電子カルテを中心としたシステム構築にHPワークステーションを採用した理由とは?
株式会社クロスポイント
2025-08-08

医療業界向けのコンピューターへのニーズは多種多様だ。一般事務用からAIによる画像解析まで、求められるスペックにも幅広い差がある。現在、どの医療機関においても必須とされる電子カルテにおいてもそれは例外でなく、運用に必要な仕様は決まっている。今回はそうした業界の常識にとらわれず、顧客としてのニーズと少し先の未来像を見据えた提案で業績を伸ばしているSIerを紹介したいと思う。
医療機関向けシステム構築で高評価を得ているSIer
電子カルテは現在の医療機関にとって、一連の医療システムの中核となる存在だ。とはいえ、画像ファイルを除けば、ほとんどはテキストによる情報がメインでデータ運用的に軽量といえる。つまり、これを動作させるためだけであれば、一般的な事務用PCレベルでよく、販売される際にもそうしたコンピューターにインストールされた状態で納品されるケースがほとんどだ。
しかし、株式会社クロスポイントでは、電子カルテをメインとしたシステム運用に際し、HPワークステーションの人気モデル「HP Z2 Tower G9 Workstation」を推奨コンピューターとして用意。多くの医療機関へ納品し続けてきた実績を持っている。電子カルテを中心に取り扱うSIerとして、このクラスのワークステーションはオーバースペックとされるが、それでもこれまでに非常に多い医療機関への導入はもちろん、過去からの入れ換え実績も多いのはどのような理由によるものなのだろうか。
「医療業界は、比較的参入が大変な面もあります。逆に一度信用していただければ、お取引を積み重ねてよい関係が続くこともあります。もちろん、日ごろからのコミュニケーションや、信用していただけるようなご提案とお見積もりなどは必須です。そうした背景がある中、弊社がHPのワークステーションを導入し続けていることも、ベースに信頼関係があるからだと思います」と語るのはクロスポイント 代表取締役社長の泉 清剛氏だ。
医療システムに対して信頼性を重視することと同様、医療機関を取引先とするSIerとの関係も同じく信頼の上に成り立っていることが伺える。「とはいえ、確かに電子カルテの利用において、ワークステーションクラスのスペックは必要ありません。しかし、現場のニーズとして根底にあるのはコンピューターに対して、『導入するのであれば、長く使えて信頼性の高いものにしたい』という先生方のお気持ちがあるのです。こうした思いを汲んで差し上げて、ワークステーションをご提案するケースもあります」と泉氏。同氏がたどり着いたこの考え方に至った背景をもう少し掘り下げていきたいと思う。
医療業界の深層にあるニーズを掘り起こす
泉氏がいうような長期間運用できる信頼性の高いコンピューターへのニーズがある一方、逆にできるだけ安く購入したいというニーズも存在しているのだという。「若い世代の先生方に多いのですが、診療用のマシンと受付などで使う事務用マシンを切り分けて考えるケースもあります。この業界に長くいると分かりますが、高価でも高性能か、低価格でそこそこ使えるか、医療業界でのコンピューターへのニーズは2極化している傾向があると考えます」と分析する泉氏。必要に応じたスペックを配置するいかにも合理的な考えだ。
「ハイエンドを要求される方の為にHPのワークステーションをご提案しているように見えるかも知れませんが、実際には先方のニーズを積み上げていくとHP Z2クラスのスペックが最適であるという判断に至っていることが大きな理由となっています」と語る泉氏。
実際に先生方からは、グラフィックボードを複数枚搭載して欲しいという要望をもらうケースもあるのだという。「しかし、それはCADやCGで利用したいということではなく、マルチディスプレイ環境構築のためにグラフィックボードが必要という場合がほとんどです。あくまでも電子カルテを中心にたくさんの情報を並べて使いやすくしたいということが主目的ですが、2枚、4枚と必要に応じてディスプレイを増やすにはグラフィックボードの増設が必要ということになります」と泉氏は解説する。
電子カルテとレントゲンなどの画像データというように、今や複数ディスプレイ環境は当たり前になりつつある。また、そのような環境を構築した場合、ベースとなるコンピューターが非力で信頼性が低いものであっては診療に影響が出てしまうケースも考えられる。そのためにも可用性が高く、基本的なパフォーマンスが期待できるワークステーションを選択する理由になるのだろう。
医療業界の進化を先読みした提案
