【導入事例・姫路市教育委員会】児童生徒の使いやすさとデジタル教育の可能性を広げるための新端末にHPのGIGA向け端末を選択

姫路市教育委員会 GIGA第2期向け端末導入事例

2026-03-23

建物風景
建物風景

GIGA第2期を迎え、新端末の導入もいよいよ終盤へ差し掛かっている。GIGA第1期で生まれた課題の解決や、さらなるニーズへの対応を考え、各自治体では一括購入における機種選定の目も厳しくなっている。そんな中、いち早くHPのGIGA端末を導入したことで、課題解決や新たな可能性、さらなるデジタル教育の向上へのヒントの取得など、大きな成果を上げた自治体がある。今回はその中でも特にデジタル教育が進んでいる姫路市教育委員会および東中学校、東光中学校から話を伺うことができたので紹介したいと思う。

取材:中山 一弘

ロゴ

目的

  • GIGA第2期に対応する端末の更新

調達方法

  • R6年度に一般競争入札によりHP Fortis Flip G1i 11 Chromebook※1を採用
    ※1 導入当時の機種名は「HP Fortis x360 G5 Chromebook」

端末の評価

  • 長期利用を想定した高耐久性バッテリーの搭載
  • MILスペックで実証済みの頑強なボディ
  • USIペンが付属したことでデジタル教育の選択肢が増加

導入効果と運用

  • USIペン入力を活かした授業の増加
  • 4,096段階の筆圧感知機能を搭載したUSIペンによる児童生徒の表現力向上
  • 高耐久性バッテリーによる40,000台を超える端末の安定運用の実現
右から、姫路市教育委員会 総合教育センター教育研修課 ICT環境整備係 指導主事 山口 聡美 氏株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 パブリックセクターDX推進営業部 斉藤 伸幸 氏
右から、姫路市教育委員会 総合教育センター教育研修課 ICT環境整備係 指導主事 山口 聡美 氏株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 パブリックセクターDX推進営業部 斉藤 伸幸 氏
右から、
姫路市教育委員会 総合教育センター教育研修課 ICT環境整備係 指導主事 山口 聡美 氏
株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 パブリックセクターDX推進営業部 斉藤 伸幸 氏

兵庫県姫路市は人口約50万人規模の中核市として、教育・福祉・都市整備において独自の権限を持った自治体だ。「白鷺城」という名で親しまれている姫路城はまさに同自治体を象徴する存在で、その美しさもさることながら、歴史的資源の多さに裏付けされた城下町の風情と、山海を同時に持つ豊かな自然環境が同居していることから、観光客にも人気となっている。

教育においては「未来をひらく ふるさと姫路の人づくり」を理念に掲げ、体系的な教育改革を進めている。姫路市ではGIGA第2期の情報端末として、HPの「HP Fortis Flip G1i 11 Chromebook」を選択。「スペックや仕様については文科省が提示したものがあったので、それに準拠するという形になりますが、私たちが特にこだわった要件はバッテリーの持ちの良さです」と語るのは姫路市教育委員会の山口氏だ。

GIGA第2期の話が出始めた当初、ちょうどGIGA第1期向け端末のバッテリーが次々と限界を迎えており、運用に大きな負担があったのだという。「前回の端末は経年劣化により、バッテリーの持ちが非常に悪くなっていました。また、想定外の使い方をする子供たちに対応できるようにする必要もありました。そのための必須要件は高耐久性バッテリーと頑強な本体を併せ持つこと。これらの要件をクリアし、入札の結果導入されたのがHPの端末でした」とHPを導入した理由を語る山口氏。

もう1点、前回と比較し、推奨スペックなどはもちろん存在していたが、決定的に違うのはタッチパネルを使った入力を行うためのペンが必須となった点だ。「今回はペンが付いていないといけないということでしたから、私たちとしても十分に検討を続けてきました。その結果、HPの端末には本体に収納できる部分があり、紛失のリスクを減らせること、タッチペンがUSIペンであり、筆圧感知機能に関しては4,096段階という優秀な機能を持った製品がついてくるということが分かりました。これだけのスペックを活かすアプリケーションは多くはないですが、東中学校のように美術の時間に基本的な機能だけでも成果を出しているところもあります。ペン入力へのニーズが高ければ、それに応じた環境整備も検討していきたいですね」と山口氏は語る。

導入台数46,806台に対し、ペンの紛失はわずか54本にとどまっており、紛失率は極めて低い水準にある。大規模な運用環境においても高い管理性と信頼性を維持できていることが、この数値から明確に示されており、長期間にわたり安心して利用できることを裏付けるデータである。

