かつてない没入体験ができる最新ソリューションが集合したHPのXR・メタバース展
2025-09-09

2025年7月2日~4日、東京ビッグサイトで「XR・メタバース総合展」が開催された。このイベントはRX Japan株式会社が主催するもので、XR・メタバースを活用するサービスや技術の集大成となる展示会だ。このイベントにHPも参加。XR・メタバースの開発や運用に欠かせないワークステーションを中心に最新テクノロジーを紹介した。それではさっそく内容をみていこう。
取材:中山 一弘
イベント当日、HPブースに並ぶのはHPワークステーションとHPワークステーションを日々活用しているパートナー企業らのコーナーだ。各社のミニセッションも用意され、それぞれの時間で、自社サービスや事業内容、HPワークステーションとの結びつきを説明した。多くの来場者が立ち寄り、熱心に聞いていた。
「HPワークステーションのハードウェアを見せるだけでは、来場する3Dコンテンツ関係者にその良さが伝わりにくいのではないかという思いがありました。ですから、物としてはこれまで同様、展示されている実機を見ていただき、実際に何ができるのかを協力事業者様が説明するという形式にすることを考えました」と語るのは株式会社 日本HP ワークステーション営業部 市場開発担当 部長 中島 章氏だ。
ワークステーションの市場全体で見ると多くはCADやCG、解析といった複雑な演算処理と表現処理が必要なソリューション分野となる。これまでは設計やソフトウェア上でデータを作るうえでワークステーションが使われてきたが、それを実際にデザインレビューする、リアリティをもって見せるといった仕組みづくり、いわゆるXR・メタバース領域に向かって広がりを見せているのが昨今の大きな動きだと中島氏はいう。
「ワークステーションが活躍できるチャンスや可能性がますます広がっているのを感じます。私たちとしてはこの潮流を活かしてトライを続けていきたいと思っています。HPにはハードウェアがありますが、ソフトウェアやソリューションをお持ちのパートナー様と連携できるこうしたイベントはとても貴重です。今回のXR・メタバース展はもちろん、今後も各社との強固な取り組みを継続的にご案内し、市場の皆様にお届けしていきたいですね」と中島氏は期待を語った。それでは当日行われたワークショップを順にご紹介していこう。
株式会社Too:製品開発を加速するリアル素材 X デジタルデータの融合体験
「人々がクリエイティブになれる環境をクリエイトする」をミッションとする株式会社Too。HPのワークステーションをはじめ、デザイン・クリエイティブ製品全般を取り扱っている同社は今回デジタルマテリアルキャプチャの新製品「HP Z Captis」を紹介した。
「HP Z CaptisとAdobe Substance 3D Samplerを使い、マテリアルのデジタル化と実際にデザイン編集をするところまでをご紹介します」と語る株式会社Too クリエイティブアカウント部 阿部 高大氏。最大8K解像度でマテリアルをデジタルスキャンするHP Z Captisによる素材の読み込みからデザインまでを、素材のスキャン、モデルデータに反映、デジタルデータでの検討、リアルモックの検討という4つのステップでそのやり方を解説した。
「HP Z Captisによって、これまでのマテリアルデザインをする際の試作品の数を減らすことができ、結果としてプロジェクト進行のスピードアップや総合的なコストダウンが実現できると考えます。ただし、これらの作業はPC側への負担が高く、低スペックのマシンを使うと、一つひとつの作業が遅くなり、業務効率化が図れません。HP Z Captisの実力を存分に引き出すためにも、HPワークステーションをご検討いただければと思います」と語り、セッションを終了した。
株式会社ソリッドレイ研究所:産業用VRソリューション
自社開発によるVRソフトウェア「moage(モアジ)」を使った産業用VRシステムの開発を請け負うVR専門会社の株式会社ソリッドレイ研究所。これまで大手建築メーカーをはじめ、さまざまな企業へ向けてVRプラットフォームの構築、販売をおこなってきた同社は自社開発製品「危険誘発体感装置セーフマスター」を展示。来場者に特別な体験をプレゼントしていた。
「この装置をひとことでいうと『安全に危険を体感することが出来る装置』です。VRによってCGの手が自分の手として錯覚されることを利用し、どのようなシーンで被災するのか体験することができます」と説明する株式会社ソリッドレイ研究所 営業部 専門部長 田邉 亨氏。この日は同装置を使い、清掃中の巻き込まれ災害、金属プレス機による挟まれ災害、液抜き作業における被液災害、サンプル切り出し作業中の切創災害の4種類が用意されていた。これにより、危険を伴う作業に従事する人材に危険が降りかかる前に自己回避できるよう促すことが期待できる。
