ものづくりのデジタル化の最先端が集うAnsys Simulation World 2025 JapanにHPが出展
2025-10-31
2025年10月10日、ANAインターコンチネンタルホテル東京にて、アンシス・ジャパン株式会社が主催する「Ansys Simulation World 2025 Japan」が開催された。シミュレーションによる活用事例に興味があるユーザーやものづくりのデジタル化を推進する各企業が集うイベントで、国内業界のリーダーたちによるセッションや、展示ブースにより、最先端の製品やソリューションを知ることができる場となっていた。HPはこのイベントに参加、セッションおよび展示ブースの両方で多くの来場者にアピールした。早速その内容をお届けしたいと思う。
取材:中山 一弘
HPワークステーションによる解析業務の効率化をアピール
イベントの中でも人気となっていたのは豊富に用意されたセッションだ。準備されていた6ルームでは、それぞれ識者らによるセッションが同時並行で行われ、どれも魅力的な内容なだけに、参加セッションに頭を悩ませるユーザーも多数いたはずだ。HPからはエンタープライズ営業統括 ソリューション営業本部 本部長の大橋 秀樹氏が登壇。CAEのためのワークステーション導入のポイントについて解説した。
今回の大橋氏のセッションで非常にユニークだったのはこれまでの常識を打ち破る、mini筐体のワークステーションを薦めた点だ。「CAE用のワークステーションは、ハイエンドでマルチコアプロセッサーをデュアルで搭載し、大容量メモリと高性能グラフィックスで運用するイメージを持たれると思います。しかし、今回のテーマは『小型ワークステーションの限界突破』とさせていただきました」と大橋氏は切り出した。
小型ワークステーションの紹介に入る前に解析業務をおこなうコンピューティング環境について改めて振り返る大橋氏。「サーバーを導入する際、企業ではIT部門主導の調達となり、複数部門の共有資産とすることが一般的だと思います。そのため、各部門での使用には申請が必要だったり、順番を待たなければならず、使用したい時に使えないケースも多いのではないでしょうか」と大橋氏。
逆にクラウドサーバにするケースもあると思うが、初期導入コストが抑えられるメリットはあるが、ランニングコストが重くなるケースも見受けられる。一方、部門調達の予算内で解析用のワークステーションを購入されるケースも多いが、CPUコア数やメモリ容量など、拡張性の面ではサーバーやクラウドのように、スケーラブルに拡張ができない。
「それぞれのメリット・デメリットを考えた場合、ワークステーションを使いながら、必要に応じてサーバーやデータセンターなどを活用する方法も有効だと思います」と大橋氏は解決策を提案した。
CPU重視か、GPUを強化するか
費用対効果の高いワークステーション導入には慎重なスペック選びが必要だ。「使用するアプリケーションによってスペックを決める必要があります。従来からある構造や流体系のアプリケーションでは主にCPUの性能がカギとなり、並列処理で高速化する場合はコア数が多いCPUの選択が不可欠になり、またCPUのクロック数も重要になります。 また近年では、電磁場解析などではGPUを使用して高速化できるアプリも出てきていますので、ご使用のアプリの対応状況を事前によく調べる必要があります。」と大橋氏。
そのほか、インテルかAMDかというシリコンベンダー選びにもポイントはある。「それぞれ一長一短はありますが、HPでは最近AMDに注目した製品をラインアップするケースが増えています。AMDはスパコンで培ったノウハウがありますし、4ナノという微細加工技術によるプロセッサの製造など、高性能かつ低消費電力のCPU開発技術を持っているのがその理由です」と大橋氏は語る。
GPUに関してはNVIDIA一強になっているが、実際のアプリケーション運用においてはワークロードによって、GPUからCPUへ演算を投げ返す処理が入るケースがあるので、一概にGPUだけを強化しても良い結果が得られないことも考えられる。「どのようなワークフローに関わっているのかしっかり検証していく必要があります。最適なスペックは求める環境によって変わってくるので、自分の業務についてしっかり把握していくことが大切だと思います」と大橋氏はアドバイスを送る。
HPがおすすめするワークステーション
ここまでワークステーション活用のポイントを解説してきた大橋氏だが、ここでHPがCAE向けとして勧めるワークステーションを提示した。「まず定番といえるのが『HP Z6 G5A Workstation』です。『AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO 9000WX』が搭載可能で、スマートな本体の中には最大3基のハイエンドGPUを搭載するこおともできます」と大橋氏。
シングルCPUモデルではあるものの96の物理コアを持つ最新プロセッサは非常に強力だ。またHPワークステーション全体にいえるが、エアフローが最適化されているので冷却効率が良く、長時間の解析などでも安定しているのも特長だ。「それと同時に静音性にも優れているので、オフィスに設置してもまったく問題ありません」と大橋氏は自信をのぞかせる。
最後に紹介したのは今回のセッションのタイトルにある、「限界突破」を果たしたMini PCサイズのワークステーション「HP Z2 Mini G1a Workstation」だ。このワークステーションはAMDの最新プロセッサ「AMD Ryzen™ AI Max PROシリーズ」が搭載され、ミニ筐体にも関わらず、最大で16コアの最新のCPUが搭載されている。さらにシステムメモリとVRAMの共有となる、ユニファイドメモリを最大128GBまで搭載できるため、中規模程度のモデルによる解析でも十分対応可能なスペックとなっている。
またオンチップグラフィックスも強力で128GBのユニファイドメモリのモデルでは、最大で96GBまでVRAMに割り当てることができる。「Ansysのいくつかのアプリケーションによるベンチマークテストを行った結果でも、16コアまでの並列処理においては、Xeonプロセッサ搭載のモデルとの比較しても性能が高いという結果が出ました」と補足する大橋氏。CAE用途としては、「中規模モデル程度であれば、小型のZ2 Mini G1aでも十分に解析業務が行える結果が出ています。」と同氏は情報を公開した。
最後にHPワークステーションの可用性の高さと、延長保証によって最大5年間のオンサイト保守が可能な点に触れた大橋氏。「CAE解析業務に関しては、弊社で専用のポータルサイト『HP CAEポータル』をご用意しております。本日ご紹介したベンチマークテストも含めて、さまざまな情報をご提供しております。ぜひご覧いただければと思います」と語りセッションを閉じた。
大橋氏のセッションで紹介した注目モデルを展示
セミナー会場をつなぐ中央通路に設営された各社のブースの中でもひときわ目立っていたのがHPブースだ。展示されていたのは大橋氏のセミナーに登場した、HP Z6 G5A WorkstationとHP Z2 Mini G1a Workstationだ。
HP Z6 G5AはAnsys Speosのデモを展示。強力なパフォーマンスをアピールすると共に、スマートなデザインのミドルケースで、これだけのスペックが収まっているのを見た来場者に驚きを与えていた。
また、HP Z2 Mini G1aに関してはCAEアプリケーション画面を表示させ、来場者に実際に操作してもらうことで、その優秀さを伝えていた。超小型のフォルムなのでデスクサイドでの運用はもちろん持ち運びもできる。来場者もその可能性を想像し期待を膨らませていた。
取材後記
セッション、ブース共に非常に多くの来場者でにぎわったAnsys Simulation World 2025 Japan。HPのセッションとブースを見た来場者はワークステーションの可能性をしっかり掴んでいったと思う。来場できなかった方もHPのワークステーションについて気になることがあれば気軽に相談していただきたい。また、お近くで開催されるイベントにHPが参加する際にはぜひ会場へ出向き、最新ソリューションや製品に触れてみてはいかがだろう。
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