理想のまちづくりを実現する「シン・デジタルツイン」を支える
HPワークステーション

都市開発では、建物だけでなく、人流や交通、気象などの多様な要素を捉え、街全体の将来像を描く必要がある。大成建設は、都市をデジタル空間に精緻に再現し、実務に生かす「シン・デジタルツイン」を推進。西新宿をはじめ、岡崎市や仙台市などへ活用の場を広げている。複雑かつ膨大なデータを融合し、高度なシミュレーションとリアルな3D表現を支えているのがHPワークステーションだ。失敗の許されないまちづくりに、デジタル空間で何度でも未来を試せる環境をどのように実現したのか。プロジェクトを担うキーパーソンに話を聞いたので紹介しよう。

大成建設株式会社
大成建設株式会社
集合写真
集合写真

目的

  • シン・デジタルツインを安定して運用、提供できるハードウェアの選定

アプローチ

  • HPワークステーション製品群を活用し、高負荷なシミュレーションから展示・実運用まで安定した環境を提供することで、プロジェクト全体を支援

システムの効果

  • 高負荷な3D都市モデルやシミュレーションを安定運用
  • 高い可用性により業務停止リスクを低減
  • ワークロードに応じた柔軟なワークステーションを提供可能

ビジネスの効果

  • 都市開発のシミュレーション精度向上による検討スピードの加速
  • トライアンドエラーの増加による計画品質向上
  • 展示会や顧客提案時の安定稼働による信頼性向上

大成建設株式会社(以降、大成建設)は1873年創業の日本を代表するスーパーゼネコンで、建築・土木・開発を軸に国内外で事業を展開する総合建設会社だ。安全で魅力ある空間づくりを理念に、都市開発からインフラ整備、最新の建設DXまで幅広い領域で社会基盤を支えている。同社は世界各地で大型インフラや都市開発を手がけ、トンネル・橋梁・空港など高度な技術を要するプロジェクトで国際的評価を得ている。特にアジア・中東での施工実績を重ね、グローバルな建設技術の発展にも貢献している。

そんな大成建設の都市開発本部に所属する新事業推進部 デジタル・スマートシティ推進室では、新しいプロジェクトやデジタルテクノロジー・スマートテクノロジーを活用した都市開発に取り組んでいる。2021年に設置された比較的新しいこの組織では「シン・デジタルツイン」という取り組みが続けられている。

「デジタルツインという言葉自体は、いろいろなところでも言われるようになってきていると思います。これを私たちなりにいうならば、『本当に都市開発の実務で使えるようなデジタルツインを作ろう』という思いで始めたのがシン・デジタルツインです」と語るのはデジタル・スマートシティ推進室長の村上氏だ。

この取り組みは国土交通省の「PLATEAU」とも深くかかわっている。PLATEAUは日本全国の都市モデルをオープンデータとして整備することを目指しており、2027年度末にはその数が500都市へと広がることが目標とされている。「この貴重なデータは統一仕様で高品質に整備されているため、私たち都市開発に携わる者としてはものすごいチャンスだと考えています」と村上氏は説明する。

大成建設株式会社 都市開発本部 新事業推進部 デジタル・スマートシティ推進室長 村上 拓也 (再開発プランナー / マンション建替えアドバイザー)
大成建設株式会社 都市開発本部 新事業推進部 デジタル・スマートシティ推進室長 村上 拓也 (再開発プランナー / マンション建替えアドバイザー)
大成建設株式会社
都市開発本部
新事業推進部
デジタル・スマートシティ推進室長
村上 拓也 (再開発プランナー / マンション建替えアドバイザー)

更に、大成建設のビジネスに転用するために、同社のノウハウを活かし、データの粒度を高めることでシン・デジタルツインを構築しているのだ。それを支えるコンピューターに選ばれたのがHPワークステーションとなる。

シン・デジタルツインと比較されることが多いテクノロジーにはBIMがあるが、この両者には大きな違いがある。「BIMもワークステーションを活用することが多いソリューションですが、こちらは建物単体を作ることが目的となります。シン・デジタルツインは複数の建物が存在する都市全体を扱うことになります」と村上氏。BIMで再現した建物を、建設予定地周辺のほかの施設とともにデジタル空間上に配置していくという点で明確な違いがあるのだ。

「もちろん、案件ごとに規模感や内容が変わるので一概には言えませんが、いずれにしてもワークステーションにはハイパフォーマンスが要求されます」と村上氏。例えば、大成建設の本社がある西新宿は約96ヘクタールの土地に100棟以上の建物が存在している。「BIMだけでなく、点群データなど様々なデータを重ね合わせて都市を再現するわけですが、これだけの施設があれば当然負荷も相当なものになります」と説明する村上氏。

