Windows 10のサポート終了後の使用リスク、11への移行方法を解説

2025-01-22

Windows 10のサポート

Windows 10のサポート終了が2025年10月14日に迫る中、企業や個人ユーザーは対応を求められています。サポート終了後、セキュリティ更新プログラムの無償提供が停止される予定であるため、Windows 10を使い続けると不正アクセスや情報漏えいなどのリスクが高まると考えられます。

2025年10月14日以降に広範囲で重大なリスクが生じる場合、Windows 10に関する何らかの更新プログラムが無償提供される可能性を期待する方もいるかもしれません。しかし、システムの安全性と利便性を確実にするために、なるべく早いWindows 11への移行が推奨されます。本記事では、サポート終了後にWindows 10を使い続けるリスクや、次のOSであるWindows 11の特長、Windows 11へ移行する方法を解説します。

Windows 10は、現在(2024年12月時点)の最新バージョンである「22H2」をもって、2025年10月14日にサポート終了が予定されています。サポートが完全に終了するということは、Windows OS(オペレーティングシステム)のセキュリティ更新プログラムの提供、不具合への対応などが停止することを意味します。

サポートが完全に終了すると最新の更新プログラムを入手できなくなり、特にセキュリティリスクが高まるのが懸念事項の一つです。サポート終了となる2025年10月14日よりも前に、Windows 11へのアップグレードや、Windows 11が搭載された新しいPCへの移行などの対応が必要になると考えられます。

Windows 10のバージョンごとにサポート終了日は異なります。以下の表を確認して、最新バージョンより前のものを使っている場合には、最新バージョンである「22H2」へ更新することが推奨されます。

バージョン 提供終了日
22H2 2025年10月14日
21H2 2023年6月13日
21H1 2022年12月13日
20H2 2022年5月10日

現在使っているPCのOSの種類とバージョンがわからない場合には、次の方法で確認してみましょう。

  1. スタートボタンから「Windowsの設定」を開く
  2. 「システム」を選択する
  3. 「詳細情報」を選択する
  4. 「Windowsの仕様」でOS情報について確認する

4.まで進むと、以下の画面が表示されます。①の「エディション」と②の「バージョン」で、OSの種類と最新版を利用しているかどうかが確認できます。

画面
サポート終了

サポートが完全に終了した後も、PCをインターネットに接続してWindows 10を使い続ける主なリスクを解説します。

サポートが完全に終了した後もPCをインターネットに接続してWindows 10の使用を続けると、セキュリティ更新プログラムを受け取れず、セキュリティリスクが高まります。

通常、OSにセキュリティ上の脆弱性が見受けられると、Microsoft社がセキュリティパッチと呼ばれる脆弱性を修正するセキュリティ更新プログラムなどを定期的に提供し、PCの安全を守っています。しかし、2025年10月14日にWindows 10はサポート終了を予定しており、終了後は基本的にこのサービスを受けられなくなってしまうのです。

OSの脆弱性を残したままインターネットに接続し、PCを使い続けるとサイバー攻撃の対象となるリスクが高まります。具体的には、企業データを不正に暗号化し、復元の代わりに身代金を要求するランサムウェアによる被害や、機密情報の漏えい、フィッシング詐欺などが挙げられます。

サポート終了後もWindows 10搭載のPCをそのまま使い続けることはできますが、サイバー攻撃の脅威にさらされることになってしまうでしょう。

サポートが完全に終了した後、アプリケーションやデバイスの互換性が低下するリスクがあります。新しいアプリケーションやデバイスはWindows 10向けに開発されず、使用できる機能が制限され、上手く動作しないなどのトラブルが起こると考えられるからです。

また、現在使用中のアプリケーションについても、OSのサポート終了に合わせて、アプリケーション自体のサポートをいずれ停止する傾向が見られます。

サポート終了後もWindows 10の使用を続けると、これまでのアプリケーションだけでなく、今後購入するオフィス機器もPCと接続して十分に使えなくなるなど、企業のデジタル化やDXを妨げる要因となる可能性があります。

OSのサポートが終了して一定期間が経過した後には、Microsoft社から無償および有償サポート、技術サポートのすべてが受けられなくなると想定されます。

2025年10月14日以降も何らかの事情でWindows 10を使う必要がある法人・個人は、拡張セキュリティ更新(ESU)プログラムという有償サポートサービスを利用できます。これは、緊急または重要なセキュリティ更新プログラムが含まれたサービスです。しかし、ESUも製品の延長サポート終了日から3年以内に終了が予定されている点に注意が必要です。

また、ESUは基本的にセキュリティのみをカバーしており、OSに不具合が生じた場合などには、自社で原因を見つけて解決しなければなりません。社内で対応できなければ、外部へ依頼するコストがかかり、PCが使えない間は業務が停止・遅延するリスクも考えられます。

今後、状況によってはセキュリティだけでなく技術面の有償サポートも提供される可能性もあるかもしれません。しかし、システムの安全性と新機能の活用を確実にするために、Windows 11へのなるべく早い移行が推奨されます。

Windows 10をサポート終了後も使い続けるとさまざまなリスクが生じるため、Windows 11へ移行することがリスク回避のための有効な対策です。Windows 11は、10と比較してセキュリティが強化され最新のAI機能が利用できるなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、Windows 11の主な特長4つを紹介します。

Windows 10と比較して、11ではセキュリティが強化されています。

Windows 11のシステム要件として、「TPM 2.0」の使用が定められている点が特長です。TPM(Trusted Platform Module)とは、PC上のデータを暗号化し、暗号化の際に利用する鍵を格納するチップのことを指します。TPMには、Microsoftの生体認証機能であるWindows Helloを使ったアクセスのみを可能とするパスワードや証明書などが格納されていて、この情報がなければ暗号化を解除できない仕組みです。

