2019.04.05

担当者必見!企業がSNS活用時にとるべき8つのセキュリティ対策を紹介

企業のマーケティング活動を進めるためには、SNSをうまく有効活用することも大切です。SNSにはさまざまなメリットがある反面、セキュリティに関するリスクもあります。企業としてSNSを利用する場合は、セキュリティ対策まで意識することが欠かせません。そこで、SNSを利用する場合におけるリスクやセキュリティ対策などについて解説します。

リンクをクリップボードにコピーしました

1.企業がSNSの利用においてセキュリティ対策を行うべき理由

企業がSNSを利用する場合、セキュリティ対策が必要なことは多くの担当者が認識しているでしょう。対策が必要な理由までしっかり押さえておくことも重要です。対策が必要である主な理由は、2つあります。1つは、IDやパスワード盗難などによる不正ログインへの対抗です。不正ログインを許してしまうと、顧客情報や開発情報など社内の機密情報の流出や、データの破壊などが行われるおそれがあります。そのため、企業としてSNSを利用する場合は、発行するIDやパスワードの適切な管理が重要です。もう1つは、社員個人でのSNS利用による情報トラブルに関するリスク回避です。社員が個人アカウントを使って会社の情報をうっかり漏らしてしまう情報漏洩事故が発生する危険性が高まります。そのため、個人利用に関する制限などの対策が必要になるのです。

2.企業でSNSを利用するときのセキュリティにおけるリスクとは?

企業でSNSを利用する場合には、主に機密情報漏洩とアカウント乗っ取りの2つのセキュリティリスクがあります。そこで、それぞれのリスクについて解説します。

2-1.機密情報の漏洩・炎上

企業がSNSを利用する場合におけるセキュリティリスクとしては、まず、機密情報漏洩リスクが挙げられます。社員がプライベート用のアカウントを使って仕事とは関係ない人たちとコミュニケーションを図っているときに、情報漏洩が発生する可能性があるのです。SNSは気軽に発信できるツールであり、情報発信の技術的・心理的なハードルを下げてくれる特徴があります。一方、仕事で知りえた情報や機密情報をつい発信してしまうなどのリスクがあることも見逃せません。

また、SNSが炎上してしまうこともリスクです。企業として不適切な内容の情報発信を行うと、世間からの非難を浴びることになります。場合によっては、批判されるだけにとどまらずSNSが炎上してしまう可能性もあるでしょう。そうなれば、SNSを使い続けることはできなくなり、ブランドイメージも深く傷ついて低下してしまいます。

2-2.企業アカウントが乗っ取られる

企業のSNS利用に関するリスクとしては、SNSアカウントの乗っ取りリスクも認識しておく必要があります。アカウントを利用できるようになるためには、IDとバスワードが必要です。通常は、社員などの特定の利用者だけがIDとパスワードを知っている状態でSNSは運用されています。しかし、IDやパスワードが悪意のある第三者に盗まれてしまうと、アカウントの乗っ取りが可能になります。アカウントを乗っ取った人は、自由に発信できる状態です。企業が意図しない発信を行ったり、SNS上ですでに発信されていた投稿を削除されたりするなどのトラブルに発展するリスクがあります。発信された情報が企業にとって好ましくないものであれば、信用低下などの影響が出てしまうでしょう。

3.企業がとるべきSNSのセキュリティ8つの対策方法

企業がリスクを避けてSNSを有効活用するためには、適切なセキュリティ対策を講じることが必要です。そこで、企業がとるべきSNSの8つのセキュリティ対策について説明します。

3-1.ID・パスワードの管理を徹底する

1つ目のSNSセキュリティ対策は、IDとバスワードを厳格に管理することです。SNSのアカウント乗っ取りを防ぐためには、IDとパスワードを第三者に知られないようにする工夫が必要になります。各社員が管理しているIDやパスワードに関するリスクを認識してもらったうえで、具体的に管理の徹底を行うことがポイントです。たとえば、外出時に持ち出すノートパソコンやタブレットなどのモバイル機器には、IDやパスワードを保存しないことを徹底するのです。端末にIDとパスワードを保存してしまうと、SNSにアクセスするだけで自動的にログインできてしまいます。端末紛失・盗難などがあった場合、簡単に乗っ取られてしまうことになりかねません。

