Windows 11
よりシンプルな体験がスタート

2022.10.19

企業は「従業員の働き方」をいかにデザインすべきか

収入よりも環境が重視される今、「事業継続の変革」が鍵になる

リンクをクリップボードにコピーしました

人材確保に向けて「働き方の充実」は待ったなし

―― テレワークやワーケーション、サテライトオフィスなど、働き方にまつわるさまざまな選択肢が出てきています。企業はそれらをどのように捉え、ポートフォリオ化し、運用すればよいのでしょうか。

松下氏 企業は事業継続性の観点から、今後はより一層「働き方の充実」を図る必要に迫られます。いまや働き方を充実させないと、人材を確保できない状況になってきているともいえるでしょう。

労働人口が減少している状況下で事業を継続するためには、より少ない人数で仕事をこなせるようにする必要があります。加えて、時間を小分けにして柔軟に組み合わせることで、さまざまな事情を抱える人も働けるように、働き方を整備し直す必要もあるでしょう。ここで求められているのが「仕事の効率化」と「細分化」です。

LightField Studios/shutterstock

ノートパソコンやタブレットといったモバイルデバイスの登場により、働く場所と時間を柔軟に拡張できるようになりました。「仕事の効率化」や「細分化」は、技術的に可能となったといえます。

こうした状況だからこそ、今後、オンラインでできる部分があるにもかかわらずオンラインの活用を前提としない働き方をしていては、人材の採用が難しくなります。だからこそ、どの企業も柔軟な働き方の導入が求められるはずです。

ただし「つながらない権利」が注目されているようにオンライン化による「効率化」の名の下での仕事時間の過度な拡張は避けなければなりません。またテレワークによって仕事時間が増えたり、体調不良になったりしているという事例も見られるので自分をうまくコントロールするスキルが必要になってきます。

「仕事の効率化」や「細分化」は、世界的にも広まっています。日本の企業が柔軟な働き方を取り入れなかったとすると、外資系の企業に人材が流れるリスクも増えていきます。こうしたグローバルの観点からも、働き方の充実はますます加速していくと予想されます。

一方で、世界経済をリードする企業の中にも、コロナ禍以前のような「出社が当たり前」という働き方に戻している企業も存在します。これは決して消極的な動きではなく、あえて従業員を出社させる選択肢を選んでいるのです。

つまり、オンラインとオフィス出社のうち「どちらが正解か」ではなく、自社が実践する働き方にあった人材の確保や、それに応じた事業の展開こそが、いま企業には求められています。

―― 柔軟な働き方を実現するためには、どうしたらよいのでしょうか。

松下氏 働き方を充実させるにあたり、障壁となるのが「組織風土」や「マインドセット」です。例えば、何らかの理由でテレワークを実践できない社員が、テレワークを実践できる社員に対して「彼ら、彼女らはずるい」という感情を抱くことがあるかもしれません。

逆に、テレワークを実践できる社員が、そうでない社員に対して「自分ばかりテレワークをしていて、心苦しい」と感じることもあるでしょう。

こうした社員間に生じる不平等感は、あらゆる働き方の社員を同じ条件で採用していることから生じます。こうした軋轢が生じないように、働き方に応じた人事評価の制度設計や、人材と働き方のマッチングを意識した人事配置が求められます。これまでは就業選択において「仕事の内容」が重視されてきましたが、今後は「働き方」も重視されることを忘れてはなりません。

誰もが「働きたいように働ける」社会の実現を目指して

―― ワーケーションやサテライトオフィスなど、多様なワークスタイルを実践する企業で、注目されている事例はありますか。

松下氏 例えば、フリマアプリを運営する「メルカリ」社では、2021年9月から新たな勤務制度「YOUR CHOICE」を実施しています。「YOUR CHOICE」の導入により、社員が出社とリモートワークを自由に選べるほか、日本国内であればどこからでも勤務できるようになりました。これにより、社員の会社に対するエンゲージメントは、向上しているといいます。

その他、プロジェクト管理ツールなどを提供する「ヌーラボ」社では、2018年からリゾートワーク制度を導入しています。リゾートワーク制度では、社員とその家族が会社の指定する地域に滞在し、リモート環境から就業しながら、地域での活動も行う教育研修制度です。福利厚生というよりも「学びの場」を提供することによる、社員の成長促進が目的となっています。また、日常でのコミュニケーションに対する施策も充実しており、1on1のほか、他部署の社員や新入社員との交流の機会も設けています。

Song_about_summer/shutterstock

―― 今後、日本企業が模索すべき働き方の視点について、教えてください。

松下氏 これまでのお話と重なる部分もありますが、今後はますます「柔軟な働き方」の実践が必要になります。それに伴い、事業の持続性・継続性を高めるためにも企業の変革が求められるでしょう。オフィスへの出社は、オンラインを前提とした出社という意識改革も必要となります。

昨今、学生たちからは「働きたくない」という声をよく聞きます。しかし、よくよく聞いていくと「働くこと」が嫌なのではなく、「通勤が嫌」「定時で働けない」といった理由があるようです。このように「働きたいように働けない」という現状が垣間見えます。

働き方の柔軟性をテクノロジーによって変えられるようになった今、それの障壁になるものは「組織の風土」や「マインドセット」にあります。しかし、これらは前向きに変えていかねばなりません。働き方の充実には、働き手自身だけではなく、企業からの後押しも重要なのです。

※本記事は JBpress に掲載されたコンテンツを転載したものです



ハイブリッドワークに最適化された、
Windows 11 Pro+HP ビジネスPC

ハイブリッドなワークプレイス向けに設計された Windows 11 Pro は、さらに効率的、シームレス、安全に働くために必要なビジネス機能と管理機能があります。HPのビジネスPCに搭載しているHP独自機能はWindows 11で強化された機能を補完し、利便性と生産性を高めます。

詳細はこちら

リンクをクリップボードにコピーしました