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2021.11.26

オフィスに行かなくてもビジネスを成功させるために

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Z世代は、自身のキャリアをリモートやハイブリッドな職場環境で歩み始める最初の世代です。
こうした若い従業員たちの成功を手助けする方法をご紹介します。

文:hillary Richard

数か月間の就職活動を経て、シラキュース大卒のChloë Arambelは、2020年10月にBrand Agency(英語サイト)に初めての就職をし、在宅勤務となりました。 パンデミックの最中に、オフィスに一歩も足を運ぶことなくフルタイムで働くことは、困難を伴いました。 どのようにトレーニングを受けるのか、どのように業務を理解するのか、業界を理解できるのか、ましてや好きになれるのか、日々誰に相談すればよいのかわかりませんでした。

一部の従業員は無期限でのリモート勤務さえ可能と発表する企業も増えている現在、完全なリモート環境やハイブリッド環境での働き方が定着してきたことは明らかです。 2021年版のWork Trend Index(英語サイト)で、Microsoft 365およびLinkedInの利用状況データを分析したところ、さまざまな業界の73%もの人が無期限で柔軟にリモート ワークできる選択肢を求めていることがわかりました。 つまり、Z世代(この世代の最年長は今年24歳を迎える)は、通常初期の職業体験を形づくる同僚やメンター、オフィスの文化から離れたリモート環境で本格的にキャリアを始める最初の世代なのです。

Center for Generational Kinetics(英語サイト)によると、彼らの考え方を形成する時期がパンデミックに当たるため、彼らが得る教訓や確立する慣行は今後彼らのキャリアを通じて付いて回ることになります。

2030年までには、Z世代が米国の労働力の1/3(英語サイト)を占めるため、彼らが最高な形でキャリアをスタートさせ、成功の基礎を築けるようにすることに、あらゆる企業が関心を持っています。
安定したインターネット アクセスや働きやすい環境作りは、比較的簡単に実現できます。
しかし、その他の面では、やや試行錯誤が求められます。

働くZ世代の60%(英語サイト)は、モチベーション、孤立、コラボレーション、職場でのアイデンティティに苦慮していると述べています。これは、リモート ワークへの適応が、テクノロジーに精通するほど単純ではないことを示しています。

「リモート勤務であれ、オフィス勤務であれ、新規採用者のニーズの多くは共通しています。
彼らは自分に何を期待されているのか、そして自分がどのように貢献できるかを知りたがっています。
彼らは同僚に会い、自分もチームの一員であると実感したいのです。
チームから認められ、チームに価値をもたらしたいと思っています。
そこで、私たちは包括的なアプローチを取ることにしました」と、HPの従業員エクスペリエンス部門のグローバル リーダーであるLuciana Duarteは言います。

若い従業員ならではの困難

中堅やベテランの従業員と違い、Z世代は仕事のやり方や戦略を確立できていません。また、標準的な業務時間で働くことにも慣れていません。

彼ら自身が職場でメンターを見つけたり、オンラインで自然に人と交流したりするチャンスは限られ、コラボレーション ツールもまだ対面でのチーム作業に取って代わることはできません。

それぞれの企業環境に沿った、ちょっとした(ちょっとしたものではなくても)仕事上の「当たり前」を学ぶことは、さらに困難です。

入社したばかりの人は誰でもそうですが、自分が何を知らないかもわかりません。 こうした新人グループに対しては、思いやりを持って導くことが重要です。

パンデミックの中、医療関係の企業に入社したJuliana Martinsは、最初の2日間のほとんどを自習形式のオンボーディング ドキュメントを読んで過ごしましたが、理解するのは大変でした。 こうした1人きりの環境に、彼女は混乱し、困惑しました。

しかし、新しいチームとのプロジェクトで働き始めると、彼女はその場で多くのことを学びました。 とはいえ、この会社には率直にコミュニケーションを取れる場や個人に合わせた働き方がなかったため、彼女は行き詰まってしまいました。 職場でつながりを築くことが難しく、孤立感を覚えたのです。

