2024.10.17

インテルCore Ultra搭載、GPU切り替え可能。HPのモバイルワークステーションだからこそ可能な、本気の生産性向上とは

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一般的なノートPCと比べて圧倒的な性能を発揮

では、HP ZBook Firefly 14 inch G11がどれだけの性能を発揮するのか見ていこう。比較するモバイルノートPC「HP Elite Dragonfly」はインテル® Core™ i5-8265U プロセッサーを搭載している。

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まず、一般事務利用を想定し、Word、Excel、PowerPoint、Edgeを利用したベンチマークテスト「PCMark 10 Applications」を行ってみた。結果は上記のとおりで、HP ZBook Firefly 14 inch G11が総合スコアで2倍以上、個別のスコアも圧倒的となった。インテル® Core™ Ultra プロセッサーの優れた処理能力を証明する形で、これなら通常の事務作業も快適にこなせるだろう。

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次に写真編集作業の比較だ。こちらは、Adobe PhotoshopAdobe Lightroom Classicを利用して実際の編集作業をシミュレートしたベンチマークテスト「UL Procyon Photo Editing Benchmark」を利用した。結果は上記のとおりで、こちらもHP ZBook Firefly 14 inch G11が圧倒した。

これは、インテル® Core™ Ultra プロセッサーの性能もさることながら、HP ZBook Firefly 14 inch G11では搭載メモリを32GB搭載していることも影響しているだろう。実はHP Elite Dragonflyもメモリを16GBと、発売時期を考えると十分な容量を搭載していたが、現在では、写真編集に不足している感がある。

もちろん、リモート会議アプリとその他のアプリを同時利用する場合など、一般ビジネスアプリの複数同時利用時にも搭載メモリ容量が快適度を左右する。そのため、現代のビジネスPCでは32GBのメモリ搭載を標準と考えるべきだ。ちなみに、HP ZBook Firefly 14 inch G11では、最大で64GBものメモリを搭載可能で、これもモバイルワークステーションだからこその特徴だ。

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次は動画編集作業。こちらはAdobe Premiere Proを利用して実際の動画編集をシミュレートしたベンチマークテスト「UL Procyon Video Editing Benchmark」を利用。結果は上記のとおりで、これまで以上の圧倒的な差となった。また、4K動画の編集・出力を行うテストの結果を見ると、HP Elite Dragonflyでは20分26秒7かかったのに対し、HP ZBook Firefly 14 inch G11は4分9秒9と1/5近い早さで終了している。これなら、業務で動画編集を行う場合の作業効率を大きく高めてくれるはずだ。

ここまで大きな差となった理由は、搭載CPUや搭載メモリ容量の違いもあるが、もうひとつ大きな要因がGPUだ。実は今回利用したHP ZBook Firefly 14 inch G11にはNVIDIAのプロ向けGPU「RTX A500」を搭載。3D CADアプリなどに対応する高性能GPUだが、動画編集時のアクセラレーション(高速化)にも対応しており、これだけの大きなスコア差となった。そして、こういった高性能GPUが搭載できるのも、モバイルワークステーションの大きな魅力だ。

なお、NVIDIAのGPU搭載モデルでは、アプリケーションによってどちらのGPUが動作するかが分かれる。インテル® Core™ Ultra プロセッサー内のGPUであれば省電力性が期待できるし、NVIDIAのGPUであればより高負荷な処理ができる、というように使い分けが可能なのだ。

とはいえ、インテル® Core™ Ultra プロセッサー内に搭載されているGPUもインテル® Arc™ GPUであり、前世代の倍近い性能となっている。

ビジネス向けモバイルPCとしての条件もしっかり満たす

ベンチマークテストの結果から、HP ZBook Firefly 14 inch G11の優れた性能は確認できたが、ビジネスシーンで利用するには他の要素も重要となる。

物理的なカバーをスライドさせるだけでカメラを無効にできるPrivacy Shutter。

例えばセキュリティ性。HP ZBook Firefly 14 inch G11では顔認証カメラ、指紋センサーだけでなく、スマートカードリーダーも搭載でき、企業が求める優れたセキュリティ機能に対応する。HP独自セキュリティ機能「HP Wolf Protect and Trace 」によって、BIOS(OSが起動する前に動作するプログラム)も含めた高度なマルウェア保護や遠隔サポートが行える点も、企業にとって欠かせないポイントだ。

また、搭載カメラが5MPと高精細で、AIを駆使したオートフレーミングに対応しており、音声入力のAIノイズリダクションと合わせてリモート会議も快適に行える。

そしてバッテリー駆動時間は公称では16時間53分となっている。実際にExcelやWordを使って文書を作成したり、EdgeでWeb閲覧やストリーミング動画を視聴してみたりしたが、3時間ほど使ってもバッテリーは79%も残っていた。インテル® Core™ Ultra プロセッサーの特徴だが、モバイル用途でも心強いはずだ。

デザイナーやエンジニアだけでなく一般ビジネスパーソンにもおすすめ

HP ZBook Firefly 14 inch G11は、基本的にはデザイナーやエンジニアなどのプロ向けモバイルワークステーションだ。しかし今回見てきたように、一般ビジネスパーソンの作業効率も大きく高めてくれる。また、プロセッサーだけでなく、メモリ容量やGPUなど、一般モバイルPCよりも優れたスペックを搭載できる点や、モバイルユーザーも納得の長時間駆動、企業が求める優れたセキュリティ性も網羅しており、ビジネスモバイルPCとしても全く隙がない。

以上から、デザイナーやエンジニアだけでなく、動画編集なども含めて通常のビジネス作業の効率を大きく高められるモバイルノートPCとして、HP ZBook Firefly 14 inch G11は非常に魅力的な製品だ。特に、長年使い込んだPCの性能に不満を感じているビジネスパーソンに、ぜひとも検討してもらいたい。

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