2024.09.19
パソコン用のプロセッサー大手のAMDがモバイル向けプロセッサーRyzen AI 300シリーズを発表しました。最新のZen 5アーキテクチャーを採用した製品です。統合されたNPUはXDNA2で、そのパフォーマンスは50TOPSに及びます。日本HPも個人向けながら、このSoCを搭載した製品として、HP OmniBook Ultra 14 AI PCを発表 、すでに受注を開始し、9月以降の出荷が予定されています。ここでは、その意義について考えてみましょう。
フリーランスライター:山田 祥平
AMDの新プロセッサーRyzen AI 300シリーズの特筆すべき要素は、その内蔵NPUが50TOPSと、40TOPSを超えている点です。
なぜなら、40TOPS超の処理性能を持つNPUを持つことで、AI活用を前提に最適化されたWindowsパソコンのハードウェアとして、Microsoftが定義する各種要件を満たすことができるからです。
MicrosoftはCopilot+ PCというAI活用のためのパソコンを新たに定義しました。シリコンからOS、そしてアプリケーション層からクラウドに至るまでAIを中心にPC全体を一から再構築したハードウェアです。
この新しいカテゴリーのWindowsパソコンは、CPU、GPUに加え、AIを処理するためのNPU(Neural network Processing Unit)のパワーを最大限に引き出すために、クラウドとデバイスローカルハイブリッドなAI活用で、かつてないレベルのパフォーマンスを実現するというシナリオです。
MicrosoftからWindowsを供給されたパートナー各社が、自社のパソコン製品をCopilot+ PCと称するためには、そのハードウェアがMicrosoftが定める最小要件をクリアし、Microsoftがそれを認証する必要があります。そのハードウェア要件は、Windows 11の最小要件の増分として規定され、その内容は下記のようになっています。
特に重要な要素が1です。Copilot+ PCの立ち上げ当時、市場にあって各パソコンメーカーが自由に使える1の条件に合致するシリコンは限定されていました。ローンチのタイミングでは実質的にQualcomm® Snapdragon® X シリーズのプロセッサーだけだったのです。
ところが、今回、AMDのRyzen AI 300シリーズが登場したことで、1の要件を満たすプロセッサーが増えました。HP OmniBook Ultra 14 AI PCは、その発表時点ではCopilot+ PCを称していませんが、優れたAI処理性能を発揮するコンセプトを誇ります。
HP OmniBook Ultra 14 AI PCは、最大21時間のバッテリ駆動が可能な1.57Kgの14インチ液晶ディスプレイを持つノートパソコンです。14インチのタッチ対応ディスプレイの解像度は2.2K(2240*1400)でアスペクト比は16:10です。Copilotキーも装備しています。側面左にはUSB Type-A(10Gbps)、右側にはThunderbolt 4対応USB Type-Cポートを備えたメテオシルバー色のスタイリッシュな製品になっています。また、法人向けPC製品に搭載されているお馴染みのセキュリティソリューション「HP Wolf Security」を採用し、世界で最もセキュアな個人向け次世代AI PCでもあります。
Copilot+ PCとしてすでに発売済みのビジネス向けノートパソコンHP EliteBook Ultra G1q AI PCは、Qualcomm® Snapdragon® X Eliteを搭載していましたが、先に紹介したとおり、この製品はAMDのAMD Ryzen™ AI 300 シリーズ・プロセッサーを搭載しています。モデルとしてスタンダードモデル、スタンダードプラスモデル、パフォーマンスモデルが提供されますが、それぞれ統合プロセッサーとしてのAMD Ryzen™ AI 9 HX 365(10コア/20スレッド)やAMD Ryzen™ AI 9 HX 375(12コア/24 スレッド)に加え、AMD Radeon™ 890M、880Mなどの高性能Radeon™ GPUを搭載しています。
Windowsパソコンに搭載されるプロセッサーとしては、先行するQualcommプロセッサーの搭載製品はまだ少数でした。その一方で、Windowsパソコン用プロセッサーの老舗ベンダーとして、古くから知られているIntelやAMDのプロセッサーは、過去の実績と圧倒的な搭載製品の多さで絶大な信頼感を勝ち得てきました。
Qualcomm® Snapdragon® XシリーズSoCに続く2番目のプロセッサー製品として、AMD Ryzen™ AI 300 シリーズが加わり、新たな競争関係が生まれました。そしてどん尻に控えているIntelの製品の登場ももうすぐだとされています。これら3社の製品が揃ったところで、真の意味でのAIプロセッサーの競争世界が繰り広げられることになるはずです。
この競争によって、消費者であるわれわれは豊富な選択肢の中から、用途や予算に応じた製品を選ぶことが出来るようになります。その競争がこの先のAI活用に大きな影響を与えることは間違いありません。
HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。
Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。
組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。
※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。
※2024年9月19日時点の情報です。内容は変更となる場合があります。
ハイブリッドなワークプレイス向けに設計された Windows 11 Pro は、さらに効率的、シームレス、安全に働くために必要なビジネス機能と管理機能を搭載しております。HPのビジネスPCに搭載しているHP独自機能はWindows 11で強化された機能を補完し、利便性と生産性を高めます。