教育DXの“現在”が分かる一大イベント「EDIX東京2026」にHPが出展
2026-08-05
2026年5月13~15日、東京ビッグサイト東ホールにて「EDIX(教育総合展)東京2026」が開催された。教育関連としては国内最大級となるイベントだけあり、会場は終日大勢の関係者で埋め尽くされていた。もちろん、このイベントにはHPも参加。GIGAスクールや教育DX、DXハイスクール等、様々な施策やICT教育に最適なデバイスやテクノロジーを届けてきたHPの最新情報を提供した。それでは、どんな展示がなされたのか紹介してゆこう。
取材:中山 一弘
すべての展示を見やすく配置したHPブース
今回のHPブースはエレクトリックブルーのHPロゴが映えるホワイトを基調としたデザインを採用。来場者にHPの豊富なポートフォリオのすべてを見てもらえるよう、各展示エリアを効率的に配置し、ゆっくりと見て回れるようなレイアウトを採用していた。冒頭でも触れたように教育向けのデバイスやソリューションを数多く持つHPならではの充実した展示をみていこう。
HP Chromebookエリア
壊れにくい頑強なボディと軽さを両立し、本格的なペン入力にも対応していることから人気を得ていたHP Chromebookシリーズ。児童生徒用の11インチモデルのほか、教員向けの14インチモデルがラインアップしている。
「今回イチオシの製品は教員向けの新製品『HP Chromebook Plusシリーズ』です。標準でAI機能に特化したモデルで、バリエーションも豊富です。SIMカードなどを利用することも可能ですし、さらにHP eSIM Connectに対応するモデルもあります。持ち運ぶときにネット接続で苦労される先生もいらっしゃると聞きますので、そういう場合にも活用していただけると思います」と語るHPの宮澤氏。
GIGAスクールの影響で、小学生のときにChromebookを使っていた影響で、中学生や高校生になっても同じようにChromebookを使いたいというニーズも増えている。そのようなケースで、大きめのディスプレイを持つHP Chromebook Plusシリーズは最適な選択肢といえる。「タッチパネルモデルや2.5Kの高精細ディスプレイタイプなど、幅広いラインアップになっているので、ぜひお試しいただければと思います」と最後に宮澤氏は語ってくれた。
HP大判プリンターエリア
大判プリンターエリアでは学校行事や壁面への掲示物に欠かせないA0対応の「HP DesignJet T850シリーズ」を展示。HPの大判プリンターの導入メリットを紹介していた。
「このモデルの特徴はスキャナーを搭載していて、プリントするだけでなく生徒さんが描いた原稿をスキャンして、拡大・縮小コピーすることも可能になっているところです。最近では生徒さんが描いたものをデジタル化して保存するというニーズも増えているので、スキャンしたデータをUSBメモリへの保存や、eメールで送信してアーカイブ化するなどの使い方もできます」と説明するHP 柏木氏。
標準的な画質の設定であれば、大判でも1枚あたり20~30秒くらいの印刷が可能で、インクジェット方式なのでランニングコストの良さもメリットとなる。
「最近ではフルカラーでの印刷物へのニーズが増えている実感があります。先生方の作業時間や労力を低減するという意味でも、現場で喜ばれる製品だと思います。無償でバンドルされる印刷管理ソフトの『HP Click』により、プレビューも簡単にできるので失敗を未然に防ぎやすいのも特長です」と最後にHP 柳田氏は語ってくれた。
レーザープリンターエリア
レーザープリンターからは「HP Color LaserJet Managed MFP E786dn」が出展されていた。「今回ご紹介しているのは、ランニングコストが非常に安いレーザー複合機になります。一般的なオフィスによくあるような形状ですが、多くの場合はこのクラスの製品を月々1枚いくらなどのカウンター料金でお使いになっているかと思います。しかしこの製品の場合は買い取り方式で本体を導入していただき、あとはトナーなどの消耗品を交換していただくだけなので、もし使わないような場合はその月のお支払いはありませんというタイプになります」と説明するHPの野口氏。
