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2020.04.13

テレワークを始めるために。従業員のマネジメントに必要なこととは

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企業の生産性向上、従業員のワークライフバランスの実現などを目的として導入されるテレワーク。企業や従業員の双方にとって様々なメリットがある一方で、テレワーク時の従業員のマネジメントが課題となっています。

今回は、テレワークの実施を検討している中小企業の経営者や担当者に向けて、テレワーク業務における従業員のマネジメント方法をご紹介します。

テレワークの実態

まずは、国内におけるテレワークの実態についてみていきましょう。

テレワークの導入状況

平成30年に行われた総務省の「通信利用動向調査」によると、国内企業におけるテレワークの導入率は19.1%となっており、初めて調査が実施された平成24年以降、緩やかに増加し続けています。
また、2018年の毎日新聞に掲載された「主要企業121社を対象にしたアンケート結果」によると、テレワークの制度が「ある」と答えた企業は60%、「今後設ける予定」と答えた人と合わせると81%となっています。

参照:総務省|令和元年版 情報通信白書|テレワークの導入やその効果に関する調査結果

テレワークの導入によって得られた効果

平成31年の東京産業労働局による「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)」によると、テレワークの効果として「従業員の通勤時間、勤務中の移動時間の削減(83.1%)」「定型的業務の生産性の向上(79.0%)」「育児中の従業員への対応(78.4%)」「その他通勤に支障がある従業員への対応(74.8%)」が挙げられています。

テレワークの導入で、毎日オフィスまで2〜3時間かけて通勤していた人が、自宅やカフェ、サテライトオフィスなどで仕事ができるようになり、通勤時間の削減に成功しています。

そのほかにも、子育てや介護と仕事を両立する人の場合、働く場所を自由に選択できることは大きなメリットです。本来はオフィスへ出勤するための時間も有効活用することができ、隙間時間には自分の時間を持つことができます。
会社ごとの事情にもよりますが、テレワークは社会全体として積極的に取り入れていきたい制度の1つといえるでしょう。

多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)(平成31年3月)

テレワークにおける不安

テレワークの導入は、マネジメント側にとってはいくつか不安を感じる点もあるでしょう。以下では、それらの課題・不安について解説していきます。

適正な労働時間の基準

テレワークは、オフィスで働く場合と比較して「従業員の勤怠管理が難しい」という課題があります。部下が働いている状況を上司が直接確認できないため「サボる」社員が出てきたり、逆に深夜残業やサービス残業などの「働きすぎ」が起きたりする可能性もあります。
一方で「上司に管理されない」「他人の目がない」という状況は、従業員からしても「オンオフの切り替え」が難しく、仕事の時間とプライベートの時間がごちゃ混ぜになってしまうケースがあります。

これらに対しては、社内で適正な労働時間の基準・ルールを設け、勤怠管理とあわせて従業員がうまく働ける環境づくりを行う必要があるでしょう。

メールや電話での勤怠管理や、パソコンの使用状況のログをとるなど、勤怠管理のやり方はいくつかあります。自社にあった方法を検討してみてください。

業務進捗の不透明さ

テレワークでは、上司と部下が直接コミュニケーションをとる機会が極端に少なくなります。そのため、部下の業務の進捗状況がわからず、仕事に遅れが生じる可能性も。
反対に、部下の立場からすると上司の状況が把握できないため「今、忙しいかもしれない」と連絡をためらうことも十分考えられます。とくに入社して間もない部下を抱えている場合には、注意が必要です。タスクの「抱え込み癖」がある人がテレワークを行った場合、うまく仕事を進められず、時間だけが無駄に過ぎていくケースがあります。

これらを避けるためにはテレワークを導入する前に上司と部下で話し合いを行い、タスクごとのスケジュールを明確に定めておくと良いでしょう。「業務の見える化」ができれば、適切なタイミングでフォローを入れることも可能になります。また決めたタスクがスケジュール通りに進んでいるか、適宜コミュニケーションを取りながら仕事を進めていきましょう。

賃金・評価の基準

多くの企業では、勤務態度や仕事の過程(プロセス)を評価基準に入れることがありますが、テレワークにおいては、この評価基準は「不向き」です。
理由はシンプルで、テレワークでは物理的な距離が離れているため、部下の勤務態度や仕事の進め方を逐一管理することができないからです。では、どうすればいいのでしょうか。

1つの解決策としては、成果主義の評価に変更することです。勤務態度やプロセスではなく「何を成し遂げたか」「どんな成果をあげたか」を見ることで、上記の課題をクリアできます。