「皆さん親切でしたが、ほとんどの人は忙しすぎて、私に話しかける暇がなかったのだと思います。 『その人を知りたい』だけのために時間を取ってもらえるよう、目上の人にメールを送るのは勇気が要ります。 しかし、直接会ってこちらから話しかけることができれば、より深く理解できたかもしれません」と、Martinsは言います。彼女は6か月で退職し、違う業界に移りました。

73%

さまざまな業界で無期限でリモート ワークができる柔軟な選択肢を求める人の割合

出典: 2021年度版WORK TREND INDEX

「こうした新入社員は実際の職場で他の同僚がどのように行動しているかを観察できず、言葉以外の手掛かりを拾うことができないという点を意識する必要があります」と、履歴書に関するコンサルティング サービスを提供するTopResume(英語サイト)でキャリア エキスパートを務めるAmanda Augustine氏(英語サイト)は言います。

また、ビジネス コミュニケーションと業務上の基本的な知識もあります。

彼女は、新入社員との最初の1対1のミーティングですべての基本ルールを伝えることを推奨しています。たとえば、始業と終業の時間、休暇の申請方法とタイミング、業務時間外の連絡ルール、推奨される情報伝達の手段やコミュニケーションの手段などに関するルールです。

また、マネージャーは、新入社員が組織に及ぼす影響にはどのようなものがあるか、そして90日間の目標、クライアントや同僚に対して期待される行動についても伝える必要があります。

HPのDuarteによれば、リモートでの従業員のオンボーディングには、3つの重要な側面があります。

1つ目の社会的側面では、チームがどのようにつながり、デジタルのコミュニティを築くかに焦点を当てます。 これは、今まで属していた大学などのコミュニティから離れ、職場に交友関係や人間関係を求めているZ世代にとっては、特に重要な側面です。

2つ目は、仕事には基本的な仕組み、つまり明確な期待値、利用可能なツールやリソース、そしてサポート体制が存在するという側面です。

3つ目はメンターシップです。それほど形式ばらずにガイダンスを提供し、常にフィードバックやアドバイスを行います。 メンターシップにより、従業員が自分の職場に信頼できる人を見つけ、キャリアを開発できるよう促します。

HPでは、リモートからロイヤルティや熱意を喚起するため、バディ システム、オープン ドア ポリシーを採用し、さまざまな従業員向けのリソースの最新情報を毎日オンラインで交換しています。 また、従業員が職場でコミュニティとしての一体感を持てるよう、従業員のリソース グループへの参加も促しています。

これは、より日常的ながら重要なタスクに対応するチェックリストやリソースとともに、会社の沿革、文化、戦略などを伝えることで新入社員を順応させ、サポートすることを目的とした詳細なオンボーディング プログラムを行った上での施策です。 多様な家族や家庭環境で育ち(英語サイト)、個人を非常に重視するZ世代に画一的なアプローチは通用しません。

Duarteは次のように述べます。「これまでは、従業員とは、人であることを前提としたリソースとして考えられていました。 しかし、人をより総合的に捉えると、たまたまリモートで仕事を開始することになった新しいチームメンバーを迎え入れる方法を含め、より適切な判断を下せるようになります」

仕事のやり方を学ぶ

Z世代は、プロ意識についてより自由な考えを持ち、信頼性、そしてワーク ライフ バランス(英語サイト)を強く求めて仕事に臨んでいます。 従業員が自分のペースで学べるリソースへのオンデマンド アクセスを提供することが、Z世代の成功にとって重要です。 この世代は必要なときに情報や新しいスキルを習得(英語サイト)する傾向があります。トレーニング マニュアルの学習をしたり、1日かけてプレゼンテーションを聞いたりするのではなく、少しずつ、自身で扱いやすい単位でスキルなどを習得するのです。

人によって学び方はさまざまであるとはいえ、初めてのフルタイム勤務をリモートで開始する従業員には、より実践的なアプローチが効果的である可能性があります。

マネージャーは時間の管理やきちんとしたスケジュールを組むなど、物事をまとめるといった教えやすいスキルに重点を置く必要があります。 最初のうちは、週1回の進捗確認を毎日の連絡に変えて、新入社員が日々の業務に慣れ、新しい役割で力を発揮できるよう手助けすることを検討してください。