DXの進展で紙への印刷は少なくなってきているが、逆にプリンターの維持により毎月料金が発生するのは避けたいというニーズは増えている。「そんななかでも、保護者会向けの資料や校長先生などの重要書類などは、レーザー複合機の高品質な状態で印刷したいというニーズに、本機は応えることができるモデルとなっています」と最後に野口氏は語ってくれた。
Polyエリア
「今回の展示では『NEXTハイスクールに適合する教室環境』ということで、全国で進められている施策に対してHPができることという視点でご紹介をしています。特に遠隔授業に関して、いかに簡単にいかに先生方のご負担が少ないようにできるか、という目線で取り組んでいるところです」とPolyエリアの説明をするHP 是枝氏。
実際に遠隔地にあるHPのデモセンターとつなぎ、リアルタイムに会話をする環境が用意されているなど、「Poly Studio X52オールインワンビデオバー」を使った体験型のリアルなデモンストレーションもおこなわれていた。
「センター側ではカメラ2台で撮影していますが、1台は話者が移動してもそれをAIが認識して追従してくれる『プレゼンター・フォーカス・モード』が設定されています。2台目を定点で電子黒板を映すようにしてあるので、先生が歩きながら話したとしても、もう1台が身振り手振りや表情などを追いかけてくれるので、臨場感のあるコミュニケーションが可能です」と是枝氏。
このとき、先生は何もする必要がなく、新しいことを覚える必要がないのも特長で、今までと同じように授業を進めるだけでオンライン授業ができるというメリットもある。「このシステムさえ設置してしまえば、先生方は次の日から授業に集中するだけで遠隔授業ができてしまうという手軽さがあります。このソリューションの最大の特徴は、とにかく先生方の負担が少ないということにあると思います」と是枝氏は解説する。
またPolyのシステムは、マイクの感度が良く先生が前を向いても後ろを向いても、しっかりと声を拾ってくれる。「ヘッドセットに関しても、AIを相手に会話するような場合に非常に有益なHP Poly Mission シリーズという最新モデルがあります。英語学習などにも最適ですが、周囲で他の生徒さんがたくさん喋っているような環境でも、本人の声だけを切り取って向こうに伝えることができます。今後出てくるであろう、AIを相手にした英語の学びの際に、Polyの高性能ヘッドセットは必ずお役に立てると思います」と最後に是枝氏は語ってくれた。
パソコンエリア
パソコンエリア、つまりWindows PCエリアでは、最新のAI PCを中心に豊富なラインアップを展示していた。「AI PCまたはCopilot+ PCと呼ばれるNPUを持つプロセッサを内蔵したモデルが充実してきました。現在はプロセッサも多様になってきていて、IntelやAMDそれぞれに複数のモデルがあります」と説明するHPの田中氏。HPでは世代を「G1」「G2」と表記し、AMDプロセッサ搭載モデルが「a」、インテルプロセッサ搭載モデルを「i」としている。例えば、「HP EliteBook G2i」ならインテルプロセッサを搭載する第2世代モデルとなるわけだ。
共通の仕様としてHPのパソコンには高耐久性バッテリーが使われているので、教室などでも電源の問題で悩むことが少なくなる。AC電源を探し回るのはストレスになるので、実際の使用環境では大切なポイントといえる。
「新しいパソコンとして面白いのは「HP EliteBoardシリーズ」です。キーボードにOSとメモリとストレージが全部内蔵されているので、これだけ持ち歩いてディスプレイに接続すれば、すぐ使うことができます」と田中氏。最近では手の平サイズのmini PCを選択する自治体や教育委員会も増えてきているので、小型筐体のPCに対するニーズに新たな選択肢が加わった形になる。
また、HP EliteBookにも複数のモデルがあり、予算や用途によって選ぶことができるようになっている。「先生方の働き方改革という意味でも、HP eSIM Connectを搭載したモデルをお勧めしています。校外学習でもどこでも、自由に通信できるのはメリットが大きいと思います」と田中氏は解説した。
パートナーエリア 株式会社さつき 電子黒板「ミライタッチ」
