2019.02.14
Windows 10のプログラムは定期的に更新、配布されています。Windows 10では更新プログラムが自動的にインストールされる仕組みになっています。そのため、特に何もしなくても常に最新で快適な環境の維持が可能です。しかし、Windows 10の更新プログラムをダウンロードする際には注意が必要です。更新プログラムのインストールに失敗したり、インストール後に不具合が生じたりする場合もあります。そこで、Windows 10の更新プログラムの役割と不具合の対処方法について、この記事で紹介していきます。
不具合が生じた際の適切な解決策を知る前に、Windows 10とはどのようなものか理解しておくことが必要です。この段落では、Windows 10の更新プログラムの役割やプログラムの種類、更新されるタイミングについて説明していきましょう。
更新プログラムには、OSをアップデートする役割があります。OSとはオペレーションシステムの略で、PCを動かす基礎ともいうべきプログラムのことです。OSをアップデートし、PCを常に最新の状態にしておくことで、新しいソフトやプラグインを利用したいときに互換性を高めてくれます。利用ソフトによっては必ずしも最新であることが安定した使用環境の条件であるとは限りませんが、ブラウザとの相性を含め、快適な利用にはOSのアップデートは重要なポイントと言えるでしょう。
更新プログラムは、新しい機能を追加する役割も持っています。PCを使ううえで利便性を追求し、新たに開発された機能もあれば、従来の機能が改善されているケースもあります。PCを使う環境は日々変化しており、新しい機能を追加することで作業時間が大幅に短縮されることも少なくありません。そして、もう1つ重要なのがセキュリティ面の更新です。セキュリティ面の更新には、新たに発見されたウィルスに対処できる手段や、セキュリティ面での脆弱性を改善する目的があります。ネットの利用が欠かせない現代において、セキュリティ面を常に最新の状態にしておくことは企業の安全を守る条件と言えます。Windows 10においても、更新プログラムのインストールにはこのようなメリットがあります。
更新プログラムには、大きく3種類に分けることができます。1つは機能更新プログラム、2つ目は品質更新プログラム、そして最後の1つは、ウィルスやマルウェアの定義ファイルです。機能更新プログラムは、「大型アップグレード」または「アップグレード」といった呼び方もされるもので、Windows 10のバージョンそのものが更新されます。機能更新プログラムの目的はWindows OSそのものの機能を追加することにあります。そのため、更新の際は再起動を行うことが必要です。
これに対して品質更新プログラムは、バグと呼ばれる不具合の修正や障害の改善、セキュリティ対策などを目的に行うもので、バージョンそのもののアップデートとは異なります。デバイスドライバの更新なども含まれますが、機能は追加されません。品質アップデートの際はバージョンの番号は変化せず、OSバージョンの小数点より小さい数字が増えることで区別されます。バージョンの番号は変わりませんが、品質アップの際も再起動をともなう場合があります。
マルウェアとはPCなどに不具合を起こす目的で作られたプログラムやソフトのことで、「ワーム」や「トロイの木馬」などがそれに当たります。ウィルスはそれらの総称であり、同じものと考えて問題はありません。マルウェアの目的はさまざまですが、いずれにしても感染すれば業務に多大な影響が出ると考えたほうがいいでしょう。
Windows 10の更新プログラムを入手するタイミングはMicrosoftによって決められています。「大型アップデート」と呼ばれる機能更新アップデートは年に2回、4月と10月に配布されます。ただし、必ずきっちりこの時期に配布されるわけではなく、状況によっては更新プログラムのインストールが進まないこともあります。実際に2018年の10月に配布が開始された「Windows 10 October 2018 Update」では、一部のユーザーにデータの消失といった不具合が起こったことで中断しています。この問題は無事解決され、翌月に配布は開始されましたが、同じような事態は考えておいたほうがいいでしょう。品質更新プログラムがアップデートされるタイミングは、基本的に毎月第2水曜日です。ウィルス、マルウェアの定義ファイルについてはかなり頻繁で、1日~数日ごとに更新されます。
