2024.11.07
HP Workstation導入事例
精密機器の制御にコンピューターを利用するのはもはや当然の仕様だ。今回紹介する、三鷹光器株式会社は創立のきっかけとなった天文分野をはじめ、医療、産業分野にも幅広く製品を提供する企業であり、比類のない精密機器を世界中の企業へ向けて提供している。一度導入された場合、長く使われるそれらの製品にはHPのワークステーションが活用されている。どのような経緯で採用に至ったのか、伺ってきたので紹介しよう。
三鷹光器株式会社
三鷹光器株式会社 大沢研究所 所長
システム開発課 課長 塚本 貴雄氏
三鷹光器株式会社(以降、三鷹光器)は、天体望遠鏡、医療機器、測定器、宇宙開発、再生可能エネルギー、ロストワックスなどの事業を中心に、多くの企業や組織、団体を支え続けている。同社の製品群は世界を相手に高い評価を得ており、創業当時から培ってきた豊富なノウハウと確かな技術は、現在も三鷹光器を押し上げ続けている原動力となっている。
「例えば望遠鏡で新星を探す際に記録として写真撮影をするのですが、フィルムの表面に超微細な凹凸があるため、そのままではピントがなかなか合わないというケースがあります。弊社ではこれを克服するためにオートフォーカスを掛けながら、レンズと凹凸の距離を合わせていく技術を開発し、それをベースに測定器が開発されました」と、語るのは同社の大沢研究所 所長であり、システム開発課の課長も務める塚本 貴雄氏(以降、塚本氏)だ。
同社のテーマでもある「創造と信頼」を体現する開発エピソードを持つ測定器は常に進化を続けている。現在では高い信頼性で幅広いシェアを持つ、非接触表面性状測定装置「PFシリーズ」をはじめ、大型ワークにも対応する非接触三次元測定装置「NHシリーズ」や、全周を対象に三次元測定がおこなえる非接触全周郭測定装置「MLPシリーズ」などを次々と開発。精密測定を必要とするあらゆる業種の企業がこぞって導入している高品質な製品群を市場に投入し続けている。
それらの研究開発を手掛け、製品化に大きく貢献してきた塚本氏は、「測定機器類の制御にはコンピューターを使います。以前は装置の制御などもコンピューターにまかせていたので、専用の拡張ボードを何枚か差す必要がありましたが、現在では測定器との間にコントローラーを設けるようにしているので、コンピューターへの負担は大きく軽減しています。それでもコンピューターにシステム制御や操作などの指令をおこなう大切な役割があることには変わりません。ですから、なるべく高品質でコストパフォーマンスがよい製品が必要だったのです」と語る。
三鷹光器の測定器シリーズをバックヤードで支えるHPワークステーション
現在、三鷹光器が開発し、市場へ投入している製品群の多くにHPワークステーションが活用されている。「最初に使いだしたのは約10年前になります。様々なメーカーのワークステーションを評価していくうちの1台でしたが、そのときに大きな特徴として理解したのはHPの安定した供給力ときちんとしたロードマップを持っているところでした」と振り返る塚本氏。
一般的に各PCメーカーは、一定の間隔で新製品を市場へ投入する。プロセッサーの世代が変わるタイミングや、グラフィックスエンジンの進化に合わせるなど、それぞれ時期は違えど、ロードマップは存在する。しかし、そのロードマップは不安定なことが多く、新製品投入時期に正式なアナウンスが毎回あるかといえば、そうならないこともあるのだ。「そんな中、HPは2、3年先のロードマップまで見ることができ、ほとんどその通りに製品が発表されます。それによって、私たちも次の検証時期について計画することができ、正しい時期に組み込み用のワークステーションを選定できるのです。これは非常に大きなアドバンテージになります」と塚本氏は語る。
もちろん、パンデミックや戦争など、世界情勢が変わってしまうような社会的な出来事があれば別だが、HPが持つワールドワイドなパーツや素材の調達力と、製品の供給力は世界でもトップクラスといえる。逆に言えば、それだけのマネジメントパワーがあるからこそ、数年先のロードマップを描くことが可能になるのだ。
「現在の主力はHP Z2 Tower G9ですが、この製品に切り替える際にも十分なテストができました。パフォーマンスの高さや拡張性からHP Z4 G5を検討したこともありましたが、現在は先ほど説明したコントローラーの開発に成功したことにより、そこまでのハイスペックは不要となっています。そこでコストパフォーマンスを重視してHP Z2 Tower G9を採用したのです」と解説する塚本氏。
HPワークステーションの中でも組み込み用途として人気のモデルにはHP Z2 mini G9もあるが、「ミニ筐体も魅力ですが、古いインターフェイスを使う精密カメラも残っているので、まだ拡張性の高いタワー型の方が使い勝手がよいのです」と塚本氏は理由を語る。
HPワークステーションをフル活用している三鷹光器。HP製品を選ぶ理由はほかにもあるのだという。「様々な製品と比較してきましたが、HP製品はトラブルが少なく、何かあったとしてもサポートが手厚いところも評価できます」と語る塚本氏。
精密測定器という製品は一度導入されれば5年、場合によっては10年、それ以上と使い続けられる。長期利用を前提としているので、可用性と信頼性は非常に重要なポイントとなっているのだ。「ご導入先でのコンピューターの故障やトラブルは、製造工程の遅延を招くので一番起こって欲しくない事象です。可用性が高いということはトラブルシュートも少ないということなので、そういった面でも導入価値は非常に高くなります。その点、高品質でトラブルがとても少ないHPワークステーションは満足度の高いコンピューターといえます」と塚本氏は評価する。
また、サポートについてもHPでは、ワークステーション専任のエンジニアが窓口を担当することで、プロフェッショナルなトラブルシュートが出た場合でもスムーズな対応を可能としている。基本的にHPワークステーションには3年間のフルサポートがついており、土日祝日を含めた週7日を対象に、翌日訪問修理対応をおこなっている。「HP Care Pack」を利用することで、最大5年間の延長も可能なので、いざというときの安心感も高い。
「例えば、HP Z2シリーズを採用し始めて約1年ぐらい経ちますが、その間大きなトラブルは起こっていません。万が一、何かトラブルがあっても、すぐに担当の方が来てくれると伺っていますので安心して業務に集中できます」と塚本氏は語る。
左から、株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーション営業部 担当マネージャー 前田 圭介氏、三鷹電器 塚本氏、株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 ワークステーション営業部 市場開発 小俣 裕二氏
三鷹光器の製品群は現在も進化を続けており、その歩みは社会にとって必要なニーズをとらえ続けている。例えば「生成AI」についても、測定機器製品を対象に対応し、サービスとして提供しようと開発が進められているのだという。「例えば、倍率切り替えのレンズを搭載したモデルでは、低倍率にして広い面積の傷を確認することが可能です。対象表面にある傷の深さや形状によって検査基準を設け、それをAIが判断できるようにすると、高性能でスピーディーな精密検査が可能になります」と塚本氏は説明する。高い信頼性を持つ三鷹光器の製品群は、AIによりさらなる領域へと進化することになる。
塚本氏は自身でセールスや機器メンテナンスも担当し、課題を抱えている企業へ出向いて直接ニーズを聞くこともしているのだという。「様々なお悩みを直接伺うことで、製品のブラッシュアップや新開発のヒントになることも多いと考えています。それは『設計図は現場にあり!』という私たちのモットーを体現する大切な取り組みでもあります。お客様の課題を解決できる製品を提供することで、私たちもものづくり日本に貢献できるのだと考えています」と塚本氏は最後に語ってくれた。HPは三鷹光器をこれからもサポートしていく。
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