また、パスワードの決め方についても徹底することが大切です。パスワードを類推しにくいものにすれば、乗っ取られるリスクは下がります。できるだけ意味を持たない文字列にすることや、英語と数字を混ぜた長い桁数のものすることなどが対策として有効です。定期的にパスワードを変更することも、有効な対策として機能するでしょう。

3-2.各SNSでセキュリティの保護・プライバシー設定を行う

2つ目の対策は、セキュリティ保護とプライバシーに関する設定を確実に行うことです。SNSは、セキュリティの保護やプライバシーに関する細かい設定ができるようになっています。この機能をしっかり活用することで、セキュリティレベルを向上させることが可能です。たとえば、セキュリティ設定に関して2段階認証を行う設定にすると、ログインや特定の操作を行う場合にSNSでパスワードを受け取り、それを入力しないと操作を実行できなくなります。SNSのアカウントを乗っ取っても、パスワードの受け取りができなければ操作できません。そのため、2段階認証の採用は乗っ取り防止にある程度役に立つでしょう。

また、プライバシー設定については、SNSによっては公開範囲を変更できる機能があります。この機能を利用して、情報が公開される範囲を限定することが可能です。公開範囲を広めに設定すると、情報が拡散してしまうことになりますが、範囲を狭めることによって情報が拡散する範囲を限定できます。セキュリティレベルを向上させるためには、プライバシー設定についても利用する社員などに任せるのではなく、統一的な運用をしたほうがよいでしょう。

3-3.投稿前は内容の二重チェックをする

3つ目の対策は、SNSへの投稿前におけるチェックプロセスの整備です。企業アカウントで投稿を行った場合、内容によっては炎上する危険性があります。誤解を招く表現や、一部の人に不快感を与える表現などが含まれる投稿が行われると、世間は敏感に反応します。炎上してしまうと、抑えるのは至難の業です。そういった事態を避けるためには、投稿前の段階でしっかり投稿内容についてチェックする体制を整備することが欠かせません。

投稿前は、二重チェックがかかる仕組みで運用するとよいでしょう。チェック担当者が1人の場合、不適切な内容が含まれていても見逃してしまう可能性があります。二重チェックする体制にしておけば、事前に炎上する可能性がある投稿をかなりの確率で排除することが可能です。また、同じ二重チェックする場合でも、それぞれのチェックにおいてどういった観点で確認するかを明確にしておくことも有効です。一度ネットに公開してしまった情報は、投稿を削除したとしてもすでに拡散されていて元の状態に戻せないこともあります。厳重な事前チェックの体制を整備することが、有効なセキュリティ対策です。

3-4.SNSガイドラインを策定する

4つ目の対策は、SNSガイドラインを策定し、社員がセキュリティに関するガイドラインを共有している状態にすることです。ガイドラインがあれば、いちいちケースバイケースで対応を考えたり、その都度確認したりする手間が省け、スムーズな運用につながります。

ガイドライン策定にあたっては、どのような内容を盛り込むかも重要です。たとえば「個人アカウントでは、業務に関する発信は一切禁止とする」といったルールを決めておくとよいでしょう。ただし、プライベートの発信は一切禁止とするなど制限を厳しくしすぎると、社員から不満の声が上がる可能性があります。セキュリティを確保できるラインを意識してルールを決めることが重要です。一切プライベート発信禁止などとすると、社員が企業SNSを使わなくなり、浸透しないリスクもあります。

3-5.セキュリティ対策ソフトを導入する

5つ目の対策は、セキュリティ対策ソフトの導入です。SNSがウィルスに感染すると、企業SNSが使えなくなる可能性があります。最悪の場合は、SNSだけに影響がとどまらず、企業のITシステム全体が脅威にさらされる可能性も否定できません。SNSのタイムライン上には、よくわからない危険なURLが記載されていることも多いです。そういったURLにアクセスすると、ウィルスに感染する可能性があります。

ウィルス対策として有効な方法は、セキュリティソフトを導入することです。ソフトによっては、危険なURLについて警告を出してくれたり、タイムラインへの表示をしなかったりするものもあります。SNSに対応しているセキュリティソフトを見つけ、導入しておきましょう。ウィルスに感染する前に対策しておくことがポイントです。

