HPのセキュリティソリューションの“現在”が分かる!
「Security Boot Camp 2026 Winter」が開催

セキュリティベンダーとしてのHPの恒例イベントとなっている「Security Boot Camp 2026 Winter」。各セッションでは東京大学先端研究の推進者である西尾様の講演をはじめとしたセキュリティ業界の最新動向から、新製品発表、アップデート情報など、盛りだくさんの内容をお届けする。本イベントはパートナーおよび販売店向けとなっているため、一般企業が参加することはできないが、こちらのレポートで当日の模様をダイジェストでお届けしよう。

Security Boot Camp 2026 Winter
Security Boot Camp 2026 Winter
東京大学 先端科学技術研究センター 客員研究員 西尾 素己 様
東京大学 先端科学技術研究センター 客員研究員 西尾 素己 様
東京大学 先端科学技術研究センター 客員研究員
西尾 素己 様

西尾氏は最新のマルウェア動向として、ランサムウェアやインフォスティーラー型攻撃が増加していると指摘。「暗号化を伴わないランサムウェア攻撃が、被害件数全体を押し上げています」と近況を語った。

その背景としてランサムウェア攻撃の解析が進み、暗号化をしようとすると検知率が上がるようになったため、悪意ある組織は暗号化をやめ、それまで入手した情報を公開すると脅迫するようになったのだという。

「怖いのはそのあとで、企業が持つPCのBIOS/ファームウェアに悪意あるプログラムを忍ばせることができるので、何度OSを再インストールしても我々はずっとそこに居座ることが可能だと脅してくるのです」と西尾氏は解説する。

侵入経路としては脆弱性を突く手法が増加しており、VPNやゼロトラストネットワークも標的となっているという。企業規模を中小企業にターゲットを絞った悪意も増える可能性が高いと西尾氏は指摘する。「悪意ある組織が注力している攻撃手法はインフォスティーラーとBYOVDです」と近年のセキュリティ事件の事例を交えつつ攻撃手段について紹介する西尾氏。

これらに対応する防御の要として、仮想化技術によるアプリケーション保護を導入し、EDRのみでは防御できないLoTLを併用したインフォスティーラー散布に備えることと、OSより下層レイヤーとなるBIOS/ファームウェアへの攻撃を防御する必要があると指摘する。
これらに対応する防御の要として、仮想化技術によるアプリケーション保護を導入し、EDRのみでは防御できないLoTLを併用したインフォスティーラー散布に備えることと、OSより下層レイヤーとなるBIOS/ファームウェアへの攻撃を防御する必要があると指摘する。
これらに対応する防御の要として、仮想化技術によるアプリケーション保護を導入し、EDRのみでは防御できないLoTLを併用したインフォスティーラー散布に備えることと、OSより下層レイヤーとなるBIOS/ファームウェアへの攻撃を防御する必要があると指摘する。

HPにはHP Sure Clickによる仮想化空間への封じ込めや、マザーボード上に設置された物理的なセキュリティチップによる下層レイヤー保護機能であるHP Sure Startなどが活用できる。「インフォスティーラーとBYOVDへの対策がビジネスの機会維持に直結する非常に重要な課題です」と語り西尾氏はセミナーを終了した。

エンタープライズセキュリティソリューション部門 グローバル責任者のDan Allen(ダン・アレン)
エンタープライズセキュリティソリューション部門 グローバル責任者のDan Allen(ダン・アレン)
エンタープライズセキュリティソリューション部門 グローバル責任者のDan Allen(ダン・アレン)
HP 先進プロジェクト研究開発部門 ディレクターのKris Uchronski(クリス・ウクロンスキー)
HP 先進プロジェクト研究開発部門 ディレクターのKris Uchronski(クリス・ウクロンスキー)
HP 先進プロジェクト研究開発部門 ディレクターのKris Uchronski(クリス・ウクロンスキー)

基調講演に続き、壇上に上がったのは昨年に引き続き来日を果たしたグローバル責任者のDan氏だ。「BIOS/ファームウェアの保護がなぜ大切なのか。よくお客様からBIOS/ファームウェアのパスワード設定はおこなっていないという話を伺います。設定が難しい、管理が大変といった理由から実施していないのです」と話を切り出すDan氏。

