自治体DXの最新情報が集結する「自治体・公共Week 2026」にHPが出展
2026-08-05
2026年5月13~15日、東京ビッグサイトの西ホールで自治体・公共向けの展示会、「自治体・公共Week 2026」が開催された。このイベントは自治体DX展、地方創生 EXPO、地域防災 EXPO、スマートシティ推進 EXPO、自治体インフラ維持管理・老朽化対策展、地域福祉 EXPOの6つの専門展で構成されているが、HPは自治体DX展に参加。来場者から大きく注目されていた。イベント開催中に何が展示されたのか、早速その中身を紹介してゆこう。
取材:中山 一弘
最新情報のすべてが見渡せるHPブース
3年連続参加となった自治体・公共Weekへの出展に合わせ、今年はHPのイメージカラーとして白を選択。スタッフのシャツも専用のものを用意するなど、見せ方にこだわったブースとなっていた。HPの豊富なポートフォリオを見やすく紹介できるよう、エリアごとに展示内容を分けて配置。来場者がゆっくり歩きながら、そのすべてを確認できるような作りを意識していた。それでは各ブースを見ていこう。
セキュリティエリア
セキュリティエリアでは、いま社会的な課題にもなっているサプライチェーンリスクについてHPがすでに全面的に取り組んでいることを紹介。独自のセキュリティチップや、「HP Sure Admin」などのBIOS保護機能、「HP Protect and Trace with Wolf Connect」による、電源が入っていないPCに対するリモートデータ消去など、調達から運用まで、あらゆるシーンで安心・安全であることをアピールした。
「サプライチェーンリスクを考えた場合に、自治体様は国の指導に合わせて調達していく必要があります。それに合致するHPのソリューションとして、サプライチェーンリスクの全体を見据え、サイバー攻撃から物理攻撃まで対応する一気通貫のデバイスとソリューションをご紹介しています。部品の調達からPCの運用まで、HPなら全てを守っていくことができます」と語るHPの川喜田氏。
最近ではBitLockerも破られるような状況だが、「HP TPM Guard」などによるセキュリティ対策も可能になるなど、安全性を考慮した製品展開は多くの自治体に安心材料となるだろう。「他にもHP Sure ClickやHP Sure Accessなど、日常の業務を包括的に守ることができるソリューションがそろっているのもHPの強みだと思います」と川喜田氏は語り、セキュリティベンダーとしてのHPを強調した。
自治体向けPCエリア
HPを代表するPC製品群からはChromebookとWindows PCをそれぞれ展示。ポートフォリオの厚さをアピールした。
「HP Elite 6 G2iの14インチモデルは売れ筋の筐体にChrome OSを採用した製品です。自治体様が必要とされる機能を集約したうえで、耐久性やバッテリー駆動の持続時間なども両立させたモデルになっています」と注目アイテムを紹介するHPの三浦氏。
「また、小中学校の児童・生徒さん向けにご提供しているGIGA端末がありますが、実は自治体の職員様向けにも販売できるようになっています。業務で使用するには少し小さめのディスプレイではありますが、十分なスペックを持つ機種として職員様向けとしても根強い人気があります。値段は抑えたいけれども、タッチ機能も欲しいというような場合にも、ちょうどいいモデルです」とGIGA端末についても説明する三浦氏。
Windows PCではやはり、AI活用を見据えた「Copilot+ PC」に注目が集まっていた。「HP EliteBook X G2a 14 AI PCは、重量も1kg前後ということで非常に軽量なモデルになっています。G2というのはHPのAI PCの中でも2世代目という意味がありますが、今ご紹介したAMDプロセッサモデルのほか、インテルモデルもご用意しており、そちらは「G2i」としてラインアップしています」とHPの平氏。両モデルともプロセッサが大幅に性能アップしているのでさらに高いパフォーマンスが期待できる。
また、数少なくなった有線LANポートを装備する「HP 245 G10」、キーボードにPCの機能を詰め込んだユニークな製品「HP EliteBoard G1a Next Gen AI PC」なども紹介されていた。「全体の傾向として、Windowsモデルに関しては今後もAIの活用というところが中心になっていくことは間違いないと思います。HPにはハイエンドだけでなく、ミドルクラスまで幅広くAI PCをご用意していますので、ぜひお気軽にご相談ください」と三浦氏は語ってくれた。
HP Poly
ヘッドセットやビデオバーなどの、音響関連機器を扱うPolyブランドもブースを展開。自治体で特に注目されているソリューションを紹介した。
