人手不足時代に広がる「AI 社員」日本HPが描く人と AI の新しい協働

日経BP「AIリーダーズ会議 2026 Autumn」

2026-10-26

(左)日経BP AI・データラボ所長 中田 敦氏 (右)日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーションビジネス開発部 AI/DS 市場開発担当部長 勝谷 裕史氏
(左)日経BP AI・データラボ所長 中田 敦氏 (右)日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーションビジネス開発部 AI/DS 市場開発担当部長 勝谷 裕史氏
(左)日経BP AI・データラボ所長 中田 敦氏 (右)日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーションビジネス開発部 AI/DS 市場開発担当部長 勝谷 裕史氏

本記事は日経BPより許諾を得て掲載しています

生成 AI を「質問に答える道具」から、「仕事を担う存在」へ。その変化が企業の AI 活用を次の段階へ押し上げている。日経 BP が 2026 年 9 月 1 、 2 日に開催した「AI リーダーズ会議 2026 Autumn」では、 AI を経営や業務にどう組み込み、企業変革につなげるかが主要なテーマとなった。日本 HP は、人手不足を背景に AI を新たな経営資源として捉えるパートナーセッション「人手不足時代の新しい経営資源― AI 社員が企業の人材不足を救う―」を開催した。日経 BP の AI ・データラボ所長の中田 敦 氏と、エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーションビジネス開発部の勝谷 裕史 AI/DS 市場開発担当部長が、 AI 秘書、専門業務を担う AI 社員、さらには AI 管理職へと広がる将来像と、それを支えるローカル AI 基盤について語り合った。 AI エージェントから「AI 社員」への進化、人材不足や組織知の継承、ローカル AI と AI ワークステーションの役割など、人と AI がそれぞれの強みを生かして働く組織の姿を探った。

AI の企業導入は、今どのような段階にあるのでしょうか。

勝谷

新しい製品やサービスが普及する際には、初期の利用者から本格的な普及層へ広がる間に「キャズム」と呼ばれる壁がありますが、生成 AI は、すでにキャズムを越えたと考えています。

2025 年までは、大企業のお客様から AI に関して「競合他社はどのようなことをしているのか」「業界の事例を教えてほしい」といった相談を受けることが多くありました。それが 2026 年に入り、何らかの形で実際に導入する企業が増えてきました。

これまでの AI は、文章や画像などを「生成すること」が中心でした。今はそこから一段進み、 AI が仕事そのものを実行する「AI エージェント」の導入段階に入っています。この先にはフィジカル AI や汎用人工知能(AGI)もありますが、企業にとって当面のテーマは AI エージェントをどう実務に組み込むかでしょう。

2026年はAIエージェントの導入競争がスタート
2026年はAIエージェントの導入競争がスタート

AI エージェントを動かす基盤も変わっていきますか。

勝谷

これまでは AI というと GPU (画像処理装置)の性能に目が行きがちでした。しかし AI エージェントの時代になると、 CPU (中央演算処理装置)も重要です。さらに CPU を支える SSD (ソリッドステートドライブ)やメモリーも効いてきます。どこか一つの性能が低ければ、そこがボトルネックになります。

日本 HP では、クラウド上の生成 AI だけに依存するのではなく、ワークステーションなど企業の手元で AI を動かす「ローカル AI 」を推進しています。ローカル生成 AI の特徴は、データ主権、レスポンス、コストに優れた社内で動く生成 AI である点です。企業のデータを外部へ出さず、その場で処理できることには大きな意味があります。

AIPCとCopilot+PCの定義のおさらい
AIPCとCopilot+PCの定義のおさらい

身近な PC にも AI エージェントが入ってくるのでしょうか。

勝谷

そう考えています。 AI PC は 2024 年ごろから定義が明確になり、私自身が集めているデータでは 2026 年 7 月時点で市場に出ているノート PC の約 45 %が AI PC になっています。 2030 年代には、 AI PC がほぼ標準 PC になる可能性もあります。

今後は、手元の PC で AI エージェントを利用することが当たり前になるでしょう。ただし、 AI PC を導入しただけでは意味がありません。その AI に何をさせるのか、どんな仕事を任せるのかを決めなければ、性能を遊ばせるだけになります。

