【導入事例・愛媛県八幡浜市】HP Sure Click Enterpriseの導入でエンドポイントセキュリティ強化と職員の生産性向上を両立
HP Sure Click Enterprise導入事例・愛媛県八幡浜市
2025-11-13
自治体にとってインターネットサービスの活用は急務とされている。住民や企業でインターネットサービス活用が当たり前となる中、自治体にとっても同じ品質の住民サービスを提供するためには必須の取り組みだ。しかし、自治体が構築した基盤システムはセキュリティが強固であるがゆえに、外部へのアクセスに不便が生じているという現状がある。これを踏まえつつ、インターネットからサービスや情報を得るには新たな考え方を持ったエンドポイントセキュリティが必要だ。ここでは、この難しい課題解決にHP Sure Click Enterpriseを選択したことで多くのメリットを享受した愛媛県八幡浜市の事例を紹介したいと思う。
取材:中山 一弘
愛媛県 八幡浜市
目的
- 三層分離による基幹システムにおける、スムーズなインターネット活用
アプローチ
- HP Sure Click Enterpriseとファイル無害化ソリューションの導入により、強固なエンドポイントセキュリティの確立とゼロトラストアーキテクチャを構築
システムの効果
- 三層分離環境の中からでもインターネット活用が可能に
- 不安のないインターネット経由でのファイル受信環境を構築
- 特別な操作が不要でユーザーへの負担を最小限に
導入効果と運用
- インターネットサービス活用による業務効率化を促進
- ユーザーの負担軽減による生産性向上
- マネジメント機能により管理者への負担を軽減
エンドポイントセキュリティの強化が鍵
八幡浜市は愛媛県の西部にあり、九州と向き合う位置にあることから海上交通の要衝としても知られている。ダイナミックな景観のリアス海岸と周囲を山々に囲まれた地形は、四季折々の豊かな自然を体感でき、太陽の恵みを受けた柑橘栽培では日本有数のブランドを生み出し、全国から称賛を浴びている。その他、四国有数の水揚げを誇る魚市場の街としても有名で、豊かな食材が集まることから「伊予の大阪」として栄えた歴史も持っている。
そんな八幡浜市は自治体のITシステムに三層分離環境を構築し、強固なセキュリティ対策をしていたが、急増するインターネットサービス活用において利便性の面で課題感を持っていたのだという。「住民サービス向上のためにもインターネットサービスを活用するべきという声は以前からありましたが、ここ数年、現場の声がさらに大きくなっているのが現状です。既存のシステムはセキュリティ的に強固ではありますが、外部へのアクセスという面では不便があり、そのためにインターネット接続用のPCを用意するなど、コストや運用面でも管理しづらい状況でした」と語るのは八幡浜市の矢野氏だ。
この問題は全国の自治体でも起こっており、デジタル庁としても三層分離からゼロトラストアーキテクチャへの移行を促すなどの取り組みが起こっている。「しかし、それにはエンドポイントセキュリティを強化することが前提となり、その手法には多くの議論があるのが実情です。既存のアンチウイルスソフトウェアだけでは、近年の悪意には対応しきれない中、実際にどのような仕組みをつくれば良いのか、八幡浜市としても情報収集を続けていました」と語る矢野氏。
同氏はこの課題をHPにも相談。そこで同じ問題を抱える多くの自治体が採用している「HP Sure Click Enterprise(以降、HP SCE)」の存在を知ることになった。
実際の運用を想定したPoCを実施
「お話を伺ったところ、HP SCEがまさに最適なソリューションだと考えました。HP SCEは国内の自治体様への導入実績も多く、八幡浜市様と同様にインターネット活用のためのエンドポイントセキュリティ強化にむけ、ご導入いただくケースも急増しています。セキュリティ観点での効果は、国内での安全性はもちろんですが、米国国防総省が採用していることからもご理解いただけると思いました。そこでHPからSCEの技術に精通したメンバーとともにご説明差し上げることにしたのです」と語るHPの川上氏。
