2024.11.01

自治体の課題解決と安定した運用に欠かせない「サニタイザー×HP Sure Click Enterprise」

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多くの自治体にとって、クラウドサービスの活用は必須となりつつある。その一方で、三層分離がうまく機能せず、使いづらいシステムで運用を強いられている組織はいまだに多い。その現状を打破するために立ち上がった、沖縄を中心に通信インフラからデジタル技術まで幅広く事業展開を行う興洋電子はふたつのソリューションに着目した。それが、「サニタイザー」と「HP Sure Click Enterprise」だ。

今回は、興洋電子の渡名喜氏と山川氏、「サニタイザー」の開発会社 川口弘行 合同会社の代表である川口氏、日本HPでHP Sure Click Enterpriseの製品担当をしている澤田氏にお集まりいただき、自治体の課題解決に効果的な理由を語ってもらったので紹介しよう。

川口弘行 合同会社
https://www.kawaguchi.com/

自治体向けの製品・サービスの開発・提供をおこなっている企業。会社の代表である川口 弘行氏が個人事業として1996年に発足した「川口弘行事務所」を前身に持ち、2016年に発売となったファイル無害化ソリューション「サニタイザー」の発売を受け、2017年に現在の体制となる。以降、サニタイザーは日本全国でシェアを拡大中。

株式会社 興洋電子
https://www.koyodenshi.co.jp/

沖縄県那覇市に本社を持ち、同県全域を中心にICTサービスや電気工事、デジタル無線関連サービスなどを提供している企業。沖縄県の多くの自治体や行政組織にサービスを提供しており、地域にとってなくてはならない企業として厚い信頼を得ている。豊富なノウハウを持つことから、的確な提案力に定評がある。

左から、川口弘行 合同会社 川口 弘行氏、株式会社 興洋電子 情報通信事業本部 情報通信システム部 山川 明理瑳氏、同 渡名喜 史浩氏、株式会社 日本HP グローバルサービス・ソリューション本部 技術部 ソリューションアーキテクト 澤田 亮太氏

多くの自治体が採用しているサニタイザー

―― まず始めに川口様が開発された「サニタイザー」について教えてください。

川口:いわゆるセキュリティ製品の中では無害化ソリューションという位置づけの製品です。約7年前に総務省が各自治体へ向けて対策を指示した、「自治体情報システム強靭性向上モデル」における「インターネット分離環境」で求められている機能の一つとなります。

この「強靭性向上モデル」は、2015年の日本年金機構による大規模情報漏えい事故を受けてのものでした。事故のきっかけがマルウェアを使った標的型攻撃であったことから、自治体でもインターネットと庁舎内ネットワークの間でデータファイルを安全に受け渡しすることが求められたのです。これを実現する技術が「ファイル無害化」であり、弊社のサニタイザーはまさにそのためのソフトウェアとして開発、提供してきたものになります。

―― 興洋電子様でサニタイザーを取り扱うようになったきっかけはどのようなものでしたか?

渡名喜:弊社では約7年前にサニタイザーがリリースされた当初から扱っております。当時、セキュリティの強靭化が始まりはしましたが、ソリューションはとても少なく、直接川口様の会社へ伺っていろいろと教えていただいたのが始まりであったと当時の担当より聞いております。

海外製の製品で人気だったものはありましたが、私たちとしては日本人が開発したソリューションであるというところがポイントだと思っています。何かあっても言語の壁もなく、アフターサービスも充実しています。製品の機能としても間違いなくトップクラスに使いやすいので、取り扱わせていただきたいとお願いしたという経緯がありました。私が担当する頃にはすでに全国的に広がっていたので、当時の判断はやはり良かったのだと思っています。

山川:サニタイザーの良いところは、取り扱えるファイル形式の幅が広く、さらに未対応のファイル形式が出てきたとしても、すぐに解析していただくことで対応できるようにしていただける点です。このレスポンスの良さと拡張性の高さは、サニタイザーならではだと思います。

もうひとつ、サニタイザーの良いところは、弊社の自治体向けセキュリティソリューションの、もうひとつの主力である「HP Sure Click Enterprise(以降、HP SCE)」との連携がしやすい点です。HP SCEの保存先をサニタイザーがファイルを受け渡しするフォルダに固定してしまえば、どちらのソリューションもお互いに持っている機能をフルに発揮できます。このような点から、弊社としても安心して自治体のみなさまにご提案できる製品としてラインアップさせていただいております。

運用管理負担の少ないソリューション

―― 実際にお客様とお会いしている興洋電子様のお二人にお聞きしたいのですが、サニタイザー×HP SCEを導入した後の反応はいかがですか?

渡名喜:よくお聞きするのは管理者がストレスフリーであること、利用者にとっては直感的にすぐに使えるというのが一番多い反応です。自治体のみなさまは負担が少なくなり、業務に専念できますし、長期的には市民サービスの向上にも貢献できていると思います。

山川:私も同様の意見をよく伺います。ご導入いただいたことで、みなさまの笑顔が増えていると感じています。

―― 川口様はこういったSIerの方々や、自治体のみなさんのご意見を聞いてどのように感じましたか?

川口:HP SCEとの組み合わせによって、お互いの長所がうまく引き立っているのだと感じます。特に、ダウンロードファイルをフルオートメーションで自動的に受け渡しできるようになるのは実に素晴らしい特長になっていると思います。

澤田:川口様のご意見に補足しますと、HP SCEの仮想ブラウザではダウンロードファイルを保存するフォルダを固定することができます。そのフォルダをサニタイザーがファイルを受け取るフォルダに指定することで、自動的に無害化することが可能なのです。

組み合わせという点では、HP SCEとサニタイザーはとても相性が良いので、HP SCEは仮想技術を持ったセキュリティ全般、サニタイザーはファイル無害化とそれぞれの役割が明確になっている点もお客様にも理解しやすいですし、こちらとしてもご説明しやすいというメリットがあります。

短期導入で最大の効果を発揮

―― 様々な自治体への導入経験があると思いますが、特にサニタイザー×HP SCEの組み合わせが効果的だった事例はありますか?