「今回はHP Polyのビデオバーを使った、『リモート相談窓口』という展示を行っています。例えば省庁や窓口が複数あるような場合でも、まとめてリモートで遠隔から応対を行うことができるもので、訪問された方に端末画面で『窓口』というボタンを押していただくと、遠隔地にある窓口担当につながるというものになります。人手不足の解消もありますが、遠隔にいる人でも同じような対応をできるようにするための平準化にも役立ちます。窓口にPolyのビデオバーを設置し、それを受ける担当者がPolyのヘッドセットを使うことによって、かなり騒がしい環境でもクリアな音声を聞くことができます。対面と同じようなコミュニケーションができますので、お客様との円滑なやり取りにも役立つと思います」と解説してくれたのはHPの角田氏だ。
Polyのヘッドセットも片耳タイプや形状の異なるものなど、多くの種類がある。ブースでは各ラインアップを壁面にディスプレイしており、形状やデザインの違いなどが確認できるようになっていた。音響関連製品は実際に体験しないとわからないことが多いので、こうしたイベントで実物を手にすることができる機会は非常に有用だ。
HPワークステーションブース
自治体で採用されることの多いデバイスにはワークステーションもある。HPはあらゆるニーズに応えられる豊富なラインアップがあるので、費用対効果の高いコンピュータリソースの導入が可能だ。
「今回デモをしているのは、愛知県岡崎市で実際に活用されているデジタルツインです。ここでは岡崎市のリアルな街並みを表示していますが、元になっているのは国土交通省が出しているPLATEAUという3D都市データです。その仮想空間上にビジュアライズしたものを重ねていくことで、新たな建築物の景観的な影響や、人流変化、災害対策などに役立てることができます」と解説する若宮氏。
PLATEAUではUnrealエンジンを使ったデジタルツインを提供しており、様々なデータを重ねる、あるいは動かすといったプログラムを組み合わせることで様々なシミュレーションができるのが特長となっている。
「これらを動かすためには一般的なパソコンでは厳しいので、やはりワークステーションの性能が必要になってきます。市役所などに設置することで、住民の方との意思疎通などもしやすくなるシステムだと思います」と若宮氏は語った。
HPロングライフPC
役所の各種案内表示などに使われるデジタルサイネージを運用するためのロングライフPCを展示。HPはPOSで世界的なシェアを持っており、小売業や流通業で培われたノウハウが自治体向けとしても利用価値の高いソリューションとなっていた。
「自治体様などで使っていただける、様々な業務用端末のディスプレイとそれを動作させる業務向けPC、つまりロングライフPCを展示しています。様々なフォームファクターがありますので、適材適所で使っていただけるものになっています」とHPの寺内氏は説明する。
窓口端末などではカスタムアプリケーションを使うため、「Windows IoT OS」を搭載するケースが多い。煩雑なバージョンアップがなく、都度の動作検証が不要なので運用負荷が低いのもメリットだ。
「HPの得意な領域としてPOSレジシステムがあります。オールインワンの端末に周辺機器を取り付けることで、様々な業務に対応可能です。例えば点検などで端末を持ち運びたい場合には、片手で操作できるモバイル端末もあります。用途に応じた多彩なフォームファクターから選択していただけますので、ぜひご相談いただければと思います」と竹下氏は語った。
プリンターブース
ペーパーレス化が進んでも、紙文化をゼロにすることはできない。紙で情報を伝えるために活躍するテクノロジーはやはりプリンターだ。
「HPはインクジェットプリンターから大判プリンターまで幅広くラインアップしていますが、今回は自治体様向けに3つのプリンターをご用意しました」と語るのはHPの桑岡氏だ。
ひとつはレーザー複合機の「HP Color LaserJet Managed MFP E786dn」だ。このモデルは買い切りもしくはリースで導入できるモデルで、印刷コストが非常に低いという特長がある。「モノクロが0.55円、カラーでも5.8円から印刷することができるので、運用コストを抑えることができます。また、最近はプリンターを狙った脅威もありますが、HPのプリンターはそういったサイバー攻撃を防御する機能を採用しています。つまり、低コストで安全に運用できるのがHPのプリンターなのです」と語る桑岡氏。
