【クリエイターPC】手のひらサイズに “本気” を詰め込む―― HP Z2 Mini G1a Workstationレビュー
2025-09-18


※本記事はVookにて掲載されたものです。
HP Z2 Mini G1a Workstation
CPU/グラフィック | AMD Ryzen™ AI Max+ PRO 395 |
---|---|
メモリ | 128GB Unified メモリ VRAM最大96GBまでアサイン可能 |
SSD | 2TB |
はじめに——常識・思い込みを打ち破るミニワークステーション「HP Z2 Mini G1a」
こんにちは!
未来をビジュアライズするビジョンムービーを中心に、実写撮影・3DCG技術を提供するFuture Scape Design™ Studio、株式会社IDENCEです。
皆さんは「ワークステーション」を作業に使ったことはありますか?
弊社では普段、PC好きな社員が自作してくれたマシンや、BTOのPCを使って、CG・編集作業やレンダリングを行っています。
これまでワークステーションという存在は知りつつも、しっかりと作業に取り入れたことはありませんでした。
今回、日本HP様から「コンパクト PC =モバイル向け低電力」という常識を壊すミニワークステーションが登場したとのことで、HP Z2 Mini G1aをお貸し出しいただきました!
CGプロダクションの実作業フローでどこまで戦えるのかを徹底検証していきます。
「HP Z2 Mini G1a」の実力を映像制作会社の現場で検証
1. ワークステーションと“普通の PC”は何が違う?
まずそもそも、ワークステーションとは普通のPCと何が違うのでしょうか。
日本HP様のご担当者に伺ってみました。
■ 動作認証の厚さ
Blackmagic Design、Autodesk など主要ソフトウェアベンダーの動作認証を広く取得。
ハードとドライバの組み合わせをメーカー側でしっかりテストし「確実に動く」状態で出荷される点が、仕事で使うマシンとしての安全性を担保してくれます。
■ 堅牢性
エアフロー設計やパーツ固定の強度は、米軍調達基準を想定しているそう。
毎日のようにレンダリングを回しても止まらない安心感は代えがたいものがありますね。
■ 大容量電源搭載
3DCGや高度な演算処理を行うにはハイエンドなGPUが必要です。
消費電力が大きくても耐えうる電源を搭載しているところも特徴です。
■ 確かな冷却性能
熱流体解析をしっかりと行って設計された、確かな冷却性能も重要なポイントです。
常にマシンのスペックを最大限享受できるメリットは大きいですね。
映像プロダクションにとって、作業やレンダリングを支えるコンピュータは企業の基幹システムとも言えます。
今回は短期のレビューだったため長期検証はできていませんが、期間中に不安な挙動はありませんでした。
止まらないことは最大の価値ですね!
2. 「手のひらサイズ」が叶える省スペースとモバイル性能
HP Z2 Mini G1a は、幅 168mm × 奥行 200mm × 高さ 86mm という、ワークステーションとして驚きのコンパクトさを誇ります。
正直最初は、コンパクトなことって個人宅ならともかく、プロダクションにとってメリットあるかな?と思っていました。
しかし実際に使ってみると、コンパクト、重要ですね!
例えば弊社では、業務委託パートナーのクリエイターに案件単位で参加してもらうことも多々あります。
フルリモートということは基本的になく、定期的に出社は必ずしてもらうのですが、そんな時に発生するのがデスク問題です。
常に2席分は空けてあるのですが、この検証期間中にも繁忙期が重なり、2席だと足りない状況に。
そんな時でも、空いている別の部屋や仮設のデスクに本機を置けば、ハイエンドCG作業に耐えうるデスク環境が簡単に実現できます。
また、試写室でクライアント立会のもと最終調整を行う案件があったのですが、普段はリモートデスクトップ接続で行う作業をローカルマシンの持ち運びで実現でき、より安定した作業ができました!