AI を使ううえでは、高性能なモデルを選べばよいのでしょうか。

勝谷

AI エージェントはあくまで「道具」に過ぎません。米 Anthropic の「Claude」や米 OpenAI の「ChatGPT」などの高性能モデルだけを比べるのは、例えるなら自動車でスポーツカーばかりを比較するようなものです。街中で買い物をするのに毎回スポーツカーが必要なわけではありません。

重要なのは、 AI の用途、性能、コスト、扱うデータ、必要なレスポンスを見極めて選ぶことです。レスポンスが非常に重要な仕事であれば、ローカル AI が適している場合もあります。これから企業側には、 AI という道具を使い分ける「目利き力」が求められるでしょう。

そこで「AI 社員」という考え方が出てくるわけですね。

勝谷

これまで LLM (大規模言語モデル)は、主としてインターネット上に公開されたデータを学習してきました。ただ、公開された人間が生成するデータには限りがあります。 2028 年以降に LLM の学習データが枯渇する恐れがあるという研究もあります。

私は、次に重要になるのは企業内データではないかと考えています。企業内データを AI エージェントが読み込める状態にすれば、その AI はその会社の仕事や知識を理解した存在になります。それを「AI 社員」と呼んでもよいのではないでしょうか。

これからは企業内データがAIの競争力に
これからは企業内データがAIの競争力に

企業にとって、 AI 社員の価値はどこにありますか。

勝谷

大きいのは「組織知の継承」です。会社には、ベテラン社員や経営層が長年の経験の中で身に付けてきた知識があります。ただ、その人が退職すると、「これは誰に聞けばいいのか分からない」ということが起きます。

そうした知識を AI エージェントに学習させておけば、人が退職しても知識そのものは残せます。ハードウェアが壊れたとしても、別のハードウェアへ移せばよい。知識を次の世代へ渡し続けられることが重要です。

新入社員や中途入社の社員も、これまでは先輩社員から OJT (オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で仕事を教わってきました。今後は AI 社員から学ぶケースも増えると思います。実際、医療系などの PoC (概念実証)をしていると、「人手不足で先輩社員が OJT をする時間がない」という相談があります。 AI エージェントが教育を補完する役割は大きくなるでしょう。

人手不足をAI社員で補う
人手不足をAI社員で補う

AI に仕事を奪われるという懸念とは、少し違う捉え方ですね。

勝谷

そこは非常に重要です。私は、「今いる人を AI に置き換える」という考え方ではなく、「採用できない人を AI 社員で補う」という考え方が必要だと思っています。

例えば、本来 100 人必要な業務があったとします。しかし、人手不足によって 80 人しか採用できない。そこで不足する 20 人を AI 社員で補うわけです。

企業を訪問すると、「派遣社員が作業している業務を生成 AI に置き換えたい」「内製業務を AI にやらせたい」という話を聞くことがあります。そう説明すると現場の社員は「自分の仕事がなくなるのではないか」と受け止め、反発が起きます。

そうではなく、人を採用したくても採用できない部分を AI 社員で補完する。これから導入を進めるうえでは、この位置付けが非常に重要です。

経営側には投資効果の説明も必要です。

勝谷

当然、数字で示す必要があります。例えば、 20 人分の仕事を AI 社員で補う場合を試算してみましょう。 AI 社員は 365 日動けますから、人間の勤務時間との違いを踏まえると約 4.4 体、概算で 4 体程度が必要という計算になります。

年収 600 万円相当で試算すると、人件費換算で年間 1.2 億円の効果を見込めます。また、 AI エージェントと人間が協働することで、想定条件下では人の生産性を 1.25 倍にできるという試算もあります。ただし、これはあくまで一例です。業務内容も人件費も必要な AI の数も企業ごとに違います。それぞれの企業が自社の条件で計算し直す必要があります。

AI 社員は、具体的にはどのような形で社内に入ってくるのでしょう。

勝谷

一般の社員が最初に接する AI 社員は、おそらく「AI 秘書」でしょう。メールの要約、翻訳、議事録の作成、スケジューリングなどです。全社員が使う共通の AI 社員というイメージです。

