最先端のデータサイエンスを学ぶ環境を支えるHPワークステーション
滋賀大学
2026-01-29
日本初となる「データサイエンス学部」を設置した滋賀大学は、その「データサイエンス」、「経済」、「教育」の3学部を中心に、文理融合型教育を展開する国立大学だ。地域や企業との連携も積極的におこなっており、これからの日本社会を支える人材の輩出も盛んだ。今回はそんな滋賀大学で研究を続ける、田中勝也教授(以降、田中氏)、大塚道子准教授(以降、大塚氏)の両氏による最新のHPワークステーションを試験導入していただいた。データサイエンスの最先端で多くの学生を導く環境でどのようにHPワークステーションが貢献できているのか、途中経過を伺ってきたので紹介しよう。
取材:中山 一弘
目的
- データサイエンス分野において最新のワークステーションがどれだけ貢献できるか可能性を計る
アプローチ
- 最新のワークステーションでデータサイエンス学部の分析・解析・シミュレーション 運用が効率化できるか試験導入を実施
導入の効果
- 気象研究のベンチマークで1/5の効率化を実現
- モンテカルロ・シミュレーションにおいて1/3の効率化を確認
- 扱いやすさから学生の研究効率が向上
- 長時間稼働でも安定した運用が可能
- 狭い場所への設置や持ち帰りにも対応
データサイエンスの可能性を広げる滋賀大学
国宝で世界遺産に申請中でもある彦根城、その石垣に守られるようにキャンパスが広がる滋賀大学。琵琶湖を望む滋賀県の風土と歴史を感じさせる中、若者たちは最先端の数理、データサイエンス、AIに関する知識や技術を体系的に学び、将来を担う人材として各界へと羽ばたいていく。そんな滋賀大学に研究室を構える田中氏と大塚氏は、経済・データサイエンスの両学部で多くの学生を育成し続けている。
「私は滋賀県や琵琶湖周辺の気象・気候に関する研究を中心にしていますが、特に気象観測と数値モデルを用いた解析を専門としています。こういった研究にはスーパーコンピューター(以下、スパコン)を使っているのですが、他機関が所有するスパコンを学生が使うには制度的にもハードルが高いため、手元のPCで行う必要がありました」と語る大塚氏。同氏の研究に必要な気象モデルで扱う大規模計算では、時間と計算負荷がかかりすぎるため、計算中は他の作業ができないといった課題があったのだという。「これは研究の全体的な効率を下げることにつながってしまうため、その解決策を探っていたという実情がありました」と試験導入に踏み切った背景について語る大塚氏。
「大塚先生とご一緒させていただいているのが、熱中症に関する研究です。特に地球温暖化の影響などで、これからどのようになっていくのかを表すシミュレーションや、それにどう対策していくのかについての研究を行っています。これについては起ち上げたばかりでもあり、これからどんどん進めていこうとしているところです」と語るのは、以前からHPワークステーションを使い研究をしている田中氏だ。
以前にも導入事例として紹介させていただいた経緯もある田中氏は、主に持続可能な都市計画や災害リスク管理を専門としている。「現在は『要因サーベイ実験(FSE)』という新たな推定手法により、災害対策や環境政策など人々の『支払意思額(WTP)』を精緻に推定する統一的ワークフレームの開発に取り組んでいます」と田中氏は研究内容について補足する。(参考:https://jp.ext.hp.com/techdevice/technology/shiga-u-ac_01/)
HPワークステーションの可能性を模索
こうした背景を持つ両氏が使用している製品が「HP Z2 Mini G1a Workstation」と「HP ZBook Ultra G1a 14inch Mobile Workstation」だ。超小型ワークステーションのHP Z2 Mini G1aは大塚氏、ノートPCタイプのモバイルワークステーション、HP ZBook Ultra G1a 14は田中氏が運用している。
「両氏に選択していただいたワークステーションに共通するのは『AMD Ryzen™ AI Max+ Pro 395』というAMDの最新プロセッサが採用されている点です。高性能なCPU、GPU、NPUを一つのチップに統合しています。高性能なRadeon 8060SがCPUと同じチップ上に乗ることで、集積回路間のデータ転送速度を最大化し、演算能力の向上と電力の省力化を実現しています。CPUは16コア/32スレッドで最大5.1GHzの処理能力を持ち、NPUは単体で50TOPSとクラス最大級の高速演算が可能です」と説明するHPの浅井氏。
「また、 AMD Ryzen™ AI Max+ Pro 395は統合メモリーアーキテクチャー(ユニファイド・メモリ・アーキテクチャー)を採用しています。従来はCPU用メモリとGPU専用VRAMが固定的に分かれていましたが、このアーキテクチャでは、共通のメモリプールをCPU、GPU、NPUが柔軟に共有可能となっています。例えば、最大構成のシステムメモリ128GBのうち、96GBまでをVRAM相当としてGPU側に割り当てることができ、グラフィックスを多用するワークフローに応じて最適なリソース配分を実現することが可能で、データサイエンス分野、生成AIや画像認識などの高度演算にも最適仕様となっています。」とHPの新井氏も言葉を続ける。
