2021.07.20

AI開発を促進するコラボレーションプログラム
「Innovation LAB」を支援するHPワークステーション

株式会社NTTPCコミュニケーションズ

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 AIが登場して以来、かなりの年月が経過している。近年では導入も進み大きな効果を得ている企業もある中、全国へ目を向けるとまだまだAI導入が思ったように進まない企業も多い。彼らの背中を押し、AIによる業務効率化を遂げるにはよき支援者が必要だ。今回はAIを全国へ広く普及する活動を始めた株式会社NTTPCコミュニケーションズの取り組みと、その中でHPワークステーションがどのように使われているかご紹介しよう。

AIの裾野を広げるコミュニティを構築

 株式会社NTTPCコミュニケーションズ(以降、NTTPC)は、NTTグループの一員で、ネットワーク事業やデータセンター事業を中心に、多くの企業の課題解決に当たってきた企業だ。

 「グループ全体で様々な事業領域がある中、弊社には新しい事業にチャレンジするという役目もあります。新しい市場に飛び込み事業領域を広げていくのも私たちの仕事です」と語るのはNTTPCコミュニケーションズの高島綜太氏だ(以降、高島氏)。

株式会社NTTPCコミュニケーションズ Innovation LAB担当 高島綜太氏

 そんなNTTPCが近年始めた取り組みに「Innovation LAB」がある。「日本ではあらゆる企業、組織においてAIの実装が進んではいますが、全国的にみるとそれほど広く普及しているわけではありません。私たちは現状を少しでも改善し、AIの裾野をもっと広げるために後押ししていきたいと考えています。

AI技術を中核に様々な企業・団体が集まり共創する。「AIコラボレーション」で未来を築いていくのがInnovation LABの狙いだ

 弊社の得意分野としてGPUサーバーがあります。AI業界のスタートアップ企業などの先端技術に精通されている方にこのリソースをお貸しすることで、アイデアをどんどん具体化していってもらい、それを必要としている事業会社様との懸け橋を築きたいのです」と設立経緯を語る高島氏。

 スタートアップ企業や研究室など、1組織の力だけでは、膨大な電力や空調管理が必要な大規模GPUサーバーを自由に使うことは難しい。そこでNTTPCと共創という形で開発環境を提供してもらいサービスを具体化、それ必要としている企業へ向けてAIの導入を活性化する。そんな場として生まれたのがInnovation LABなのだ。

 「弊社でしたら、GPUリソースをはじめ、ネットワークやモバイル環境など、AI開発に必要なものをワンストップで提供できます。そういう意味で弊社とAIパートナー、そしてAIを使われる事業会社様がひとつにつながって共創活動をするための場としてInnovation LABは十分に機能すると考えています」と高島氏は語る。

Innovation LABによるAI活用における共創ケースの一例。NTTPCがAIパートナーの開発支援やマーケティング支援、事業会社への導入支援などを行う

HPワークステーションの活用

 現在、Innovation LABのAIパートナーは40団体を超えている。HPもその中の一員として名を連ね、主にワークステーションの提供をしている。

 「AI開発の初期段階では学習をさせるために大規模なGPUサーバーを使うほうが効率的です。一方で、実際に現場でAIを活用する場合には、リアルタイムに推論処理をしなければいけないケースも多く、ワークステーションのニーズがあります。」と高島氏。

 もちろん、開発規模に合わせて学習段階からワークステーションを活用するケースもあるが、HPのワークステーション製品群はより現場で近い位置で活躍する機会が多いのだという。

 「HP製品は信頼性もネームバリューもありますから、事業会社様にとても説明がしやすいのです。良いと思える部分はたくさんありますが、一番気に入っている点はオンサイト保守がとてもしっかりしているところです。日本企業の多くが導入後のサポートを特に気にされるので、その点でもユーザーニーズにマッチします」と高島氏。

