2023.07.24

映像伝送システムで社会貢献を続ける企業のサービスを支えるHPワークステーション

株式会社ソリトンシステムズ

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高品質の映像をリアルタイムに伝送

Smart-telecasterシリーズが活躍するのは、高精細映像を遠隔地へ届けるようなシチュエーションだ。「例えば、昔のニュース番組のテレビ中継などは、中継車を現地へ派遣し、現場にはテレビカメラや音声装置、照明などの設備を持った多くのスタッフが協力しながら映像を届ける大掛かりなものでした。私たちのシステムを使えば、中継車も不要で、最低限の機材があれば2、3名のスタッフだけで同じ品質の映像が送れるようになります」と福田氏。

過去の映像伝送システムの資料から以前を振り返る両氏

Smart-telecaster Zao-Xでは、4K/60fpsという高精細動画を独自のプロトコルを使用してモバイル回線で伝送、複数キャリア・複数回線のマルチリンクにも対応している。送られた映像はHP Z4 WorkstationにインストールされたSmart-telecaster HD View(最新版は「HD View V5」)が受け取り、それがテレビなどを通じて私たちが視聴するという流れになる。

「映像を送信する際にデータは最新のコーデックで高圧縮され独自のプロトコルで伝送されます。それをHP Z4 Workstationが受け取り、映像として復元します。この時にコンピューターにはかなりの負荷が掛かるため、ワークステーションクラスでないと安定した運用ができません」と語る日高氏。例えば、ノートPCなどで受信した場合、1chごとにデバイスが必要となるが、HP Z4 Workstationクラスのコンピューターであれば、1台で複数chの処理も可能となる。高負荷な処理をしつつもレスポンスが求められる中で、長年使われてきたのがHPのワークステーションなのだ。

「弊社の映像伝送ソリューションにワークステーションを使い始めたのがHP Z400 Workstationの時代からですから、もう10年ぐらい採用し続けています。その間、HPワークステーションで大きなトラブルが起きたことはありません。映像伝送システムでトラブルが起これば、テレビ中継などでは放送事故になってしまいますから、可用性が高いのは非常に大きなメリットだと思います」と日高氏は語る。処理能力はもちろん、高い信頼性と可用性が提供できるのもHP Z4 Workstationシリーズの特徴ともいえる。

「可用性もそうですが、ライフサイクルが長い点もHPワークステーションを選択している理由のひとつです。スペック的にはゲーミングPCでも代用できますが、グラフィックスのライフサイクルが短く、サポート切れになるのも早いです。そうしたパーツの供給という面だけでなく、我々も頻繁に検証していかなければならないので負担が大きくなってしまいます」と福田氏は語る。

現在、Smart-telecaster HD Viewに使われているワークステーションはHP Z4 G4 Workstationがベースとなっている。採用されているグラフィクスはNVIDIA RTX A4000がメインで、映像処理能力が非常に高いことはもちろん、サポートも長いハイエンドGPUだ。「一方で、グラフィックスへの負担が低い『Smart-telecaster Zao Cloud View』では、クラウド側で映像処理をするのでNVIDIA T400クラスでも十分動作します。お客様のニーズに合わせたグラフィックスボードを選択することで、コスト最適化ができるのもHPワークステーションの良さだと思います」と福田氏は語る。

ソリトンシステムズのSmart-telecasterシリーズを支えるHP Z4 G4 Workstation

幅広いニーズに応えるソリトンシステムズの映像伝送ソリューション

「Smart-telecasterシリーズは、テレビ局はもちろん、近年自治体や公的機関にも広く採用いただいています。災害があったときにいち早く現場の状況を知ることができるので、人命救助や正確な現状把握という面で必要とされているからだと思います」と日高氏は語る。

例えば、土砂崩れなどによって集落が流されるような大規模災害の場合、現場の状況をいち早く知り、分析することで、より多くの人命を救うことができる。そうした現場でSmart-telecasterシリーズが運用されることで、高精細な映像を自治体や警察、消防、自衛隊などの公的機関がいち早く状況を知ることができるのだ。「実際に多くの災害現場で、私たちのシステムが使われています。現場でのリアルタイム情報はどの機関にとっても必要不可欠なので、少人数でも映像が送れる私たちのソリューションがお役に立てているのだと思います」と福田氏は語る。

また、ソリトンシステムズでは、これらの技術を医療向けソリューションにも応用する動きもあるのだという。「現在の技術なら、映像情報に加えて、制御信号を同時に送信することができます。例えば4K映像と共にカメラの向きを変える信号を同時に送れますから、医療の現場に品質の高いサービスを提供することが可能です」と福田氏は説明する。

現在は遠方に居る医師が医療ロボットの遠隔操作をすることで、医学生の教育のためのサポートをするといった実証実験が進んでいる。「そのほか、救命士が救急車の中でウェアラブルカメラを使って患者の容体を病院と共有し、適切な治療に役立てるといった試みもあります。医療ですからセキュリティも大切で、セキュアな閉域網回線でも使えるのは大きなメリットになりますから、システム的な課題解決にも繋がっています」と日高氏は語る。

これらの医療ソリューションにもHPワークステーションが活用されることが見込まれており、それぞれのシチュエーションに合わせて最適な製品が選択されていく予定となっているのだという。「HP Z4 Workstationクラスが主流になるかも知れませんが、シチュエーションによってはHP Z2 Workstationクラスでも対応できるものもあると思います。いずれにしても、パフォーマンスとコストのバランスを見ながら選ぶつもりです。そういう意味ではラインアップが豊富な点もHPワークステーションの良さですね」と語る日高氏。

同氏は続けて「新しいサービスという面では、クラウド系のサービスを充実させていきたいですね。サブスクリプションで、使いたいときに選んでいただければ、コスト面でもユーザーのみなさまに有利ですし、そうすることで利便性は高くなると思います。弊社の技術をもっと広くみなさまに使っていただけるようになるとうれしいですね」と語る。

「映像伝送ソリューションに関しては、さらにきれいな映像を安定して送ることができるよう、技術を磨いていきたいですね。大きな事故や災害が多くなっていますから、遠隔地に居ながら正しい判断をしなくてはならないケースが、これからはもっと増えることも考えられます。高精細な映像をリアルタイムに届けることで、救える命をひとつでも多くするのも我々の使命だと考えています」と日高氏は最後に語ってくれた。HPはこれからもソリトンシステムズをサポートしていく。

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記載されている情報は取材時におけるものであり、閲覧される時点で変更されている可能性があります。予めご了承下さい。
本書に含まれる技術情報は、予告なく変更されることがあります。
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記事事項は2023年6月現在のものです。

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