2021.11.15

ビジネスノートブックパソコンの15の新しい選び方

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 世の中がハイブリッドな方向にシフトし、働き方が変わろうとしています。オフィスはもちろん在宅勤務やテレワーク、ワーケーションと、執務場所のバリエーションは拡がる一方です。それらをつなぐTeamsやZoomを使ったオンラインWeb会議も頻繁に開催されてます。そんな時代に効率よく業務をこなし、使う側も、使わせる側も、効率と安心安全を両立するためには、ノートパソコンの選び方にも新しい当たり前が必要です。ここでは、そのトレンドと考慮すべきポイントについて考えてみましょう。

フリーランスライター 山田祥平

形を選ぶ

 ノートパソコンは持ち運びに便利というのがかつての当たり前でした。ところがハイブリッドワークが求められるようになり、使う場所が多様化した結果、必ずしも持ち運びしやすい薄軽ノートパソコンがベストの選択ではなくなりつつもあります。方向性としてはモビリティを確保しながらも、据置で使うときもパワフルな処理性能が得られ、かつ拡張性を確保する必要があります。

 ノートパソコンそのものの形状をフォームファクタと呼びます。大きく次の3種類に分類して考えることができます。

クラムシェル

 貝殻のように本体と液晶がヒンジでつながり使うときに開き、使い終わったら閉じるオーソドックスな形状。

HP EliteBook 850 G8

コンバーチブル

 ヒンジの機構がディスプレイ部分を裏側に折り返せるようになっていて、タブレットとしても使える形状。一台二役を意味する「2in1」とも呼ばれます。

HP Elite Dragonfly G2

デタッチャブル

 ディスプレイに本体部分が内蔵され、キーボード部分と分離する形状です。

HP Elite x2 G8

タブレット

 キーボード部分を持たない本体を兼ねたディスプレイだけの形状です。

 業務の種類に応じてこれらの中から最適なフォームファクタを選びます。使われる場所によってはノートパソコンのフォームファクタよりもデスクトップに外付けの大型ディスプレイを接続した環境の方が、コスト的にも効率的にも有利な場合もあります。広い視野でフォームファクタを検討しましょう。

サイズで選ぶ

 ビジネスノートブックパソコンのディスプレイの主流は13.3インチのフルHD解像度のものです。最近は、在宅勤務などで一定の場所で長時間使うときの効率が重視され、ディスプレイサイズのトレンドは少し大型化する傾向にあります。14インチや15.6インチのディスプレイは、13.3インチよりも大きく、視認性を高めることができます。サイズが大きなディスプレイは、拡大率を下げて使えば、一度に表示できる情報の量が増えます。

 スクリーンのサイズは、それがそのまま本体のフットプリントに反映されます。大きなディスプレイを持つノートパソコンは、ベゼル幅を極限まで狭くしたとしても、本体のフットプリントが大きくなります。大は小を兼ね、そして超えますが、日常的な携行にはコンパクトなボディの方が有利です。

重さで選ぶ

 モバイルノートパソコンの一般的な重量は1Kg前後です。この重量はディスプレイサイズ、ボディの素材や形状、内蔵バッテリーの容量などで決まります。当然ですが、軽ければ軽いほど持ち運びには有利です。また、据置でしか使わないにしても、軽いボディは、デスクの上でちょっと脇に位置をずらすといった場合の取り回しのよさは使い勝手を高めます。

バッテリーで選ぶ

 多くの製品は50W/h程度の容量の充電式バッテリーを内蔵しています。製品によっては持ち運びの容易さを優先するために、その容量を半分程度にして重量を軽減させています。

 AC電源を確保できない場所でのノートパソコン利用では、バッテリー駆動時間が重要です。駆動時間の目安は、JEITA測定法Ver2.0での測定結果が参考になります。JEITA(一般社団法人 電子情報技術産業協会)が提唱する測定法で、音量は最低、画面輝度を150カンデラ平米以上に設定し、Wi-Fiアクセスポイントに接続した状態を保ちながらフルスクリーンで動画を再生するというものです。インターネットを介したデータの伝送は行わなくてもいいことになっています。

 インターネットに接続し、Wi-Fi等で通信しながら、各種のアプリを使った場合、実際の駆動時間はJEITA2.0の半分程度といったところでしょうか。10時間近い実駆動時間が確保できれば、途中で追加の充電ができなくても、ほぼ1日の作業を不安なくカバーすることができるはずです。機密漏洩のリスクを回避するなどの理由で、定められた拠点での利用に限られるなど、AC電源が確保できない場所での使用はありえないというのであれば、バッテリー駆動時間を気にせずに、軽量な製品を選べばいいでしょう。

スクリーンで選ぶ

 液晶ディスプレイの表面処理は、光沢と非光沢に分類できます。光沢ディスプレイは、色鮮やかで美しい表示が特徴です。写真やグラフィックスを頻繁に扱う場合に好まれます。それに対して非光沢ディスプレイはディスプレイの反射を抑制し、自分の顔が画面に映り込んだり、天井の灯りや背後の窓から差し込む光が反射したりで視認性が下がることもなく、一般的な事務作業に向いています。

