中小企業のIT投資、セキュリティ対策・強化にオススメな補助金
2026-08-07
※記事内容は、記事更新日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。
補助金は、個人事業主や中小企業にとって、事業の立ち上げ・拡大・継続を支援する大きな力となりますが、制度の種類や申請方法が複雑で、初めての方にはわかりづらいこともあります。
この記事では、補助金制度に詳しい公認会計士の専門家監修のもと、令和8年度に公募されている補助金をわかりやすく解説していきます。
監修者
- 株式会社Stayway 代表取締役CEO 公認会計士
東京大学経済学部卒業/公認会計士及び経営革新等支援機関デロイト トウシュ トーマツ出身。東京及びシアトルにおいて、IPO支援に従事したのち、香港本社のPEファンド・経営コンサルティングファームに勤務。「中小企業や地域のポテンシャルを開放」するため、2017年株式会社Staywayを創業。
令和8年度 IT・DX、セキュリティ関連の補助金6選
全国:デジタル化・AI導入補助金 ※旧称:IT導入補助金
IT導入補助金は次回の事業より、デジタル化・AI導入補助金という名称に変更となっております。AIの搭載有無を含む製品については、ITツール検索ページにより絞り込み検索が可能です。
中小企業が行う業務効率化やDX等に向けた指定のITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。今回は、PCも導入可能となるインボイス対応類型について解説いたします。
<対象設備>
- 会計・受発注・決済ソフト(必須)
- 会計・受発注・決済ソフトと併せて導入する、PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機等のハードウェア導入
※ソフトウェアの購入先として選定したIT導入支援事業者からの購入に限る
<主な申請要件>
- 中小企業の定義に当てはまること
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を行うこと など
<補助額>
- 会計・受発注・決済のうち1機能以上を有するソフトの導入
上限額:50万円(PCやプリンターは補助金額が計10万円まで)
補助率:3/4(PCやプリンターの経費は1/2)
※小規模事業者の場合は4/5 - 会計・受発注・決済のうち2機能以上を有するソフトの導入
上限額:350万円(PCやプリンターは補助金額が計10万円まで)
補助率:2/3(PCやプリンターの経費は1/2)
※小規模事業者の場合や、補助額50万円以下の部分は4/5
例① :単価10万円のPCの導入→補助金額5万円
例② :単価25万円のPCの導入→補助金額10万
参照:デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領 インボイス枠(インボイス対応類型)
全国:医療分野における生産性向上に対する支援
医療機関がICT機器等の導入によって業務効率化・職場環境改善に資する取組を行い、生産性向上を図る医療機関に対して必要な経費を支援することで、効率的で質の高い医療提供体制の構築を図ることを目的とした補助金です。(6月頃より各都道府県にて受付を開始)
<対象設備>
業務効率化・職場環境改善に資する取組を行い、生産性向上に繋がるICT機器の導入(以下は一例となります。最終的には予算の範囲に基づき厚生労働省が判断いたします)
- 職員間の情報共有のためのスマートフォンや業務用インカム
- 患者の見守り支援機器
- 生成AIを活用した各種業務支援サービス(AI問診や文書自動作成支援等)
- 薬剤・検体搬送ロボット、マセレーター、薬剤自動分包機
- その他職員の業務効率化に資するICT機器 など
<主な申請要件>
- 令和8年4月1日時点でベースアップ評価料を届け出ていること
- 最大3年間の「業務効率化計画」を作成すること地域医療への一定の貢献を行っていることや地域医療構想にそったものであること など
<補助額>
- 上限額:8,000万円
- 補助率:4/5
参照:厚生労働省 医療分野における業務効率化・職場環境改善支援事業について
東京都:サイバーセキュリティ対策助成金
都内に本店又は支店を有する中小企業が サイバーセキュリティ対策を実践するための設備等の導入に活用可能な補助金です。
<対象設備>
- 統合型アプライアンス(UTM等)
- ネットワーク脅威対策製品(FW、VPN、不正侵入検知システム等)
- コンテンツセキュリティ対策製品(ウィルス対策、スパム対策等)
- エンドポイント・セキュリティ製品(EDR、EPP等)
- アクセス管理製品(シングル・サイン・オン、本人認証等)
- システムセキュリティ管理製品(アクセスログ管理等)
- 暗号化製品(ファイルの暗号化等)
- サーバーOS 及びインストール作業費用(サーバー入替に伴うOS更新を含む)
※最新OSであること - 標的型メール訓練
- 上記製品群と同内容のサービスの利用
<主な申請要件>
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の「★★ 二つ星」を宣言し、宣言済みであることを自社ホームページ等で確認できること
- 都内に本店又は支店を有する中小企業であり、金融業・保険業(保険業の保険媒介代理業を除く)、農林水産業を営んでいないこと など
<補助額>
- 上限額:500万円(下限額10万円)