PC自体が盗まれてSSDが取り出されても、データの不正利用が困難になる仕組みが採用されている点がメリットとして挙げられます。

Windows 11では、Copilot in Windowsが利用できます。Copilot(コパイロット)は、Microsoft社が提供する生成AIサービスです。Microsoft 365のWordやExcel、PowerPointなどのアプリケーション上で動作し、業務効率化に貢献します。具体的には、Wordに作成したい書類の内容を箇条書きで記載し、チャットで指示するだけで文書を作ることが可能です。また、PowerPointにWordを読み込ませてスライドを作成したり、Excelのデータから表やグラフを自動生成したりすることができます。

ただし、今後Copilot in Windowsの機能や性能をフルに活用していくためには、NPUと呼ばれる新しいプロセッサーが搭載された、最新のAI PCが必要になる可能性があります。Windows 11へアップグレードするにあたり、PCの見直しも行いましょう。

Windows 11では、ユーザーインターフェースが優れており使いやすくなっています。具体的には、以下の5つの要素で構成される「Fluentデザイン」が採用されている点が特長です。

  • ライト…光がユーザーをガイドする
  • 深度…画面に奥行きを与える
  • モーション…滑らかな動きで操作できる
  • マテリアル…高級な質感がある
  • スケール…さまざまなスケールに対応する

特にデスクトップ画面のデザインが大きく見直され、スタートボタンがタスクバーの中央に配置されて、よりシンプルな構成となっています。

画面

Windows 11では、マルチタスクツールの活用で生産性向上を図ることができます。マルチタスクツールとは、複数のアプリケーションを同時に使用するためのツールのことです。

マルチタスクツールの例を、以下で見てみましょう。

  • スナップアシスト
  • スナップレイアウト
  • スナップグループ

スナップアシストはWindows 10から搭載されています。ウィンドウを画面の特定の位置に配置(スナップ)した後、残りの空いているスペースに配置できるウィンドウの候補を自動表示する機能です。

Windows 11では、スナップアシストに加えて、スナップレイアウトが追加されました。これは、画面の向きやサイズに合わせてレイアウトの選択肢が表示され、好みのパターンを選んでウィンドウを配置できる機能です。上記のスナップアシストを有効化しておくことで、レイアウトされた空きスペースにウィンドウの候補が表示されます。

スナップグループは、スナップさせた複数のウィンドウをまとめて管理できる機能です。グループ化されたウィンドウは、タスクバーのアイコンから一括で呼び出すことができます。

マルチタスクツールを活用することで、画面上の作業スペースを有効活用でき、複数の資料やアプリケーションなどを見比べながら作業できるようになるでしょう。

続いて、Windows 11へ移行する方法を紹介します。

現在Windows 10を使用しているPCを買い替えず、そのままアップグレードすることを希望する場合、PCがアップグレードの要件を満たしているかを確認しましょう。

現在使用中のPCが要件を満たしているかどうかは、Microsoft社が提供している「PC正常性チェックアプリ」を利用すると、簡単に確認できます。Windows 11のシステム要件は、以下の表のとおりです。

Windows 11のシステム要件
プロセッサー 1GHz以上で2コア以上の64bit互換プロセッサーまたは System on a Chip (SoC)
メモリ 4GB
ストレージ 64GB以上
システムファームウェア UEFI、セキュアブート対応
セキュリティチップ TPM2.0
グラフィックスカード DirectX 12 以上(WDDM 2.0 ドライバー)に対応
ディスプレイ 対角サイズ9インチ以上、8bitカラーの高解像度 (720p) ディスプレイ
その他
  • Copilotを使用するPCでは、NPUを搭載したデバイスを使用
  • 一部の機能では、初期設定時にインターネット接続とMicrosoftアカウントが必要 など

アップグレードをする方法は、「スタート」から「設定」、「更新とセキュリティ」へ進み、Windows 11を「ダウンロードしてインストール」をクリックして手順を進めていくと、完了します。

Windows 11へのアップグレードにおいて、PCで使用しているアプリケーションやデータは引き継がれます。しかし、USBメモリやクラウドストレージなどにバックアップをとっておくと安心です。

Windows 11へアップグレードができない場合や、古いPCを使用している場合には、プリインストールされたAI PCへの買い替えを検討しましょう。

AI PCとは、NPUを内蔵し、キーボードにCopilotキーがありCopilot in Windowsを使用できる、Windows OSが搭載されたPCのことです(※2024年12月時点の定義)。最新版のAI PCへのリプレースは、OSだけでなく生成AIサービスの利用やセキュリティの観点からも今後重要になると考えられます。

AI PCでなく通常のPCでも生成AIサービスの利用は可能です。しかし、AI PCに内蔵されたNPUに高い処理能力が必要なタスクを割り当てることで、通常のPCよりもAI処理の高速化が期待できます。

また、セキュリティ面でもメリットがあります。AI PCでは生成AIをローカル処理でき、社外秘のデータをクラウドにアップロードする必要がありません。セキュリティリスクを低減させながら、業務効率化を促進できるため、AI PCへの買い替えが推奨されます。

Windows 10は2025年10月14日にサポートが終了し、セキュリティ更新プログラムの無償提供が停止される予定です。サポート終了後もWindows 10を使い続けると、セキュリティリスクの増大、アプリケーションやデバイスの互換性低下などの問題が発生する可能性があります。

サポート終了後も3年間の有償サポート(ESU)が提供され、他のサポートサービスが今後登場する可能性もありますが、セキュリティ強化や利便性の観点からWindows 11への早期移行が推奨されます。

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Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。

組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。

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