手動でインストールができると、Windows 10が自動でアップデートされないときに有効的です。また、自分のタイミングに合わせてインストールできるメリットもあります。ここでは、Windows 10の更新プログラムのインストールを手動設定にする手順について説明していきましょう。
まず、スタートメニューから「歯車」アイコンをクリックし、次に「更新とセキュリティ」をクリックします。画面が開くと「Windows Update」の文字の下に前回のチェック日時が表示され、更新プログラムの現状が確認できます。ここで日時の下にある「更新プログラムのチェック」をクリックしてみましょう。この作業で更新が必要なプログラムがあるかどうかをチェックできます。更新が必要な最新プログラムがある場合にはここからダウンロードが開始されます。この方法を覚えておくと、不具合で自動更新されないときはもちろんですが、早く更新させたいときにも最新のプログラムをインストールすることが可能です。
通常、更新プログラムがダウンロードされた後は、自動的にインストールが開始する場合もありますが、通常は、更新プログラムをインストールするには再起動が必要です。インストールしたら、次に「Windows Update」の画面で再起動を実行させるための設定を行います。設定は「自動指定」「スケジュール指定」「今すぐ再起動する」の中から選択します。「自動指定」は深夜などデバイスが使用されていない時間帯で、深夜3時頃が一般的です。ただし、深夜にデバイスを使用した場合には、再起動されないこともあります。「スケジュール指定」では任意の日時の設定ができます。すぐにでも再起動したい場合には「今すぐ再起動する」を選択しましょう。最新の更新プログラムの通知が来た際も、設定を確認しましょう。
Windows 10は年に2回の「大型アップデート」が行われます。最新の更新プログラムにアップデートすることは快適な環境で使える場合もありますが、必ずそうとも言いきれません。アップデートはPCの環境が大きく変更されることでもあり、ソフトやシステムとの互換性の問題から不具合が生じることもあるのです。状況によっては業務が滞ってしまう場合もあるでしょう。そのため、まずソフトやシステムが正常に動作することを確認することが最優先です。万が一動作しない場合には必要な措置を取るなど改善されるまでインストールを延期することもできます。Homeエディションの場合は基本的に延期することは難しいですが、企業向けであれば可能です。この段落では、「大型アップデート」のインストールを延期する方法について説明していきます。
インストールを延期する方法は2通りあるので、初めにWindowsの機能を使って延期する手順について説明します。まず、スタートメニューの「歯車」アイコンをクリックしましょう。ここで画面の左下にある「更新とセキュリティ」をクリックし、次の画面が開いたら、画面右の中央よりやや下にある「詳細オプション」をクリックします。するとプルダウンメニューが開くので、その中から「半期チャンネル」を選択しましょう。ここで延期可能な日数の設定ができます。0〜365日の間で任意の数字を設定すれば日数の設定は完了です。プログラムの自動更新は無効になります。OKボタンなどは設置されていないため、基本的にはここまでの手順で設定できます。
ここでは細かい設定ができる方法を紹介します。まずタスクバーの検索欄に「gpedit.msc」と入力しましょう。入力できたらEnterキーを押下すると、グループポリシーエディタを起動させることができます。次に「管理用テンプレート」から「Windowsコンポーネント、「Windows Update」と開いていき、「Windows Update の延期」を選択します。ここまで進んだところで、画面右にある「機能更新プログラムをいつ受信するかを選択してください」をクリックしましょう。画面の中から「有効(E)」にチェックをするとプルダウンメニューが開くので左にある「Current Branch for Business」を選択します。ここで延期したい日数を0~365日の間で入力し、最後に「適用」をクリックして完了です。
Windows 10の更新プログラムのインストールは上手く進まないこともあります。更新プログラムの構成が終わらないときや、パソコンが重くなりインストールが止まるときには、適切な対処が必要です。ここでは、Windows 10の更新プログラムが進まないときに解決する手順について説明していきます。
更新プログラムのアップデートが進まない状況で困るのは、途中で止まってしまうことです。余計な時間を取られてしまううえに、ストレスにつながるためできるだけ回避したいと考える人は多いでしょう。更新プログラムのアップデートが停止してしまうのは、いくつかの理由があげられます。まず1つはディスクの容量不足によるものです。事前にディスク容量を確認できていることが望ましいですが、更新プログラムの構成が途中で止まってしまった場合は容量不足を疑ってみましょう。
