2024.04.26
~日本のGIGAスクール構想の為にゼロから開発する基本パッケージとLTE使い放題の応用パッケージ~
2024年4月18~19日に都道府県・市町村教育委員会を対象とするデジタル庁主催のイベント「GIGAスクール 自治体ピッチ第2弾」が開催されました。
本イベントでは、GIGAスクール構想に向けたデバイス導入を検討する自治体向けに、OSベンダー、端末メーカー、通信事業者などが講演を行いました。
この記事シリーズでは、主要PCメーカーなどが自治体ピッチで行った講演の内容を紹介します。
この記事では、自治体向けの新しいHP製品とサービスを紹介した、日本HPによるプレゼンテーションをまとめています。
日本HPによるプレゼンテーションでは、耐久性、バッテリー寿命、ペンの使用感、カメラ機能、そしてサステナブルなリユースプログラムに焦点を当てています。また、教育機関向けのChromebookとWindows 11デバイス、LTE通信が5年間無制限に使えるパッケージなど、特定の製品の詳細についても説明しています。
【このリード文はWindows Copilotの自動生成により作成されています】
株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 営業戦略部 部長 松本 英樹氏
「私たちHPからの最初のメッセージは堅牢性です。前回の1st GIGAと比べ、さらにバージョンアップしています」と冒頭語り始める松本氏。今回の2nd GIGAへ向け実際にHPは全国の基礎自治体へ出向き、現場の声を直接ヒアリングしたのだという。
「それによって得られた回答で最も多かったのは『故障』についてです。これには自然故障だけでなく、児童生徒らによる扱い方によって発生する故障も含まれます。そして修理のための費用が財源を圧迫しているという実情が浮き彫りとなりました」と松本氏。同氏は続けて、「ほかにも『活用のしやすさ』や『サステナブル』という事についても多くの声が集まっていました」と報告。これらのキーワードに対して、しっかり応えられるように開発されたのが、2nd GIGA用のモデルなのだという。
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それらのキーワードに対しHPはどのような改善を行ったのだろう。次に行われたデモンストレーションは会場を大いに驚かせた。「では、実際に稼働中のGIGA端末を落下させてみましょう」と松本氏。すると、担当者は立った姿勢の胸元あたりから端末を自然落下させた。もちろん、端末は床に激突。その際の衝撃音は会場に響き渡った。「これだけの高さから落下させても、この通り、筐体は何の問題もなく稼働しています」と、OSが動いていることをアピール。会場を驚かせた。
HPのGIGA端末は、同社の他製品と同様、米軍調達基準であるMILスペックに準拠するように設計されている。そのため、一般的な使用においては十分な堅牢性があることはすでに証明済みとなっているのだ。「そのほかにもキーボードのツメが抜けないような仕組みを持たせたり、ディスプレイと本体のヒンジを強化したりするなどの工夫がされています」と松本氏は解説する。
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動画:児童生徒の利用を想定した堅牢性
また、学校で3年、4年と長期間使うことを想定し、高耐久性バッテリーを採用しているのも特長だ。「この仕様は前回のGIGA端末でもかなり好評をいただきましたが、過充電を防ぐファームウェアの搭載や、予備機保管をする場合に備えて、不意にスイッチが入ってしまい、バッテリーが劣化しないように『出荷モード』を採用しています。もちろん、1日の授業に対応できる長い駆動時間や、万が一のバッテリー切れでも90分で90%まで復活できるHP Fast Chargeなども搭載しています」と松本氏は説明する。授業は最大で6時間、休み時間の予習などを含めればもう少し余裕が欲しいところだが、長時間バッテリーへのニーズにも対応できるのはうれしいところだ。
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今回のGIGA端末から標準添付となったペンにもこだわりがあるという松本氏。「ペンについての仕様にもこだわっており、ChromebookはUSI、WindowsはAESを採用しています。格納場所も本体に用意してあり、左右どちらからセットしても充電できるよう設計されています。これにより、取り出しやすく、失くしづらいデザインになっています」と松本氏は解説する。
今回のペンには二つの規格があるが、4,096段階の筆圧感知による書き心地の良さや、ディスプレイに手のひら事乗せてもペン先にだけ反応するパームリジェクションなどにも対応しているという。実際にタブレットとして使用する際に、書き込み場所によっては画面に直接手が触れてしまうケースは多いと考えられる。書き心地が良いのは当然だが、どのような状態にあってもスムーズに書き込みできる機能を搭載している点は大きなアドバンテージとなるだろう。
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動画:鉛筆のような書き心地を実現
また、1st GIGAの際にあらゆる端末で課題になったのがWebカメラの解像度だ。近年のデジタル学習ではQRコードを使用することが多くなっているが、低解像度のカメラだとこれが読み取れないという事象が見られたのが実情だ。「今回のGIGA端末から、5MP/8MPという高解像度のWebカメラにオートフォーカスを搭載させQRコードの読み取りやすさを確実にアップさせています。また、児童生徒によってはWebカメラを自分に向けるのが苦手という子もいますので、そういったニーズにお応えするためにプライバシーシャッターを搭載しています」と松本氏は語る。
話題となったQRコードはもちろんだが、採用されることが多くなっているオンライン授業などのシーンにおいても高解像度Webカメラは、話者の表情を詳細に伝えてくれるのに役立つ。これまでどおりに端末での撮影シーンもあることを考えれば、Webカメラの機能向上は大きなメリットなる。
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動画:教科書QRにも対応したカメラ
1st GIGAで用意された1,000万台近い端末があるが、一部はすでに廃棄予定となっているケースも出てくる。これに対してHPからは重要なメッセージがあった。「たくさんのデバイスが順次不要となり処分されていくことになると思いますが、このプレゼンテーションをご覧のみなさまはぜひそれを廃棄しないようにしてください。私たちHPがメーカー問わずにそれらを無料で引き取り、リユース、リサイクルできる形にして再利用したいと思います」と語る松本氏。