「HP Z2 Mini G1aを使い始めて間もないですが、すでに学生の研究などにも非常に役立っています。つい2~3週間前くらいからですが、実際に学生が使ってみると『これは非常に効率がいい』ということで、現在もほぼフル稼働状態になっています」と語る大塚氏。
「Secure Shell(以下、SSH)で複数ユーザーが利用できるLinux的な運用のしやすさもあって、VPN経由で家からも利用するようなことも可能になっています。これまで自分のパソコンでは10時間かかっていたような処理が、HP Z2 Mini G1aでは2時間でできるようになったものもあり、非常に効率的な環境に変わりました」と大塚氏は手応えを語る。
修士論文の締め切りが近い時期ということもあり、学生たちは従来の環境では気象モデルを数回検証するにも数日かかる状況だったが、ワークステーションを使えば1日の試行回数を増やせる見込みが立ったため、フル稼働で活用しているのだという。
試験運用で確実な効果を体感
一方の田中氏の運用状況はどのようなものだろう。「例えば地球温暖化対策には価値があると思うのですが、そこにどれだけの価値があるのかはなかなか分かりにくいものがあります。しかし、アンケートで少し特殊なフォーマットの質問をすることで、価値を予測するという手法がすでにあります。ただ、その特殊な質問形式のために、色々な課題があります。そこで既存の方法と比較して望ましい特性を持っているかどうかを、実際のアンケートではなくシミュレーションによって確認することを行っています」と語る田中氏。
例えば1000人分のアンケートの回答を仮想的に作りだしてシミュレーションする場合、結果が出たらまた別の1000人分のデータを作りだしてシミュレーションを続ける。これを数千回繰り返していくうちに、ある程度の予測が可能になる。「これをモンテカルロ・シミュレーションといいますが、既存の方法でやった場合と、新しく開発した手法では本当の値にどれくらい迫れるのかについての差も検証しています。私の場合は、主に統計解析ソフトの『R』を使用しています」と田中氏は解説する。
こうしたシミュレーションを5000回ほど繰り返してみたところ、新しく開発した手法のシミュレーションは結果のバラツキが少なく、真の値に近づいている確率が高いことがわかったのだという。
「こういった基礎データを得るために、いま新しいHP ZBook Ultra G1a 14を使っているところです。以前のZBookでは15分ほどかかっていたシミュレーションが、新しいHP ZBook Ultra G1a 14では5分ほどで終わるようになり、他のシミュレーションに充てる時間を増やすことができるようになりました。こういったシミュレーションは仕様を変えて何度もやっていくものなので、その効果は大きいと思います。」と田中氏は手応えを語る。
特に今回の研究では、「ベータ回帰」という計算負荷の高い手法の優位性を証明するために、膨大な繰り返し計算が必要なこともあり、演算能力が研究の質に直結するのだという。「並列処理が中心となるため、CPUの全コアを使って計算する環境でしたが、OSの動作が重くなることもなく、別の作業もできるほどの余裕を感じる場面も多々ありました。また、モバイルワークステーションなので、帰りの電車のなかで処理を続けることも可能です。実際に論文の準備中だったので非常に効率的な環境になっていることを実感しています。セキュリティの観点からも、重要な未発表データをクラウドに上げず、手元のローカル環境で完結できるのは大きな安心感があります」と田中氏は感想を述べる。
データサイエンスの発展を支えるHPワークステーション
「HP Z2 Mini G1aは小型の筐体ながら強力なスペックで、移動もさせやすく非常に扱いやすいコンピューターだと思います。私の研究室の場合には、気象モデルや波浪推算モデルを現実的に運用するために、16コア級のCPUや128GBの大容量メモリ、大量のデータの入出力を安定的にこなすI/O性能などが必須だったので非常に頼もしく感じています。16時間以上の連続稼働でも安定していることを確認しているので、これからはGPUを活用する可視化処理や解析処理なども試していきたいと思います」と大塚氏は総括する。
「今後の使い方として、計算以外の分野ではGISに関するものにも活用できるのではないかと期待しています。こういった分野ではグラフィックス性能も重要になってくるので、ユニファイドメモリでVRAMへ割り当てる容量を96GBまで自分で決められるのも役立つと思います。ワークステーションの能力が向上したことで、膨大な計算をストレスなく回せるのでローカルLLMの活用など、さらにいろいろな分野にチャレンジしてみたいと考えています。ある意味で、シミュレーションの待ち時間は研究者にとっては『思考停止』の時間です。そこに投資していくことは、研究の質と生産性を上げる確実で有効な方法だと実感しています」と最後に田中氏は語ってくれた。HPは今後も滋賀大学のサポートを続けていく。
シミュレーションの待ち時間は研究者にとっては『思考停止』の時間です。そこに投資していくことは、研究の質と生産性を上げる確実で有効な方法だと実感しています。
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