Copilot活用ガイド|業務効率化と導入のポイント | HP Tech&Device TV

Copilot活用ガイド|業務効率化と導入のポイント

「Copilot(コパイロット)ってよく聞くけど、結局何ができるの?」「AIで業務を効率化したいけど、本当に役立つの?」そんな疑問をお持ちではありませんか?

生成AIの進化が加速する中、Microsoft Copilotは、その活用可能性を大きく広げるツールとして、注目を集めています。WordやExcelなど、普段使い慣れたツールと連携し、まるで"副操縦士"のようにあなたの仕事をサポートしてくれるCopilot。しかし、その機能や具体的な活用方法を理解している方は、まだ少ないかもしれません。

そこでこの記事では、Copilotの基本から、具体的な活用事例、導入のポイント、注意点まで、徹底的に解説します。この記事を読めば、Copilotで何ができるのか、自社の業務にどう活かせるのか、具体的なイメージが掴めるはずです。

ライター:國末拓実

編集:小澤健祐

Microsoft Copilotとは?

Copilotの概要と特徴

Microsoft Copilotは、AI技術を活用した業務支援ツールであり、Microsoft 365と統合されている点が大きな特徴です。

Word、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsといった、ビジネスの現場で日常的に使用されるアプリケーション内で、AIによるアシストを受けることができます。CopilotはOpenAIのGPT-4を基盤としており、高度な自然言語処理能力を備えています。

Copilotは、単なるAIアシスタントではなく、「副操縦士(Copilot)」という名前が示すように、ユーザーの業務を理解し、共に考え、作業をサポートする存在です。指示されたタスクをこなすだけでなく、ユーザーの意図を汲み取り、先回りして提案を行うことも可能です。

Copilotは、以下の3つの領域で業務を支援します。

  1. 個人の生産性向上: 日常的なタスク(メール作成、文書作成、データ分析など)を効率化し、個人の生産性を高めます。
  2. チームコミュニケーションの促進: 会議の議事録作成、タスク管理、情報共有などを支援し、チーム全体の生産性を高めます。
  3. 組織全体の業務改革: 組織全体のナレッジ共有、業務プロセスの自動化などを推進し、組織全体の生産性向上に貢献します。

Copilotが利用できる環境と前提条件

Copilotを利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

● Microsoft 365のサブスクリプション

  • Microsoft 365 Business Standard
  • Microsoft 365 Business Premium
  • Microsoft 365 E3
  • Microsoft 365 E5

などのプランへの加入が必要です。

出典:Microsoft 365 Copilotのライセンス プラン

● Copilot for Microsoft 365ライセンス:

上記のMicrosoft 365ライセンスに加えて、Copilot for Microsoft 365のライセンス(ユーザー単位)が必要です。価格は、1ユーザーあたり月額約4,497円(税抜、年契約)です。

出典:Microsoft 365 Copilot の価格

● クラウド環境

Copilotはクラウドサービスとして提供されるため、インターネット接続環境が必要です。また、Copilotが参照するデータは、OneDriveやSharePoint Onlineなどのクラウドストレージに保存されている必要があります。

