2023.12.22
H.323とWeb会議を混在させた遠隔コミュニケーションに高品質なPolyを活用
社会環境の変化によって働き方の変革が大きく進んだ昨今、テレワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークが広く普及している。そのハイブリッドワークを可能にするインフラとして欠かせないのが、遠隔同士であってもミーティングや打ち合わせ、商談などが可能になる遠隔コミュニケーション基盤だ。ここで、高品質な会議環境を可能にするH.323プロトコルとともに、手軽に利用できるMicrosoft TeamsをはじめとしたWeb会議環境をハイブリッドに活用しているダイトロン株式会社の取り組みについて紹介しよう。
●目的
オフィスレイアウト変更に適した最適なコミュニケーション環境を整備する
●アプローチ
H.323とWeb会議ソリューションを混在させながら高品質な遠隔会議を可能にするPolyの導入
●システムの効果
遠隔会議の活性化、少人数会議の充実
H.323環境含めた投資保護
●ビジネスへの効果
コミュニケーションの活性化
ユースケース創出による販売促進
(←)M & Sカンパニー 情報システム営業部 営業二課長 本間 英俊氏
(→)M & Sカンパニー 情報システム営業部 営業二課 担当係長 加藤 直樹氏
1952年に創業し、顧客ニーズの一歩先の価値を創造・提案する"技術立社"として、高水準の企画開発力とマーケティング力、製造技術力を併せ持つエレクトロニクスの技術商社として事業を展開しているダイトロン株式会社。電子部品や半導体、エンベデッドシステムなど豊富な品揃えを誇る電子機器事業及び部品事業とともに、ハイテク産業の生産プロセスを支える高度な製造システムを提供する製造装置事業を中心に事業を展開。販売機能を担うM & Sカンパニーと海外事業本部、そして製造機能を担うD & Pカンパニーというカンパニー制を敷いており、商社機能とメーカー機能を併せ持つ企業として、製造業のものづくりを支援するための環境整備を強力に推し進めている。
世界的なパンデミックの影響で、多くの企業がテレワークを含めた新たな働き方への対応を進めてきたが、同社でも場所にとらわれない働き方を可能にするハイブリッドワークを実現するための環境整備の一環として、ZoomやMicrosoft TeamsをはじめとしたWeb会議ソリューションを活用してきた経緯がある。「遠隔地同士でも円滑にコミュニケーションが可能になるよう、積極的にWeb会議ソリューションを活用してきました。そんな折、オフィスにおいて働きやすい環境づくりに向けて、少ない会議室を拡張し、ミニスペースや個人ブースなどを新たに設置するなど、フロアの増床やオフィスのレイアウト変更を行うことになったのです」と本間氏は当時を振り返る。
すでに社内のPCを利用してMicrosoft Teamsを中心としたコミュニケーションが進んでいたものの、拠点間のオンライン会議の基盤として利用してきたH.323によるビデオ会議ソリューションも引き続き活用できる環境が求められていた。「会議室で会議を行うたびに、カメラやマイクを個別にPCに接続すると、うまく認識しないというトラブルが少なくありませんでした。これまで利用してきたH.323での会議のように、会議室に据え置きのデバイスに接続するだけですぐに高品質な会議がスタートできる環境は、円滑な会議運営に必要でした」と語るのは加藤︎氏だ。
そこで新たな環境づくりにおいて注目したのが、これまでH.323端末として社内で活用しながら、20年ほど前から同社がソリューションとして顧客に提供していたPolyの会議ソリューションだった。「もともとPolyのユーザーとして映像や音声品質の良さは社内で体感していますし、AI的なアプローチによってオートフレーミングやオートフォーカスなどの映像機能は非常に優れたものがあります。ノイズキャンセリングなど音声品質の向上に向けた機能もしっかり備わっており、かつ会議室のサイズに合わせた豊富なラインナップが柔軟に選択できる。ちょうどオフィスの最適化を進めてきた我々に最適なソリューションだと考えたのです」と︎加藤氏。
また、既存で利用しているH.323をベースにしたソリューションを活かしながら、Microsoft Teamsなどのミーティングライセンスに対応できるデバイスがあることで、過渡期にある会議環境の変化にもハードウェアを無駄にすることなく、投資保護につながる点が大きな魅力だった。「会議室同士での会議は、基本的にH.323環境で実施していますが、Microsoft TeamsやZoomなどWeb会議ソリューションの据え置きライセンス(各社デバイス向けライセンス)にも対応しているハードウェアのため、そのデバイスのままでも環境の変化に柔軟に追従できる。投資保護につながる点を評価しました」と本間氏は説明する。
