2024.10.31
ハイブリッドワークでは電源がない場所で長時間仕事をすることもあるため、バッテリー駆動時間は重要だ。今回試用したモデルは68ワット時の大容量バッテリーを搭載しており、「MobileMark 25」によるベンチマークテストでは最大20時間というバッテリー駆動時間を実現している。
実際にWi-Fiを有効にした状態で、Webブラウザで調べ物をしながらテキストエディタで原稿を書いてみたところ、6時間の作業後でもバッテリーは55%も残っていた(電源モードはバランス、液晶輝度は50)。インターネットで検索しながら文書作成するような比較的負荷が低い利用方法なら、フル充電で12時間は十分持つだろう。Core Ultraの省電力性能の高さが存分に発揮されていると言える。筆者が普段使っている第12世代Coreプロセッサー搭載モバイルノートPCと比べて、バッテリーが2倍以上持つ感覚だ。これなら1日たっぷり使っても、まずバッテリーが切れる心配はないだろう。付属のACアダプターもコンパクトで薄く、軽いこともありがたい。
ボディーのデザインも魅力的だ。グレイシャーシルバーと言う明るく透明感のある新色で、指紋や汚れが付きにくいコーティング仕上げになっている。軽くて丈夫なマグネシウム合金を採用して高い堅牢(けんろう)性と耐久性を実現しているので、安心して持ち運べる。堅牢性については、HP独自の12万時間を超えるテストと米軍調達規格の「MIL-STD-810H」をクリアしている。
ボディーの質感や手で触わった感触も優れており、ラグジュアリーな雰囲気が感じられる。本体重量は約1.2キロと軽く、厚さは最厚部で17.55ミリとスリムだ。実際に持ってみたが、この重量と薄さなら気軽に持ち運べた。
ボディーカラーのグレイシャーシルバーは透明感があって美しい
HP eSIM Connectも非常に便利だった。電源を入れるとすぐにWWAN(Wireless Wide Area Network)でインターネットに接続するため、スマートフォンと同じ感覚でメールチェックやWebサイトの閲覧などができる。セキュリティ面の不安を感じながらフリーWi-Fiを使ったりパケット代を気にしながらテザリングを利用したりする必要がなくなるため、一度この環境に慣れてしまうともう元には戻れないだろう。
HP EliteBook 1040 G11は、キーボードやクリックパッドの使い勝手も優れている。キーボードはバックライト付きの85キーで、WindowsのAI機能をワンタッチで呼び出せるCopilotキーも用意されている。キーピッチは19ミリで、配列も標準的で使いやすい。キートロークも1.3ミリと十分で、ぐらつかず快適に打鍵できる。クリックパッドは大型でマルチジェスチャーにも対応しており、操作性は良好だ。
キー配列も標準的で使いやすく、キータッチも良好だ。クリックパッドも大型で操作しやすい
インタフェースも充実している。HP EliteBook 1040 G11は、右側面にUSB Type-AとUSB Type-Cが1基ずつ、左側面にHDMI 2.1が1基、Thunderbolt 4が2基、ヘッドセット端子がある。Thunderbolt 4は最大40Gbpsの高速通信が可能な他、USB Type-Cとしても利用できる。USB Type-Cとして利用できる3基のポートは全てUSB PDやDisplayPort 1.4に対応しており、どのポートにACアダプターをつないでも充電できるのは便利だ。eSIM対応モデルはnanoSIMカードスロットも備える。HDMI端子もあるので、プロジェクターやセカンドディスプレイに出力する場合もアダプターなどを使う必要がない。ビジネスシーンで必要なものをよく考えて作られた製品と言えるだろう。
本体の右側面にはUSB Type-AとUSB Type-Cが1基ずつあり、eSIM対応モデルはnanoSIMカードスロットもある
左側面のインタフェース部分のアップ。HDMI 2.1が1基とThunderbolt 4が2基、ヘッドセット端子がある
HP EliteBook 1040 G11は多様化するビジネス環境の要求にしっかりと応えてくれる完成度の高いモバイルノートPCだ。特に性能の高さとバッテリー駆動時間の長さには驚かされた。HP独自のセキュリティ機能も非常に充実しており、ハイブリッドワークが広がったAI時代にふさわしい製品と言える。
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