AI PCをメインストリーム製品にまで拡充 ~ Future of Workの実現をめざす日本HP

2025年4月11日(金)、日本HPは「次世代AI PCおよび周辺機器新製品記者発表会」を開催し、個人向けと法人向けおよび、プロフェッショナル向けの最新製品を発表しました。先行するハイエンドのHP EliteBook X G1i 14に加え、AI PCをメインストリーム製品にまで拡充します。Future of Workを支援し、企業の成長促進と仕事や暮らしの中での個人の充実の後押しを目指すその意気込みを改めて表明しました。

フリーランスライター 山田祥平

発表会冒頭のプレゼンテーションは、株式会社日本HP執行役員の松浦徹氏(パーソナルシステムズ事業本部 事業本部長)によるもので、同社が13四半期連続マーケットシェアナンバーワンメーカーとして、Future of Workの実現をリードしていることがアピールされました。同氏はデバイスの提供によってよりよい体験を具現化し、個人や企業がやりがいを感じながら成長していくことの重要性を説きました。

日本HPは、Future of Workを「企業及び個人が生産性を高め、生き生きと仕事をし、成長と成功を実現すること」と定義し、これを実現するための4つの柱を掲げています。

  • AIを統合したデバイスの提供: AIを搭載したPCや周辺機器を提供し、ユーザーの生産性向上を支援。
  • ポートフォリオ全体の体験向上: PCだけでなく、ポートフォリオ全体でより良いユーザー体験を提供。
  • IT担当者への支援: 企業のIT担当者がデバイスなどを管理するためのツールを提供。
  • データ活用プラットフォームの提供: データ活用を支援するプラットフォームを提供。
株式会社日本HP執行役員の松浦徹氏(パーソナルシステムズ事業本部 事業本部長)
株式会社日本HP執行役員の松浦徹氏(パーソナルシステムズ事業本部 事業本部長)
株式会社日本HP執行役員の松浦徹氏(パーソナルシステムズ事業本部 事業本部長)

この日の発表で、日本HPは個人向け、法人向け、プロフェッショナル向けの全てのカテゴリーにAI PCの新製品を投入し、ラインナップを拡充することを明らかにしました。

これにより、人々の暮らし、趣味、そして仕事を支える圧倒的多数のAIの利活用をPCが引き受けるように拡充されます。比較的廉価なメインストリーム製品でもAIを前提とした使い方が可能になり、AIをより身近に、かつ安全に活用できる環境が手に入るようになりました。まさに、AIの利活用が新たなフェイズに入ったことを実感できます。

日本HPのAI PCに搭載されている独自のエージェント「HP AIコンパニオン」は、AI検索やローカルファイル解析、PCパフォーマンス最適化などの機能を持つソフトウェアで、エンドユーザーによるAIの活用を支援するものですが、近い将来、早ければこの夏にも、オフラインでのオンデバイスAI利用や音声入力機能の強化が予定されています。

また、Poly Camera Proは、NPUを活用してWeb会議の効率を高めるカメラアプリです。背景カスタマイズやプレゼンターオーバーレイ、ストリーミングモードなどの機能を提供することなども発表されるなど、ハードウェアのみならず、ソフトウェア的な面でもAI利活用のハードルを低くすることを目指していることがわかります。

さて、期待の新製品の詳細です。

まず、コンシューマービジネス本部 コンシューマー製品部 プロダクトスペシャリストの吉川直希氏から、個人向けノートPCとして「HP OmniBook X Flip 14 AI PC」と「HP OmniBook 7 Aero 13 AI PC」などが紹介されました。

「HP OmniBook X Flip 14 AI PC」は最新のインテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ2)または AMD Ryzen™ AI 300 シリーズプロセッサーを搭載し、タッチ対応OLEDディスプレイや高画質Webカメラ、高性能オーディオなどを備えたコンバーチブルPCです。軽量で長時間バッテリー駆動が可能なモデルで、豊富なインターフェースも特徴です。

また、「HP OmniBook 7 Aero 13 AI PC」は1 kg未満のクラムシェル型13.3インチノートPCです。軽量モバイル次世代AI PCで、今回の個人向け製品の中でもイチオシの製品だそうです。Z世代をターゲットに想定し、シンプルに生産性を追求するユーザー向けを指向しています。

コンシューマービジネス本部 コンシューマー製品部 プロダクトスペシャリストの吉川直希氏
コンシューマービジネス本部 コンシューマー製品部 プロダクトスペシャリストの吉川直希氏
コンシューマービジネス本部 コンシューマー製品部 プロダクトスペシャリストの吉川直希氏

続いて、パーソナルシステムズ事業本部CMIT製品部 部長の岡宣明氏から、法人向けPCの詳細が紹介されました。

パーソナルシステムズ事業本部 CMIT製品部 部長の岡宣明氏
パーソナルシステムズ事業本部 CMIT製品部 部長の岡宣明氏
パーソナルシステムズ事業本部 CMIT製品部 部長の岡宣明氏
2025年春 法人向けAI PC ラインアップ
2025年春 法人向けAI PC ラインアップ

HP EliteBook 8シリーズはスタイリッシュなデザインと高いセキュリティ機能を持ち、多様な働き方に対応するメインストリーム向けのAI PCです。この世代からグレイシャーシルバーの薄型デザインに刷新されています。

