2024.11.26
2024年10月10日、11日に東京国際フォーラムで開催された「日経クロステックNEXT 東京 2024」。“AI維新”をテーマに数多くの関連サービスやソリューションが集合するなど、まさに最新トレンドを知ることができる重要なイベントとなった。日本HPも本イベントに参加。インテルと共にブース展示やセミナーへの登壇など活躍を見せた。ここでは主にセミナーの内容を中心に紹介していこう。
株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 営業戦略部 本部長 松本 英樹氏
日経BP 総合研究所 上席研究員 菊池 隆裕氏
開始前から大勢の人が詰めかけていたのが、日本HPが登壇するセミナーだ。「生成AI活用のカギは『ローカル化』、AI PCが働き方を大きく変える」と題されたセミナーは日本HPの松本氏、日経BP総合研究所の菊池氏による対談形式で生成AIの最新事情を語る内容となった。
冒頭、「生成AIをみなさんがお使いになる時代になり、そこではどのようなPCが相応しいのか、何を使えば変わっていくのかを松本さんに伺いながら進めたいと思います」と語る菊池氏。「今回の会場をご覧になっても分かる通り、生成AIを活用したソリューションが非常に多く展示されています。今、本当に生成AIはブームとして定着しているのか、まずはこのあたりのお話からしていきたいと思います」と松本氏は応えた。
現在は様々な企業が生成AIを使う中、苦戦しているところもあることから、「生成AIとはこんなものか」と思う人が増えている、いわゆる「幻滅期」に当たるのではないかと松本氏は分析する。「もちろん、ChatGPTにしても、どのバージョンをお試しになったのかで、ずいぶん印象は変わるはずです。また、クラウドにある生成AIサービスに対して、企業機密が含まれる質問を投げかけるのは抵抗があるといったケースもあるでしょう。こうした生成AIの使い方に関してはいくつかのキーワードがあるように思います」(松本氏)。
そのひとつは生成AIに仕事をさせるには、今までのような「検索」ではなく、「質問(プロンプト)」で命令する必要があるという特性だ。「これに関しては正直使い切れていない方が結構いらっしゃるように思います。そこでポイントとなるのは、キーボードでテキストを入力だけでなく、音声入力も積極的使っていくというマルチモーダルの考え方です」と語る松本氏。プロンプトを音声でおこなうことで、自然に生成AIとの会話が生まれやすくなる。キーボードとテキストだと、どうしても従来の検索ワードの羅列になってしまいがちという人にはまさに最適な考え方だ。
もうひとつは、講演のタイトルにもある、生成AIをローカルで動かすということがポイントになるという。「HPとインテルは共同でAI PCを開発していますが、これによって分かったのは、よほど大規模でなければAI PC上で生成AIは動かすことができるということです。もちろん、学習させることは難しいですが、推論レベルであれば非常にスムーズにこなすことができます。このことが分かってから、企業や自治体から問い合わせが多いのが、生成AIをローカルPC上で動かしたいというニーズです」と松本氏は語る。
「松本さんの言葉から察するに、インターネットに接続していないPCでも扱うことができる生成AIというイメージですが、その認識で良かったですか?」と再確認する菊池氏。
それに応えるように、事例イメージを語る松本氏。「例えば営業の商談や採用の面接時の会話をリアルタイムにテキスト化することはもちろん、生成AIが『次のステップではこのようにしましょう』といった提案もしてくれるというイメージです。もちろん、その企業や組織の業務に特化した型になりますが、それぐらいのことはできてしまう。だからこそ問い合わせが急増しているのです」(松本氏)。
例に挙げたような業務特化型の生成AIは、自社の営業形態に最適な回答を的確に示してくれるので非常に扱いやすい。さらに、そのための回答を得るための情報はすでに企業や組織の中に溢れかえっている状態だ。わざわざクラウド上に一度情報を出さなくても、ローカルネットワークの中で完結できるのであれば、セキュアなまま生成AIサービスを運用できるというメリットもある。
「もちろん、クラウドサービスにも良さはあります。能力の高さや、一般常識的なことはクラウドサービスの方が詳しいです。ですから、両者の良いところを使うという考え方もあります。生成AIのローカル活用に関して、日本HPは様々なパートナー企業様と一緒に進めさせていただいています」と松本氏は語る。