● 対応言語

2024年12月現在、Copilot for Microsoft 365は日本語に対応しています。ただし、一部機能は英語のみの対応となる場合があります。

競合ツールとの違い

Copilotと競合するツールとして、GoogleのGeminiや、OpenAIのChatGPTなどが挙げられます。

ツール 開発元 基盤モデル 主な用途 情報の更新性 連携ツール カスタマイズ性 価格 向いているユーザー
Microsoft Copilot Microsoft GPT-4(Microsoft Graphデータと連携) Microsoft 365上での文書作成、データ分析、作業自動化 Bing検索との統合により最新情報の取得が可能 Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams・Windows 11等とシームレス統合 低い(ユーザー側でモデル調整不可。Microsoft提供の範囲内で利用) Microsoft 365アドオン製品(企業向け: 約$30/ユーザー・月)
※別途Microsoft 365のE3/E5ライセンスが必要
Microsoft 365を日常利用し、業務効率化を図りたい企業ユーザー
Google Workspace のGemini Google PaLM 2, Geminiなど Google Workspace上での文書作成、データ分析、作業自動化 Google検索との統合により最新情報の取得が可能 Googleドキュメント、スプレッドシート、スライド、Gmail、Meetなどと連携 中程度(Google App Scriptなどによる機能拡張が可能) Google Workspaceのプランに含まれる(一部機能は有料オプション) Google Workspaceを日常利用し、業務効率化を図りたい企業ユーザー
OpenAI ChatGPT OpenAI GPT-3.5、GPT-4 幅広い対話対応、創造的コンテンツ生成、プログラミング支援 学習データに基づく回答(最新情報はプラグイン等で対応) API経由で様々なプラットフォームと連携可能 高い(APIを通じ社内データでの微調整やカスタムモデル構築が可能) 基本無料・追加機能はChatGPT Plus $20/月、APIは従量課金 特定プラットフォームに依存せず、創造的業務や幅広い質問対応が必要なユーザー、
API連携による高度なカスタマイズを求めるユーザー

Copilotは、Microsoft 365との連携に特化しているため、Microsoft製品を日常的に使用している企業にとっては、最も効率的なAIアシスタントと言えるでしょう。

一方、Google WorkspaceのGeminiは、Googleのサービスとの連携に強みがあります。ChatGPTは、より汎用的なAIであり、幅広いタスクに対応できますが、CopilotやGeminiのように特定のアプリケーションに特化した機能はありません。

Microsoft Copilotでできること

Microsoft Copilotは、様々なOfficeツールと連携することで、業務効率を飛躍的に向上させることができます。

Officeツール(Word、Excel、Outlook)での活用

● Word

  • 文章作成のアシスト:会議の議事録、社内資料、企画書など、様々な文]書のドラフトを自動生成できます。
    「〇〇についての報告書を作成して」と指示すれば、AIが文章の構成や表現を提案し、作業時間を短縮します。
  • 要約・リライト:既存の文章を要約したり、より適切な表現に修正したりできます。
    「この文章をより分かりやすく書き直して」と指示すれば、AIが文章を改善します。
  • 文章生成:キーワードやトピックを入力するだけで、AIが文章を自動生成します。
    「新製品の紹介文を作成して」と指示すれば、AIが製品の特徴やメリットを盛り込んだ文章を作成します。
  • 校正・添削:文法やスペルのミスをチェックし、より自然な文章表現を提案します。
  • 目次作成:長文の文書から、自動的に目次を作成します。

● Excel

  • データ分析:売上データ、顧客データ、市場調査データなどを分析し、傾向やパターンを抽出、グラフを自動生成します。
    「今月の売上データを分析して、売れ筋商品を教えて」と指示すれば、AIがデータ分析を行い、結果を分かりやすく提示します。
  • 関数自動生成:実行したい処理内容を指示すると、AIが最適な関数を提案・自動生成します。
    「このデータから平均値を求める関数を入力して」と指示すれば、AIが適切な関数を入力します。
  • データ可視化:データを分かりやすいグラフやチャートに変換し、視覚的に理解しやすくします。
  • マクロ作成:繰り返し行う作業を自動化するマクロを、自然言語で指示するだけで作成できます。

● Outlook

  • メールの要約:大量のメールを短時間で要約し、重要な情報を抽出します。
    「今日のメールを要約して」と指示すれば、AIが重要なメールをピックアップし、内容を要約します。
  • 返信の自動提案:受信メールの内容に基づき、返信文の案を自動生成します。
    「このメールに返信を作成して」と指示すれば、AIが適切な返信文を作成します。
  • スケジュール管理:会議の招待メールから、関係者のスケジュールを自動調整し、最適な日時を提案します。
  • 翻訳:受信したメールを、指定した言語に自動翻訳します。