「ここでご紹介しているミライタッチには、学校現場で使われているChromebookと同じChrome OSが入っています。そのため、先生がご自分のアカウントでログインされれば、そのままミライタッチをご自分の端末のように扱うことができます。これにより、先生がChromebookで作った資料などを、すぐそのままミライタッチで開くことができるようになります。ブックマークなども同期されるので、先生のパソコンを持ってきていちいちつなぐといった手間が不要になります」と、説明するのは株式会社さつきの柳氏だ。
ミライタッチにもカメラやマイクは内蔵されているが、HP製品との相性がとてもよく、展示にはPolyのビデオバー「Poly Studio V12」が接続されていた。「このセッティングにより、さらにクリアな音声でやり取りすることができるようになります。またホワイトボードアプリや下向きのカメラなどもあるので、教室の様々なニーズに柔軟に対応することができます」と柳氏。
また、ミライタッチにはAI OCR機能も搭載されており、ホワイトボードアプリでは、手書きの文字を認識してテキスト化することもできる。縦書きの文字の認識にも対応する予定があるので、今後は国語の授業などでも活用可能だ。
「HP製品やAI機能を組み合わせてゆくことで、オンライン授業やハイブリッド授業など、様々な授業のやり方に対して効果的に対応することができます。多機能を直感的に扱えるのもメリットで、OS内蔵型の電子黒板として多くの来場者のみなさまからお問い合わせをいただいております」と最後に柳氏は語ってくれた。
HPワークステーションエリア
「ワークステーションエリアでは教育現場におけるバイブコーディングなどに関するご提案をしています。いまのところコーディングについては、学校現場ではライセンスの購入が難しかったりするために、なかなかその環境がないのが実情だと思います。また、外部への情報流出対策で閉域ネットワークになっていることもあります。そこで今回は、閉域ネットワークでも使えるようなバイブコーディングの環境をデモしています」と語るHPの勝谷氏。
デモ環境には非常にコンパクトなAIワークステーション「HP ZGX Nano AI Station」が用意されており、そこへオープンコードをインストール、「gemma-4-31B」を使ってコーディングできるようにしてある。これでWebブラウザを使ってアクセスすることで、様々なアプリなどを作成していくことが可能となる。
「この場合、HP ZGX Nano AI WorkstationはWebサーバーとして動作するので、同じネットワーク上にあるパソコンやChromebookからアクセスして使うことができます。スマホでもタブレットでも使えるので、非常に便利なシステムです。今後はコーディングが一般的になり、誰でもやるような時代になってくると思います。学校現場でそういうものに触れる機会を作ってあげることも大切だと思います」と語る勝谷氏。
さらに今回は強力なモデルとして、NVIDIA RTX PRO 6000 Blackwell Workstation Editionを4枚使って384GBにしたZ8ワークステーションも展示していた。「ここでは100ビリオンのモデルが動いていて、しかもLINEと接続しているので、スマホのLINEから動かすこともできます。ローカルでもクラウド上の生成AIに匹敵する性能を出すことができるようになってきたので、学校に1台あればものすごいパフォーマンスを発揮することができます。将来、AI関連の技術者を目指すような生徒さんのためにも、最適な体験をさせてあげることができるようになります。こういったシステムそのものも、AIエージェントを使えば手軽にできるようになっています」と最後に勝谷氏は語ってくれた。
取材後記
EDIX東京2026は大盛況のうちに終了となった。今年も大勢の教育関係者がたくさんの情報を持ち帰ることができたと思う。HPにおいては教員向けPCやワークステーションにおいてAI活用を視野にした提案が多く、実際に教育現場においても今後生成AIを使った校務の効率化はもちろん、生徒にとってもAIを学びにも活かす施策が取り入れられていくことが予想される。新たな時代が到来してから慌てることのないように、最新の情報には常にアンテナを張り、気になることがあればすぐにHPに相談していただきたい。
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