サイバーセキュリティのエバンジェリストはCopilot+ PCをどう見たか——HP EliteBook X G1i 14 AI PC体験レビュー

場所を問わない柔軟な働き方が求められるようになった昨今、もっとも汎用的で身近な業務ツールであるPCの要件にも変化が見られる。CPUやメモリ、ストレージなど、快適に作業するための基本スペックはもちろん、利用シーンを広げるための可搬性や、安全かつ安心して活用するためのセキュリティ機能が重視されるようになった。そこで注目されているのが、次世代の業務端末である「Copilot+ PC」だ。本稿では、サイバーセキュリティに関する最新情報を発信するセキュリティリサーチャーとして活躍するSBテクノロジーの辻 伸弘氏に、日本HPが提供する法人向けモデル「HP EliteBook X G1i 14 AI PC」を体感してもらった。セキュリティ有識者から見たCopilot+ PCの実力とは?

※本掲載内容は「TECH+」に掲載した内容を転載したものです。

SBテクノロジー株式会社 セキュリティリサーチャー 辻 伸弘氏
SBテクノロジー株式会社 セキュリティリサーチャー 辻 伸弘氏
SBテクノロジー株式会社 セキュリティリサーチャー 辻 伸弘氏

インターネットが世の中に普及し始めた時代から、サイバーセキュリティを独学で学び、ペネトレーションテスト(侵入テスト)に関わる職務に従事。現在は、自身が調査したサイバーセキュリティの情報を発信するリサーチャーとして、執筆や講演、テレビ出演、ポッドキャストなど幅広い活動を展開する辻氏は、働き方改革の推進やコロナ禍の影響などによりリモートワークが普及する以前から、場所を問わない自由な働き方を実践してきた。

「10年以上前から、PC1台と通信回線さえあればどこでも仕事ができるというワークスタイルを実践していました。近年ではスマートフォンが業務デバイスとして使われていますが、やはり表示領域が狭く、何かと不便に感じる部分があり、どこに行くにもPCは持ち歩いています」(辻氏)

仕事をするための道具として、持ち運び可能なノートPCは欠かせない存在と語る辻氏だが、業務を行う場所と内容については、自身でルールを設定しているという。

「たとえば、カフェでの作業は基本的に避けるようにしています。どうしても作業しなくてはならない場合は、人が後にいない席をできるだけ選んでいます。見られて困るような内容ではない場合も“見られてしまうような状況”を作ること自体がリスクになるため、セキュリティの専門家としては意識しているところです」(辻氏)

さらに辻氏は、外出時の通信回線としてスマートフォンのテザリングを利用し、ホテルのWi-Fiなどは使わないようにしていると語り、こうしたセキュリティ面での配慮は、安全を担保するだけではなく、安心して作業できるという意味でも大きな意味があると説明する。

辻 伸弘氏
辻 伸弘氏

「セキュリティという言葉にはいろいろな意味がありますが、私としては“安全と安心”が重要なキーワードと捉えています。先ほど話したカフェで後ろから覗き、実被害につながるような事態は、そう頻繁に起こるものではないかもしれません。とはいえ、対策を施して“安全”を担保できれば、“安心”して作業に集中できるようになります。余計なことを考えなくて済むのは、業務効率化や生産性向上の面でも非常に大きなメリットがあります。ただし安心と安全は必ずしもリンクするとは限らず、たとえばクラウドの業務利用が普及し始めた時期には、暗号化もされ、認証もしっかり行われていても、データを社外に保存することに不安を感じるという企業は少なくありませんでした。これは“安全だが安心できない”一例です。私のような立場の人間は、安全を実現するのは当たり前で、安心をどう与えるかというところに存在意義があるのではないかと考えています」(辻氏)

このように、セキュリティを意識しながらフットワークの軽いワークスタイルを実践している辻氏は、PCの選定にあたって“薄くて軽くて速い”ことが重要と語り、自身のワークスタイルにおいては、多少コストがかかったとしても、それに見合う効果は得られると説明する。

「薄くて軽くて速いという条件を満たすには、ある程度高価格なPCを選ぶ必要があります。とはいえ、手軽に持ち運べて、さまざまな作業を快適に行えることは生産性の向上に直結しますので、とんでもない高価格PCでない限り、トータルでペイできると考えています。あとはキーボードのさわり心地や静音性、さらにボディカラーやメーカーロゴといったデザイン的な要素も重視しています」(辻氏)

このようにPC選定のポイントを語る辻氏の元にレビュー用PCとして届いたのが、日本HPが提供するCopilot+ PCの法人向けモデル「HP EliteBook X G1i 14 AI PC」だ。辻氏は2020年に日本HPのプレミアムモバイルノートPC「HP Dragonfly」を購入し現在も活用しており、期せずして日本HPが展開するビジネスPCの変遷が伺えるレビューとなった。HP EliteBook X G1i 14 AI PCには高剛性かつ“薄くて軽い”マグネシウムボディが採用されており、14型ワイド(16:10)のWUXGA液晶ディスプレイ(1920×1200ドット)を搭載しながら、約1.19kgという可搬性の高いPCに仕上がっている。