次に理由としてあげられるのは、ウィルス対策ソフトの過剰なインストールです。ウィルス対策ソフトは通常、1つで十分なもので、よほど特別な事情でもない限り2つ以上は必要ありません。体験版のウィルス対策ソフトをインストールしたまま忘れてしまい、別の有料版ウィルス対策ソフトをインストールしているような場合には、PCを不安定にする原因になります。2つ以上のウィルス対策ソフトが入っていないか、確認してみましょう。その他、PCのスペック不足や長期間アップデートしていないといったことも、更新アップデートをするうえで障害になります。
更新プログラムのアップデートが停止状態になった時は、手動で更新プログラムをダウンロードして解決する方法があります。PCを快適にするためにも原因を究明することは必要ですが、まず更新プログラムを完了させることも重要です。止まってしまう場合には、手動によるダウンロードを試してみましょう。手動でダウンロードするには、MicrosoftのWindows 10ダウンロードページにアクセスします。「今すぐアップデート」をクリックして最新のWindows 10をダウンロードし、インストールを完成させます。PCによってダウンロードやインストールにかかる時間は異なりますが、完了後に再起動してみて、更新プログラムが適用されていれば成功です。
Windows 10の更新プログラムが無事に適用できた場合でも、PC上で不具合が生じることもあります。使っているソフトとの互換性が悪いなど業務に支障が出る場合は無理に更新プログラムを使用せずに削除した方がよいでしょう。この段落では、更新プログラムを削除したほうがよいケースと、実際の削除手順やその方法について説明していきます。
Windows 10は「大型アップデート」が年に2回も行われます。「大型アップデート」はバグなどの改善とは違い、PCの環境を大きく変更させてしまうことから、使用しているシステムやソフトの不具合を引き起こすケースもあります。実際に過去のデータが消えてしまうといった重大なケースも報告されているため、こまめにバックアップを取ることも必須と言えるでしょう。更新プログラムの「大型アップデート」の1つ、バージョン 1803による不具合は、2018年4月だけでも次のようなものが報告されています。1つは、起動すると画面が真っ暗になってしまう現象でブラックスクリーンと呼ばれているものです。当然この状態では何もできませんが、5〜30分で自然に解消できたという例もあります。
マイクが使えなくなるという現象も確認されており、この場合はマイクへのアクセスが許可されているかどうか確認が必要です。ChromeやCortanaがフリーズしたりハングアップしたりする現象も報告されていますが、この不具合については2018年5月に解決されているので心配は要りません。他にも、ダッシュやリーダーなどが縦書きではなく横書きで表示される、ファイルエクスプローラーに新しいパーテーションが表示されるなどの不具合が出ています。不具合な深刻な場合には無理に使用せず、更新プログラムを一旦削除することで解決することを考えたほうがいいでしょう。
Windows 10の更新プログラムは、次の手順で削除できます。まずスタートメニューの「歯車」アイコンをクリックします。次に「更新とセキュリティ」をクリックし、「更新の履歴を表示する」をクリックしてその先に進みましょう。画面が開いたら「更新プログラムをアンインストールする」をクリックします。ここでインストールされている更新プログラムが一覧表示されるので、アンインストールしたい更新プログラムを選択し、「アンインストール」をクリックしましょう。ここまで進むと「コンピューターからこの更新プログラムをアンインストールしますか?」という確認のメッセージが表示されます。問題がなければ「はい」をクリックして完了です。
Windows 10の更新プログラムはこまめに実行されますが、インストールが終わらない、パソコンが重くなることがあります。システムとの相性から中には業務に支障が出てしまうケースも散見されます。しかし、更新プログラムにはセキュリティに関する機能なども含まれているため、PCの安全な環境を考えれば必要なものでもあります。よほど重大なトラブルがある場合は別ですが、Windows 10は常に最新の状態にしておきましょう。
もう困らない!Windows 10 移行ガイド