- 補助率1/2
参照:東京都中小企業振興公社 サイバーセキュリティ対策助成金
宮城県:ものづくり企業AI・IoT先進技術導入補助金
県内に主たる事業所を有する製造業が生産性向上、省力化等に資する技術開発や設備導入に活用可能な補助金です。
<対象設備>
- 事業連携する IT 関連企業の AI・IoT 等のシステム開発等に要する経費
- AI・IoT 等の導入に必要な機械装置の購入、製作、改良、据付け、借用又 は修繕に要する経費 など
※パソコンやタブレット等の情報関連機器は、AI・IoT 等のシステ ムと一体(専用)となって使用されるものに限り補助対象
<主な申請要件>
- AI・IoT等の先進技術を活用した、宮城県内の生産現場における生産性向上、省力化等に向けた技術開発や導入等であること
- AI・IoT等を活用したシステム開発等を、宮城県内に事業所を有するIT関連企業(以下「県内IT関連企業」という。)又は県内IT関連企業以外のIT関連企業と連携し実施するものであること など
<補助額>
- 上限額:1,000万円
- 補助率:2/3(県外IT企業から導入する場合は1/2)
参照:宮城県 ものづくり企業AI・IoT先進技術導入補助金の募集について
富山県:中小企業トランスフォーメーション補助金(DX枠・AI導入枠)
県内の中小企業者等がDXやGXを通して業務プロセス・事業構造の変革や最適化を図る意欲的な取組みに活用可能な補助金です。
<対象設備>
- 機械装置等や専用ソフトウェア、情報システムの導入、クラウド利用に要する経費 など
※パソコンを導入する場合は、補助事業のみでの使用が明らかであることが分かる説明を明記し、セットやパッケージ等による一式購入の場合はパソコン等が付随することの記載がある見積書を添付
<主な申請要件>
- 共通
・既存の業務フローの見直しを行い、労働生産性の向上と賃上げが見込めること
・「とやまDXパートナー」に登録されたITベンダー等の支援を受けて申請すること - DX枠
・デジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善を図る取組みであること - AI導入枠
・AI導入による先進的なデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善を図る取組みであること など
<補助額>
- DX枠
上限額:500万円(下限額100万円)
補助率:1/2(小規模事業者は2/3) - AI導入枠
上限額:500万円(下限額100万円)
補助率:2/3(小規模事業者は3/4)
参照:富山県新世紀産業紀行 富山県中小企業トランスフォーメーション補助金 募集のご案内
岡山県:デジタル化による生産性向上等支援補助金
県内に事業所を有する中小企業が行う生産性向上や新たな販路開拓に向けたデジタル化への投資に活用可能な補助金です。
<対象設備>
- 補助事業の目的にのみ使用される、専用の情報システム及びソ フトウェアの購入、開発、構築又は機能追加に要する経費
- 補助事業の目的にのみ使用される、専用のクラウドサービス (SaaS)等の利用に要する経費
- 事業実施に必要な設備、専用機器、機械装置等の購入、機能追加、 据付けに要する経費
※単体での申請は不可能。パソコン、タブレットは当該事業の実施のためだけの使用であることが確認できれば対象 - 導入したシステム・Web ページ等や設備に対するセキュリティ 対策の導入経費 など
<主な申請要件>
- 中小企業の定義に当てはまること など
<補助額>
- 上限額:200万円(下限額10万円)
- 補助率:1/2(小規模事業者は2/3)
(制度解説)サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)
中小企業を中心としたサプライチェーン全体のセキュリティ水準の底上げに向けた取り組みです。
発注者・受注者双方にとって、適切なセキュリティ対策の決定や対策状況の説明が容易・適切になることを目的としています。先述の「SECURITY ACTION」が本事業の準備単会となる想定であり、発展形として「★★★ 三つ星」から「★★★★★ 五つ星」までの制度が予定されています。
参照:経済産業省 「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度に関する制度構築方針」(SCS評価制度の構築方針)を公表しました
中小企業が★3及び★4を安価かつ簡便に取得できるよう、新たな支援策として「サイバーセキュリティお助け隊サービス」(新類型)を創設予定となっています。
参照:経済産業省 サイバーセキュリティお助け隊サービス(新類型)
従来のお助け隊サービスとは異なる新類型として、令和8年の8月頃から実証事業を実施予定です。令和8年度末の制度開始に向けて、実証事業を通じたサービス基準が作成される見込みです。
参照:経済産業省 サイバーセキュリティお助け隊サービス(新類型)
まとめ
この記事では、令和8年度に公募されているIT・DX、セキュリティ関連の補助金をいくつかご紹介しました。この記事をご覧の皆様の、今後の事業展開における一助となれば幸いです。
また、本記事の内容は更新日時点の情報となります。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認いただくようにお願い申し上げます。
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