タッチやペンなどの機能で選ぶ

 ビジネスノートパソコンのポインティングデバイスは、一般的にタッチパッドが使われます。日本HPの製品ではクリックパッドと呼ばれます。一般的なタッチパッドはマウスと同様に個別の左右ボタンが装備されていますが、クリックパッドではボタンを使わず、パッドの任意の場所をタップするか、パッドの左下隅を押し下げてクリックします。クリックパッドに限らず、パッドはボタンを持たないものが増えつつあるようです。

 スマートフォンのようにタッチで操作したいというニーズも高まり、タッチ操作対応の製品も増えてきています。ピンチの操作でアプリの画面をズームしたり、スクロールをフリック操作で行えるなど、直感的な対話操作が可能です。タッチの対応により若干の重量増になりますが、その使い勝手の向上を考えれば許せる範囲だといえるでしょう。タブレット形状にならないクラムシェル形状であってもタッチは重要な機能として受け入れられつつあります。

 また、ペンを利用できるかどうかも重要視されています。タッチ対応のパソコンの多くはペンもサポートしています。オプションで提供されているHP リチャージブル アクティブペン G3のようなデバイスを使い、ディスプレイ画面に直接文字や図形を書き込めます。

インテル®Evo™やvPro®などのプラットフォームで選ぶ

 最新世代のビジネスノートブックパソコンは第11世代のインテル🄬Core™プロセッサー・ファミリーを搭載しています。お馴染みのCore i5やCore i7といったプロセッサーが主流です。また、Alder Lakeのコードネームで知られる第12世代のプロセッサーが登場し、ビジネスノートパソコンへの搭載も始まります。

 高いグラフィックス性能が要求されるTeamsやZoomを使ったWeb会議のために、インテル ® Iris® Xe 高性能グラフィックスも貢献します。

 これらの最新世代プロセッサー・ファミリーはビジネスにおける幅広い用途に最適のプロセッサーだといえるでしょう。

 パソコンの処理性能はプロセッサーだけでは決まりません。搭載メモリ容量はビジネス用途であれば理想的には16GB以上を確保しましょう。余裕のあるメモリ容量はパソコンを使うときのストレスを軽減します。また、SSDはクラウドストレージサービスを併用するにしても256~512GBがあれば安心ですが、業務の種類によってはさらに大容量が必要となるでしょう。

 一方、最新のプラットフォームとして注目されているのがインテル® Evo™ プラットフォームです。ノートPCの新しい当たり前をインテルが定義し、モビリティを求めるビジネスユーザーに最高のPC体験を提供するためのものです。Evo™のロゴは、厳しい必要条件を満たした製品にのみ与えられます。現時点で最高のノートパソコンとして、このロゴを目印にすれば、モダンなモバイルノートに求められるすべての要素が揃います。

 PCメーカーとインテルがインテル® Evo™ プラットフォームとして共同で開発したモバイルノートパソコンは、各社各様の先進的な機能を含めて製品が提供されます。スペックで縛られた画一的な製品を生み出すためのものではなく、体感を重要視したテストをパスし、HPならではのモダンなモバイルノートパソコンを実現するためのプラットフォームです。

 さらに、インテル® vPro™ プラットフォームはビジネスコンピューティング向けに開発された一連のハードウェア、テクノロジーを集約したプラットフォームです。具体的には、インテル®アクティブ・マネジメント・テクノロジー(インテル® AMT)、vPro対応プロセッサー、EMA、インテルネットワークコントローラで構成され、一定のオフィスに常置されず、さまざまな場所に分散して使われているノートパソコンの管理を容易にします。Evo™とvPro™、このふたつのプラットフォームが融合したビジネスノートパソコンがインテル® Evo™ vPro™プラットフォームとして提供され、パフォーマンス、セキュリティ、安定性、運用管理性という4つの柱でビジネスニーズに対応し、ハイブリッドな働き方の前に立ちはだかるさまざまな課題を解決します。

通信のバリエーションで選ぶ

 通信に関する最新のキーワードはWi-Fi 6と5Gです。

 Wi-Fi 6は、無線LANの最新規格であるIEEE 802.11ax準拠の呼称です。Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac)に対して、アクセスポイント側もWi-Fi 6対応が必要ですが、理論上約3倍のスピードでのデータ転送が可能です。多くのデバイスと同時に通信するためのテクノロジーや省電力への配慮により、混雑に左右されず、つながりにくさとは無縁で、バッテリーへの負担を最小限に抑えたインターネット接続をかなえます。

 一方、5Gは、前世代の4G LTE通信に続く、新しい世代のモバイルネットワーク、いわゆるWANの通信方式です。通信事業者が提供するサービスエリアもどんどん拡がっています。5G 通信モジュールが内蔵されたノートパソコンなら、他の通信手段にたよることなく、いつでもどこでも快適な通信ができます。スマートフォンのテザリングや、モバイルルータを使う方法よりもスマートです。

 モバイルネットワーク対応パソコンは、4G LTEのみ対応のものと、5G対応のものが混在しています。数年先までの利用を考慮すれば間違いなく5G対応を選ぶべきですが、5G対応なら4G LTEにも対応できます。