HPはセキュリティチップを管理する「HP Wolf Security Controller」を実装することで、BIOS/ファームウェアの管理と、万が一の場合に備えた復旧を可能にしている。Dan氏はスマートフォンを取り出し、スマホアプリからPCのBIOS/ファームウェアを管理しているデモを披露した。

デモを披露
デモを披露

「HPのPCに限定されますが、適切なBIOS設定をおこなうことができます。またHP Sure Adminと連携し、公開暗号化に基づくパスワード不要のBIOS管理も実行できます」と説明。BIOSの設定が変更された場合、それを検知しアラートを出すデモをおこない、不正な改変があっても早期に発見できる仕組みも紹介した。

続いて登壇したのはハイパーバイザーチームを率いる Chris氏だ。「HP Sure Accessは仮想マシンを用いてOSやカーネルドライバがマルウェアに感染していたとしても管理者の特権活動を保護します」とソリューションの概要を説明するChris氏。社員のPCが乗っ取られても一大事だが、管理者のPCが攻撃にあった場合の損失はそれ以上に広がることはすぐに想像できる。「システム管理者は企業としてもっとも守らなくてはならない存在です」とChris氏は強調する。

HP Sure Accessは管理者端末を仮想化分離することでセキュリティを強化する。「みなさんは普段管理者用のPCと作業用PCを分けていると思います。管理者用のPCはインターネットにもつながっておらず、完全に分離させて運用させているはずです。これを仮想的に実行する機能こそが、私たちが管理者を守るために用意した機能です」と概要を語るChris氏。

働き方改革を進めている中、物理的に2つのPCを使い分けるのは非効率といえる。HP Sure Accessを利用すれば、高いセキュリティを保ちつつ、効率的なシステム運用が可能になるというわけだ。

イベント風景
イベント風景

一連のデモを終えたChris氏は、「HP Sure Accessは現在日本市場向けに日本語のローカライズとサポート体制を整えています。2026年春には日本向けのバージョンがリリースできる予定なのでみなさん楽しみにしていてください」と語り、セミナーを終了した。

HP Wolf Pro Security

ワークフォースソリューション事業本部 雨宮 広和
ワークフォースソリューション事業本部 雨宮 広和
ワークフォースソリューション事業本部
雨宮 広和

雨宮氏はセキュリティ統合ソリューションのHP Wolf Pro Security(WPS)のアップデート情報をプレゼンした。「Windows Server 2022および2025でWPSをインストールし、HP Sure Sense(NGAV)を利用することができるようになりました。これにより、Windows ServerもWPSによる一元的な保護が可能です」(雨宮氏)。

イベント風景
イベント風景

そのほか、他社製NGAVが稼働している事を検知するとHP Wolf Pro Securityを自動停止させる機能も追加された。「これにより、特定の部門が独自に他社製NGAVを導入してしまった場合等に、NGAVの競合によるユーザの業務停止時間(ダウンタイム)を未然に防止することができます。IT統制の強くない組織でも安心してご利用頂けます。」と、追加機能のメリットを語った。

エンタープライズ営業統括 技術本部 日本HP エバンジェリスト 澤田 亮太
エンタープライズ営業統括 技術本部 日本HP エバンジェリスト 澤田 亮太
エンタープライズ営業統括
技術本部 日本HP エバンジェリスト 澤田 亮太

澤田氏はHP Protect & Trace with Wolf Connect(HP Wolf Connect)のアップデート状況を解説した。「HP Wolf Connectは電源が入っていないPCに対して、リモート環境から管理がおこなえるMDMですが、対象PCが海外にあってもそれは可能でした。とはいえ、国によっては未対応な地域もあり、それぞれお問い合わせいただく必要がありましたが、それをリスト化して一覧することができるようにしました。また、対応国については順次アップデートしており、今後の追加情報にもご注目ください」と澤田氏。

さらにHP Wolf Connectは一部対応モデルにおいては、後からソフトウェアライセンスとして導入できるようになったのだという。

イベント風景
イベント風景

また、HP eSIM Connectに関しては、国際ローミングへの対応を開始することになった。さらに現在はau回線のみだが、さらにNTT docomo回線を追加することが可能になった。これにより、どちらかの回線が遮断されても、もう一方で回線が維持されるため、BCP対策として非常に有効な手段となる。

