ITを活用したゴルフ観戦の新たなスタイル
「米国PGAツアーをはじめ、アメリカのゴルフの試合会場ではインターネットラジオ中継など、ITを活用して多様な情報をギャラリーに提供するシステムが整備されています。これがライブ観戦の楽しみを大きく拡大しています」と話すのはGDO メディアビジネスユニット メディア推進グループ編集の塩口安男氏。
贔屓の選手のプレーを目の前で楽しみながら、他のプレイヤーのスコアなど、さまざまな情報をその場で確認することで、試合展開の把握が容易になり、より立体的・多角的なライブ観戦が可能になる。そんなエンターテインメント性に富んだ観戦スタイルは、試合会場を訪れるギャラリーの増加に貢献し、ゴルフ人気の裾野を広げることにつながっているというのだ。
このITを活用した観戦スタイルを日本でも実現・普及させたい‐ ‐ ‐かねてからそう考えていたGDOでは9 月 11 日(金)~13 日(日)に恵庭カントリー倶楽部(北海道恵庭市)で開催された「片山晋呉インビテーショナル ネスレ日本マッチプレー選手権 レクサス杯」の会場において、Windowsタブレットの無償貸し出しを企画・実施した。
「ゴルフは見て楽しむスポーツ。野球やサッカーに音声だけのラジオ実況中継があるのに対し、ゴルフにはそれがないことからも、視覚情報がいかに重要かわかります。その点で、ゴルフのライブ観戦にもっとも親和性が高いのは、動画、静止画を含んだ多様な情報にアクセスできるタブレットだと判断しました」(塩口氏)
株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン
メディアビジネスユニット
メディア推進グループ編集
塩口 安男氏
軽く、頑丈で、つながるタブレットを採用
GDOでIT部門の責任者を務める渡邉信之氏は、無償配布するタブレットの選定にあたり、次の点に留意したという。
「まずお客様に持ち歩いていただく以上、携帯性、特に軽さを重視しました。そして、通信のフレキシビリティも非常に大事です。日本のゴルフ場は、山の中というロケーションも多い。そんな状況下では、Wi-Fiはもちろんのこと、LTE通信や3G通信にも対応できることが望ましいと考えました。さらにシステムサイドとしては、落下や紛失などのトラブルが発生したときに、どのようなサービスやサポートが用意されているのかも見逃せないポイントでした。これらを総合的に検討した結果、HP ElitePad 1000 G2 Tabletを選択しました」(渡邉氏)
GDO が選んだHP ElitePad 1000 G2 for DOCOMOはマルチバンド対応のLTE搭載モデルだ。SIMカードを挿せば、バンド1(2.1GHz)/バンド 3(1.8GHz)/バンド19(800MHz)のLTE3波に対応し、3G回線も含めれば4波での通信が可能。10.1インチワイドの大画面マルチタッチディスプレイを採用しながら、薄さ9.2mm、重さ約650gと片手で持ち歩いても負担にならない携帯性を両立させている。また、米軍の調達基準である 「MIL-STD-810G」をクリアする堅牢性を備え、落下や振動にも強い。
「これら、タブレットとしての基本的なスペックの高さは、ゴルフ観戦をサポートするデジタルデバイスとしての素性の良さにつながっていると考えています」(渡邉氏)
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経営戦略本部
本部長 CTO
渡邉 信之氏
サービスやサポートも万全
一方、渡邉氏が懸念していたサービスやサポートについては、HP Touchpoint Managerが期待に応えた。HP Touchpoint Managerはクラウドベースで複数台、複数種のデジタルデバイスの運用管理を実現するアプリケーション。当然、タブレットもその管理対象となる。
「ビジネス用途に開発されたアプリケーションだけあって、多彩な機能のいずれもが非常に実用的です。ウィルスポリシーやファイアウォールポリシーの設定により、貸し出し中でも、より安全な動作の監視が容易なうえ、万一、紛失された場合にもタブレットの位置をリモートで検出したり、画面ロックやデータ消去をリモートで実行できるなど、IT管理者サイドから見ても安心できる機能を備えています。またHPタブレット製品であれば、バッテリーを含めハードウェア自体のヘルスチェックもフォローしているので、大きな安心感につながりました」(渡邉氏)
サービス面については、標準保証からHP Care Packアクシデントサポートにアップグレードして万一の場合に備えたという。これは水漏れ、落下、衝撃、電圧異常、盗難などの偶発的な事故による障害も修理対象とする内容だ。
「タブレットそのものはもちろんのこと、サービス、サポートまでを含めてトータルで見た時に、不特定多数のギャラリーの方に貸し出すのに最適な環境が構築できたと考えています」(渡邉氏)
よりエキサイティングな未来への期待感
実際にタブレットを使って観戦したギャラリーの声を塩口氏は次のようにまとめた。 「お客様には実に高い評価をいただけました。今大会はマッチプレーということで、ギャラリーの方にとってはどの選手が勝ち残っているのかも大きな興味の対象です。これまでは会場内に設置された戦績ボードまで行かないとそれが確認できなかったところが、目の前で好きなプレイヤーを応援しながら、リアルタイムで試合展開を俯瞰できる。こんな楽しみ方もあったのかと非常に好評でした」(塩口氏)
渡邉氏も次のように評価する。
「まず通信に関しては、マルチバンドのLTEと3G回線にも対応している事が効果を発揮していました。会場のどこにいても、通信が途切れるようなことなく、スムーズに利用できました。また、画面の大きさも、ストリーミング中継と選手情報など、2つのコンテンツを同時に表示できるため、より立体的な楽しみ方に貢献していたと思います。もうひとつ心配していたバッテリーの保ちも、1日持ち歩くには十分でしたし、必要に応じてバッテリー内蔵型の拡張ジャケットをオプションで追加できることもあり、不安はありませんでした」(渡邉氏)
GDOではこの新たな観戦スタイルに、大きな手応えを感じているようだ。
「将来的には、応援するプレイヤーのパーオン率やリカバリー率、サンドセーブ率などのスタッズ(過去のプレーの統計データ)を自在に参照しながら観戦することも考えられます。漫然とプレーを見守るより、はるかにライブ観戦がエキサイティングになるでしょう。今回の試みにはそんな未来への期待感を抱くことができました。それはHP ElitePad 1000 G2 Tabletを借りてくださったお客様にも実感していただけたのではないかと思います」(塩口氏)