不要となったGIGA端末を廃棄するのではなく、状態が良いものはリユースとして再生させ、状態が悪いものも使えるパーツとそうでないパーツを分類して適宜リサイクルするという「HP リユースプログラム」が適用になるという。「日本のリユース品はとても品質が高いので、データを完全消去した後に、私どものほうで開発途上国へ提供することができます。環境負荷低減を実現すると共に、開発途上国の子どもたちの学びに繋げることで従業機会を拡大していくことも大切だと考えています」と松本氏は解説する。つまり、HP リユースプログラムを活用することにより、世界規模の社会貢献にもつながるというわけだ。
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「2nd GIGA用の端末は文科省の要求指標に合わせてゼロからコストバランスやパフォーマンスを見直して設計しました」と語る松本氏。1台当たり予算に合わせた基本パッケージ用のモデルがChromeOS、Windows OSのそれぞれ2タイプ。さらにオプションを加えた2タイプの応用パッケージがある。
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「ChromeOS端末、アカウント管理、スタディログ分析ができるGoogle Licenseはもちろん、チエルのInterCLASS Console Supportも無償で提供します。Windows OSモデルはパフォーマンスにこだわり、Microsoftが推奨するGIGA Advances パソコンに準拠しています」と松本氏。特にWindows OS端末においては128GB UFSを採用することで、OSの起動時間が短縮できているのも特長となっている。
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基本的な仕様についてはHPのホームページを確認いただきたいが、今回用意された応用パッケージでは、これらのGIGA端末にスマートフォンと同じLTE回線が容量無制限で5年間使い放題となる「HP eSIM Connect」が適用となるのが最大の特長になる。
「今回の自治体ピッチでも話題となっていましたが、校内ネットワークのさらなる充実は大きな課題だといえます。HP eSIM ConnectはKDDIと協力し、私たち自身がMVNOとなることで、追加の料金無しでLTE回線の5年間使い放題を実現したサービスです」と語る松本氏。
校外授業でもインターネット接続が可能というだけでなく、持ち帰る際のGIGA端末のネットワーク環境平準化なども可能になる。「5年間の通信費をご考慮いただければ、基本パッケージとの差額がいかに小さいかご理解いただけると思います。ぜひHPのGIGA端末をよろしくお願いします」と最後の松本氏は語ってくれた。今回のプレゼンテーションは以上となるが、この短時間では語りつくせないほど、GIGAスクール向けの機能が充実している様子が伺える内容だった。気になる方はぜひHPへ問い合わせていただきたい。
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動画:LTE回線スピードテスト
※ HP Fortis x360 G5 Chromebook eSIM Connect対応製品で測定
プレゼンテーションは以上となるが、ファシリテーターとして合同会社未来教育デザイン 代表社員の平井 聡一郎 氏を迎えての質疑応答となったので、その内容をダイジェストでお伝えしておこう。
平井:堅牢性という部分で問題点を一つずつ丁寧にカバーされているなと思いました。私もいろいろと学校を見て回っていますが、結構キートップが失くなっている児童生徒をよく見かけます。実はそういった部分こそ大きな問題だと思いますが、しっかり改善されていて、ユーザーの声をしっかり聞いて開発されたのだと感じました」
松本:おっしゃる通りです、様々なお客様へ出向き、私自身が直接伺って開発へフィードバックしました。
平井:バッテリーも改善されているようですがChromeOSモデルとWindows OS モデルでは、それぞれ稼働時間は違うのですか?
松本:Windows OSモデルはJTA規格で12時間、モバイルマークで10時間程度となっています。ChromeOSモデルはまだ開発途中のためベンチマークはしていませんが、Googleの基準の10時間は超える見込みです。
平井:今回はペンが必須となっていますが、書き心地などはいかがですか?
松本:紙に書いているようになめらかです。あと、プレゼンでも触れましたが、パームリジェクションはとても便利だと思います。
平井:ペンの収納についても質問が来ていますが、セットする場所はありますが、あそこから滑落することはないのですか?
松本:マグネット式で左右どちらにセットしても落ちづらくなっています。児童生徒はこうしたデバイスを失くしやすいので一番目立つ場所に置くようにしました。
平井:カメラについてもずいぶん力を入れていますね。いろいろなところからQRコードが読み取れないとかなり問題になりました。実際にQRコードは教科書によってサイズも違いますが、実際に試されましたか?
松本:実は私の息子が小学校4年生なのでいろいろな教科書を持っています。それらですべて試しましたが、スムーズに読み取ることができました。
平井:HP リユースプログラムについてですが、例えば申し込み台数が500台だったのに、実際には600台あったという場合でも受けられますか?
松本:もちろん可能です。引き取りに関しても学校まで私たちが伺いますので、教育委員会様がどこか1か所の集積する必要はありません。
平井:HP eSIM Connectは、かなり魅力的なサービスですね。KDDIと一緒に、HPはMVNOとして活動するということですから、新しいビジネスモデルになるかなと感じています。
松本:Day1の講演でもみなさん、ネットワークの重要性について語っていらっしゃいました。例えば校内Wi-Fiが不調な際などのバックアップ回線としても利用が可能です。今後もデジタル教材の活用が増えていくと思いますので、いつでもどこでもネットワークに繋がれるHP eSIM Connectは大変重要ですし、私たちにとっても切り札といえるサービスだと考えています。
平井:ありがとうございました。
※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。
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