長期間にわたり安心して利用できる
長期間にわたり安心して利用できる

姫路市教育委員会では今後のデジタル教育のための施策について現状ではどのような考えを持っているのだろう。「実は2026年2月から、子供による生成AI活用を開始します。Googleベースの環境は揃っているので、Geminiはすぐに使うことができ、既に教職員は生成AIを日常的に使っています。一方で子供の利用を不安に思う先生もいらっしゃいますが、子供たちは利用への意欲も高いので、自らの学びにとても役立つはずです」と山口氏。生成AIは今後の日本社会にとって必要不可欠な存在になりえる。そのため日ごろからテクノロジーに慣れ親しんでおくことで、生成AI活用をよりステップアップしやすくなるはずだ。現在、姫路市では生成AI活用のためのガイドラインを改定中とのことだ。

右から、姫路市立東中学校教諭 七五三 智也 氏校長 坂井 敬典 氏教諭 長尾 直紀 氏
右から、姫路市立東中学校教諭 七五三 智也 氏校長 坂井 敬典 氏教諭 長尾 直紀 氏
右から、
姫路市立東中学校
教諭 七五三 智也 氏
校長 坂井 敬典 氏
教諭 長尾 直紀 氏

東中は姫路市のベッドタウンにある生徒数590名の中規模校である。姫路市のICT重点支援校(令和6年度)、DX推進校(令和7年度)および兵庫県のICTを活用した『主体的・対話的で深い学び』の実現に向けた調査研究事業に関する重点校に指定されている。それだけに以前から教育におけるICT活用には力を入れており、今回のGIGA第2期向けの端末として採用されたHP Fortis Flip G1i 11 Chromebookの導入以降も様々な取り組みを続けている。

「これまでも様々なICT活用を続けてきました。例えばある情報共有ツールでは友達が何かしらの意見をそこへ書き込むと、リアルタイムに反映されるようになっています。以前は、班内で対面の話し合いを通して意見をまとめていましたが、今では画面上に表示される友達の意見を踏まえながら、さらに考えを深めた上で対話することができるようになりました」と、取り組みの一例を語るのは校長の坂井氏だ。

「GIGA第2期になって大きく変わったのはペン入力が加わった点です。私は美術担当なので、Chromebookの『Chrome描画キャンバス』を使って学校行事のプログラムの表紙絵を作成させてみました。アプリ側で一定の制限はありますが、HP端末のペンは筆圧感知機能がついているUSIペンということもあり、とても扱いやすいようです。生徒からは『塗りたいところが塗れる』、『イメージどおりに描きやすい』『色の濃淡を表現できる』といった意見が多く、生徒が美術の授業に意欲的に取り組むようになりました」と語るのは美術教員の長尾氏だ。

授業で制作した作品はクラウド上で発表し、すべての生徒がそれらを鑑賞できるようにしてあるのだという。「これまでは絵や工作が得意な生徒しか発表されない傾向にありましたが、今では全員が参加できます。より多くの作品を見ることができるので、鑑賞する意識も深まりました」と長尾氏は語る。

「デジタル教科書も導入されており、それを積極的に活用しています。その中でも『ノート機能』を使ってデジタル教科書の中にメモを残す生徒が増えてきました。これまで通り、紙の教科書とノートを使い手書きでメモを取ることもできるようにしてあり、そこは生徒に任せていますが、ペン入力は文字を書くのが苦手という生徒にも抵抗感がなく、向いている機能だと思います」と数学の七五三氏も新しいGIGA端末の特長について語る。

GIGA第2期を迎え、ICT活用とデジタル教育において確実な歩みを見せている東中学校。「こうした動きは授業だけでなく、それ以外のところにも息づいています。例えば端末の持ち帰りを許可しているので、毎日の連絡帳も今後はデジタルに置き換わっていくと考えています。実は文科省も推進している心の健康観察という面でもデジタルが後押しするのではないかという期待もあります。新端末については課題がまったくないわけではありませんが、確実に前進していることは間違いありません。今後も端末の機能を最大限に活かしながら、生徒と共にデジタル教育を前に進めていきたいと思っています」と最後に坂井氏は語ってくれた。

