ChromeOS

2024.07.29

日本HP、ChromeOS DX Connect Tokyo / Osakaに出展

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「ChromeOS と Chrome ブラウザ で持続可能なITへ」をテーマに開催された ChromeOS DX Connect Tokyo / Osaka。昨年は「ChromeOS DX Roadshow」という名称で全国開催されたものと、コンセプトを同じくするイベントだ。採用する企業や自治体が増え続けている中、6月19日に東京、7月10日に大阪と、2会場が用意され、日本HPも出展。ここでは東京会場の模様をお伝えしたいと思う。

取材:中山一弘

アップデート情報がたっぷり詰まったHPブース

2024年6月19日、会場となったANAインターコンチネンタルホテル東京には朝早くから大勢の来場者が詰め寄せた。会場内には、たくさんの事業者と共にHPブースが構えられている。HPは ChromeOS 製品や関係ソリューションで非常に多くの企業や自治体の採用が多いベンダーなだけに、会場に足を運んでいる来場者から注目されていた。

ChromeOS DX Connect Tokyo のHPブース

2024年においては、DXの促進はもちろん、セカンドGIGAが開始されるなど、自治体としても大きな節目となっているようだ。イベントの中心的な存在でもある、ChromeOS への乗り換えを検討する自治体も増えており、すでに導入を始めている自治体の事例を持つHPへの期待は非常に大きかったようだ。

当日ブースの概要を解説してくれた日笠氏

そんな中、HPの提案として最初に目に入ったのは、ビジネス向け Chromebook のフラッグシップとなっている「HP Dragonfly」シリーズだ。「HP Elite Dragonfly Chromebook Enterprise をこちらにお持ちしたのは、HP eSIM Connect対応モデルがいよいよリリースされるからです。実は以前から、本モデルについてお客様から対応モデルは無いのかと質問されることが多かったので、いち早くこのイベントにおいでいただいた方にニュースをお届けしたいと思い、展示させていただきました」と解説する日笠氏。

HP Elite Dragonfly Chromebook Enterprise

Chromebook においても、ハイパフォーマンスを要求する業務は多く、ヘビーユーザー向けの製品として、HP Elite Dragonfly Chromebook Enterprise は注目のモデルとなっている。

「HP eSIM Connect」は本体を買うと、容量無制限のデータ通信サービスが追加料金や月額課金なしで添付される画期的ソリューションだ。ビジネスPC版が先行発売されており、すでに多くの企業が採用を始めている。

つまり、ハイパフォーマンスな ChromeOS 環境に加え、拠点や自宅以外の場所でも、Wi-Fiに依存せずに自由にデータ通信が使える環境が手に入ることになる。働き方改革が進む中、先進的な環境を簡単に組み込むことが可能なので、DX促進という点でも非常に効果が高いソリューションだといえる。

HP Elite c640 G3 Chromebook Enterprise

また、「人気モデルHP Elite c640 G3 Chromebook Enterprise においては、ディスプレイがタッチ対応になるなど、トピックは多いですね」と話す日笠氏。ほかにもセカンドGIGA端末として発表された最新モデル「HP Fortis x360 G5 Chromebook」の基本パッケージ、応用パッケージも展示。「基本パッケージは今回設定された55,000円という価格に合わせた製品です。応用パッケージは価格が93,500円で、HP eSIM Connect対応になっています」と日笠氏。価格差はあるもの、GIGA端末にHP eSIM Connectが採用されることで、例えば持ち帰ったデバイスが家庭で使われる際の通信環境の平準化が実現できる。また、校舎内の通信環境改善なども期待できるので、こちらも注目度が高まっている製品となっている。

「Chromebook と相性がよいPolyの会議室ソリューションやヘッドセットも展示しています」と日笠氏。「Poly Sync 20 / 40 /60」といったスマートスピーカーや、ビデオバーの「Poly Studio R30」など、Web会議の品質を大きく向上させるソリューションはもちろん、有線、無線それぞれに必要なラインアップをそろえたPolyのヘッドセットなど、これまでの音響環境に快適さを届けてくれる製品群があるので、どのようなニーズにも合わせていけるのも豊富なポートフォリオを持つPolyの特長だろう。「あらゆる業種、組織で ChromeOS の存在感が増してきている中、HPとしてご提案できるものをこちらにご用意しました。すでに具体的なご質問などもたくさんいただいており、ChromeOS の注目度の高さを実感しているところです」と日笠氏は最後に語ってくれた。

HP Fortis x360 G5 Chromebook

Poly Sync 60

Poly Studio R30

ライトニングトークセッションも好評!