33%

2030年までに米国の就労者のうちZ世代が占める割合

出典:Bloomberg

最初のいくつかのプロジェクトを細かいステップに分割することになったとしても、それぞれのタスクでどうなれば成功かを定義することが重要です。 会社と従業員の両方にとっての期待値と目標はすべて明確に設定してください。

新入社員にとって昇進の見通しとは、困難な未知の領域のように見える可能性があります。 新入社員に対しては、先を見越して動き、周りの人と情報交換するよう促し、リモートで周囲の人にアプローチする最良の方法(英語サイト)について説明してください。

また、キャリアに関する利用可能なすべてのリソースについても伝える必要があります。 キャリア パスと次のステップに関して彼らがどう考えているかについて話し合い、社内での可能性を彼らが理解しやすいようサポートします。 そして、昇進に必要なステップや成長について明確に説明します。

職場の当たり前を取り入れる

リモートな職場環境でグループに適応できるかどうかの判断は難しくなりますが、リーダーシップと個人に合わせたガイダンスはバーチャル オフィスを成功に導くために不可欠です。

「職場の規範とは、実際の日常的な仕事の進め方です。つまり、人々が日々どう行動するかで職場の雰囲気が決まるということです」と、人材管理コンサルティング企業、Vaya Group(英語サイト)のエグゼクティブ コンサルタントであるNicole Morris氏は説明します。 優先順位や価値は、文書化されたマニュアルや規範よりも、ちょっとした行動により明確に表れるのです。

リモート オフィスでは、透明性が高く、オープンな対話ができる環境を維持することが不可欠ですが、その手段が重要です。

マネージャーは、よい行動を強化し、悪い習慣を是正するため、定期的にフィードバックを提供する必要がありますが、ビデオや電話で実施する必要があります。

Morris氏は、自己認識や弱みを見せる形式ばらないアプローチのほうが、Z世代が長期にわたって会社に居場所を見つけるために役立つと推奨しています。 ミーティング中には雑談の時間も設け、個人的な話をすることで、リモートにいる同僚に親近感を与えることができます。

家庭の事情(娘のサッカーの試合、ペットの通院、両親との食事など)で休暇を取ることを知らせたり、全員に休暇を取るよう促したりすることで、会社全体がワーク ライフ バランスを尊重していることをZ世代に示すことができます。

「共感と配慮はもう、あれば望ましいという単なる『ソフト スキル』ではありません。 価値を認められていると従業員に感じてもらうために不可欠なスキルです」
— VAYA GROUP、エグゼクティブ コンサルタント、NICOLE MORRIS氏

この世代は、メンタル ヘルスや個人的な心配事について比較的オープンに話します。このため、彼らに自分をいたわるよう促し、彼らがより安全で安心だと感じられるよう健康的な習慣の模範を示しましょう。

「共感と配慮はもう、あれば望ましいという単なる『ソフト スキル』ではありません。 価値を認められていると従業員に感じてもらうために不可欠なスキルです」と、Morris氏は述べます。

シラキュース大卒のArambelは入社して最初の3か月間、メールを減らして、オフィス スペースで行われるような雑談を模した、同僚との定例ミーティングに週1回参加しました。 彼女にとってオープンなコミュニケーションはありがたく、間仕切りのないオフィスにいるときと同じように企業文化を吸収することができました。

数か月(その間に何度も定期、不定期の電話が行われた)後、彼女はより自信を持って仕事ができるようになったのです。 同僚の大半とまだ直接会ったことはありませんが、彼女は(より個人的な交流を目的とした)テキストメッセージや電話での会話、関係を築くためのソーシャル メディアでのフォローを通して人脈を形成しました。

しかし、これらはどちらも、元々あったコミュニケーション手段です。

「タッチ スクリーンやiPhoneが登場する前の時代については、あいまいな記憶しかありません」と、Arambelは言います。彼女は、日々の業務の大部分は常にオンラインで行われたと話します。