建物風景
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右から、 姫路市立東光中学校 教頭 福永 人士 氏 ICT支援員 大西 清美 氏 教諭 山本 隼也 氏 教諭 野中 惇 氏 教諭 池田 宏 氏
右から、 姫路市立東光中学校 教頭 福永 人士 氏 ICT支援員 大西 清美 氏 教諭 山本 隼也 氏 教諭 野中 惇 氏 教諭 池田 宏 氏
右から、
姫路市立東光中学校
教頭 福永 人士 氏
ICT支援員 大西 清美 氏
教諭 山本 隼也 氏
教諭 野中 惇 氏
教諭 池田 宏 氏

東光中学校は姫路市の中心部に近い場所に位置する、260名規模の学校である。ICT教育の面ではDX推進校に選ばれるなど、先進的な取り組みも進んでいる。「当校ではGoogle Workspace for Educationのスプレッドシートとスライドを重点的に活用するような取り組みをしています。また、新たに学習ツールを試行するなど、積極的にクラウドサービスを利用しています」と語るのは同校のICT担当を兼任されている英語教員の山本氏だ。

「GIGA第1期の頃は、生徒も教師も手探り状態だったと思います。GIGA第2期の現在は、HP Fortis Flip G1i 11 Chromebookの導入などにより、確実に設備が整っている感覚があります。今後はこの環境を使ってデジタル教育をどのように進めていこうか試行錯誤を続けています」と語るのは学校全体の研修を担当する池田氏だ。その中のひとつとしてGIGA第2期になって採用されたペン入力についてもトライアンドエラーを続けているのだという。

「私は英語を担当していますが、2学期からペンを活用してプリントを解くという授業を取り入れました。こちらの予想としては全員がペンを使ってPDFに書き込むだろうと思っていましたが、キーボードでテキストを入力したほうが楽だという生徒もいました」と語る山本氏。Classroomで配布したPDFプリントをダウンロードして、ギャラリーからそれを開いて編集、その後にペン入力が可能になるという複雑な手順も影響しているのではないかと同氏は分析している。

「確かにテキスト入力のほうが慣れていますし、実際に書くのは早いのだと思います。それを上回るメリットを私たちが提示できれば積極的に使う生徒も出てくるのでしょうが、今のところはその手段を探しているというのが現状です」と同じく英語担当の野中氏も様々な方法を模索中だ。

「DX推進校に指定していただいたおかげもあって、様々なクラウドサービスを通じて授業改善などもおこなっています。例えば先ほど山本先生もおっしゃったように、スライドを積極的に使って発表会を行うようになってから、人前で発言するのが苦手だった生徒がしっかりしたスライドを作って意見を言えるようになるなど、素晴らしい成果も出始めています。ICT活用を牽引してくれるメンバーもいるので今後も様々なことにトライしてくれると期待しています」と語るのは学校全体を見守る教頭の福永氏だ。

「東光中学校では電子黒板を全教員が使いこなしていらっしゃいます。書画カメラの活用も定着しています。特に英語のデジタル教科書は教員・生徒ともに市内で最も活用している中学校ではないかと思います。

先生方の中には、デジタル教科書に授業の範囲が入っていなかった場合でも、授業の補完に自作スライド資料を作成される先生も多く、学校全体のICT活用は高いレベルにあると思います」とICT支援員の大西氏も言葉を続ける。

いくつかの課題がある中でも確実にICT活用を意識したデジタル教育を進歩させてきた東光中学校。「いずれにしてもデジタル教育に関して、最新情報をキャッチアップし続けていくことが大切だと思います。東光中全体というよりも姫路市全体で揃ってみんなで使えるデジタル教育を取り入れていくのがベストだと考えています。それぞれの先生の得意不得意はあると思いますが、各教員が最善だと思われるレッスンをするための知識を身に付け、活用していくことが大切だと思っています」と最後に山本氏は語ってくれた。

建物風景
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姫路市教育委員会、東中学校、東光中学校はそれぞれHP Fortis Flip G1i 11 Chromebookの導入によって得られた最新テクノロジーをうまく活用すると共に、児童生徒の自主性や新たなアイデアなどをバランスよく取り入れながら、デジタル教育の新しいカタチを創りあげようとチャレンジを続けている姿が印象的だった。今後もICT活用について様々な取り組みを通して一歩ずつ、理想の教育を実現させていくのだと確信できた取材だった。HPはこれからも姫路市および各学校に対して全面的なサポートを続けていく。

デジタル端末について想定外の使い方をする生徒たちに対応できるようにする必要がありました。そのための必須要件となる長時間バッテリーと頑強な本体を併せ持っていたのがHP Fortis Flip G1i 11 Chromebookだったのです。

姫路市教育委員会 総合教育センター教育研修課 ICT環境整備係 指導主事 山口 聡美 氏

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