「生成AIのローカル活用はどのように捉えればうまくいくのか、具体的な例を教えてください」という菊池氏に応え、さらに事例を伝える松本氏。
「金融業界の社内システムでコードをコーディングする際、そのコード自体が機密情報になります。生成AIの力を借りて業務効率化を図ろうとしても、クラウドにアップロードするわけにはいきません。そのようなケースではローカルで使う生成AIを活用することが解決策となります」と同氏は解説。そのほか、すでに存在している大量のナレッジの再利用、日報などの社内文書の作成による業務効率化、生産性向上なども説明した。
「そのようにローカルで生成AIを使う際に最適なPCとはどのようなものでしょう?」と質問する菊池氏。
これまで、生成AIを動かすのはグラフィックカードに搭載されているGPUというのが一般的だった。しかし、GPUは高い処理能力を発揮できる代償として、消費電力が非常に多いというデメリットもあった。「それをそのままノートPCに当てはめてしまうと、バッテリーはあっという間に無くなってしまいます。そこで開発されたのが、消費電力を抑えながらAI処理に特化させた『NPU(Neural network Processing Unit)』です」と松本氏。
インテルの最新プロセッサー「インテル® Core™ Ultra プロセッサー」がまさにNPUを搭載した製品となる。「通常のPCとAI処理を得意とする『AI PC』の決定的な違いはまさにこのNPUを持っているか否かです。NPUに加え、Microsoft社の Copilot を搭載し、キーボードにワンタッチで Copilot を呼び出せる専用キーを持つのが『AI PC』の条件になります」と松本氏は解説。HPの法人向けPC製品群にも次々と対応モデルがラインアップしていることを強調した。
「本日、この講演をお聞きに来られた方々は、何らかの形でAIテクノロジーに関心があるのだと思います。本格的な導入を考えられている方も多いと思いますが、まずは必要だと思う場所から生成AI活用を進めるためにAI PCを導入していただくスモールスタートをご提案したいと思います。市場にはどんどんローカルで使える生成AIが登場していますので、まずは環境を作り、使い勝手のよいシステムを導入していただきたいと思います」と最後に松本氏はアドバイスを送った。ここでセミナーは時間切れ、講演は終了となった。
セミナー会場のほど近い場所にあるインテルブースの中に日本HPもブースを出展。先ほどの講演で話題に出たAI PC製品群には常に人だかりがあるほどの盛況ぶりだった。特に最新モデルとなる法人向けノートPCのフラッグシップモデル「HP EliteBook 1040 G11」には熱い視線が送られていた。
これらのモデルの中には、データ通信が5年間使い放題となる「HP eSIM Connect」対応製品や、電源が入っていない状態でも「探す」「ロックする」「データ消去する」といったMDMがおこなえる「HP Protect and Trace with Wolf Connect」対応製品などもあり、多くの来場者がソリューションの説明に聞き入っていた。
また、Web会議の品質を大きく向上させるPolyのビデオバーや、ヘッドセットなども展示され、優れた映像、サウンドテクノロジーの高さをアピールしていた。
インテルブースにはセミナーコーナーも用意されており、そちらにも松本氏は登壇。先ほどの対談形式とは違い、単独での講演ではあるものの、同様の講義を実施し、こちらでも多くの来場者を集めた。イベント開催期間の2日間、日本HPは充実した内容の講演やブース展示で日経クロステックNEXTを大いに盛り上げていた。
日経クロステックNEXT 東京 2024は、AIへの注目が非常に高いことがうかがえるイベントだった。この流れをけん引するインテルをはじめとしたプロセッサーベンダーはもちろん、PCベンダー、ソフトウェアデベロッパーなど、業界全体がひとつにまとまって、AIが日常的にビジネスで使われる未来を作っているように感じられた。多くの来場者が、HPへ大きな期待を抱いていることがわかる2日間だった。
HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。
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