デジタル化に対するニーズの拡大をHPワークステーションとHP Anywareの導入で解決
2025-01-20

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土木建築業界では、デジタルテクノロジーの活用によって業務効率化や生産性向上が進んでいることはみなさんご存じの通りだ。ここ数年は、点群データによる現場の3Dモデル化や、ドローンを使用した画像の収集・解析など、これまで現場での測量や調査によって得られた情報がデジタル化している例は多い。それらの解析や分析に必要なコンピューターへの負担はさらに増大し、新しい業務への対応に悩んでいる企業も増えている。株式会社 南伸は、HPのワークステーションやサービスを導入することで課題を解決し、働き方改革まで進めている先進的な企業だ。今回は同社の取り組みを紹介したいと思う。
沖縄県のインフラの安心安全を守る南伸

株式会社 南伸(以降、南伸)は、沖縄県那覇市に拠点を持つ建設コンサルティング企業だ。社会的なインフラ構築全般、維持管理を中心に業務を請け負い、高い技術力を持ってサービスを提供することでクライアントからは多大な評価を得ている。気候的、地理的環境から塩害が多い沖縄県の特性により、特に橋梁の補修設計や耐震設計の業務が増加中だ。「沖縄県は全土に渡り、橋が多いのが特長です。その橋を支えるのは橋梁であり、点検保守はもちろん、ひび割れなどがあれば補修するなど、日々のメンテナンスが社会基盤を支える上でもとても大切な仕事になります」と説明するのは、南伸の代表取締役の久米氏だ。
南伸では点群データによる地形解析はもちろん、自ら高解像度カメラを搭載したドローンを操り、橋梁を撮影。持ち帰った画像データを、自社開発のソフトウェアで解析して補修が必要な場所をAIにより特定するといった先進的な取り組みをしている。「ここ数年、点群データや高精細な画像解析が主流となり、従来の方法と比較して業界全体でデジタル化が大きく進みました。最近ではデータ容量もどんどん増え、いままでのコンピューターでは処理に時間が掛かるため、ワークステーションを入れ替えることにしました」と久米氏は語る。
南伸は以前からHPワークステーションを導入し続けているユーザーでもある。これまでメインで使っていたHP Z2 Mini G3 Workstationから、スケールアップをすることでさらなる業務効率化と生産性向上を狙うという目的がある。そんな同社が選んだのがHP Z4 Workstationだった。
デジタル業務の拡大に対応するHPワークステーション

「例えば先に挙げた点群データの場合、データ量が増えればそれだけ解析に時間が掛かります。最悪なケースでは計算中にフリーズしてしまい、それまでの時間が無駄になるということもあります。ですから、それを避ける意味でもワークステーションの大前提の要件はECCメモリが使えることということになります」とシビアな現状を語る久米氏。
「現在、採用いただいているHP Z4 Workstationは、XeonプロセッサーとECCメモリの信頼性と併せて、グラフィックスも大幅にアップデートしたものを搭載したことで以前から採用されているHPのWorkstationから大幅なグレードアップを果たしています。点群においてはCPUのアップデートとメモリ容量が増えたこと、AI処理やGPUに頼るグラフィックス処理はNVIDIA RTX A4500によって作業時間の短縮が大幅に改善できたとのお声が有難かったです。これまで土木建築用のデジタルツールはCPUへの依存が大きかったのですが、現在はGPUを使うソフトウェアも増えているので、作業のパフォーマンス向上に高性能グラフィックスの搭載は欠かせません」と説明するHPの小俣氏。
「3D CADで図面を作成するのに専用ソフトを使いますが、それの動作も非常に負担になっていました。一部は外注に出すほどだったので、CPU、GPUを強化することで作業効率を引き上げ、その部分のコスト削減にも繋がっています」と、導入効果の一部を語る久米氏。
本題である点群データの解析では、先にも触れたように南伸では専用ソフトを自社開発している。そのソフトが処理しているのは点群データに含まれる、木や構造物を排除し、地形だけを抽出するという内容だ。「データを25cmのボクセルに振り分け、その頂点だけを抽出し、不要なものを排除します。私たちが必要としているのは地形データだけなので、そのほうが詳細な情報を採取しやすいのです」と説明する久米氏。言葉では簡単だが、これだけのソフトウェアを自社開発してしまう南伸の高い技術力には脱帽する。


「以前からワークフローとして取り入れていましたが、ここ数年で取り扱う点群のデータ容量が大きくなる傾向が多く、これまでのメインマシンだったHP Z2 Mini G3 Workstationでは処理に時間がかかるようになりました。この対策としてHP Z4 Workstationを導入しましたが、その効果はてき面でしたね」と導入の手応えを語る久米氏。もちろん、扱うデータによって差が大きいので処理時間の短縮は一概にはいえないが、体感で10倍程度の違いはあるのだという。