続いては会場内のセミナースペースにて行われたライトニングトークセッションの模様をお伝えしよう。プレゼンターはHP エンタープライズ営業統括の松本 英樹氏だ。「昨年から私たちも参加させていただいていますが、この1年でHP Chromebook をどのような企業、自治体様に導入いただいたかご報告したいと思います」と松本氏。

最初に紹介されたのは、このイベントのセミナー枠でも登壇した鹿児島市肝付町の事例だ。「肝付町様は、フロントはもちろん、バックエンドまで ChromeOS 環境をフル活用されている自治体様です」と松本氏。当日配布された資料には、肝付町における事例とシステム構成図なども提供された。気になる方はHPのホームページでご確認いただきたい。

鹿児島県肝付町導入事例

続いて、「ロッテ様の事例もご紹介しています。こちらは、Google Workspace とVDIのハイブリッド環境で運用されている先進的な事例となっています。また、前橋市様においては全職員2,700台近くにご導入いただきました。こちらの使い方もユニークで、Microsoft 365を ChromeOS 環境で使われている事例です」と説明する松本氏。同氏の語る事例の数々に、会場は引き込まれていく。

株式会社ロッテ導入事例
前橋市導入事例

大勢の来場者が訪れたHPのライトニングトークセッション

次に、HPの法人向け Chromebook、「HP Chromebook Enterprise」のラインアップについて説明を始める松本氏。「私たちがご提供するのは管理コンソールを提供するHP Chromebook Enterprise Upgrade に対応する2機種になります。コンソール無しのモデルもございますが、管理はとても大切なので、私たちとしては管理コンソールありのモデルをおすすめしています」(松本氏)。

その2機種というのは、先ほど日笠氏も教えてくれた「HP Elite Dragonfly Chromebook Enterprise」「HP Elite c640 G3 Chromebook Enterprise」の両モデルだ。「最近のアップデートとしては『Chromebook Plus』に対応させていただきました」と松本氏。Chromebook Plus では、 Google AI を最大限に活用できる。また、 Chromebook Plus デバイスのファイル同期機能により、ファイルはファイル マネージャーに自動的に同期される。これによりオフラインであっても Google ドキュメント、Google スプレッドシート、Google スライドにいつでもアクセスできるようになる。「このサービスはどんどん機能が追加されているので、今後ますます使いやすくなるのでないかと期待しています」(松本氏)。

また、HP Chromebook Enterprise については3つのキーワードでその特徴が理解できるという松本氏。「ハードウェア自体は Windows より安いのでは?とお考えの方もおられます。実はそんなことはなく、メモリも16GB、CPUもインテルなので、ハードウェア的なスペックの原価は大きくは変わりません。一般的には軽いOSではあるので低スペックでも動きますが、ブラウザをたくさん起ち上げるような使い方をされる場合にはそれではすぐに動作が重くなります。ハードな使い方をしても快適さを保つためにも、ハードウェアの価格で選ぶのではなく、『セキュリティ』や『つかいやすさ』『サステナブル』といった部分でみていくのがよいのではないかと考えます」と松本氏は語る。

松本氏は ChromeOS 自体が強固なセキュリティを持っていることを前提に、HP Chromebook Enterprise Upgrade による緻密なポリシー設定や、ファームウェアレベルを保護するHPの独自セキュリティチップの搭載、生体認証など、多層防御によるセキュリティ強化を説明。「OSはもちろん、OSの下層からシステムを防御することで、さらに安心してご利用いただけます」と話した。

また、「使いやすさ」に関してはWeb会議関連の機能について紹介。「VDIで一番不満が多いのがWeb会議です。これを回避するのにファットの Windows に変更されることも考えられますが、やはり ChromeOS はセキュリティの優位性が高いので、こちらで検討いただくケースも多いと思います。その際、サウンドやカメラ、ノイズキャンセルなどの機能が重要になります」と松本氏。

例えば、HP Elite Dragonfly Chromebook Enterprise では、5メガピクセルの高精細Webカメラや、360度全方位のデュアルマイク、AIベースのノイズキャンセル機能など、Web会議向けの機能が充実している。「これらの違いは体感していただくのが一番なので、ぜひ検証機をお貸出しさせていただければと思います」と松本氏は語る。

「『サステナブル』の面ですが、例えば Windows から ChromeOS へ切り替える際、現状使っているWindows PCを処分する際の回収コストやデータ消去コストも結構掛かってしまうこともあると思います。HPは、それらの端末を1台あたり5,000円で買い取り、きちんとした形でデータ消去して再生、リユースするプログラムを提供しています。これにより、環境をスイッチする際のコストを低減することが可能です」と語る松本氏。これら3つのキーワードによって、HP製品の特長がよく理解できるので、比較検討する際の差別化ポイントも容易に見つけることができるはずだ。

ライトニングトークセッションはここで時間切れとなったが、隣の会場では各種セミナーも続いており、休憩時間にはHPブースには次々と来場者が訪れていた。ChromeOS への移行や更新を考えているすべての企業・組織は一度HPに相談してみるとよいだろう。

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