そのほかの安全教育VRの取り組み事例を紹介する田邉氏。例として、鉄道の土木作業の安全管理をおこなうスタッフ向けのシステムや、医学部学生の実習向けに頭部CTスキャン画像から3Dプリントによるモデルを作り、実習に役立てるシステムなど、いくつかの事例も紹介。「HPのワークステーションを使い、パフォーマンスを活かしながらシステムを運用していくことが適切です。私たちもこれらのワークステーションを使って開発を続けていきたいと思っています」と田邉氏は語った。
株式会社荏原製作所:Augmented Experience – プロモーションDX
1912年に創業し、ポンプメーカーとして常に時代をリードしてきた荏原製作所。そんな同社は近年クラウドサービスの提供をはじめ、水素技術の確立などにも成功するなど、時代の要請に合わせて変化を続け、VR技術の産業応用などをはじめとしたプロモーションDXにも力を入れている。
「バーチャルとフィジカルの境界線があいまいになってきており、その背景には3つの要素があると考えています。第一にはCGの進化で現在では本物と見まがうようなクオリティのものが当たり前になっています第二にセンサー技術の発達で、嗅覚、味覚、触覚といったものをカバーする領域まで広がりを見せています。第三にIoTで、動きの状態をセンシングし、バーチャルにおける生き生きとした活動が可能なっています」と解説する株式会社荏原製作所デジタルテックR&Dアンドプロモーショングループ マーケットディベロップメントマネージャー 島﨑 さくら氏。
また、バーチャルとフィジカルを融合させることはすなわち3DCGなどPCへの負荷が高い高精細なコンテンツを快適に動作させることが求められるため、プロモーションDXやAugmented Experienceを続ける上で必要なコンピューターについて、信頼できるマシン選びが非常に重要だという島﨑氏。「HP Z2 Mini G1 a Workstationは非常にコンパクトな製品ですが、この手のひらサイズに収まる筐体のワークステーションが非常に大きなメリットを持っています。私たちが進めるプロモーションDXでは、什器の中にデバイスを入れることもありますが、コンパクトな筐体は空気の通り道を作りやすく、排熱効率が良くなります。安定したパフォーマンスが発揮しやすいうえに、NVIDIA RTX 4000 Adaという高性能なグラフィックスを搭載することも可能なので、CADデータはもちろん、高精細なCGも余裕で表現することが可能です」と同氏は解説。高いパフォーマンスと安定稼働の両立を実現しているHPワークステーションの優位性を示した。
エヌビディア合同会社:AIとXRの融合を加速する最新グラフィックス技術
XR・メタバースという今回のイベントのテーマになくてはならないデバイスはグラフィックスボードだ。その一大供給メーカーNVIDIAの協賛によりHPの出展が実現している。「最新のNVIDIA RTX PRO Blackwell世代のグラフィックスでは、よりフォトリアルな描画ができるようになります。また、XRに関してもAIを活用した開発がスタートします」と語るのは、エヌビディア合同会社 エンタープライズ事業本部 高橋 想氏だ。例えば自動車デザインの世界でも、自然言語によるデザイン変更やコンプレッション変更が可能になっており、生成AIによる新しい機能がXRの世界に融合されているのだという。
高橋氏はデジタルツイン上でのロボット学習やAIで作ったシナリオをベースにした量産の仕組みづくりなどを紹介。NVIDIAが提供しているオムニバースの事例なども解説した。これらを動かすために必須のグラフィックスにNVIDIA RTX PRO Blackwell世代を使うメリットとして、従来のグラフィックスではカードを2基実装する必要があったものが、最新世代のグラフィックスでは1基で済むようになっていると高橋氏はいう。
「NVIDIA RTX PRO BlackwellはHPのデスクトップ型ワークステーションに搭載する形で順次販売を始めています。今回のイベントでご覧になっているのはRTX PRO 6000シリーズですが、このほか5000、4500、4000というモデルもあります。ラップトップGPUに関してもRTX PRO 5000シリーズから、エントリーモデルのRTX PRO 500シリーズまでラインアップしています。AIとXRが統合された時代が訪れています。HPワークステーションを使って、高い表現力をご確認ください」と高橋氏は語った。
まとめ
期間中、定期的に実施された各セッションはもちろん、HPブース全体をみても来場者が足を止める姿や質問者が多かったのが印象的だったXR・メタバース展。各パートナー企業はもちろん、HPにとっても今回の試みによる手応えは大きかったといえる。来場者にとっても、時代の先端をいく企業がどのようにワークステーションのパフォーマンスを活かしているのかを知りとても良い機会になったことは間違いない。HPワークステーションの関連イベントは日本中で開催されている。みなさんも参加する機会があればぜひ実際に目で見てHPワークステーションを体感していただきたい。
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