この他、人流データや自動車などの交通データ、さらには気象データや騒音データなど、都市に関わるあらゆるデータをそこへ取り込むことで、都市の状況をリアルに再現していくのだ。

これにより、建設前にそのビルが建った場合にそのエリアでどのような変化が起こるのか、目的に沿うようなまちづくりをするにはどのような施設にするのが相応しいのかなど、あらゆる側面でトライアンドエラーが可能となる。

「都市開発を担う自治体や民間デベロッパーのみなさまのようなプロだけでなく、図面に不慣れな方でも、デジタル空間上で再現される3Dモデルを見ながら、あるいは操作しながらなら、計画の理解も早まります。まちづくりに参加いただくみなさまが同じ場所を指さしながら確認するように、共通のイメージを持てることがシン・デジタルツインの最大のメリットともいえます」と村上氏は語る。

シン・デジタルツインのテクノロジーを活かしたまちづくりはすでにいくつかの自治体で実施されている。スマートシティ化を進める西新宿もそのひとつだ。「都市の現状をデジタル空間に精緻に再現することで高度なシミュレーションの実施や自動運転・自動配送ロボットの走行等に活用することを検討しています」と語る村上氏。この取り組みはすでに始まっており、実際の工事に取り掛かっているエリアもある。

2026年6月から同年12月まで新宿都庁第一本庁舎2階北側展示スペースにて行われている「西新宿スマートシティラボ」では、実際にシン・デジタルツイン※によって未来の西新宿がどのようになっているのか、仮想空間上で確認することができる。

※「西新宿スマートシティラボ」は2026年12月まで開催されていますが、展示コンテンツは期間ごとに入れ替わっており、「シン・デジタルツイン」の展示は2026年6月~8月をもって終了しています。

「プロジェクトの初期には、複数のアプリケーションを起ち上げながら作業するとコンピューターがクラッシュすることもありましたが、HPワークステーションを使うようになってから安定動作を続けています」と語る村上氏。

もちろん、開発環境ではHP Z8クラスが必要となるが、西新宿スマートシティラボでのデモンストレーションでは「HP Z2 Tower G1i Workstation」が使われている。「都市をリアルに表現するだけでなく、高い操作性を持たせるために、BIMだけでなくゲームエンジン『Unreal Engine』も用いています。ですから、こちらの環境ではグラフィックスにゲームとの親和性の高い『NVIDIA GeForce RTX 5090』を搭載したHP Z2にプログラムをインストールしています。ゲームパッドでキャラクターを操作することで、未来の都市を見て回れるような没入感が得られます」と説明する村上氏。実際に会場へ行き、その様子を見せていただいたが、たくさんの人々がいるエリアに移動させても、まるでゲームの世界にいるような感覚で実にスムーズに描画されていた。確かにこれなら、誰もが都市の未来像を知ることができるだろう。

「さらに最近では海外を含め、プロジェクトが動いている拠点への移動が多いのでHPモバイルワークステーション「HP ZBook X G2i」がとても役立っています。現地でノート型のコンピューター上でシン・デジタルツインが楽に動いてくれるのはとても頼もしいです。また、デスクトップ型とモバイル型の両方にいえることですが、HPワークステーションは可用性が高く、ほとんどトラブルが起こりません。大切なプレゼンテーションがある日に止まってしまうということは避けたいので、この信頼性に助けられているところは大きいと思います」と村上氏は語る。

シン・デジタルツインの事例はこれだけにとどまらない。「担当中の愛知県岡崎市のプロジェクトでは岡崎市様が主体となって市街地のモデルを作成しています。様々な民間デベロッパー様や地権者様と話しあう土台として、シン・デジタルツインをご活用いただいております」と語るのは西山氏だ。都市計画のための検討基盤としてシン・デジタルツインはまさに最適なツールとなる。

関連動画:【セッション動画】デジタルツインの実践事例と実装を支えるテクノロジー解説/ 国土交通省/大成建設/岡崎市/日本HP

大成建設株式会社 都市開発本部 新事業推進部 デジタル・スマートシティ推進室 西山 鈴音
大成建設株式会社 都市開発本部 新事業推進部 デジタル・スマートシティ推進室 西山 鈴音
大成建設株式会社
都市開発本部
新事業推進部
デジタル・スマートシティ推進室
西山 鈴音