現在は、全国の各営業所を繋げて行う合同会議や予算会議といった社内会議においてはH.323でのビデオ会議ソリューションを活用しており、新たに整備した中小規模のミーティングルームにはシンプルなオールインワン型ビデオバータイプの「Poly Studio X シリーズ」をトータルで12台ほど設置。東京および大阪にある顧客を招くショールームにはビデオ会議システム「G7500」を展開している状況だ。全拠点において従来通りH.323対応のデバイスを活用しており、サポート終了タイミングで新たなPoly Studio X52をはじめとしたデバイスに入れ替えを検討する予定となっている。
「役員が参加する社内会議には品質の高いH.323を利用し、会議室が手狭で自席からPCで参加する場合や取引先及びサテライトオフィスからPCで参加するような会議の場合はMicrosoft TeamsやZoomなどを利用しています。会議室でMicrosoft Teamsに接続する場合は、PCを持ち込んでX30などにUSB接続するだけでPCと同様のインターフェースのまま利用できるため、現場もスムーズに利用・活用しています」と︎本間氏。
また、オープンスペースや自席でのWeb会議時にはPoly Voyager ワイヤレスヘッドセットを活用する場面もあるという。「耳かけタイプやオーバーヘッドタイプなどシーンに応じて使い分けています。自分の声以外の不要なノイズを相手に届けないノイズキャンセリングをはじめとする複数の音声機能は非常に優れています。相手の声も聞き取りやすく、外出先特有の外的要因を排除して会議に参加しやすい環境が手に入るため重宝しています」と加藤︎氏は高く評価する。
Polyソリューションを導入したことで、従来は会議室に設置された専用機を利用する機会がなかったメンバーも、PCでのWeb会議に慣れたことも手伝って利用する機会が大幅に増えたことは大きいという。「PCとUSB接続してカメラやスピーカーとして利用できるため、PCでの使い勝手そのままに会議室でも快適なコミュニケーション環境が提供できるようになりました」とコミュニケーション活性化に繋がったと加藤︎氏は力説する。本間︎氏も「ハイブリッド環境を整備し、今ではみんなが気軽に使いやすくなったことで、生産性向上にも大きく寄与していることは間違いありません。PCだけでの運用に比べて、会議室でグループ利用するほうが情報量が多く伝えられ、複数人が同じ空間にいる方がアイデアも広がりやすく、熱量も伝わりやすい。コミュニケーションがとりやすくなったメリットは十分得られている」と評価する。
使い勝手の面では、ノイズを排除する音声品質だけでなく、最適な環境を映し出すカメラ機能が好評だ。「参加者全員の顔を検知して最適なフレーミングに調整してくれるだけでなく、話者に絞って映像を映し出すなど、AI的な技術もうまく取り込みながら、カメラやマイクを意識せずに遠隔同士でやり取りできます。臨場感があって現場からも好評です」と本間氏は語る。
今後については、Polyの販売代理店として、実際に社内で使用している強みも活かし、ビデオ会議ソリューションを提案するだけでなく、電話機やヘッドセットなど従来手掛けていなかったPolyソリューションにも注目しているという。「ヘッドセットなどはコールセンター業務や工場といった別の作業をしながら会話をするような業務には広げていけるはずで、お客様に対しても提案していけると考えています。Zoom Phoneなどとも連携でき、構内PHSの置き換えとしても役立つ「Poly Rove」と呼ばれるワイヤレス電話機ソリューションなども注力していきたい」と加藤氏は意欲的だ。
社内においては、いずれH.323を利用する環境からMicrosoft Teamsを中心とした環境へ移行していくことが方向性として見えており、Polyソリューションであればハードウェアそのままに移行できるなど環境変化への柔軟な対応が期待されている。「国内は、営業部門や製造部門、物流部門など20以上の拠点があり、また海外拠点は10拠点以上あることにより、多くの拠点間の連携が必須となります。Web会議による遠隔コミュニケーションが今後も重要になってくることは間違いありません。この分野を長年牽引してきたPolyソリューションには今後も期待しています」と︎本間氏に今後について語っていただいた。
M & Sカンパニー 情報システム営業部 営業二課長 本間 英俊氏
「H.323対応はもちろん、将来的にデバイスを変更せずにMicrosoft Teams Roomsのライセンスが適用できるのは、Polyソリューションでないと難しい。品質も含めて最適な選択ができました。」
Poly(旧 Plantronics & Polycom)はHPの一員として、長年培った高性能な音声・映像技術によって、社内外でのコミュニケーションにおける課題および距離の問題を解決。オフィスや外出先、自宅などどこで働いていても快適なコラボレーションができるハイブリッドワークソリューションを提供します。