2023.09.27
ChatGPT をはじめとした生成AI(ジェネレーティブAI)が大きな話題です。今まで人が作業してきたことを生成AIが自動的にこなし、大きな生産性の向上が期待されています。
前編では、Windows OSにAI機能を組み込んだ「 Windows Copilot 」プレビュー版について、登場した背景と機能の一部を紹介しました。後編では、さらに仕事に役立つ機能を紹介したいと思います。
会議までに多くの文書を読んで、準備しなくてはいけない人も多いのではないでしょうか? そういったときも、Windows Copilot を活用できます。
ここでは2つのPDFファイルを利用します。1つは、日本語のPDFファイルです。ファイルの要約を指示することにします。もう1つのファイルは、英語のPDFファイルです。
こちらは、ファイルの要約を「日本語」で指示することにします。
PDFファイルをプロンプトボックスにドロップします。その後で、次のようにプロンプトに指示を出します。
指示プロンプト
ファイルを500文字程度で要約してください。
出力
この文書は、令和5年版の情報通信白書の表紙と目次を含むファイルです。以下に要約を示します。
- 情報通信白書は、情報通信分野の市場動向や政策の現状と方向性を分析・整理したもので、今年で51回目の刊行となります。1[1]
- 第1部では、特集として「新時代に求められる強靱・健全なデータ流通社会の実現に向けて」を取り上げ、データ流通・利活用の現状と課題、生成AI等の新たな潮流、データを活用した多様なサービスの恩恵を誰もが享受できる社会の実現に向けた取組等を展望しています。2[2]
- 第2部では、ICT市場やデジタル活用の動向をデータに基づき分析するとともに、ICT分野における省内横断的な取組や各政策領域(電気通信、電波政策、放送政策等)における政策・今後の方向性等を整理しています。3[3]
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続いて、英語のPDFファイルを日本語で要約してもらいます。利用するファイルは、マイクロソフト社に掲載されているAIに関するe-bookです。
指示プロンプト
ファイルを日本語で500文字程度で要約してください。
出力
この文書は以下のように要約できます:
- この文書は、ビジネスにAIを活用する方法についての本である。
- 本の対象者は、AIプロジェクトのリーダーやビジネスリーダーであり、技術的な知識は必要ない。
- 本の目的は、AIプロジェクトを成功させるための原則やスキルを紹介することである。
- 本は8章から構成され、各章ではAIプロジェクトの選択、実行、評価、改善などのトピックを扱っている。
- 本はCLUEというフレームワークを提案し、AIプロジェクトのビジネス価値と技術的な進捗を結びつける方法を示している。
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以上のように、ビジネスパーソンが作業を効率化するために役立てることができます。
以前、Tech & Device TVで、Windows Copilot を利用して、「ダークモードに変更して」「集中モードをオンにして」「スクリーンショットを撮って」といった、Windows 11 への操作指示をする方法を紹介しました。
参考
現状は、これらの操作事例が紹介されているだけですが、Windows Copilot で操作できる作業が増えることが想定されます。
例えば、企業において、PCを運用するシーンを考えてみましょう。利用者がヘルプデスクに操作について質問する場合を想定します。
クイックアシストを利用して、利用者とヘルプデスク担当者がセキュアにリモートデスクトップをシェアして、操作を行うことで問題解決を行うことがあります。
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しかし、利用者がどうやってクイックアシストを起動したらいいか分からない場合もあります。そういったときに、ヘルプデスク担当者が利用者に、「クイックアシストを起動してください」と指示プロンプトを出せば、起動するといったようなシーンが実現できるかもしれません。それ以外にも、ヘルプデスク担当者が必要となるデータなどを入手するために、プロンプトを利用して、利用者から入手することも可能になるかも知れません。
Windows Copilot は、Betaチャネルでプレビューが始まったばかりです。まだ、いつから正式バージョンとなるかは発表されていませんが、ますますOSとAIが統合されることが見えてきています。
ITのスペシャリストだとしても、すべての機能を覚えているわけではありませんし、使いこなせるわけではありません。そういったとき、いつも利用する言葉で実行したいことを指示することで、よりWindowsを使いこなせるようになることは、デバイスの持つパワーをさらに拡大することになるでしょう。
興味のある方はぜひ、Windows Insider Preview を利用して、試してみてください。
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