話題の「AI PC」を編集部が使ってみた 業務効率化にも情シスにも「効く」と感じた理由(編集部=ITmedia AI+編集部)

2025-05-22

業務効率化やAI活用における課題を解決するための切り札として「AI PC」が注目されている。AI PCとは、簡単に言えばローカルでのAI処理が得意なPCで、AI処理に特化したプロセッサ「NPU」(Neural Processing Unit)を搭載している。

NPUを活用することで、CPUに負荷をかけずに電力消費を抑えて、ローカルで高速にAI処理ができる。インターネットを介さずPCでAI処理が完結するため、機密情報の漏えいといったセキュリティリスクへの対策にもなる。CPUの性能も上がっているため、通常のアプリケーションであっても高速かつ快適に動作し、業務効率化にもつながる。

NPUを活用するアプリケーションや機能は現時点ではまだ多くはないが、今後は増えることが予想される。AI PCは、AI時代に必要な投資といえるだろう。ではAI PCは業務にどう役立つのか。編集部員が、日本HPのAI PC「HP EliteBook 1040 G11」を借りて使ってみた。

転載元: ITmedia AI+
ITmedia AI+  2025年4月25日掲載記事より転載
本記事は ITmedia AI+ より許諾を得て掲載しています
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2504/25/news010.html

HP EliteBook 1040 G11はCPUとして「インテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ1)」を搭載している。今回試用した製品は、Core Ultra 5 135Uを搭載し、メモリは16GB、ストレージは256GB SSDという仕様だ。

インテルロゴ
インテルロゴ

ディスプレイは14型(1920×1200ピクセル)で、表面はノングレア加工されているため外光が映り込みにくく長時間使っても目の負担が少ない。

日本HPのAI PC「HP EliteBook 1040 G11」
日本HPのAI PC「HP EliteBook 1040 G11」
日本HPのAI PC「HP EliteBook 1040 G11」

本体は軽くて丈夫なマグネシウム合金製で、グレイシャーシルバーという透明感のあるボディーカラーが美しい。厚さは約17.55ミリと薄く、重量は約1.2キロなので持ち運びも苦にならない。

インタフェースも充実している。右側面にUSB Type-AとUSB Type-Cが1基ずつ、左側面にHDMI 2.1が1基、Thunderbolt 4が2基、ヘッドセット端子がある。Thunderbolt 4は最大40Gbpsの高速通信が可能で、USB Type-Cとしても利用できる。USB Type-Cとして利用できる3基のポートは全てUSB PDやDisplayPort 1.4に対応しており、どのポートにACアダプターをつないでも充電可能だ。

キーピッチも十分広く使いやすい。右下([ALT]キーとカーソルキーの間)にはワンタッチでMicrosoftのAIアシスタント「Microsoft Copilot」を起動できる「Copilotキー」が用意されている。

[ALT]キーとカーソルキーの間に Copilotキーがある
[ALT]キーとカーソルキーの間に Copilotキーがある
[ALT]キーとカーソルキーの間に Copilotキーがある

ハイブリッドワークが定着したことでオフィス以外の場所でWeb会議をする機会が増えた。編集部でも、ライターやクライアントとの打ち合わせや取材をWeb会議ですることがある。その際に気になるのが自宅の室内などが映ることだ。Web会議ツールによっては背景ぼかしなどのエフェクト機能を備えるものもあるが、そうした機能はCPU負荷が意外と高い。複数のアプリケーションを同時に立ち上げて画面共有などをすると動作が重くなることもある。

AI PCなら「Windows スタジオ エフェクト」という機能を利用できる。これは、AIでWeb会議の背景をぼかしたり、照明が暗い場合は自動で顔を明るくしたり、話者が常に映像の中央に写るように自動でフレーミングしたりといったことが可能だ。NPUで処理するため、CPUに負荷をかけずに全てのWeb会議ツールでこれらの機能を利用できる。実際に Windows スタジオ エフェクトを利用してWeb会議をしてみたところ、背景がきれいにぼけて、かつ動作が重くなることもなく快適に通話ができた。

Windows スタジオ エフェクト使用中のイメージ
Windows スタジオ エフェクト使用中のイメージ
Windows スタジオ エフェクト使用中のイメージ

インテルが無償で提供しているAI体験サービス「AI Playground」を使って、ローカルでの画像生成や超解像(画像の解像度をAIで高める技術)、LLMによるチャットbotも試してみた。なお、AI PlaygroundはNPUではなくインテルのGPU「インテル® Arc™ GPU」(以下、インテル® Arc)を利用してAI処理をしている。Core Ultraシリーズはインテル® Arcが統合されているため、AI Playgroundを動作させることが可能だ。

画像生成も超解像も多少の時間はかかるが、データをクラウドに上げずにAI処理ができた。チャットbotは最新のChatGPTなどに比べるとモデルが小さいため精度はやや落ちるもののプロンプトに対して的確な回答を返してくれることが多く、ローカルでの生成AI利用の可能性を十分に感じられた。

AI PlaygroundによるAIを活用した超解像。画質を損なわずに画素数を縦横2倍に拡大してみた
AI PlaygroundによるAIを活用した超解像。画質を損なわずに画素数を縦横2倍に拡大してみた
AI PlaygroundによるAIを活用した超解像。画質を損なわずに画素数を縦横2倍に拡大してみた
ローカルLLMを使ったチャットbotの回答例
ローカルLLMを使ったチャットbotの回答例
ローカルLLMを使ったチャットbotの回答例

