

※以下の取材記事は2016年1月時点のものです。
2016年4月より新年度になり、ICT活用教育は学校づくり推進課 改革推進係で担当されております。
【学校概要】
学校名:弘前市立大成小学校
業種:学校教育/公立小学校
生徒数:314名(16学級)
住所:青森県弘前市御幸町13の1
導入機種:HP Elite x2 1011 G1
HP Pro Tablet 10 EE G1
HP アドバンスド無線ドッキングステーション
HP Classroom Manager
日本一と絶賛される桜と、東日本唯一の「現存12天守」として名高い弘前城で知られる青森県弘前市。弘前城は本丸石垣の改修のため、天守を約70mも移動させる曳屋が行われたことでも注目を集めています。その弘前市の教育委員会では、これからの郷土を支える子どもたちを育成するために「個と集団が生きる授業づくり」を進めています。その中で重要な役割を果たしているのがICTの活用です。
先生用の2in1タブレットに関しては、主要4教科の中で、画面に映したオリジナル教材を生徒用のタブレットにも配信しつつ、プロジェクターに投影して使っています。動き回りながら画面を操作できるので、今までよりもきめ細かく児童の様子を見ながら授業を進めることができますね。
また、生徒用のタブレットは、資料を作ってプロジェクターに映しながら発表するプレゼンテーション授業に欠かせなくなっています。自分で操作できることが子どもたちには楽しいようです。近頃では自分が作った学習クイズをみんなに見せたいとか、タブレットで植物の成長を写真に撮って観察日記を作りたいなど、子どもたちが使い方の提案をしてくるようになりました。
友だちの発表をもとにディスカッションをするときも、今まで以上に活発な意見交換が見られるようになっています。また、本校では障がいのある子とない子が一緒に学ぶ、いわゆるインクルーシブ教育を実践していますが、児童一人ひとりの障がいの状態や特性に合わせた教材をタブレットに用意できるので、紙の教科書では難しかった"個"に合わせた教育が少しずつですが可能になってきています。
"2in1"ということで、キーボードを取り付ければノートバソコンと変わらずに使えるので、オリジナル教材を作るときもしっかり作り込めるので助かりますし、校務にも不都合なく使えると感じています。Windows OSということで使い慣れたソフトウェアをそのまま使えるのもうれしいポイントです。
タブレットとして使う時も、堅牢性の高い本体であることで、ちょっと落としたくらいでは大丈夫とのことなので、安心ですね。手で持ったときのホールド感もしっかりしていて、持ち歩いて使うのに最適です。
ICTと従来の手法をどう組み合わせれば効果的でメリハリのある授業ができるか、日々考え工夫しています。職員室では、「こんな教材を作ってみた」とか「こんな使い方でこういう効果があった」という情報が毎日飛び交っています。私たち自身が毎日の実践の中でノウハウを身につけ、共有していくことで、弘前式ICTの発展、ひいては子どもたちの確かな学力育成につながると考えています。
教科書の中の、特に強調したい図や写真、または問題文などを、タブレットから拡大してプロジェクターに映して授業に使っています。
ビジュアルの力はとても大きく、子どもたちの集中力や理解力が高まっていると実感します。
児童たちは今は2人で1台を共有していますが、子どもたちの順応性は高いので、できるだけ早く1人1台になればよいと考えています。
弘前市立大成小学校
石岡 容子先生
例えば引き算を説明するときに、ブロックを取っていく私の手を、映像として大きく投影して見せると子どもたちの目は釘付け。映像の力を実感します。
お家の方とのコミュニケーションの際にも、学校での子どもたちの様子をタブレットで撮影し、学級懇談のときにお見せすると、参観授業では見ることができない子どもたちの普段の姿を知ることができると好評でした。
弘前市立大成小学校
成田 亜衣先生
双方向のコミュニケーションを授業の中でどう活かすか、今までの黒板を使った授業とどう組み合わせていくかなど、それぞれの先生が効果的なICTの使い方を日々工夫しています。そのノウハウを共有しながら、モデル校として弘前式ICT教育に磨きをかけています。
本校は統合によって13年前に創立されましたが、前身の小学校まで含めるとその歴史は明治18年まで遡ります。弘前の近代化とともに歩んできた大成小学校は、ICTによって次代の弘前を担う子どもたちの育成に注力していきます。
弘前市立大成小学校
校長
佐藤 文紀氏
弘前市は「子どもたちの笑顔あふれるまち 弘前」を掲げて、郷土への愛に裏打ちされた自立心を持つ多様な弘前人が躍動するまちを目指して人づくりに取り組んでおり、その中で教育委員会では多様性を尊重した教育を更に充実させるために様々な施策を展開しています。よくわかる授業づくりとインクルーシブ教育の推進をテーマに今年度からスタートした「ICT活用教育推進事業」もその一環です。
今年度はモデル校での活動を通じてICT活用の標準モデルを制定し、来年度からの3年間をかけてすべての市立小中学校に展開していく予定です。ハード面では実物投影機、電子黒板機能付きプロジェクター、タブレット端末の「弘前式」ICT3点セットや校内無線LANをすべての約460学級に整備し、ソフト面ではICT支援員を配置して教材作成や授業研究などをサポートしていきます。
教育委員会として先生方のICTを活用した授業づくりを支援するとともに、まずは子どもたちが、授業が楽しい、おもしろい、わかりやすいと感じてくれることが大事だと考えています。
その意味で、実際に使われる生徒用タブレットには、子どもたちの使用を前提に、一般の機器を上回る頑丈さと使いやすさを求めましたが、とりわけHPのタブレット製品は厳しい条件をクリアしています。また、教員用の2in1PCも、ノートパソコンではありながら、タブレットとしても使えるということで、教員の授業運営の幅を広げながら校務の効率化に貢献していると思います。
今後も学校現場のニーズに応える先進的な製品・サービスで、私たちのチャレンジを支えていただけるものと期待しています。
弘前市教育委員会
教育長
佐々木 健氏
私自身が弘前生まれ弘前育ちなので、市のICT担当として、弘前の子どもたちのためになるしっかりした環境を用意したいと考えていました。もっとも重要な生徒用タブレットの選定では、子どもたちが使うことを前提に堅牢性を重視しましたが、HPタブレット製品は米軍の調達基準を満たすなど、具体的なファクトを備えていることが決め手になりました。また「HP アドバンスド無線ドッキングステーション」のような周辺機器や、無償添付される「HP Classroom Manager」など、学校という環境における使いやすさをとてもよく把握されている製品づくりにも好感が持てました。今はまだモデル校において2人で1台を共有している状態ですが、将来的には1人1台体制に拡大して本事業を軌道に乗せ、教育現場におけるICT活用の先進事例として全国に発信していければいいなと考えています。
弘前市教育委員会
学校教育改革室
主事
竹内 元気氏
※本ページに記載されている情報は取材時におけるものであり閲覧される時点で、変更されている可能性があります。予めご了承下さい。