3. 「手のひらサイズ」のイメージをはるかに超えるスペック
搭載されるAMD Ryzen™ AI Max+ PRO 395は、16 C/32 T・最大5.1 GHz・64 MB L3 のCPUに、40 CU のAMD Radeon 8060S iGPU、そして50 TOPS の第2世代 AMD XDNA 2 NPUをワンチップ化した怪物スペック。
さらにボード直付けの 128 GB をCPU/GPU で共有していて、うち 最大 96 GB を GPU に割当可能とのこと。
筆者がPCオタクだった時代とは何もかもが変わっていてもはや理解が追いつきませんが、とにかくハイスペックデスクトップのスペックを、片手で持てるサイズに収めてしまっているということです。
本機の搭載しているチップでは、1チップにCPU・GPU・NPU を全て統合しています。
VRAM と RAM を共有できるので、用途に合わせて容量配分を BIOS で変更可能というのが大きな強みです。
4. 検証
検証1:Cinema4DとRedshiftでレンダリング
<検証プロジェクト>
Vortex City Future Vision
<検証環境>
MAXON Cinema4D
Redshift
慶應義塾大学SFC研究所と大成建設株式会社が展開する「COI-NEXT デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」研究の一環で、新しい資源循環を実現した未来のまち「Vortex City」のビジョンムービーを制作。
10年間に渡って構想とその実現模様を映像で追い続ける、長期のプロジェクトです。
今回は弊社でクリエイターが作業用として使用している平均的なスペックの1台と、HP Z2 Mini G1aを比較していきます。
サイズが全く異なるこの2台、本来的には比較すること自体御法度のような気もしますが、結果はいかに・・・!
<比較PCスペック>
CPU/グラフィック | Core i7 13700KF 5.40 GHz 16C24T |
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RAM | DDR4 128GB |
GPU | RTX 4070Ti GDDR6X 12GB |
- 作業使用感
今回かなり大きめなプロジェクトファイルを複数開いての作業などを行ってみましたが、極端に重くなるなどのネックは発生しませんでした。
至って快適に作業できてしまい、このサイズで…?!とクリエイターも皆かなり驚いていました。
また静粛性が極めて高く、小型マシンでよくある、作業中にファンが唸り始めるといったことはありませんでした! - レンダリング速度比較
該当カットの1Fにてレンダリング速度を比較してみました。
また、本機の目玉でもある「VRAMとRAMの容量を調整できる」機能を試してみました。
BIOSに入り、直感的に容量を調整できます。
今回は、VRAMを最大の16GBから段階的に上げて検証を行なってみました。
<実測データ>
項目 | 実測値 |
---|---|
【弊社作業用PC】RTX 4070 (VRAM 12GB) | およそ3分50秒 |
【HP Z2 Mini G1a】VRAM割り当て 16GB | およそ4分58秒 |
【HP Z2 Mini G1a】VRAM割り当て 32GB | およそ4分22秒 |
消費電力やサイズなど利便性や経済性の面から考えると両者互角の結果と言えるのではないでしょうか。
なお、VRAMの割り当てを増やすことでおよそ12%高速化しました。
検証2:After Effects, DaVinci Resolve Studioを用いた作業
【DaVinci Resolve Studio 20】
- カラコレや、デノイズ処理を行ったプロジェクトデータ
- 4分尺 フルHD相当
<RAM割り当て>
RAM | 実測値 |
---|---|
64GB | およそ1分25秒 |
112GB (最大) | およそ1分04秒 |
RAMの割り当てを最大まで増やすことで、およそ25%高速化しました。
【Adobe After Effects】
- グローなどの複数エフェクトや、カメラレンズブラーなどがかかったプロジェクトデータ
- 7分尺 4k解像度
<RAM割り当て>
RAM | 実測値 |
---|---|
64GB | およそ10分 |
112GB (最大) | およそ7分 |
RAMの割り当てを最大まで増やすことで、およそ30%高速化しました。
- 作業使用感
弊社のPCでは、After Effectsでの作業が多いクリエイター用と、CG作業がメインのクリエイター用で構成を分けていますが、今回のHP Z2 Mini G1aではこのサイズながらどちらでも快適に作業ができました。
できましたというより、感覚としてはできてしまった、という方が正しいかもしれません。そのくらい驚きの使用感でした。
5. まとめ——このマシンは制作会社、個人両方へ新しいパワフルな選択肢
静かで、小さくて、それでいて仕事を止めない。
ありそうでなかったマシンではないでしょうか。
今回は短期の試用だったため、ワークステーションとしての力はまだまだ計りきれていない部分も大きいと思いますが、今後弊社でPCを導入する際は、ワークステーションをしっかりと選択肢に入れて検討していきたいと思いました。
HP Z2 Mini G1aは、クリエイターやプロダクションにとって、新しい強力な選択肢になりそうです!
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