 また、実際にAIソリューションを稼働させるためのコンピューターとしてHPワークステーションが採用されている事例も数多くある点も、実績重視の企業にはとても受けが良いのだという。

 「もうひとつHP様の製品の良いところはラインアップの豊富さです。モバイルワークステーションから、ハイエンドデスクトップモデルまで機種の幅があり、スペックも要件に合わせて柔軟に組み替えられます。AI ソリューションにも様々なタイプがありますから、事業会社様毎のニーズに合わせやすく、適切な価格帯のワークステーションをオススメできるのもメリットです」と高島氏は語る。

HPワークステーションの幅広いラインアップでInnovation LABをサポート

全国から求められるInnovation LABへ

 「現在のところ事例としては、不良品検知などの画像認識をはじめ、養豚場の豚舎に収音マイクを設置し、鳴き声による健康判断をする異音検知ソリューションなどもあります。ほかにもコロナ禍を受けてソーシャルディスタンスがとれているかAIで分析する技術なども開発されています」と語る高島氏。

 Innovation LABを通じて、次々と開発、実用事例は増え続けている。時事性が高いソリューションが目立つのはそれだけ短期間で効率的に開発が進んでいる証明といえるだろう。そんなInnovation LABが現在力をいれているのは地方創生の分野なのだという。

 「2021年1月には地域のGPU活用を活性化するために、大分県庁様と同県に事業所を持つ公益財団法人ハイパーネットワーク社会研究所様および弊社で三者協定を結びました。これによって大分県にAIを積極的に導入していく基盤が出来上がったことになります」と高島氏。

 地域の産業を活性化するためにはAI利活用は必須ともいえるが、冒頭でも述べたように地方では特に導入が進んでいない現実がある。今回の三者協定の取り交わしは、その現状を打破し、AIによる豊かな地域基盤を築く第一歩となるはずだ。

2021年1月に締結された「大分県におけるGPUの活用に関する三者協定」。AIによる地域創生が期待されている

 「地域の事業者とハッカソンを開いてみたり、事業会社様からアイデアを伺ったりしていますが、様々な意見が出てきています。大分県の例では製造業の工場の自動化や農林水産業分野での話題などがありますが、いくつかのアイデアは実証実験をスタートさせる段階に来ています」と手応えを語る高島氏。

 例えばコロナ禍を受けてホテルのランチを人が配膳するのを嫌う傾向があるため、これをロボットによる自動配膳にしようという試み等、AIがなければ実現できないユニークなアイデアも多いのだという。

 「そのほかHP様との共創という意味では、HP ZCentral Remote Boostを使って遠隔地からワークステーションにアクセスしてAIを活用するアイデアを具体化しようと考えています。このテクノロジーは私たちのようなネットワーク事業者ととても相性が良いですからね」と高島氏。

 Innovation LABではCAD/CAMをクラウドとして扱えるようにするソリューションを参画パートナー企業が開発中で、そこではNTTPCのデータセンターにZ2 mini G5のラックサーバを設置、そこへHP ZCentral Remote Boostを使ってリモートアクセスする実証実験を継続中だという。

 「Innovation LABを通じてコラボレーションによって生まれたAI ソリューションが、日本全体に広がっていくとうれしいですね」と語る高島氏。

 共創によって生まれた製品が様々な企業の業務効率化を実現していけば、NTTPCをはじめInnovation LAB に参加しているAI パートナーも共に成長することができる。

 「Innovation LABをAI関連コミュニティとして日本一の大きさに成長させたいと思っています。それには地方創生の視点が欠かせません。今は大分県をはじめ数県が対象ですが、こちらも全国規模へ広げたいですね。都市部だけでなく、日本全体のAI導入を活性化するのがこのコミュニティの狙いですから、AIパートナーのみなさまおよび事業会社様と手を取り合って、これからのAI活用を盛り上げていきたいと思っています」と高島氏は最後に語ってくれた。

 HPは今後もInnovation LABとNTTPCの取り組みをサポートしていく。

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