「地権者様としてはご自分のお住まいが開発によってどう変わるのか、不安を感じられるのは当然だと思います。岡崎市様が計測されている人流データも活用して、シン・デジタルツイン上で新しい建物を建てたら景観や人の流れがどのように変化するのかをシミュレーション・可視化したことで、地権者様にとって分かりやすい形で情報を共有することができたと伺っております」と西山氏は語る。

シミュレーション
シミュレーション
シミュレーション
シミュレーション

宮城県仙台市でもシン・デジタルツインを活用した実証が行われている。「仙台市様では、シティ・プロモーションや、まちづくり分野での有用性検証というテーマで実証を開始しております」と語るのは永井氏だ。

大成建設株式会社 都市開発本部 新事業推進部 デジタル・スマートシティ推進室 課長代理 永井 健太郎
大成建設株式会社 都市開発本部 新事業推進部 デジタル・スマートシティ推進室 課長代理 永井 健太郎
大成建設株式会社
都市開発本部
新事業推進部
デジタル・スマートシティ推進室
課長代理
永井 健太郎

仙台市の場合はまちのシンボルストリートのデジタルツイン化や膨大な既存人流データの重畳を行うなど、人流情報の可視化にもチャレンジしているのだという。「試験的にHPワークステーションでテストをしてみましたが、実際の業務として使った場合でもレスポンスがよく、とても役立つことを実感しました。様々な都市や建築における膨大な量の人流データを今後も扱っていきたいと考えていますので、HPワークステーションにはとても期待しています。シン・デジタルツインの担当者として、今後が非常に楽しみです」と語る永井氏。

「都市開発は失敗が許されない分野ですので、デジタル空間の中で何回でも実験していけるのは大きな魅力だと思います。これまでは社会実験としてリアルな場で試すことが多かったのですが、準備期間も長く必要ですし、コストもかかってきます。シン・デジタルツインがあれば、簡単に、何度も試すことができるのでとても優れた仕組みだと感じています」と村上氏は語る。

西新宿、岡崎市、仙台市と次々と広がりを見せるシン・デジタルツイン。現在ではさらに多くの自治体や民間デベロッパーから注目され、都市開発の標準ツールとして横展開するような存在になりつつある。「日本国内からはもちろんですが、海外からの引き合いもあります。今後は日本における標準的なツールとして、シン・デジタルツインを活用していただきたいですね。また、まちづくりという視点だけでなく、シン・デジタルツインはエンターテインメントやゲーム分野でも十分活用できるレベルのクオリティを持っていると思います。例えば観光地を再現し、デジタルツアーなどに使うのも面白いと思います。シン・デジタルツインはアイデア次第でまだまだ可能性が広がると考えています。HP様には今後も様々な製品、ソリューションのご提案や最新情報のご提供をお願いします」と最後に村上氏は語ってくれた。HPは今後も大成建設およびシン・デジタルツインプロジェクトを支えていく。

HPワークステーションは可用性が高く、ほとんどトラブルが起こりません。大切なプレゼンテーションがある日に止まってしまうということは避けたいので、この信頼性に助けられているところは大きいと思います。

大成建設株式会社 都市開発本部 新事業推進部 デジタル・スマートシティ推進室長
村上 拓也 (再開発プランナー / マンション建替えアドバイザー)
東京都庁で開催された「西新宿スマートシティラボ」。大成建設はシン・デジタルツインが描く未来の西新宿をゲーム感覚で楽しめるデモンストレーションを展示した
東京都庁で開催された「西新宿スマートシティラボ」。大成建設はシン・デジタルツインが描く未来の西新宿をゲーム感覚で楽しめるデモンストレーションを展示した
東京都庁で開催された「西新宿スマートシティラボ」。大成建設はシン・デジタルツインが描く未来の西新宿をゲーム感覚で楽しめるデモンストレーションを展示した
集合写真
集合写真

「シン・デジタルツイン」について詳しくはこちら

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

HP Workstation

HP Workstation

パフォーマンスを追求し、 AIの力をさらに引き出す。 イノベーションを生み出す、 先進ワークステーション

詳細はこちら

日本HP 公式オンラインストア
HP Directplus
用途やニーズでカスタマイズ可能

法人向けPC国内シェアNo.1。直販サイト限定の多彩なラインナップと特別キャンペーンをお見逃しなく。信頼のパフォーマンスと強固なセキュリティを備えた最新モデルを、1台からお得にお見積り可能。ビジネスを加速させる最適なPCソリューションを、あなたの手に。

HPのダイレクトストアはこちら

「ワークステーション」の人気記事

ワークステーション