その先には業務に特化した AI 社員があります。例えば設計、品質、調達、営業です。こうした専門業務では、その仕事に必要なデータやモデルを持った AI 社員を作ることになるでしょう。

日常の特定業務を担う専門 AI であれば、軽自動車のように小回りの利くシステムでよい。実際、約 100 万円クラスの小型ワークステーションでも、高性能な AI モデルをローカルで動かせるようになっています。

人とAIが協働しで成果を出す仕組みが必要
人とAIが協働しで成果を出す仕組みが必要

その先には AI の管理職もあり得るのでしょうか。

勝谷

私は「AI 管理職」も出てくると思っています。社員が増えれば、その仕事をまとめ、全体を見る管理職が必要になります。それは AI 社員でも同じです。

複数の AI 社員の状況を把握し、仕事を振り分ける AI 管理職が必要になるでしょう。その場合は、より大きな処理能力を持つワークステーションが必要になります。秘書型、専門職型、管理職型という形で、 AI 社員にも役割の階層が生まれてくると考えています。

ローカルで AI 社員を動かすハードウェアも、かなり進化しています。

勝谷

進化の速度は非常に速いです。例えば、約 100 万円クラスの小型機は、約 1000 AI TOPS の性能を持ち、 GPT OSS 120B ( 1200 億パラメータ級モデル)を動かせるという水準です。 2024 年ごろならクラウドでなければ難しかった規模の LLM を、手元で動かせるようになっています。

一方で、大規模な AI 社員や AI 管理職を動かすためには、さらに高性能な基盤が必要になります。通常、高性能な AI サーバーを動かそうとすると 200V 電源や空調、専用のサーバールームなどが必要ですが、 2026 年 10 月登場する新製品ではオフィスや会議室に置ける形になる予定です。

ただし、ハードウェア価格の上昇は無視できませんので、性能だけでなく、導入コストも含めて最適な構成を考える必要があります。

人とAI、それぞれの社員の役割
人とAI、それぞれの社員の役割

人間と AI 社員は、どのように役割を分けるべきでしょうか。

勝谷

人間の役割は「判断を下す」「創造する」「責任を持つ」という 3 つです。一方、 AI 社員には 24 時間の調査、監視、職務の実行を任せることができます。

AI 社員が 24 時間働くようになると、逆に人間の判断がボトルネックになる可能性があります。人が夜に休んでいる間も AI 社員は仕事を続けます。朝出社したら、判断を求める案件が大量にたまっているということも起きるでしょう。そうなると、すべてを人が判断するのではなく、一定の範囲は AI 管理職へ権限を委ねるという議論も必要になります。

重要なのは、人と AI のどちらが優れているかではありません。 AI に何を任せ、人が何を担うのかを決めることです。そのためには業務だけでなく、データとハードウェアまで含めて仕組みを設計しなければなりません。

企業の大切なファイルを外部のクラウドにアップロードすることに不安を持つ人もいます。ローカル AI なら、社員に与えられた PC やワークステーションの中で処理できます。人と AI 社員がそれぞれの強みを発揮できる環境を作る。それが、人手不足の時代に持続的に成長できる組織につながると考えています。

HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。

Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。

組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

ハイブリッドワークに最適化された、Windows 11 Pro+HP ビジネスPC

ハイブリッドなワークプレイス向けに設計された Windows 11 Pro は、さらに効率的、シームレス、安全に働くために必要なビジネス機能と管理機能があります。HPのビジネスPCに搭載しているHP独自機能は Windows 11 で強化された機能を補完し、利便性と生産性を高めます。

詳細はこちら

日本HP 公式オンラインストア
HP Directplus
用途やニーズでカスタマイズ可能

法人向けPC国内シェアNo.1。直販サイト限定の多彩なラインナップと特別キャンペーンをお見逃しなく。信頼のパフォーマンスと強固なセキュリティを備えた最新モデルを、1台からお得にお見積り可能。ビジネスを加速させる最適なPCソリューションを、あなたの手に。

HPのダイレクトストアはこちら

「AIの進化と活用事例」の人気記事

AIの進化と活用事例