辻 伸弘氏
辻 伸弘氏

「今まで使ってきたPCと比べて少し大きいのでそれなりの重みがあると思ったのですが、実際に使ってみると印象とは異なり、かなり軽く感じられました。キーボードの感触や静音性もよく、電源ボタンなども使い勝手を考えて配置されており、全体的に使いやすいマシンに仕上がっていると感じました」とファーストインプレッションを語った辻氏。レビュー機は、47TOPSのNPU性能を持つインテル Core Ultra7プロセッサー258Vを採用し、搭載メモリは32GBと、辻氏が求める“速さ”を備えている。「まだそれほど使い込んではいないのですが、生成AI活用も考慮すると、今からPCを購入するのなら、メモリは32GB以上欲しいと思いました」とハイスペックの恩恵を感じている。

辻氏は、HP EliteBook X G1i 14 AI PCの特徴であるAI関連の機能についても一通りチェック。さまざまなビデオ会議/コラボレーションアプリにビデオエフェクトを適用できる「Poly Camera Pro」をはじめ、Copilot+ PCの要件を満たしているPCだけが使える日本HP独自のAIソリューションを確認したほか、Microsoft Copilotや Gemini、ChatGPTといった生成AIツールの使い勝手も検証し、最新のAI技術を快適に活用できるCopilot+ PCの優位性をあらためて認識できたと話す。また、クラウドを介さずデバイス上でAIアシスタント機能を利用できる「HP AI Companion」で実現する“オンデバイスAI”の有用性にも言及する。

「クラウド上で処理が行われる生成AIツールに関しては、手元の資料を読み込ませるようなことはしないようにしています。処理性能やコストを考えるとクラウドAIの優位性は揺るぎませんが、ローカル上で完結できるオンデバイスAIは、“安心”して生成AIを使えるという意味で非常に有用だと思っています。生成AIだけでなく、新しい技術が登場すると必ず法人利用のリスクが議論されますが、企業競争力を高めたいのならば使わないという選択肢はあり得ません。その意味でも、オンデバイスAIに対応するのは1つのアドバンテージだと思います」(辻氏)

さらに辻氏は、5年間データ通信上限なしで4G LTE/5Gのサービスを使い放題な「HP eSIM Connect」サービスについては、「インターネットに直接つながっているリスクを管理者とユーザーが意識する必要がありますが、その利便性は非常に価値があると思います」と、リスク対策を十分に取ったうえでの利便性について高く評価。AI技術を活用して未知のマルウェアからPCを保護する「HP Sure Sense」や電源オフ時でもPCの位置情報を捉え、遠隔からのロックやデータ消去が行える「HP Protect and Trace with Wolf Connect」、先進技術により覗き見を防止する「HP Sure View」といった日本HP製品独自の機能についても利用価値は高いと語る。

辻 伸弘氏
辻 伸弘氏

「セキュリティ対策に関しては、“安全”はもちろん、ユーザーがセキュリティリスクを意識することなく業務に集中できること、すなわち本日のテーマのひとつである“安心”を与えられるかが重要です。その意味では、ハードウェア/ソフトウェアのレイヤーで“安心”を与えられる機能を実装したHP EliteBook X G1i 14 AI PCは、非常に有効な選択肢になると思います。万が一セキュリティ事故が起きてしまった場合、企業は事故の報告や公表を求められますが、その際には「事故は起きてしまいましたが、被害を最小化するためにこうした対処を行いました」と説明できることが大切です。「HP Protect and Trace with Wolf Connect」など、日本HP製品に搭載されているセキュリティ機能は、こうした対応においても非常に有用で、企業の経営層・セキュリティ管理者、さらに取引先やユーザーといった個人情報の持ち主にとってもリスクを最小限に抑えられる“安心”を与えることができると思います」(辻氏)

最新のAI PCとしての要件を満たしたCopilot+ PCには、Windows 11に搭載されたAI機能をフルに利用できるというメリットもある。辻氏は、ユーザーがPC上で行った作業を自動的に記録し、あとから検索できるようにする「Recall(リコール)」機能を試していると語り、生産性向上において非常に有効なツールと手応えを口にする。

「Windows 11に実装されたAI機能である「Recall」は、まだ課題は残っているものの、業務の効率化や生産性の向上を考えると非常に有用で、Copilot+ PCの目玉となる機能になると思います。実際に使ったのははじめてだったのですが、その便利さは想像以上でした。機密データがスクリーンショットとして残ることにセキュリティ面で不安を感じる方もいるかと思いますが、そうしたリスクを鑑みても利用する価値があると感じました。今後リスク面の課題をさらにブラッシュアップしていけば、人の生産性、時間の使い方を劇的に変えてくれる可能性があると期待しています」(辻氏)

今後も継続してHP EliteBook X G1i 14 AI PCを活用し、セキュリティの仕事に従事する人間としての視点と、1人のPCユーザーとしての視点から、Copilot+ PC、及び日本HPのPC製品が企業に与えるインパクト、特に利便性と安全性のバランスを発信していくと辻氏。業務効率化とセキュリティの強化を図りたい企業にとって、日本HPのCopilot+ PCはこうしたニーズに対応するための“解”の1つとなるとメッセージを送る。

「“安全を実現して、安心を得て、それを繰り返すことで『信用』が得られる”というのがセキュリティ対策の本質だと思っています。その意味では、多少コストをかけても、安全と安心を与える機能を備えたCopilot+ PCを導入する価値は高いと考えています。Windows 10のサポート終了が迫っている今こそ、最新のAI技術を効果的に活用できるCopilot+ PCへと移行する絶好のタイミングなのではないでしょうか」(辻氏)

辻 伸弘氏
辻 伸弘氏

HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。

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