2023.06.01
2023年4月14日(金)から16日(日)にパシフィコ横浜で開催された「2023国際医用画像総合展(ITEM2023)」。医療用画像関連の画像機器・システムやその他周辺機器・システムを一同に集め開催される年に1度のイベントです。今回は、新型コロナウイルス感染症の感染状況が収束に向かっている影響もあり、例年に比べ大勢の医療関係者が訪れ、大変な賑わいを見せていました。HP ワークステーション製品を採用している企業も多く出展しており、ここではそのうちの5社をご紹介します。
注目のソリューション:画像解析ワークステーション「KINOSIS」AeroDR など
ヘルスケアカンパニー IoT事業統括部 病院戦略部 横内 義人 氏
――コロナ禍の顧客ニーズの変化
長引くコロナ禍で、日々の営業やマーケティング、セミナー、展示会、システム導入およびサポート面で様々な変化がありました。その中でも、お客様のマインドが変わったことが最も大きな変化であると思います。
例えば、離島の医療機関に訪問する際に、コロナ以前なら「(診療所に)来て欲しい」とリアルな対応を希望されるケースが多かったのですが、コロナ禍では「オンラインで構いませんよ」と言っていただけるようになりました。これはとても大きな変化だと思います。訪問とリモートを便利に組み合わせる土壌ができたのだと思います。
――医療におけるAI技術
今回の展示会では昨年同様、AIという技術が一つのトピックスとして挙げられます。多くのブースでAI技術を活用したシステムが展示されています。私どももレントゲンに関する診断を支援するAIである「KINOSIS画像解析ワークステーション」を展示しています。
AIは技術であり、それ自体は情報源があって初めて価値を生み出すものだと考えます。多くの情報(データ知見)をAI技術により解析して初めて診療現場に価値ある情報として提供できるのです。そういった意味では、コニカミノルタの過去の様々な経験値、蓄積について、AIが分析できるフェーズに来たことが、2023年現在の大きな変化であると感じます。AIによる情報の2次利用が可能になり、それを医療機関に価値として提供できるレベルに来ていると考えます。
――複数のシステムが連携することで診療現場を効率化する
コニカミノルタでは、オリンパスやウィーメックスといったパートナー様とシームレスな連携を進めることで、医療機器やPACS、電子カルテに至るまで複数のシステムが連携して、出される結果を統合管理できる仕組みの構築にも力を入れています。統合管理が行えることで、診療現場の効率化が実現できると考えています。HPのワークステーションは特に統合システムのクライアントあるいはビューワーとして活躍してもらっています。
――臨床に寄り添う技術を提供したい
コニカミノルタは、臨床現場で役立つ製品を提供することが重要であると考えて、製品開発を行っています。この「臨床に寄り添う技術」こそが、コニカミノルタが創業以来追い求めている本質的考え方です。また、コニカミノルタはクリニックのお客様が多く、クリニックに対して多く取引を行っていく中で、クリニックは小さな組織であり、多くが放射線技師を雇っておらず、診察も撮影も読影も、院長自らがすべて担う必要があります。そういった条件の中で、コニカミノルタが院長をサポートするためにAI技術を活用したいというのはある意味、AIが診療のパートナーとして存在することだと考えます。
――「診療現場を止めない」ことをワークステーションに求める
診療現場でAIなどの技術を生かすためにワークステーションを利用する際、診療現場を止めないことが第一であり、そのためにはまずは「壊れないこと」、そして「保守の時のサービスレベル」が重要であると感じます。そういった意味では、機能、価格、そして保守に至るまでHPのワークステーションはバランスがとれていると感じます。
――見えないものを見えるように
コニカミノルタがお客様に提供したい価値は、「臨床に近い現場で、過去に蓄積された英知に基づき、価値ある知見を提供する」ことにあると思います。よく「見えないものを見えるように」と社内では話すのですが、レントゲンフィルムに移っている画像に対して、コニカミノルタの技術によって、鮮明に浮かび上がらせることこそが、顧客に提供したい価値だと考えます。