 ただ、利用する地域によってはサービスエリアになるのがずっと先かもしれません。その場合は、4G LTE対応のものでも十分に便利に使えるでしょう。リプレースするころには、ミリ波対応などの5Gならではの高速大容量通信をサポートした新モジュールの内蔵が新しい当たり前になっているでしょう。

セキュリティで選ぶ

 Windows 11は、その稼働要件にTPMやUEFI対応といった要件を課することで、最大限のセキュリティを確保しています。仮に、さまざまな事情でWindows 10のままで運用し続けるとしても、Windows 11に移行できない古いハードウェアを使い続けることは、セキュリティリスクの点でもおすすめはできません。

 クルマでいえば自賠責に相当するWindowsそのもののセキュリティ機能に加え、日本HPでは任意保険に相当するHP Wolf Securityをプリインストールするなどで、ハードウェアと緻密に連携したエンドポイントセキュリティを提供しています。

拡張性で選ぶ

 ノートパソコンには複数の拡張用ポートが装備されています。お馴染みのUSBの最新規格はUSB4で、その要件をオプションを含めてすべて満たすのがThunderbolt 4です。いわば全部入りのUSB4がThunderbolt 4です。

 Thunderbolt 4ではUSB Type-Cポートを使います。従来の板型プラグを持つType-Aポートはフェードアウトしていくでしょう。

 USB規格は、歴史的経緯によって複雑怪奇なものになっていて、わかりにくいことでも有名です。でも、USB Type-Cポートが装備され、スペックとしてそのポートがThunderbolt 4に対応していることが明記されていれば、何も欠けるものがないということを意味します。

 USB Type-Cポートを装備していても、従来のUSB 3.x規格の世代を表すGen 1やGen 2のみの対応ということもあるので注意が必要です。

 Thunderbolt 4対応のUSB Type-Cポートであれば、ケーブルと接続機器さえ対応していれば、理論値40Gbpsの高速通信に加え、USB Power Deliveryによる高速充電や、DisplayPort Altモードによる映像出力などをサポートできることが保証されます。また、Thunderbolt 4準拠は、インテル® Evo™のための必須要件でもあります。

 Thunderbolt 4ポートを駆使し、さまざまな対応周辺機器を接続してノートパソコンの機能を拡張することができます。

価格で選ぶ

 望む要素をすべて満たすノートパソコンは当然ですが高価です。それらの要素のうち、当面はなくてもいいと判断するものを引き算していくことで、全体のコストを抑えることもできます。理想的にはすべてを満たすハイエンドパソコンを選ぶのが、長期間値婦可せず、結局は賢い選び方なのですが、動かしがたい予算の事情もあります。

 日本HPはノートパソコンのシリーズとして、

  • ・Eliteシリーズ ビジネスノートに必要な要素をすべて凝縮した最高峰のシリーズ
  • ・ProBookシリーズ Eliteシリーズの先進技術を取り入れ実用性を重視したスタンダードシリーズ
  • ・HPシリーズ シンプルな機能に絞ってコストダウンと使い勝手を両立したエントリーシリーズ

 の3シリーズを提供しています。予算と求める機能に応じてシリーズを選択し、機種を選びましょう。

サポートで選ぶ

 ノートパソコンはいつかは壊れます。物理的に壊れてしまうこともあれば、さまざまな不具合にも遭遇します。マルウェアなどの被害で操作不能になることもあります。日常的に業務に使っているパソコンが急に壊れてしまったり、うまく稼働しなくなれば、その場でビジネスが止まってしまいます。

 そんなときに頼りになるのがサポートです。企業によっては専任の部署があり、各従業員のパソコンを管理して、不具合の解消などに手厚いサポートが提供されているかもしれません。そんな部署があったとしても、物理的な故障には無力です。また、専任部署がない場合、問題解決のために手間や時間を要するのでは困ります。

 日本HPではさまざまなサポートメニューを提供しています。日本HPのノートパソコンを導入するなら、これらのサービスを併せて契約するのもひとつの手です。

 たとえばHP Active Careは、機械学習に基づいた予測分析プラットフォームであるHP TechPulseを活用して、オフィスでも外出先でも、働く場所に関係なく、最適な稼働時間と迅速な問題解決を提供します。HP Care Packで提供されるオンサイトサービスに加えて、障害予測の自動検出と通知、自動ケース作成による迅速な予防保守の実施などが提供されます。

 これらのサービスを利用すれば、ビジネスが止まる時間を最小限に抑制し、常に、安心して業務のためにノートパソコンを使い続けられるでしょう。

■ HP Care Pack

  • ・ハードウェアオンサイト(訪問修理)
  • ・ハードウェアオフサイト(引取修理)
  • ・ハードウェアエクスチェンジ(引取交換)

■ HP Active Care

  • ・休日修理サービス
  • ・アクシデントサポート
  • ・トラベルサポート
  • ・HD返却不要
  • ・POSソリューション
  • ・PC OSリストア
  • ・HD返却不要データ消去付

 このコンテンツは日本HPの公式見解を示すものではありません。日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

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