ドローンとAIの活用で人命の危険排除も

また、もうひとつの課題だった、ドローンを使った橋梁検査画像から、補修箇所をAIにより特定するというワークフローも大きく改善しているという。「こちらも同じく、30分かかった作業が3分で終わるといったような劇的な改善がありました。その分、一度に多くの橋梁の補修箇所を特定できるので、業務効率化に大きく貢献してくれています」と久米氏は笑顔で語る。
画像データから補修個所をAIで特定する作業に使われているソフトウェアも南伸の自社開発によるものだ。明らかに目で見てわかるひび割れなどは人間の目で発見は容易だが、橋梁の補修を少なく、なるべく長持ちさせるには0.2mmといった極微細なひび割れも発見できたほうが断然よい。「現在、ひび割れのサンプル画像が非常に少ないのが実情です。AIに学習させるにも元データが少ないですから、新しいパターンを発見したら、360度回転させながら、あらゆる角度を検証させています」と苦労を語る久米氏。南伸のこうした努力により、沖縄のインフラの安全は日々守られているのだ。
「これまで、橋梁検査をするには人間がロープでぶら下がって、目視による点検をするしかありませんでした。大変な危険を伴う作業であり、万が一にも事故が起こらぬよう、安全の確保も一苦労という状況が続いていました。現在はこのようにドローンとデジタル解析により、点検の精度もどんどん高まっています。何より、橋梁検査のコスト削減にも大きく役立つので、今後もニーズが高まっていく業務だと考えています」と久米氏は語る。


働き方改革を支えるHP Anyware
HP Z4 Workstationの導入により、デジタルツールを使うワークフローにおいて大きな改善を実現した南伸。同社ではそれだけでなく、働き方改革に大きな取り組みをしている。「一身上の都合で、実家の長崎県に帰らなくてはならない社員がいました。コンピューターのオペレーションにおいて高いスキルを持った人材で、本人も仕事自体は続けたいと考えていました。そこで、弊社としても完全なリモートワークで、これまで通りに業務を続けてほしいとお願いしたのです」と事情を語る久米氏。どの業界においても人材不足が深刻な現在、第一線の現場で高い専門スキルを習得してきた人材なら、なおのこと手放せないのは大きな悩みでもあるだろう。
「以前から、HPのワークステーションを使ってきましたから、リモートソリューションの『ZCentral Remote Boost』も導入していました。リモートデスクトップ環境として、非常に軽快に動作しますし、品質も高かったことも理解していました。そこで、後継にあたる『HP Anyware』導入は働き方改革の切り札になると考えました」と久米氏は語る。
「HP AnywareはこれまでHPで提供してきたZCentral Remote Boostに代わってリリースさせていただいた製品です。Remote BoostはHPのワークステーション専用ソフトウェアであったためワークステーションにライセンスが無償バンドルされていましたが、HP AnywareはTeradici社を買収し、HPが持つ画面転送のノウハウを取り入れ、大幅に性能と機能が強化された新しい画面転送ソフトです。これまでもリモート環境からワークステーションを使いたいというニーズはとても高かったので、あらためて世代を経てもお使いいただけているのはとてもうれしいですね」とHP 小俣氏は語る。
南伸は該当社員の引っ越しに合わせる形で、HP Anywareを導入。以後、長崎にいる社員は自宅から南伸本社のある沖縄県那覇市の拠点にアクセスし、HPワークステーション群をリモート環境で運用している。「接続してしまえば、長崎県にいても違和感なく、本社のワークステーションを利用できます。これまでと同じ環境で仕事ができるので、遠隔地に引っ越したハンデを感じずに業務が続けられます」と、長崎県から仕事に参加している社員は語る。
HP Anywareを活用することで、遠隔地への移動をせざるを得ない人材の業務続行を実現した南伸。同業者はもちろん、違う業界においても同様の問題を持っている企業にとって、南伸が選んだ取り組みは、ひとつの解決策を示してくれていると思う。


「今回のHP Z4 Workstationの導入や、HP Anywareの設定などは、HPとの窓口になっている株式会社大塚商会のご協力があって実現できたと思っています。HPのワークステーションの良さは、HPのサポートはもちろん、パートナー企業が積極的に相談に乗っていただけるところにもあると思っています。今後、AI活用の分野などを中心にワークステーションの出番は増えていくと思います。その時が来ても今回同様、気軽に情報交換ができ、相談に乗っていただけるとうれしいですね」と久米氏は最後に語ってくれた。HPは今後も南伸の活動をサポートしていく。

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※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。
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