HPワークステーションのスペックが年々向上しているのと同じく、医療機器も進化を続けている。「例えば、先ほど触れたマルチディスプレイ環境を例とするなら、電子カルテの情報に加えて、レントゲンやMRIの高精細画像をもう一方に表示させることもあると思います。一般的なクリニックであれば、それらの情報をストレージに収めるには2TBもあれば十分でしょう。しかし、脳外科の先生などは、画像データのサイズは非常に大きく、ストレージをもっと大容量のものにして欲しいという方もいらっしゃいます」と泉氏。
これまで0.64テスラのMRIを導入している医療機関が多かったが、現在では1.5テスラ、3テスラといったモデルもあり、導入も進んでいる。「クリニック規模でも3テスラのMRIを2台持っている医院もあります。その場合、1名1回で100MBは使うため、ストレージはあっという間に埋まっていくのです。弊社のケースでは最大で16TBのストレージを内蔵したワークステーションを導入した実績もあります」と泉氏は語る。もちろん、医療機関なので、バックアップ用のデータストレージマシンもあり、安全なデータ運用をおこなっているが、16TBもの大容量データのケースでは移行には数日を掛けたそうだ。また、これは補足だがSSDへのニーズについて伺ったところ、まだまだ大容量モデルも少なく、かなりの高額になるため浸透していないのが現状なのだという。
ワークステーションといえど、進化を続けており、長期間使用していればそのうちスペックは陳腐化していくのは医療機関においても同じだ。「機器更新のポリシーは医療機関によって異なります。7年ぐらいのスパンで買い換えるケースが2割程度、壊れたマシンから順次買い換えるケースがもっとも多く、全体の6割ぐらいはあります。最後の2割は私どものような外部の人間から『そろそろ買い換えないと問題が起こります』と注意喚起して初めて検討を始めるケースです。例えば、2025年の10月にWindows 10 のサポートが終了しますが、まさにそのような出来事があってはじめて買い換えを検討するといった形ですね」と泉氏はいう。
電子カルテにも様々な種類があるが、これも更新する必要があるのだろうか。「例えば、Microsoft Accessがベースになっている電子カルテ製品やSQLがベースになっている電子カルテ製品など、電子カルテや画像ファイリングシステムの種類によっては要求するスペックも高くなるためコンピューターもそれなりのものが求められます。HPワークステーションであればまったく問題はないですが、電子カルテが動作する環境に応じて、コンピューターのパフォーマンスを合わせていく必要はあると思います。リプレースとなればどのようなケースでもハードスケジュールになりますが、HP Z2クラスのワークステーションであれば、可用性が高く、故障が少ないため、入れ換え時にありがちなトラブル対応を大幅に削減するという意味でもメリットは大きいと感じています」と泉氏は語る。機器選定を決めるのは“信頼”
HPワークステーションを導入するコンピューターの主力として考えている泉氏。同氏はその理由のひとつとして、顔を合わせるHP担当者との関係性もあるのだという。「以前、他メーカーのワークステーションを取り扱っていた時期がありましたが、故障やトラブルの際に担当者から十分な結果が得られないケースや時には反応が返ってこないようなこともありました。現在のHP担当者様とは非常に良好なコミュニケーションが取れており、連絡不足を感じたこともありませんし、ハードウェアと同じく、信頼感から採用させていただいております。また、サポートも素晴らしく、マシントラブルはこれまでもほとんどないのですが、例えば遠隔地のお客様にトラブルが発生した場合でも、HPにオンサイト修理対応を依頼できるというメリットもあります。ハードウェアはもちろん、人とサポートサービスの両面で信頼できるのはうれしいことだと考えています」と語る泉氏。
同氏に今後の取り組みについて抱負を伺うと「今般、電子処方箋関連システムの導入が始まってきており、これがかなり複雑なものになりそうです。今はどのような事象が起こっても対応できるよう準備中です。HP様にはこれまで同様、安定感のあるワークステーションをご提供いただき、医療機関との信頼関係を継続できるような業務につなげていければと考えています。今後も医療業界に起こる様々な動向を見据え、しっかりサービスを届けられるよう取り組みを続けたいと思います」と最後に語ってくれた。HPはこれからも株式会社クロスポイントと泉氏をサポートしていく。
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