2020.07.31

HP ZCentral Remote Boost によるHPワークステーション活用で遠隔授業の可能性を飛躍的に向上!実証実験で進める新時代の授業形態とは?

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2020年、新型ウイルスによる世界規模での感染拡大を受け、日本国内でも社会や経済が大きな影響を受けた。もちろん、教育機関への影響も大きく、感染を避けるために様々な施策を講じる必要に迫られていた。今回、ご紹介する大阪電気通信大学 建築学科も受講体制に工夫を凝らしつつ、カリキュラムに必須のワークステーション活用にもリモートの導入を模索するといった施策を続けていた。どのような環境下でHPワークステーションが活かされているのか、ご紹介しよう。

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大阪電気通信大学 工学部 建築学科
飯島憲一 教授

ICTを積極的に取り入れたカリキュラムを実施

大阪電気通信大学は1941年創立の東亜電気通信工学校を前身とし、1958年に創設された大阪電気通信短期大学を経て現在に至る歴史ある大学だ。人間力と技術力の融合により、大学に関わるすべての人の融和とつながりを大切にするという学園の思いを表現したシンボルマークからも分かるように、社会に貢献する優秀な人材を数多く輩出してきたことでも知られている。

「本学の工学部 建築学科は今年で3期目となる新設学科になります。ICTを中心に、BIMを積極的に取り入れた教育を目指し、建築学特有の伝統やコミュニケーションを大切にしながら教育を続けています」と語るのは同学教授の飯島憲一氏(以降、飯島教授)だ。

近年、建築業界でも中核となっているBIM(Building Information Modeling)だが、「大阪電気通信大学へいけばBIMが学べる」と、ICT活用への意欲が高い学生たちが積極的に入学してくることも多いのだという。「スマートフォンには慣れているがパソコンは苦手という学生が多い。早いうちからマウスとキーボードに慣れて、建築におけるICTやBIMの経験を通じて、即戦力になる人材を育てていきたいという思いもあります」と飯島教授は語る。

ワークステーションで体現するBIM教育

大阪電気通信大学 建築学科でのコンピュータ活用の中心となっているのは、やはりワークステーションだ。「120名余が収容可能な演習室が複数あり、そこでコンピュータを使った授業が可能です。そのほか、研究室にはBIM用のワークステーションはもちろん、点群データを扱うことも可能なハイスペックなワークステーションも用意しています」と語る飯島教授の建築学科に設置されているコンピュータがHPワークステーションとなる。

現在建築学科にはBIM用としてインテル® Xeon® E-2224Gプロセッサーを搭載した「HP Z2 SFF G4 Workstation」およびインテル® Xeon® E3-1225 v5プロセッサー搭載の「HP Z240SFF Workstation」、さらに点群データなどの高度演算用としては「HP Z4 G4 Workstation」が2台用意されている。特にZ4に関してはCPUにインテル® Xeon® W-2145プロセッサーを搭載。8コア16スレッドの強力な演算性能を武器に、点群データをはじめ、CPU負荷の高い処理もスムーズに実行可能となっている。また、グラフィックスにはNVIDIA Quadro RTX4000およびP4000が採用されており、GPU演算処理が可能なソフトウェアの運用を強力にバックアップしている。

「論文を書いたり、簡単なデザインをおこなうコンピュータはパソコンクラスのものでも十分ですが、3Dスキャナーを使って採取した点群データを読み込んで処理したり、CPUパワーが必要なBIMを快適に動かそうと思ったらワークステーションが必須になります。学生達にこれを用意させることはできませんから、建築学科において学生と共有しながら活用しています」と飯島教授。

実は大阪電気通信大学では冒頭でも触れたコンピュータ操作への練度向上を目的にBYODを採用する予定もあり、コンピュータの適材適所での配置を進めている。「やはり、自分のコンピュータを持っていると愛着もわきますし上達も早くなる。しかし、建築では高度な計算もしなくてはならないので使い分けができるように計画しています」と飯島教授は語る。

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建築学科に設置されたHPワークステーション

リモート操作も積極的に取り入れる

2020年に起こった新型ウイルスの感染拡大を防ぐための全国的な動きに対し、大阪電気通信大学も積極的に取り組んでいった。建築学科も例外ではなく、多くの学生や教員も登校を控えるなど、可能な限りの対応をしたのだという。