せっかくなのでHP EliteBook 1040 G11の Copilotキーを押して、Microsoft Copilot も使ってみた。

試しに Microsoft Copilot に新規事業のアイデアを出してもらった。また、WordからMicrosoft 365 Copilot を呼び出して「ローカルLLMについての現状を整理して」という指示で文書を書いてもらった。新規事業のアイデアはプロンプトを調整すれば使えるレベルのものが出力できそうだと感じた。ローカルLLMについての現状整理は項目立ても行われており、多少修正すれば報告書として出せるレベルだった。

Copilot に事業アイデアを考えてもらった
Copilot に事業アイデアを考えてもらった
Copilot に事業アイデアを考えてもらった
Wordから Microsoft 365 Copilot を呼び出し、ローカルLLMの現状をまとめてもらった
Wordから Microsoft 365 Copilot を呼び出し、ローカルLLMの現状をまとめてもらった
Wordから Microsoft 365 Copilot を呼び出し、ローカルLLMの現状をまとめてもらった

NPUを搭載していない通常のPCでも、Windows 11に標準搭載されている Microsoft Copilot やサブスクリプションサービス「Microsoft 365 Copilot」は利用できる。これらのAI機能はクラウドで処理されるものが多いが、Microsoft 365 と同等のセキュリティが確保されているため所属企業で契約しているアカウントでかつ利用が許可されているなら情報漏えいといったセキュリティリスクはないだろう。

今回試用したHP EliteBook 1040 G11は、バッテリー持続時間も十分だった。高性能コア、高効率コア、低消費電力高効率コアという3種類のコアを搭載しており、負荷に応じて動かすコアを自動的に切り替えることで電力効率を高めている。実際の業務に利用してどれくらい持つのか検証してみた。

電源モード「バランス」、液晶輝度50(中央)に設定して記事の編集作業をやってみた。編集ではテキストエディタやWebブラウザなどを使うことが多く、インターネットには無線LAN経由で接続する。バッテリー残量100%の状態から編集作業を始めて4時間が経過した時点の残量は71%だった。このペースなら13時間以上は持つ計算になるので、朝から夜まで連続で仕事をしてもバッテリーが切れる心配はないだろう。

日本HPのAI PCは、PCの管理やセキュリティ対策をサポートする独自機能が多数用意されていることも魅力だ。従業員だけでなく情報システム部門(以下、情シス)にも役立つだろう。

「HP Wolf Security」という独自のセキュリティ機能は、OSの上、中、下の各層でデバイスを保護する。OSの下層ではOSの起動に必要なハードウェアやファームウェアを保護し、OSの中層では業務アプリケーションやドキュメントファイルを守る。OSの上層では、物理フィルターによってディスプレイやWebカメラからの情報漏えいを防止する。

「HP eSIM Connect」という法人向けMVNOサービスもお薦めだ。対応モデルを購入すれば、au回線のLTE/5Gデータ通信が5年間無制限で利用可能。従業員はフリーWi-Fiに接続する必要がなく、安全な通信環境を使える。物理的なSIMカードがないため、SIMカードの紛失や破損などのトラブルが起こらないというメリットもある。

MDM(モバイルデバイス管理)ソリューション「HP Protect and Trace with Wolf Connect」は、電源オフやインターネットに接続していないときでも、組み込みモバイル通信機能によってPCの位置情報を取得できる。リモートでデータのロックや消去も可能だ。オプションのため、対応モデルを購入する際には忘れず選択しておきたい。

Intel vPro® プラットフォームで管理とセキュリティを強化

「Intel vPro® プラットフォーム」(以下、vPro®)対応モデルを選べば、情シスの管理負担をさらに軽減できる。これはPC管理機能やセキュリティ機能を統合したプラットフォームで、従業員のPCをリモートで一括管理できる。PCがシャットダウン状態でも電源操作やソフトウェアのインストール、アップデートなどが可能だ。

ここまで見てきたように、AI PCへの買い替えはローカルでのAI処理にとどまらないさまざまなメリットがある。2025年後半から2026年にかけてNPUを利用するアプリケーションが増えることも予想されている。AI PCへの買い替えは、AI時代に対応するための先見的な投資になるだろう。その中でもHP EliteBook 1040 G11は、ビジネスPCとしての使い勝手が優れているのはもちろん、日本HPの独自機能にも対応しているため有力な選択肢となる。

さらに高性能なビジネスPCを求めるなら「HP EliteBook X G1i 14 AI PC」がお薦めだ。HP EliteBook 1040 G11と同じく14型でアスペクト比16:10のディスプレイを備え、重さ約1.2キロと軽量。インテルの最新CPUである「インテル® Core™ Ultra プロセッサー(シリーズ2)」を搭載しており、最大47TOPSのNPUを内蔵した「Copilot+ PC」だ。Copilot+ PCは、AI PCで使える機能に加えてラフスケッチやテキストから画像を生成できる「コクリエイター」や、PCで流れる音声をリアルタイムで翻訳して字幕表示できる「ライブキャプション」などを利用できる。

快適なビジネスPCを使って業務効率化やAI活用を推進したい企業は、日本HPの独自機能に対応したHP EliteBook 1040 G11やHP EliteBook X G1i 14 AI PCの導入を検討してみてはいかがだろうか。

HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。

Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。

組織において Windows 11 を導入することで、セキュリティが強化され、生産性とコラボレーションが向上し、より直感的でパーソナライズされた体験が可能になります。セキュリティインシデントの削減、ワークフローとコラボレーションの加速、セキュリティチームとITチームの生産性向上などが期待できる Windows 11 へのアップグレードは、長期的に経済的な選択です。旧 Windows OSをご利用の場合は、AIの力を活用しビジネスをさらに前進させるために、Windows 11 の導入をご検討ください。

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。
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