しかし、突然評価基準を変えることが難しい場合も往々にしてあります。
その場合は、

・チャットやビデオ会議による綿密なコミュニケーション
・明確な進捗管理

この2つを行うことでプロセスの評価が可能になります。

これらの評価の基準については、テレワークを導入する前に社内で十分検討し、自社にあわせたルール作りを行うことが大切です。

コミュニケーションロス

テレワークに関する直近(2020/3/3)のアンケートでは、テレワークを実施した企業の課題として「コミュニケーションの難しさ」があげられています。

オフィスで仕事をするときは、上司や同僚と気軽にコミュニケーションをとることができますが、テレワークの場合はそうはいきません。メールやチャットでのコミュニケーションでは、その場ですぐに返事が返ってくるわけではないので、どうしてもコミュニケーションがおろそかになってしまいます。
この場合は、コミュニケーションロスを防ぐ施策を導入する必要があります。
例えば、業務開始時の「チェックイン」や業務終了後の「チェックアウト」を義務づけたり、定例会議を設けたり、グループチャットで雑談ルームを設けるなど、コミュニケーションを活性化させる様々な仕組みを考え、実装していくと良いでしょう。

参照:アンケートで浮き彫りになったテレワークの課題: 1 位は「コミュニケーションが難しい」45.9%

テレワークのマネジメント方法

テレワークを行う際には、様々な不安が生じることをご理解いただけたかと思います。ここでは、テレワークのマネジメント方法として、ICTツール導入の重要性について触れていきます。

時間管理

テレワークでは、まず「労働時間の管理」が重要です。勤務体系によっても異なりますが、「始業時間」「ランチタイム(休憩)」「終業時間」の3つについては適切に管理する必要があります。
また、フレックスタイム制・裁量労働制を導入している企業であれば、業務を一時的に中断する場合、中抜けの時間に関するルールも定めておく必要があるでしょう。

テレワーク時における労働時間に関するルールは企業ごとに異なりますので、そのルールに適した時間管理システムを導入すると良いでしょう。メールやチャットでの報告も「アリ」ですが、不透明な部分もありますので、正確に時間を管理したい場合はツールの導入を検討してみてください。

業務管理

テレワークをうまく進めるためには、適切な業務管理のシステムを導入する必要があります。ここでキーとなるのは情報共有をスムーズにする仕組みです。
いつでもどこでも、仕事に必要な情報にアクセスできるように、情報を蓄積しておく基盤を用意しておくことで、滞りなく業務を進めることができます。

上記の実現には、グループウェアの利用がおすすめです。一般的なグループウェアでは、メールやスケジュール、ファイル共有からワークフローの共有まで日々の業務で使用する機能がまとまっているため、テレワークでの業務管理に適しています。

労務管理

前述した通り、テレワークでは「他人の目がない場所」で従業員が仕事を進めます。そうした状況下では、「労務管理」の重要性が高まります。

テレワークにおける勤怠・労務管理は、勤怠管理ツールの導入もしくはメール・チャットでの報告がスムーズになります。
勤怠管理ツールは導入にコストと手間がかかりますが、従業員の勤怠状況や仕事の進捗などを正確に把握することができます。反対に、メール・チャットでの勤怠管理では、導入に手間がかからない「手軽さ」がある反面、やや不透明な点も挙げられます。

これらの勤怠・労務管理をどこまで厳重に行うかは、企業の文化によって異なるので自社にあった方法を適切に選びましょう。

コミュニケーションツール

テレワークで陥りがちな「コミュニケーションロス」の問題を解消するためには、ビジネスチャットや社内SNSなどのコミュニケーションツールの導入がおすすめ。

チャットツールであれば、上司と部下の間で、変にかしこまった挨拶も必要なく気軽にコミュニケーションを行うことができます。また、グループチャットを作成することで、1対1ではなく、社内全体で情報を共有することもできます。

そのほか、特定のスレッドを立てたり、ほかメンバーの進捗・共有事項にメッセージを送りたい場合は、社内SNSが有効です。テレワークの場合は、一人で黙々と作業することも多くなるため、こうした息抜きのコミュニケーションを取れる場が、社員同士のコミュニケーションにつながります。

現状の就業規則に沿って、適切なルールづくりを

今回は、テレワークのマネジメントにおける課題・不安についてご紹介しました。
しかし、これらは漠然としたものであり、適切なルールづくりやICTツールの活用で、十分解決できるものです。
最低限必要なルールを定めたあとは、テレワークの導入を進めてみてはいかがでしょうか。

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