TeamsやPowerPointとの連携

● Teams

  • 会議の議事録自動作成:会議の内容をリアルタイムで文字起こしし、議事録を自動作成します。
    発言者や重要なポイントを自動的に識別し、議事録作成の手間を大幅に削減します。
  • タスク整理:会議中の発言から、タスクを自動的にリストアップし、担当者や期日を割り当てます。
    「このタスクを〇〇さんに割り当てて」と指示すれば、AIがタスク管理ツールに自動的に登録します。
  • リアルタイム翻訳:会議の音声をリアルタイムで翻訳し、多言語でのコミュニケーションを円滑にします。
  • 会議の要約:長時間の会議でも、AIが会議の要点をまとめ、参加者や欠席者に共有します。
  • 関連情報の提示:会議のテーマに関連する情報を、自動的に検索し、参加者に提示します。

● PowerPoint

  • スライド作成の自動補助:既存の文書や会議の議事録から、プレゼンテーション資料の骨子を自動生成します。
    「この資料を基にプレゼン資料を作成して」と指示すれば、AIがスライドの構成や内容を提案します。
  • デザイン提案:資料の内容に合わせたデザインを提案したり、スライドに挿入する画像を自動生成したりします。
    「このスライドに合う画像を提案して」と指示すれば、AIが最適な画像を提案します。
  • 発表練習のサポート:スライドの内容に合わせて、発表原稿の提案や、発表時の注意点をアドバイスします。

マーケティング業務における活用例

Copilotは、マーケティング業務においても様々な活用が可能です。

  • SNS投稿の自動生成:ターゲット層に合わせたSNS投稿文案を自動生成し、運用の手間を軽減します。「新製品の発売を告知するSNS投稿を作成して」と指示すれば、AIがターゲット層に響くような投稿文案を複数提案します。
  • 広告コピーの作成支援:商品やサービスの魅力を最大限に引き出す広告コピーをAIが提案します。「この商品の魅力を伝えるキャッチコピーを考えて」と指示すれば、AIが複数のコピー案を提案します。
  • データ分析によるターゲティングの最適化:顧客データを分析し、より効果的なターゲティングを提案します。「この顧客データから、最も購入確率の高い層を特定して」と指示すれば、AIがデータ分析を行い、ターゲット層を明確にします。
  • 競合分析:競合他社の製品やサービスに関する情報を収集し、分析します。
  • 市場調査:市場のトレンドや、顧客のニーズに関する情報を収集し、分析します。
  • メールマガジン作成:顧客の属性や、興味関心に合わせたメールマガジンを自動生成します。
  • ウェブサイトコンテンツ作成:SEO対策を考慮したウェブサイトコンテンツを自動生成します。

Microsoft Copilotの導入方法と注意点

Copilotの導入は、以下のステップで進めます。

Copilot導入のステップ

STEP1 Microsoft 365の契約を確認

Copilotを利用するためには、対応するMicrosoft 365のプランに加入している必要があります。まずは、自社の契約プランを確認しましょう。

確認すべき点:

  • 現在契約しているプランがCopilotに対応しているか(Business Standard, Business Premium, E3, E5など)
  • ユーザー数がCopilotの利用条件を満たしているか
  • 必要に応じて、プランのアップグレードや変更を検討する

STEP2 必要なライセンスを取得

Copilotを利用するユーザー分のCopilot for Microsoft 365ライセンスを購入し、各ユーザーに割り当てます。

注意点:

  • Copilot for Microsoft 365ライセンスは、ユーザー単位での購入が必要
  • ライセンス費用は、月額払いまたは年額払いを選択可能
  • まずは、少数のユーザーで試験導入し、効果を検証してから全社展開を検討する

STEP3 AIを活用する業務領域を整理

Copilotをどの業務で活用するのか、具体的な利用シーンを検討します。

検討ポイント:

  • どの業務に課題があるか、Copilotで解決できる可能性があるか
  • どの業務にCopilotを導入することで、最も効果が期待できるか
  • Copilotの導入によって、業務プロセスがどのように変化するか
  • まずは、効果が期待できる特定の業務に絞って導入し、徐々に活用範囲を広げる

STEP4 社内での運用体制を整備

Copilotの利用に関するガイドラインを作成し、社員への教育を実施します。Copilotを安全かつ効果的に活用するためのルールを明確にしましょう。

運用体制のポイント:

  • Copilotの利用に関する社内ルール(利用範囲、情報セキュリティ、著作権など)を明確にする
  • Copilotの利用方法や注意点に関する社員教育を実施する
  • Copilotに関する質問や相談を受け付ける窓口を設置する
  • Copilotの利用状況を定期的にモニタリングし、改善点があれば対応する

STEP5 活用事例を学び、再現する

先行企業の導入事例を参考に、自社に適した活用方法を検討しましょう。たとえば、株式会社デンソーでは、Copilotを導入し、社員一人あたり月12時間の業務時間削減に成功しました。まずは一部の部門で試験的に導入し、その効果を検証した上で、全社展開を進めています。

デンソーの事例から学ぶこと:

  • まずは、Copilotの導入効果を早期に実感できる部門や業務を選定する
  • 試験導入の結果を分析し、Copilotの活用方法や運用体制を改善する
  • 成功事例を社内で共有し、Copilotの利用を促進する
出典:デンソー、Microsoft 365 Copilot 導入で社員の余力創出と品質向上を実現

導入時の注意点

Copilotを導入する際には、以下の点に注意が必要です。

データセキュリティの確保:Copilotはクラウド上で動作するため、社内データのセキュリティ対策を徹底する必要があります。

  • Microsoft 365のセキュリティ機能を活用する(多要素認証、データ暗号化など)
  • 機密情報や個人情報の取り扱いに関するルールを明確にする
  • 社員に対して、セキュリティに関する教育を実施する

AIによる情報の正確性の確認:Copilotが生成した情報は、必ずしも正確とは限りません。人間が最終的な確認を行うようにしましょう。

  • Copilotが生成した情報を鵜呑みにせず、必ず出典を確認する
  • Copilotが生成した情報を、そのまま外部に公開しない
  • 重要な意思決定を行う際には、Copilotの情報だけでなく、複数の情報源を参考にする

社員のAIリテラシー向上の必要性:Copilotを効果的に活用するためには、社員のAIに関する知識やスキル向上が不可欠です。

  • Copilotの基本的な使い方に関する研修を実施する
  • Copilotを活用した業務改善のアイデアを社員から募集する
  • AIに関する最新情報を、社員に共有する

まとめ:Copilotで、働き方を変えよう

この記事では、Microsoft Copilotの機能、活用法、導入のポイント、注意点について詳しく解説しました。Copilotは、Word、Excel、Teamsなど、普段使い慣れたツールと連携し、あなたの業務を強力にサポートしてくれる、頼もしい"副操縦士"です。

Copilotがもたらす変革

  • 業務効率の大幅アップ:資料作成、データ分析、メール対応、会議の準備…日々の業務にかかる時間を大幅に短縮し、より重要な業務に集中できます。
  • 創造性の向上:Copilotは、アイデア出しや文章作成をサポートし、あなたの創造性を刺激します。
  • 働き方改革の推進:Copilotは、場所や時間にとらわれない、柔軟な働き方を実現します。

そして、Copilotの進化は、まだ始まったばかりです。いつでも、どこでも、Copilotのサポートを受けながら、最高のパフォーマンスを発揮できる未来が、すぐそこまで来ています。

HPは、ビジネスに Windows 11 Pro をお勧めします。

Windows 11 は、AIを活用するための理想的なプラットフォームを提供し、作業の迅速化や創造性の向上をサポートします。ユーザーは、 Windows 11 のCopilotや様々な機能を活用することで、アプリケーションやドキュメントを横断してワークフローを効率化し、生産性を高めることができます。

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