掲載日:2021/10/25

バッテリー駆動&充電時間(HP Fast Charge)の実測値レポート【試した製品:HP Elite Dragonfly G2】

 AC電源が確保できなくても内蔵バッテリーだけで長時間使えるのがモバイルノートパソコンの強みです。今では20時間を超えるような製品も珍しくありません。ただ、それはスペック上の話であって、実際に運用してみるとそうじゃないんだと痛感します。そこで、いろんな条件でバッテリー駆動時間を試してみました。



バッテリー駆動時間の現実はスペックと違う

 カフェやパブリックスペース、電車や飛行機内など、多くの場所でAC電源が容易に確保できるようになっています。でも会議室でメモのためにノートパソコンを開くとか、ちょっとしたメール対応のためにベンチに座って過去の資料を確認するといったときに、いちいちアダプターをつなぐというのもめんどうなものです。電源のことを考えないで、使いたいときに使えるというのが望ましいと思いませんか。

 今回、検証のために使ったのはHP Elite Dragonfly G2で、第11世代Core™ i7搭載の5G通信対応機です。インテル® Evo™ プラットフォームに対応し、現時点で考えられる最高のモダンPC製品のひとつです。

 搭載されているバッテリーはリチウムイオンポリマー56Wh(4セル)で、JEITA2.0でのバッテリー駆動時間は17.6時間となっています。果たして本当にそんなに長く使えるでしょうか。

 JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)が提唱する測定法JEITA2.0では、音量は最低、画面輝度を150カンデラ平米(150nits)以上に設定し、Wi-Fiアクセスポイントに接続した状態を保ちながらフルスクリーンで動画を再生します。インターネットを介したデータの伝送は行わなくてもいいことになっています。日本でPCを販売する各社の製品のほとんどが記載している値で、比較の際の目安となります。



普通にWi-Fi接続で使ってみた - 10.5時間

 検証としては、バッテリーベンチマークの定番アプリ「BBench」の力を借りました。計測をスタートするとバッテリーが1%減るごとに、計測スタート時からの秒数を記録してくれます。Windowsの設定は、バッテリー残り容量が5%になると休止状態に移行するようになっています。

 この状態で、アマゾンプライムビデオのドラマをフルスクリーンで連続再生させてみました。輝度は50%程度に設定してあります。1,000nitsの明るさの液晶なので、半分の明るさでも十二分に明るく視認性は十分に確保されています。BBenchにはキーボード入力をエミュレートする機能があるので、10秒に一度キー入力して操作を続けているふりをさせます。ちなみにプロセッサーの使用率はずっと3%程度を推移しているすぎません。たいていの事務作業の負荷はそんなものです。

 今回の計測は、JEITA2.0と条件は似ていますが、動画再生のデータをインターネット経由でストリーミング再生しています。JEITA2.0ではローカルストレージに置いたデータを再生しているのでバッテリーへの負荷は異なるはずです。

 100%の状態で計測をスタートし、バッテリーの残り容量5%になって休止状態に移行したのは37,978秒後でした。つまり約10.5時間ということになります。やはりJEITA2.0のバッテリー駆動時間は話半分と考えた方がよさそうです。

 

 

WAN接続ならちょっと短くなる - 9時間

 Elite Dragonfly G2は、5G WAN通信にも対応しています。ただ、5Gが使えるエリアは都市部でもまだ限られていて、残念ながら、自室からはLTEでしかつながりません。そこで、LTEで同様のテストを試行してみました。

 10時間超のテストを繰り返すのはつらいので、100%でスタートしてバッテリー残り容量が80%になるまでにどのくらいかかったかを調べてみたところ、6,894秒でした。つまり1.9時間です。バッテリーの低下はほぼリニアなのでこのままテストを続けるとちょうど9時間後に残り容量が5%になって休止状態に移行するであろうことが予測できます。Wi-Fi6時よりも1.5時間短くなるということです。Wi-FiよりもLTE通信の方がバッテリーへの負荷が高いことがわかりました。Wi-Fi通信に対してバッテリー駆動時間が約85%となる計算です。

 

 

WANをオフでWi-Fiだけならわずかに延びた - 10.7時間

 Wi-Fi通信中もLTEはオンのままで接続を維持しています。データ通信はほとんどしていなくても、ある程度のバッテリー負荷はあるはずです。

 そこで、Windowsの設定で「携帯ネットワーク」をオフにしてLTEの通信がいっさい行われないように設定し、Wi-Fiのみの通信で同じことを試してみました。

 すると、バッテリーの残り容量が80%になるまでに8,127秒かかりました。つまり2.3時間です。このまま使い続けると10.7時間後に休止状態に移行するはずです。誤差の範囲内ですね。使わない携帯ネットワークはオンでもオフでもバッテリー消費にはさほど大きなインパクトにはなっていないことがわかります。

 

 

WANモデムを無効にしたらどうなるのか - 10.9時間

 パソコンを開けばいつでもどこでもインターネットにつながっているというのはWAN対応機の便利なところで、その「携帯ネットワーク」がオンのままでもバッテリー消費には大きなインパクトはないのはうれしいです。

 それなら、デバイスマネージャでWAN用モデムのQualcomm snapdragon X55-5Gを無効にしたらどうなるでしょう。試してみました。

 結果は残り容量80%になるまでに8240秒かかりました。10.9時間後に休止状態に移行するはずです。わずかに延びました。便利さの点では常時オンがいいに決まっているのですが、この日はどうにもAC電源を利用できる状況にはなさそうだという臨戦態勢のときには覚えておくとよさそうです。

 

いろいろな条件下でのバッテリー駆動時間

評価機 日本HP Elite Dragonfly G2において、アマゾンプライムビデオのドラマ動画を流しっぱなしでバッテリー駆動し、残り容量が5%になるまでの時間(含予想)。 評価機 日本HP Elite Dragonfly G2において、アマゾンプライムビデオのドラマ動画を流しっぱなしでバッテリー駆動し、残り容量が5%になるまでの時間(含予想)。


消費したバッテリーを急速に復活させる - 30分で46%

 おまけとして、Elite Dragonfly G2に搭載されている「HP Fast Charge」を試してみました。これは同梱のHP 65WスマートACアダプターを使った急速充電のための機能で、システムがオフの状態(「シャットダウン」コマンドを利用)で30分以内に電池を50%充電することができるというものです。

 シャットダウンとは状態がちょっと違いますが、ここまでのテストでバッテリーが5%になって休止状態になった本体に、このACアダプターを接続し、30分後に復帰させてバッテリーの残り容量を確認したところ51%でした。30分で46%の充電ができたことになります。なお、50%まで充電すると通常スピードの充電に戻ります。これはバッテリーをいたわるためです。そのままキー入力をエミュレートした状態を続けると約2.3時間でフル充電になりました。

 バッテリーの残り容量が50%あれば、どんな使い方をしても余裕で4~5時間程度は使えるはずです。つまり、ランチの間に充電すれば、午後に使うバッテリー駆動時間をまるっと確保できるのは心強いですね。

 



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