最大50TOPSのNPUオプションでは、電力効率が以前の非NPUモデルと比較して最大224%向上し、AI画像生成は最大43倍高速化、大幅にパフォーマンスを改善しています。

ファームファクタとして13.3インチのコンバーチブル型、13.3インチ/14インチ/15.6インチのクラムシェル型をラインアップに含みます。コンバーチブルタイプは製品内にペンを内蔵できるようになりました。

法人向けに5年間のデータ通信無制限利用権付きのHP eSIM Connectモデルも用意され、ハイブリッドな環境でのAIを活用した業務をサポートします。

また、壊れやすいパーツ、たとえば、バッテリーやキーボードなどをスクリューレスで交換できるようにしています。これによって、トラブル時にセキュリティ等の理由で故障機をサポート拠点に預けるのが難しい顧客に対して、サイト内で修理を完結できるようになったのは朗報です。

セキュリティといえば、Sure View 5対応の各製品は、カメラと連動して自動的にガードがかかります。目線を検知すると、悪意があるかもしれない第三者がのぞいていると警告が表示されるようにもなっています。

一方、HP EliteDesk 8 Mini G1a Desktop Next Gen AI PCはコンパクトながら高性能なAMDプロセッサー搭載のデスクトップPCで、AIを活用した業務をサポートします。岡氏によれば、デスクトップにもいよいよAIが欠かせない要素となる時代だそうです。いざというときにはオフィスから自宅にも持って帰れるほどのコンパクトさが魅力です。

続いて、アドバンスコンピュート&ソリューションビジネス本部 本部長の杉浦慶太氏から、プロフェッショナル向けワークステーションが紹介されました。

まず、HP ZBook Fury G1iは、モバイルワークステーションで、デスクトップレベルの性能とモビリティを両立します。また、HP Z2 Tower G1i Workstationは、拡張性と冷却性能に優れたデスクトップワークステーションです。

ワークステーションの新製品は8機種10モデルにのぼり、もはや18インチディスプレイのモバイルワークステーションは持ち運べるデスクトップ的な位置付けだと主張しているようです。

また、今回からブランドがリニューアルされ、ワークステーションのブランドが「Z by HP」から「HP Z」に変わっていることにも注目です。

アドバンスコンピュート&ソリューションビジネス本部 本部長の杉浦慶太氏
アドバンスコンピュート&ソリューションビジネス本部 本部長の杉浦慶太氏
アドバンスコンピュート&ソリューションビジネス本部 本部長の杉浦慶太氏

最後はPolyの新製品です。エンタープライズ営業本部 アライアンス&ビジネス開発マネージャーの是枝日登志氏がコミュニケーションの障壁を取り除くAI技術をプレゼンテーションしました。

製品を身につけて紹介するエンタープライズ営業本部アライアンス&ビジネス開発マネージャーの是枝日登志氏
製品を身につけて紹介するエンタープライズ営業本部アライアンス&ビジネス開発マネージャーの是枝日登志氏
製品を身につけて紹介するエンタープライズ営業本部アライアンス&ビジネス開発マネージャーの是枝日登志氏

紹介されたのは新製品2機種です。

もはや、コミュニケーションとAIは切り離して考えることができないほどになっています。個人用のAIヘッドセット「Poly Voyager Legend シリーズ」は既発売ですが、Poly NoiseBlockAIが非言語的なノイズをブロックし、機械学習でノイズの特徴を覚えて成長し、クリアな音声伝送を実現します。「Voyager Free 60」は AIノイズキャンセリング機能を搭載した高性能ヘッドセットで、クリアな音声コミュニケーションを実現します。

また、顔の見えるオンラインビジュアルコミュニケーションではPoly Director AIテクノロジーが活躍します。カメラによる顔のトラッキング技術で、会議の形態に応じてフレーミングやトラッキングを実現します。この技術を搭載した「Poly Studio V12 ビデオバー」は、会議室用のオールインワンビデオバーで、AIを活用した映像・音声処理機能を備えています。周囲の騒音を抑制し、クリアな音声伝達を実現する技術としてのPoly NoiseBlockAIや、カメラトラッキングにより、発言者を自動的にフレーミングする技術としてのPoly Director AIが、リモートワークやオンライン会議におけるコミュニケーションの質を飛躍的に向上させます。

このようにPolyは、AIを活用して音声と映像の品質を高める技術を開発し、順次、製品に投入しています。

マラカスを振りながらしゃべっても、その音を排除するPoly NoiseBlockAIによるノイズブロック。
マラカスを振りながらしゃべっても、その音を排除するPoly NoiseBlockAIによるノイズブロック。
マラカスを振りながらしゃべっても、その音を排除するPoly NoiseBlockAIによるノイズブロック。

日本HPによれば、AI PC市場はまだ成長段階にあり、今後、同社はAI PCのラインナップを拡充することで、市場の拡大を目指します。

今回発表された新製品は、順次販売が開始されます。AI技術を活用した新しい働き方を提案し、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援していく同社の姿勢を改めて確認することができました。

HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。

Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。

組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。
また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

ハイブリッドワークに最適化された、Windows 11 Pro+HP ビジネスPC

ハイブリッドなワークプレイス向けに設計された Windows 11 Pro は、さらに効率的、シームレス、安全に働くために必要なビジネス機能と管理機能があります。HPのビジネスPCに搭載しているHP独自機能は Windows 11 で強化された機能を補完し、利便性と生産性を高めます。

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