HP、流通業の一大イベント、流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2025」に出展 ―AIプログラムとHPデジタルサイネージで実現する「VINX AIコンシェルジュ」も初公開—
2025-04-10
2025年3月4~7日、流通業者のDXを加速するデジタルテクノロジーやソリューションが一堂に会する日本最大級イベント「リテールテックJAPAN 2025」が今年も開催された。流通業に関する課題解決を促す最新の情報が手に入るということもあり、会場となった東京ビッグサイトには非常に多くの来場者が集まった。HPももちろん出展。2025年版の最新情報をイベントブースで披露した。さっそく、その内容を紹介しよう。
取材:中山 一弘

あらゆる店舗に導入可能なHP製品群
例年通り、HPも出展となったリテールテック。人手不足、消費行動の変化への対応、物流法改正への対応など、流通業に山積している課題を解決する最新の「流通DX」を紹介するイベントとして毎年多くの来場者を呼んでいる。多彩なPOSポートフォリオを持つHPもこのイベントには毎年参加。2025年版となる今回は、内容も更新されHPブースは準備万端とばかりに来場者を待ち受けていた。

「HPはハードウェアベンダーなので、製品群を適材適所でご活用いただければ、様々な場所にマッチします。設置の柔軟性や業務に適したデザインなどをみていただくというコンセプトでブースを設計しました」と語るのは当日の案内を担当していただいた浦野氏だ。
「こちらのコーナーにあるのがオールインワン一体型の製品たちです。中でも2025年2月に日本で発売開始となったばかりの『HP Engage One Pro G2』シリーズは最新モデルとなります」とブースの中央に設置された製品を指さす浦野氏。 同モデルは15.6インチ、19.5インチ、23.8インチと、設置する店舗のレジカウンターサイズにマッチするディスプレイサイズを選べるのがメリットだ。



「G1世代からの共通デザインとして、縦置き、横置きの両対応が可能です。スタンドやポールマウントは豊富なデザインからお選びいただけるのでスマートに設置できます」と浦野氏。特に「アドバンスドスタンド」は12~140°の範囲で手前側、奥側ともに傾斜させることができるためレジ入力をしながら、相手側へ倒してサインを入力してもらうといった使い方も可能になる。

「ディスプレイ部はVESAマウントを採用していますから壁掛けにもできます。ケーブルをみえにくくしたり、逆に豊富な本体となるモジュラーのポートを利用して周辺機器と連携させたりと、汎用性と拡張性にも優れています。例えば、Polyのビデオバーを接続して、オペレーター室と繋げれば、HP Engage One Proを介してエンドユーザーとコミュニケーションすることも可能です」と浦野氏。G2世代になり、プロセッサーがそれまでは第10世代のインテル® Core™ プロセッサーだったのに対し、第14世代インテル® Core™ プロセッサーに変更されたことからもわかるようにパフォーマンスも大幅に向上しているのも特長だ。この拡張性の高さと、パフォーマンスを活かしたAI活用も始まっている。こちらに関しては非常に興味深いテクノロジーなので、本記事の後半で詳しく解説したい。
ミニ筐体が人気に、幅広ポートフォリオで来場者を迎えるHP
次に紹介していただいたのはPOS製品の中核を担うモジュラー製品だ。「『HP Engage Flex Pro G2』シリーズを中心に、多彩なサイズ展開がございます」と浦野氏。拡張性という意味では圧倒なHP Engage Flex Pro G2シリーズ。豊富なUSBポートはもちろん、PCIe拡張スロットは合計4基用意されており、様々なボードを追加できる。これにより、様々な周辺機器と連携できるため、店舗のデジタルシステムの中心に置くことができる頼もしいアイテムといえる。

「また、店舗のレジカウンターがとても小さいという場合でも手のひらサイズの『HP Engage Flex Mini』がご用意できます。こちらのモジュラーと汎用のタッチモニターを組み合わせると10インチサイズでPOSが完結できます。コンパクトな店舗でも最新のPOSが導入できるのです」と浦野氏は説明する。


次に紹介してくれたのはタカラベルモント社のスマートデバイスミラー「ECILA」だ。「美容院やサロンさんに設置し、鏡の機能と共にディスプレイとしても機能するので、お客様の好みのイメージなどを投影しつつ、スタイリストが提案しやすい環境を作ることができる製品です。こうした新しい形のデジタルテクノロジーにも『HP Engage Flex Mini』が利用されています」と浦野氏。ECILAの背面にはHP Engage Flex Miniが設置されており、超小型モジュラーの汎用性の高さを証明していた。「Windows IoT OS を搭載することで、アップデートが少なく、安定した環境で長くご利用いただけるのもポイントです」と浦野氏は解説する。


このほか、高い拡張性と設置オプションの幅広さで人気のキオスク型「HP Engage Express」や、ドックに載せて固定でも使えるモバイル性の高さが特長のWindowsタブレット「HP Engage Go 10 Mobile / HP Engage Go 13 Mobile」など、見どころが随所にあったHPブース。人気の最新モデルはもちろんだが、それらを含めて店舗の実情をよくとらえている多様なポートフォリオを持つHPの強みが非常によく表現されているブースだと感じた。「POSをはじめ店舗要デバイスのことでお悩みの方はぜひHPへお気軽にご連絡ください。条件に合う製品がきっと見つかりますし、私たちも最善のご提案ができるよう尽力していきたいと思います」と浦野氏は最後に語ってくれた。
大注目のAIテクノロジーとデジタルサイネージの融合「AIコンシェルジュ」
では、ここからHP Engage One Pro G2およびスピーカーフォン「Poly Sync 20」の組み合わせでデモンストレーションがおこなわれた「AIコンシェルジュ」の内容を紹介していきたいと思う。なお、こちらの展示に関しては動画も用意してあるので、併せてご確認いただければと思う。

このソリューションは幅広い分野に使えるが、今回のデモはスーパーマーケットに設置されたデジタルサイネージに表示される AIコンシェルジュを相手に、対話型で特売品の表示から、おすすめレシピの紹介、さらにはその材料が販売されているエリアの表示までの情報が手に入るというもの。一連の使い方を紹介しておきたい。
スーパーマーケットへ来た買い物客としてAIコンシェルジュの前に立ったら、「今日の特売品を教えて?」と問いかけてみると、少しして特売品が表示される。この日は鶏肉が安いということだったので、そのまま「それを使った料理のレシピを教えて?」と問いかける。すると AIコンシェルジュからはホワイトシチューが提案された。そのまま、「その材料の売り場を教えて?」と問いかけると、スーパーマーケットのエリア表示がされ、どこのコーナーへ行けば材料が手に入るのかが一目瞭然で分かるというもの。
この一連の対話は非常になめらかで、出てきた回答を受けてそのまま問いかけを続けても破綻がないことから、AIは事前に自分が発言した内容を理解したうえで、ユーザーに対して受け答えをしていることが理解できる。今回はデモンストレーションということで、実際の店舗とは違う環境での実証実験になるが、特売品・おすすめレシピ・売り場情報を覚えるほどに回答の幅も広く、正確になっていくことが期待できる。まさに買い物をする際の頼れるコンシェルジュとして社会実装される日が近いことを期待したい。
見どころたっぷりだったリテールテック2025は最終的に7万5,845人の来場者が訪れたと発表があった。多くの来場者にとって、HPのテクノロジーや製品に触れる良い機会になったと思う。POSに関して、少しでも悩んでいることがあれば、ぜひHPへ相談していただきたい。
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