「HP SCEは悪意の侵入経路としてよくあるダウンロードファイルなどを仮想空間に封じ込めるセキュリティソリューションです。ファイルを開く際にアプリケーションごと仮想空間の中で動作させるため、悪意が含まれていた場合でもそこから外に出ることはできません。閲覧後に異常に気付いたとしても、アプリケーションを閉じてしまえば何事もなかったことにできるため、リテラシーに関わらず、悪意の侵入を防ぐことができます。最近では正規のデジタル証明書を利用した悪意もありますが、そのようなタイプのマルウェアでももちろん機能します。また、ブラウザから侵入を試みる悪意もありますが、独自のセキュアブラウザを利用することで、すでにインターネット上で待ち構えている悪意に対しても同様の効果を発揮します。職員の方々には負担を感じさせず、いつもどおり業務を続ける中でセキュリティレベルを高められるセキュリティソリューションです」と語るのは相談を受け、説明に八幡浜市へ訪れたHPの澤田氏だ。
八幡浜市はこのセキュリティソリューションを検討製品として受け入れることを決定。HPからも事前のPoCを提案されたことでこれを実施する運びとなった。「今回、課題となっている端末はLGWAN側にある約500台の端末です。規模的にも大きいですし、どのような影響があるかを知ることが必要と考えました。そこで3カ月程度のPoCを実施することになりました」と語るのはHPのパートナーであり、地域のSIerとして八幡浜市を支えてきた株式会社愛媛電算(以降、愛媛電算)の日野氏だ。
2023年3月、いよいよPoCに入った八幡浜市。「PoCは非常に順調で、実際に市役所のシステムを使った各種テストでも良好な結果を出しました。唯一、無害化ソリューションとの連携でうまくいかなかった点はありましたが、HPが修正パッチを開発したところそれも解消したので大きな問題にはなりませんでした」とPoCを振り返る矢野氏。
順調にPoCを進めた八幡浜市は6月に一度プロジェクトの完了を宣言。良好な結果を受けてHP SCEの導入に関する検討フェーズへとステージを移すことになった。
導入効果が高いHP SCE
また、今回の八幡浜市の要望に長期間契約があったため、HPと愛媛電算はそのために7年契約という新しいサービスを構築。コストメリットのある課金体系を提案することになった。「この点も導入を決定したポイントでした。HP SCEは長く使いたいソリューションでもありますし、予算面でもメリットがあれば私たちにとっても導入価値が高くなります。その点でHP様と愛媛電算様には大変感謝しております」と矢野氏は語る。
2024年3月に予定していた500台への導入が完了。同年4月にはHP SCEの本格運用を開始した八幡浜市。「エンドユーザーからはブラウザが変わったというぐらいで、特に大きな質問は来ておりません。事前に新しいセキュリティツールがインストールされているということは告知してありますが、PCが重くなるということもなく、本当に今まで通りの使い方でセキュリティが向上しているのは驚きです。また、心配されていた無害化ソリューションとの連携もスムーズなので、職員たちの業務効率化と生産性向上も両立できたと思います」と城下氏は評価する。
同時にセキュリティ運用管理面でも変化があったのだという。「運用面でも脅威の検知や振る舞いの分析などができるので、EDR的に使える点も大きいと思います。まだ実際にそのようなケースが起きたことがないので分かりませんが、非常に安心感があるソリューションだと思います。何事もないのが一番ですが、万が一の事態にも対処しやすく、運用管理がしやすいのもありがたいと感じています」と福田氏は語る。
実運用に入り、エンドポイントセキュリティの強化、ユーザーの業務効率化と生産性向上、効率的な運用管理など、課題解決だけでなく、様々なメリットを生み出すことに成功した八幡浜市。「当市では、『住民とともに対話で創る、デジタル活用で輝く未来の八幡浜市』というスローガンを掲げてDXを推進しています。今回のHP SCEの導入により、インターネット活用がこれまで以上にスムーズになったことで、また一歩理想に近づけたと思います。今後もDXを推し進める中で、住民サービスのさらなる充実を果たしていきたいと考えています。そのためにも、HP様と愛媛電算様にはこれまで同様、最新情報のご提供や、導入効果の高いソリューションのご提案をお待ちしております」と最後に矢野氏は語ってくれた。HPと愛媛電算は今後も八幡浜市のサポートを続けていく。
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