適切なサポート体制とリソースを利用すれば、個人主義のZ世代は職場環境に欠かせない人材となり、会社全体に利益をもたらすでしょう。リモート オフィスの台頭により、職場の文化が大きく変わりました。これをさらに進化させてくれることが確実なZ世代の登場にちょうど間に合った形です。

ペンシルベニア州レディング学区でコミュニケーション ディレクターを務めるKristin Boyd氏は、昨年の在宅勤務の経験から、集中できる静かで明るい場所を探し求めていました。 リビングのソファーで作業したこともあります。 ミーティングにログインするときなど、子どもたちのおしゃべり、オンライン授業、夫の仕事の電話から逃れるため、浴室に避難したこともありました。

「誰もが、一番邪魔が入らず、快適に過ごせるスペースを探しています」と、Boyd氏は言います。 Boyd氏は、最近デスクを購入しました。 イヤフォン、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォン、オンラインミーティング用のバックライトランプも買いました。オフィスに戻った後も職員が柔軟にリモートで働けることが学区で決まったら、在宅勤務用のツールにさらに投資することも考えています。

多くの企業がすでに、今後、常にリモートで働く職員もいれば、適宜リモートで働く職員もいるハイブリッド モデルを採用することを決断しています。 Capgemini Research Instituteの調査によると、企業の1/3は、従業員の70%以上が来年以降リモート勤務することになると予測しています。

PwCによる最新の調査では、役員の60%以上がバーチャル コラボレーション ツールとリモート ワークを支援するマネージャーのトレーニングへの支出を増やすことを計画しており、従業員の半数以上(55%)が週3日以上リモート勤務したいと考えていることがわかりました。

ハイブリッドな働き方をする従業員にとって、あらゆるスペースを職場にできるテクノロジーが重要であり、「オフィス」にいる新しい方法を見つけることが最優先事項となっています。

リモートで要領を覚える

エグゼクティブ コンサルタントのNicole Morris氏(英語サイト)が教える、在宅勤務でキャリアをスタートするためのヒント

自分自身を知りましょう。 いくつかのテスト(英語サイト)を受けることで、自分に合った働き方、コミュニケーション スタイル、理想のキャリアを見極めることができます。 自分自身の強み、弱み、盲点をより深く理解することは、人に助けを求めるタイミングや助けを申し出るタイミングを知る場合に役立ちます。

仕事に関して、自分の興味をかき立て、励みになるものに注意を払います。 これにより、燃え尽きないようにするのを防ぎ、最終的にはキャリアの方向性を決めることができます。

マネージャーに1対1の定期的なミーティングの時間を確保してもらうよう依頼します。そうすることで、両者が形式ばらないスムースなコミュニケーション フローを維持できます。 あいまいな言葉を排除し、その週の重要な優先事項について話すことで、全員の集中力を維持します。 より大きな問題に関する疑問は必ず尋ね、キャリアでのスキルアップについて定期的に話し合うようにします。

皆さんがもし現状に困惑しているなら、自分に正直になり、優先事項を3つ特定してみてください。 このように考えてみます。 達成できなかった場合に最もがっかりする目標はどれでしょうか。

カレンダーを使ってタスクを管理します(透明性を確保するために、カレンダーを共有します)。 プロジェクトを小さな目標に細分化し、各ステップをミーティング枠に組み込んでタスクを続行できるようにします。 バーチャル コーヒー ブレイク、ランチ、親睦会、グループ イベントに参加します。温かみのある社交環境をバーチャルで再現するには、より一層の努力が必要となります。 オープンな心で、相手に関心を示しながら、自分のことを相手に知ってもらえるようにします。
業務でつながることは簡単ですが、オフィスで友人を作るには個人的なレベルでより深くつながることが重要です。

従業員グループやタスク フォースに参加して、職場で共通の関心を持つ人と知り合います。 こうしたグループが存在しない場合は、マネージャーに作ってよいかどうかを尋ねます。

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