ワークフォースソリューション事業本部 日本HP セキュリティエバンジェリスト 木下 和紀 エドワルド
ワークフォースソリューション事業本部 日本HP セキュリティエバンジェリスト 木下 和紀 エドワルド
ワークフォースソリューション事業本部
日本HP セキュリティエバンジェリスト
木下 和紀 エドワルド

木下氏はHP Sure Click Enterpriseのアップデート情報を会場に伝えた。「脆弱性が見つかっているので、専用ブラウザのベースとなるChromiumのバージョンも上げています。特にホワイトリストを使ってブラウザ管理をしているケースでは気にしておいた方がよいでしょう」と木下氏。

イベント風景
イベント風景

その他、Webカメラのバグ修正、Windows LTSCのサポートの追加、Microsoft Office関連のアップデート情報などについて説明。「ここ2年ほどベータ対応だった、Webミーティングツールですが、ZoomとTeams、Google Meetのサポートを開始します。ただし、デフォルトでは無効化されているので、有効化するためにはポリシーの適用が必要なのでご注意ください」と指摘した。

ソリューション技術本部 プリセールスエンジニア部 鈴木 学
ソリューション技術本部 プリセールスエンジニア部 鈴木 学
ソリューション技術本部
プリセールスエンジニア部
鈴木 学

鈴木氏は先にDan氏が解説したHP Wolf Security Controllerについて改めて紹介した。「先ほども説明がありましたが、クラウド版のコントローラーが新しい機能に対応していくということで、オンプレミス版については今後改めて発表します」と鈴木氏。Dan氏はHP Sure Adminについて特に詳しく解説したが、HP Sure Recover、HP Sure Runといった、HPのビジネスPCに搭載されるセキュリティ機能のほとんどがHP Wolf Security Controllerで集約管理できるようになるのだ。

イベント風景
イベント風景

「Dan氏もHP Sure Adminについて解説していましたが、例えば、デバイスごとに個別のパスワードを設定しているような場合は、5年後にはかなりの確率でBIOSパスワードを忘れているという例が多いと思います。その結果返却や売却時に受け取りを拒否されるケースも出てきてしまいます。そこでHP Sure Adminによってリモートアクセス設定をしておくと遠隔でローカルパスワードが解除できるので、面倒ごとを回避できます」と鈴木氏は説明した。

株式会社ブロード 執行役員 セキュリティ事業本部長 沼田 貴寿 氏
株式会社ブロード 執行役員 セキュリティ事業本部長 沼田 貴寿 氏
株式会社ブロード
執行役員 セキュリティ事業本部長
沼田 貴寿 氏

HPのリセール&デリバリーパートナーであるブロードの沼田氏は自社での販売実績を事例として紹介した。「ある大手保険会社様は Microsoft Defender Application Guard からの切り替え時にHP Sure Click Enterprise の導入を検討。PoCの結果評価が高く採用に至りました」と沼田氏。契約数13,000ライセンスと大型案件となった。

イベント風景
イベント風景

また、ある建設業者ではエンドポイントセキュリティについて調査をしている段階でHP Sure Click Enterprise を発見、顧客企業からのアプローチがあり、商談を開始。当時、EDRを採用していたが誤検知、すり抜け共に多くあり、代替ソリューションとしてHP Sure Click Enterpriseの導入に至った。

続いて紹介された証券会社の例では、一度他社製のセキュリティソフトウェアに採用を奪われたが、後日、HP Sure Click Enterpriseの仮想化への封じ込めというコンセプトについて理解を示し、ランサムウェアの猛威と共にその対策として導入が決まった。

「ブロードでは国内外のセキュリティ製品を多く取り扱っています。それらのソリューションと組み合わせることで、新たな発見もあります。各パートナー様とも協業しながら販売を進めていますので、どうぞみなさまもお気軽にお問合せください」と沼田氏は語った。

最新事例及び協業ソリューション例

ソリューション技術本部 プリセールスエンジニア部 澤田 亮太
ソリューション技術本部 プリセールスエンジニア部 澤田 亮太
ソリューション技術本部
プリセールスエンジニア部
澤田 亮太