インクジェットプリンターからは、モバイルプリンターの「HP OfficeJet 250 Mobile AiO」と「HP Smart Tank 7306」が展示されていた。「モバイルプリンターですが、バッテリー駆動が可能でスキャナーも搭載したモデルです。職員様がなかなか庁舎に来られないような地域の方と向かい合うときに、モバイルプリンターがあればちょっとした資料や書類をその場で印刷してお渡しすることができます。一方のHP Smart Tankですが、大容量インクタンクを採用したモデルで、購入時についてくるボトルだけでモノクロなら約12,000枚、カラーで約8,000枚印刷することができます。一般的な自治体様でも2年から3年は交換不要というタフなモデルです」と桑岡氏は説明。HPプリンターの有用性をアピールした。
パートナーブース Upstage
パートナーブースでは、協賛企業のソリューションを紹介。HPワークステーションにAI OCR、LLMなどをプリインストールしてすぐに生成AIが使えるパッケージソリューションとして提供する「SolarBox」でおなじみのUpstage AI株式会社が参加した。
「今回の展示では『エンタープライズワークスペース』をご紹介しています。これは『SolarBox』を進化させたもので、ドキュメントパースとLLMで構成されるのは同じですが、管理機能もついているところが特徴です」と語るUpstage説明員の近森氏。ユーザーや組織の管理はもちろん、エージェント管理もまとめておこなうことができ、サービスをどれだけ使っているのかなども見える化する。「エンタープライズワークスペースを搭載したマシンが1台あれば、自治体様で手軽にAIを使った業務改革が実行できるようになります。チャット画面も用意されているので、使いやすい設計になっています。例えばRAGの形でデータベースに入れたものを、ナレッジコレクションとして活用することもできます」と近森氏。
フィルタリング機能などもあるため、管理のみならず情報漏洩対策などにも活用できるのでガバナンスという観点でもメリットのあるソリューションだ。「Upstageではシステムを導入すればすぐ使える『Value to time zero』を目指しています。ぜひ私たちのソリューションをお試しください」と近森氏は語った。
PUBLIC SECTOR &Business Strategy
近森 藤彦 氏
パートナーブース Zoom Phone
HP PolyのデジタルPBX端末と抜群の相性の良さを見せるのは「Zoom」だ。Zoom PhoneはクラウドPBXへの移行を考えている自治体にとって多くのメリットを提供してくれるため、いま大きく注目されているソリューションとなっている。
「例えば、Zoom Phoneでは無期限・無制限の録音機能があります。市民から寄せられた声を蓄積し、分析・解析することによって日常業務の改善に役立ててゆくことも可能です。また、インターネット接続環境さえあれば、自宅や外出先でも役所のデスクと同じサービスが受けられます。自治体職員様の働き方改革に必要な柔軟な選択肢をご提供できるのもZoom Phoneならではだと思います」と語るのはHPの石山氏だ。
Zoomのサービスが受けられるPCとスマートフォンはすでにほとんどの職員に配布されている自治体が多くなっており、導入時には役所の拠点用に据え置き型の専用端末があればよいだけだ。追加する場合は、明瞭な音声会話ができる環境を提供するPolyのヘッドセットがあれば、相手とのコミュニケーションはさらに高品質になる。
「クラウドPBXに変えることによって、場所にとらわれない働き方につなげられるだけでなく、万が一の災害発生時にも非常に優れた通信手段を構築できます。どこに居ても市民からの問い合わせに対応できるので、不測の事態の中でも業務を継続できるのです。また、Zoom PhoneのAI機能を用いれば、リアルタイムの文字起こしも可能です。事後に要約された文章を改めて見直すといったことも容易になります。音声コミュニケーションはDXの最後の壁とも言われますが、それを打ち破るためにもZoom Phoneは役立つものだと思います。単なる電話の代替ではなく、行動変容をもたらすものとして、自治体のみなさまのお役に立つソリューションになるはずです」と最後にZoomの野澤氏は語ってくれた。
執行役員
公共サービス営業本部 営業本部長
野澤 さゆり 氏
取材後記
今年度の自治体・公共Weekも大盛況のうちに幕を閉じた。HPブースはソリューション全体を通して来場者の回遊率が高く、ほとんどの人々はすべてのブースで熱心に説明を聞いていたのが印象的だった。自治体DXを継続的に実現していくためにはテクノロジーが必要となる。HPにはそのための幅広いポートフォリオと、常に時代をけん引する最新の製品群が用意されている。何か困りごとを抱えている自治体はもちろん、DXをさらに進めたいと考えているすべての組織はぜひ一度HPに相談していただきたい。
関連リンク
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