HPがガートナー セキュリティ&リスク・マネジメント サミットに参加
2025-09-11

2025年7月26日~28日、グランドニッコー東京 台場 にて「ガートナーセキュリティ&リスク・マネジメント サミット」が開催された。悪意が進化を続けている中、セキュリティとリスクを常に先読みし、瞬時の判断をしていかなくてはならない。今回のイベントでは、そのための最新情報が集結し、講演や展示といった形で紹介されていた。HPもこのイベントに参加、会場を大いに盛り上げた。ここではHPが発表した内容を紹介していこう。
取材:中山 一弘
HPからは注目のセキュリティソリューションを展示
ガートナー セキュリティ&リスク・マネジメント サミットでのHPの役割は主にブース展示と同社セキュリティエバンジェリスト木下氏によるシアターセッションでの最新のサイバーセキュリティの動向とソリューションの紹介だ。このイベントに参加するには完全な事前登録の上、参加費が必要となる。価格も早期割引で19万4,000円、通常価格で22万1,000円という設定だが、来場者にとってはそれだけの価値がある情報が手に入れられる場所にもなっていると感じる。
そんな来場者へ向けてHPが提供したのは「HP Sure Click Enterprise」と「HP Protect and Trace with Wolf Connect」のふたつのソリューションだ。
HP Sure Click Enterpriseは、OS上に仮想空間を展開し、その中でアプリケーションを開くという仕組みを採用したセキュリティソリューションだ。これにより、悪意が含まれたドキュメントやファイルは仮想空間の中でしか実行されない。つまり、仮に悪意が展開されたとしても、アプリケーションを閉じさえすれば無かったことになるのが特長となっている。
この仕組みを使ってブラウザを仮想空間の中で開くことで、インターネット上のWebページに紛れたプログラムの侵入を阻むこともでき、独自のセキュアブラウザと合わせて使用することでさらに万全な体制を組むことが可能だ。
これらの特長により、ユーザーは特にセキュリティを意識することなく、業務に集中できるため、強固なセキュリティを手に入れつつ、生産性の維持を実現することができる。まさにエンドポイントセキュリティの強化に最適なソリューションといえる。
一方のHP Protect and Trace with Wolf Connectはこれまでに無かった、PCの電源がオフの状態でも「探す」「PCをロックする」「データ消去する」といった操作をリモート環境から命令できるMDMソリューションだ。
これを実現しているのは、対応PCに搭載されるLTE-Cat MというIoT通信デバイスに用いられる規格のモデムの採用によるもので、非常に低い消費電力で動作することから、日常のバッテリー消費にあまり影響を与えることなく運用が可能だ。また、これによる通信料金は、HPがグローバル単位で各国の携帯キャリアと契約しており、すべての費用は購入時の価格に含まれているため追加料金の発生がないのもメリットといえる。
通信モジュールを搭載する仕様となっているため、サービスを受けるにはHP製の対応PCのみが対象のソリューションとなり、後からの追加は基本的にできないので注意が必要だ。ただし、万が一の盗難や紛失への万全な備えとしては非常に強力で、機能を絞っている分、運用負担も少なく、社外で使われるPCに対して高いセキュリティを付与できるソリューションでもある。ハイブリッドワークが日常化しつつある昨今のビジネス事情にマッチしたMDMといえるだろう。
HPのシアターセッションも満席
シアターセッション会場では木下氏による「次世代エンドポイントセキュリティの最前線」と題された講演もおこなわれた。ここでは、サイバーセキュリティにまつわる事故、事件の年表形式での振り返りや、2025年上半期を対象として企業を狙った悪意の攻撃手法とその分析内容の発表などがおこなわれた。
攻撃の対象となっているのはやはりクライアントPCであることが多く、エンドポイント保護がいかに重要か浮き彫りとなった。攻撃手法においてはOS上だけでなく、BIOS/ファームウェアといったカーネル以下の層にも影響が及び始めていると分析。さらに最新の攻撃手法は「Living off The Land(LotL)」によるものが大半であると報告した。正規の署名を使った悪意なので従来のアンチウイルスソフトでは発見が難しく、容易に侵入されるため十分な注意が必要だ。
さらに木下氏はセキュリティ対策として現在主流となっているEDRとHPが持つ仮想化技術を対比し、お互いの長所を説明しながらも、エンドポイント保護という意味では仮想化に優位性があることを示唆。HP Sure Clickが持つ脅威の封じ込めという手法が、いかに複雑化する脅威への対抗手段となり得るかを来場者に説明した。
今後も可能性が広がるHPセキュリティソリューション
「オープンなイベントと違い、今回は来場される方が限定されていることもあって、質問や相談が具体的かつかなり踏み込んだ内容が多い印象です。情報システム部の中でもセキュリティ担当者の方が多いこともあって、実際の自社システムへ導入した際の影響など、真剣にお話されていらっしゃいました」と木下氏。HPとしても普段とは違う層の来場者にソリューションをアピールした結果になったようだ。
また、もうひとつ目立った声として「HP Sure Click」というテクノロジーを初めて知った。もっと早く知りたかったといった内容も多かったのだという。「中には、もっと注目されてよいはずだと力説される方もいらっしゃいました。そういった意味では、今後のPRへ向けて、良い情報をたくさんいただけた形ですね」と木下氏は笑顔で答えてくれた。
HP Protect and Trace with Wolf Connectに関しても好評で、問い合わせが多かったという。「ただし、セキュリティ担当者とは違い、こちらはPCの資産管理を兼ねる部署の扱いになることが多いようで、担当部署へ持ち帰りたいという方がほとんどでした。しかし、質問は多かったので、反応は良かったと思います」と木下氏は総括する。
3日間を通して非常に多くの来場者が訪れた本イベントは終幕となった。HPは新たな層へのPRの場になっただけでなく、これまでHPのセキュリティソリューションになじみが無かった人にとっては、大きな可能性を感じてもらえたはずだ。HPはこれからもセキュリティ関連イベントに積極的に参加していくので、HPのソリューションに興味があるという方はぜひご来場いただき、直接体感していただきたいと思う。
次回のセキュリティイベントはこちら
イベント名:Security Days Fall 2025 Tokyo
URL:https://f2ff.jp/event/secd#outline
会期:2025年10月21日(火)~10月24日(金)
場所:【東京会場】JPタワーホール&カンファレンス(KITTE 4F)
〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-7-2 JPタワー・KITTE 4F JPタワーホール&カンファレンス
参加費:展示会・セミナーともに無料(来場登録制)
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