渡名喜:例えば、仮想環境で画面転送を使っている自治体の方は特にネットワーク経由でのファイルのやり取りに負担があったと思います。そもそも負荷が高いとフリーズしやすいですし、無害化する際にもひと手間、ふた手間がかかります。

それがサニタイザー×HP SCEになれば、特に意識せずに、インターネットを見ながらファイルをダウンロードすると、それが安全なものとしてダウンロードできているので、職員は負担を感じる時間もないのです。

さらに、サニタイザーもHP SCEも大掛かりなサーバは不要で、小さな管理サーバがあればよいという点もメリットです。メンテナンスや運用の負担もとても少ないというのは管理者にはとてもうれしい仕様だと思います。

山川:もうひとつ加えるなら、導入スピードの早さですね。サーバを複数設置するようなケースではロードバランスで様々な設計が入りますが、それを考えずに導入できるので、期間や工数を短く設定することができます。

課題を抱えるすべての自治体におすすめ

―― クラウド活用に課題を抱えている自治体はまだまだたくさんありますが、興洋電子様、川口様、HPはどのように応えていくご予定ですか?

川口:自治体のみなさまは、ネットワーク分離の状況でクラウドサービスを使わなくてはならない訳です。当たり前のようにインターネットが活用できるのは魅力ですし、今後は生成AIに注目してくる自治体も増えていくでしょう。

例えば、庁内からのインターネット利用において、ライセンスコストの関係で同時接続数を制限するといった考え方も多いのですが、その場合は気軽に使うことができず、業務効率化は望めないといえます。そういった意味では、同時接続数に制限をかけず、なおかつコストを最小限にセキュリティを強化してクラウドサービスを利用していくにはサニタイザー×HP SCEがひとつの解答になる自治体は非常に多いと思います。

総務省が示した新たなインターネット分離環境である「α'モデル」は、業務効率化とコスト削減を両立できる新たなモデルとして注目されています。ただし、無害化はもちろん、セキュリティの強化が絶対に必要となるので、こちらを採用する自治体が増えると、ますますサニタイザー×HP SCEの強みが発揮できるのではないかと期待しています。

渡名喜:確かに実際にα'モデルに関しては質問を受ける機会も増えています。サニタイザーもHP SCEも導入済みの自治体が多いことからも認知度が上がっていますし、興味を持っていただいている方も増えている印象があります。

山川:私は各消防署様へのご支援も担当していますが、HP SCEはエンドポイントとなるPC内に脅威を隔離しますから、ご自身が庁内にいない場合や、台風で登庁できないような場合でもセキュリティが常に確保できている点でも注目されています。

澤田:基本的なユーザビリティについても重要なポイントだと思っています。これまでの使い方と同じような操作性、レスポンス、ログイン処理などが変わると困ってしまう自治体様は非常に多いと思います。HP SCEはユーザーに負担をかけない仕様なので、これまでと同様の使い方を続けていただければ守られますから、特別な操作や認証を覚える必要はありません。

シンクライアント、DVIなどを検討されるケースも多いのですが、初期投資やランニングコストが桁違いに高くなります。そういった意味でも、サニタイザー×HP SCEはぜひおすすめしたい組み合わせになりますね。

―― 最後に本記事をご覧いただいている方にメッセージをお願いします。

川口:サニタイザーが国産のソリューションであるというご説明をいただきましたが、私自身も「運用の例外」を作らないような取り組みを続けています。例えば「無害化に対応していないファイルを扱うために例外的にファイルをそのまま受け渡す」という考え方には賛同できません。ですから、まずはご導入いただく自治体のみなさまの中で、例外的な扱いをするファイルを減らす努力をしていただき、それでも残ったものは私たちが対応できるようにします。サニタイザーも自治体のみなさまだけでなく、産業分野や、医療機関にも使われるようになりました。今後も幅広く、みなさまのお役に立つ無害化ソリューションを目指していきたいと思います。

渡名喜:最近ではメールやグループウェア経由のファイルを無害化してほしいというニーズもありますが、HP SCEの仮想ブラウザを使ってブラウザメールでファイルを受け取るようにすると、インターネットファイルをダウンロードするのと同じ挙動になります。そういった柔軟さもサニタイザー×HP SCEの強みだと思います。自治体のみなさまがお抱えの課題もそれぞれですが、まずはお気軽にご相談いただき、ご一緒に解決の道を探すお手伝いをさせていただければと考えています。

山川:自治体のみなさまはもちろんですが、私が担当している消防署様などでも同様にインターネット活用でお悩みの組織は多いのが実情です。今後はそういったところにも積極的にご提案していきたいと思っています。

澤田:興洋電子様は沖縄県において、欠かせない存在のSIerとして非常に多くの導入実績と全国的に見てもトップレベルのノウハウをお持ちです。サニタイザー×HP SCEを今後もご提案していただけるとのことですし、私たちHPも全力で協力させていただきたいと考えています。川口様と興洋電子様、今後ともよろしくお願いします。

―― みなさま、本日は貴重なご意見をいただきありがとうございました。

※このコンテンツには日本HPの公式見解を示さないものが一部含まれます。また、日本HPのサポート範囲に含まれない内容や、日本HPが推奨する使い方ではないケースが含まれている可能性があります。また、コンテンツ中の固有名詞は、一般に各社の商標または登録商標ですが、必ずしも「™」や「®」といった商標表示が付記されていません。

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