再度の登壇となる澤田氏はHPによる導入事例を紹介した。冒頭で事例集がHPのオフィシャルサイトから入手できることを説明。はじめにWPSの事例を紹介した。
【無料提供中】 HPセキュリティソリューション 国内導入事例集 | 日本HP

ある導入企業においては当初はHPの法人向けPCを導入しつつも、他社製のセキュリティソフトウェアを活用していたものの、HP Wolf Pro Securityを試しに使ってみたところ非常に使いやすいという評判となり、 HP Wolf Pro Security への移行が実現した。

イベント風景
イベント風景

続いて紹介したのはHP eSIM Connectと HP Protect&Trace with Wolf Connect のダブルコネクトの導入事例だ。当初、外出が多い部署のみ少数のHP eSIM Connectを採用していたが、思ったより評価が高く、追加導入を検討。その中で海外出張も多いということからMDMであるHP Wolf Connectも紛失・盗難への備えとして導入するに至った。

そのほか、HP Sure Click Enterpriseの自治体への導入事例なども紹介。「自治体では無害化サーバーとの組み合わせで導入が決まった例もたくさんあります。私たちの製品とほかの製品を組み合わせることで、お客様にメリットが生まれるケースもあると思います。そのような例がありましたら、ぜひこちらにもご一報ください」と澤田氏は語った。

営業企画本部 ソリューションビジネス推進部 川上 裕一
営業企画本部 ソリューションビジネス推進部 川上 裕一
営業企画本部
ソリューションビジネス推進部
川上 裕一

川上氏からは HP Sure Click Enterprise の販売傾向についてのプレゼンテーションがおこなわれた。「HP Sure Click Enterprise には大きく仮想ブラウザとして提案するタイプとアンチウイルス対策、ゼロトラスト向けのソリューションとして提案する形の2種類に大別できます」と話す川上氏。

仮想ブラウザとして求められるのは自治体や金融、大企業などが多く、アンチウイルス対策として求められるのは一般企業が多くなる。「仮想ブラウザとして販売する際にはVDIからのリプレイス案件が8割以上となります。主に挙動が遅い、つながらない、コストが高いという課題をお持ちです」と川上氏。アンチウイルス対策として販売するには、HP Sure Click Enterpriseの守備範囲についてのご説明や米国国防総省にも導入されていること、マルウェアの封じ込めの挙動など、 HP Sure Click Enterprise のベネフィットについて説明するのが効果的だとしている。

イベント風景
イベント風景

「年間300社と会話をしていくなかで様々なことが分かってきました。セキュリティ投資については、どの組織の経営陣の方々もセキュリティ意識は高いので、予算を出してくれるようになりました。ただし、 HP Sure Click Enterprise を導入する際にユーザが使えるようになるのかの説明は必要ですし、IT管理者には実際に運用する際の管理ツールのお話もしておくとよいでしょう」と、 HP Sure Click Enterprise を使う側の立場にたった説明が早期理解へのポイントだと、川上氏は説明した。

営業企画本部 ソリューションビジネス推進部 川喜田 一広
営業企画本部 ソリューションビジネス推進部 川喜田 一広
営業企画本部
ソリューションビジネス推進部
川喜田 一広

川喜田氏からは、主にパートナー企業向けのプログラムの変更に関するアナウンスがあった。「パートナープログラムについては新しい分類となり、それぞれにメリットをご用意しています」と川喜田氏。そのほか、無償のトレーニングや認定試験の提供体制についても説明した。

イベント風景
イベント風景

「製品への理解を手助けする各種資料や動画、HPが提供するわかりやすいコミックスなどの提供もおこなっております。ぜひ積極的にご活用ください」と川喜田氏は語り、セッションの終了と共に、本イベントの終幕についてアナウンスした。

非常に中身の濃いイベントの全セミナーを終えたSecurity Boot Camp 2026 Winter。満席となった場内はみな真剣なまなざしで各セッションに聞き入っていた姿が印象的だった。HPのセキュリティソリューションの全容について説明を受けた各パートナーらは、その特徴をいかしたセールスを展開し、多くの企業や組織の課題解決のために活躍してくれることだろう。次回開催はもちろん、一般企業が参加できるイベントなども多いので、HPのセキュリティソリューションについてより詳しく知りたい方はぜひ参加して欲しい。

イベント・セミナー情報
https://jp.ext.hp.com/techdevice/event/

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

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