だと認識していました」と語るのは、同社のシステム管理を担当するシニアテクニカルディレクターの五十嵐氏。しかし、多くの企業がそうであるように、ITC でも最新の脅威への対策が必要なことが分かりつつも、これまでなかなか検討をするタイミングがなかったのだという。
「そんな中、2021年 2月に社員から怪しいメールを受信したという報告がありました。調査の結果、最近猛威を振るっている Emotet による標的型攻撃だと判明しました。対象にされた社員のセキュリティリテラシーが高かったことと、早期発見ができたことで事なきを得ましたが、次世代の脅威が現実のものとなっていることがよくわかる事件でした」と振り返る五十嵐氏。同社では、もしも Emotet などが含まれるメールを社員が開いてしまったら、自社で運用しているセキュリティで果たして防げていたのかという疑問が持ち上がり、これを契機に本格的にセキュリティ対策の見直しに踏み切ることになったのだという。
株式会社IT コミュニケーションズ
プロフェッショナルサービス部
テクニカルチーム
シニアテクニカルディレクター
五十嵐 敏郎 氏