「前期授業を遠隔授業とすることが決定した時点で学生は春休み中で、教室での事前説明ができなかったことが一番困りましたね。自宅にパソコンやWifi環境が整っているのか、そのスペックはどの程度かなど、Google Formsを用いたアンケートで調査し、状況の掌握を行いました」と飯島教授は当時を振り返る。

コンピュータ環境が整っている演習室に関しても、密集をさけるためには入室制限をしなければならない。実際に集まっての授業もままならないというわけだ。そこで飯島教授が着目したのが「HP ZCentral Remote Boost」だ。これは、BIMをはじめとしたCADソフトウェア群、3DCG、映像編集など、プロセッサーパワーやグラフィックスパワーを必要とするパワーユーザーが、リモートからZワークステーションのパフォーマンスを利用できるHP独自の無償のソリューションで、すでに多くの企業や組織に採用されている。

「自宅パソコンのスペック不足で授業で使用するソフトウェアが稼働しない、自宅にあるのはMacOS機のみで大学から貸し出されるソフトウェアをインストールできない、という状況にある学生に授業を受ける環境を整えてあげるにはどうするかを思案しているとき、当時会長をしていたRUG総会を開催したのです。そこで協賛企業のHP社から「HP ZCetntral Remote Boost」の紹介がありました。前身のRGSも知っていたので、すぐにコンタクトをとり、まずは自分で試してみようと導入を決めました」と飯島教授は語る。


左:リモート中のHP ワークステーションの様子。
右:在宅勤務で使用しているMacBook Air。Windows画面がMac上に表示されている。

リモート活用でコロナ禍以降の新時代への明るい兆し

「HP ZCentral Remote Boost」を導入することで、飯島教授が普段使っているMacBook経由でのZワークステーション操作を試みたが応答速度は非常に早く、ワークステーションの前で作業しているのと変わらない快適な操作ができたという。「導入時にサポートをしてもらった部分はありましたが、設定完了後はとてもスムーズにアクセスできています。操作もとても快適なので、このまま実証実験を進めて早く学生たちにも展開させたいですね」と明るい表情で語る飯島教授。

中でも気に入っているのは、Zワークステーションのメイン電源のオンオフがリモートでおこなえるところだという。「いわゆるサーバルームにあるわけではなく、研究室に設置してあるので、ホコリの蓄積による漏電などの心配もあります。普通のオフィスと変わらない環境なので、24時間つけっぱなしというのも良くないと思うので、自宅から電源のオンオフがコントロールできるのはとてもうれしいですね」と飯島教授。

このリモートスイッチはインテル® アクティブ・マネジメント・テクノロジー(インテル® AMT)の技術を活用し実現させている機能となる。インテルテクノロジーとHPテクノロジーにより、リモートでの研究や学修の継続性が実現されている好例といえるだろう。

また、飯島教授のようにMacからZワークステーションのWindows環境へのリモート接続をする場合、それぞれのOS環境での作業がほぼ同時に可能となるという利便性があるのもメリットだという。「学生が持っているパソコンもMacだったり、Windowsだったりします。建築では扱うソフトウェアとフォントによっては両環境でレイアウトのズレがあることも考えられるので、それぞれのOSでのチェックは不可欠なのです。ですから、両OSが簡単にスイッチできるのはとても便利ですね」と飯島教授は語る。

「パソコンだと3、4時間掛かる作業でもHPワークステーションなら30分で終わります。研究室に来なくても、何度も試行錯誤を繰り返すことができるので、学生達には質の高い学修を体験してもらうことが可能になると思います。とはいえ建築もコミュニケーションが一番大切ですから、学生同士が直接集い、お互いを刺激し合って学ぶ場があることが理想です。しかし、今回のような環境下でも教育の可能性を広げられる「HP ZCentral Remote Boost」のようなソリューションは上手に活用していくべきでしょうね」と最後に飯島教授は語ってくれた。

「HP ZCentral Remote Boost」によるHPワークステーションの遠隔操作は、教育機関はもちろん、ワークステーションを活用するすべての業種職種の可能性を広げてくれるソリューションといえる。大阪電気通信大学の例は学修の領域でもBCPの実現の必要性があること、そして「HP ZCentral Remote Boost」が効果的な手段であることを示しているのではないだろうか。HPは今後も大阪電気通信大学のさらなる進化と飛躍を支えていく。

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Revitユーザー会(RUG総会)の会長も務めていた飯島教授。豊富な経験と知識で学生たちを導いていく

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