3-6.すべての社員に対してSNS対策研修を実施する

6つ目の対策は、社員研修を実施することです。SNSを利用する社員全員に対して、セキュリティの重要性を認識してもらう必要があります。セキュリティに対する意識が低いと、いくらガイドラインを策定したとしても、絵に描いた餅になりかねません。意識が低い社員が1人でもいて、不適切な投稿によって炎上したり情報漏洩が発生したりすれば、企業全体が大きなダメージを受けることになるのです。

そのため、SNS対策研修を社員に対して行うことが大切になるでしょう。研修内容は、個人アカウントの扱い方やトラブル事例などを入れるとわかりやすい研修になります。特に、個人アカウントでの制限については、確実に社員に浸透させることが重要です。社員全員の意識が向上すれば、ガイドラインも機能するようになります。また、SNSだけに限らず、情報管理に関する危機意識を醸成することにも研修は役立つでしょう。

3-7.企業アカウントは複数持たないようにする

7つ目の対策は、企業アカウントを複数にしないことです。テーマ別にアカウントを増やしたいと考えるケースもあるでしょうし、複数のアカウントを持つことで、1つのアカウントではできない環境を作り出すことも可能です。しかし、複数の企業アカウントを持っていると、運用が大変になります。システム管理やデータ保管などのメンテナンス関連コストが増加してしまうでしょう。

また、投稿の二重チェックがうまく機能しなくなる可能性も否定できません。複数のアカウントになれば、チェックする担当者も忙しくなります。そうなれば、十分な確認ができずチェックが疎かになり、防波堤をすり抜けて不適切投稿が生じてしまうかもしれません。そういった事態を避けるためにも、企業アカウントは1つに統合するほうがよいでしょう。シンプルな運営ができる状態にしておくことも、重要なセキュリティ対策です。シンプルな運用にしておけば、最小限の手間でセキュリティレベルを高く維持することができます。

3-8.社用端末の管理を徹底する

8つ目の対策は、社用端末の管理を厳格に行うことです。社内で共有されている端末を利用してSNSを利用するケースは多いでしょう。社内の端末でSNSの投稿を行う場合は、投稿者や投稿タイミングに関する操作ログを監視できる体制を整えることが必要です。誰でもいつでも自由に使える社用端末のログが監視されていない状態では、事前に不適切な投稿を排除することができなくなる可能性がありえます。また、外部からの侵入者による社用端末操作も行われてしまう可能性すらあるでしょう。

そういった事態を回避するためには、確実に操作ログを記録しておくことが重要です。ログを保存しておけば、万が一トラブルが発生したとしても、原因をすぐに特定できるでしょう。原因特定ができれば、早く対策を打つことも可能です。また、ログを記録しておくことを社内で公表しておけば、不適切投稿に対する一定の抑止効果も期待できます。

4.SNS運用時にセキュリティトラブルが発生したときの対処方法

SNSを運用する場合、どんなに対策を講じていたとしても、トラブルが発生する可能性はあります。トラブルが発生した場合は、迅速な対応を行うことが重要です。トラブル発生の状態が放置されている、被害が拡大してしまうおそれがあります。迅速に対応するためには、事前に対応方法を定めておくことが有効です。まず、トラブルが発生した場合にすぐに担当者に連絡がいくようにしましょう。早く連絡がいけば、それだけ素早い対応が可能になります。担当者が不在の場合は、ガイドラインに沿って別の社員が滞りなく対応できる体制を作っておくことも大切です。また、情報漏洩などが発生して炎上してしまった場合は、炎上を停止させるためにSNSの一時運用停止などの措置をとることも視野に入れておく必要があります。

5.企業ではセキュリティ意識を高く持ってSNSを活用しよう!

企業がSNSを利用するメリットは多いです。しかし、炎上や情報漏洩のリスクもあります。そういったトラブルが発生すると、最初は小さな問題でも後々大きな問題に発展してしまう可能性も否定できません。そのため、紹介したセキュリティ対策を参考にして、トラブル発生を防ぐ体制を整えておくことが重要です。

セキュリティ関連の人気記事

セキュリティ関連の新着記事