2024.11.27
「より堅牢に」「より活用しやすく」「サステナブル」。3つのキーワードでご紹介するHPのGIGA端末(https://jp.ext.hp.com/techdevice/education/edix2024_report05/ )で紹介した記事の舞台となったのは日本最大級の教育総合展「EDIX東京2024」。その関西版といえるのが、「EDIX関西2024」だ。10月2日~4日までの3日間、インテックス大阪を会場として開催されたイベントで、HPは特大トピックスを発表。会場の注目を集めていた。前編では展示エリアを中心にその模様をダイジェストでお伝えしたいと思う。
日本最大級の教育総合展の関西版「EDIX関西2024」。インテックス大阪にて10月2~4日まで開催されたこのイベントに日本HPも出展。連日ブース内セミナーを実施するなど、会場を大いに盛り上げた。中でも注目を浴びたのは、HPが満を持して発表したGIGA端末の新製品
「HP Fortis Flip G1m 11 Chromebook」だ。まずは発表イベントも兼ねたセミナーの模様からお届けしよう。
本セミナーでは進行役として株式会社インプレス「こどもとIT」編集長 神谷 加代氏、プレゼンターとして株式会社 日本HP エンタープライズ営業統括 パブリックセクターDX推進営業部 本部長 松本 英樹氏が登壇した。
「HPはアメリカの会社ですが、日本市場のために、新開発したのが今回のGIGA端末になります。本日12時に発表になったばかりの製品がこちらです」と笑顔で語る松本氏。彼の手に握られていたのが、注目の製品「HP Fortis Flip G1m 11 Chromebook」だ。
同モデルは他のGIGA端末シリーズと同様、Windows版も用意されるほか、予算内に収まる
55,000円の基本パッケージと、データ通信が5年間無料で使える「HP eSIM Connect」対応で
93,500円になる応用パッケージが用意されている。
軽量コンバーチブルの本体は持ち運びを考えて作られており、その重量は1.19㎏とコンバーチブルタイプとしてはトップレベルの軽量ボディを実現している。 特に堅牢性にはこだわって作られており、米国調達基準をクリアするだけでなく厳しい自社テストもパスしているのだという。「また、ペンに関して子供はどうしてもなくします。私たちHPは、最もなくしづらい収納場所はどこかと考えました」と松本氏。そして導かれた回答はキーボードの上の部分、「つまり、一番見えるところだったのです」(松本氏)
HPのGIGA端末では、左右どちらに入れてもよく、同時に収納するとペンの充電がおこなわれる仕組みとなっている。なくしづらく、活用しやすいという開発コンセプト通りの仕様だといえる。
今回の新製品で最も特長的なのはプロセッサーだろう。「MediaTekという、家電やスマートフォンなどでは世界的なシェアを持つメーカーです。ほかのブランドのプロセッサーと比較してベンチマークのスコアが良いのも特長ですが、特にバッテリー消費がとても少なく、効率的に運用できます」と松本氏は解説する。
当日はブースに実機も用意されていたので、セミナー終了後には大勢の来場者が実物を見に訪れていた。セカンドGIGAが本格化する中、要注目アイテムの登場に会場が大いに沸いたのが印象的だった。
セミナー会場と隣接する展示ブースも常に人が絶えない盛況ぶりだった。ここではその展示内容を見ていこう。
会場に設置されたHPブースでは、文教向けの製品群やサービスが展示されていた。メインのGIGA端末に関してはいよいよラインアップがそろったこともあり、人が絶えないエリアとなっていた。つい先ほど発表になったばかりの「HP Fortis Flip G1m 11 Chromebook」および
「HP Pro x360 Fortis G11 Notebook PC」を中心に、HP eSIM Connect対応モデルの
「HP Fortis x360 G5 Chromebook」「HP Pro x360 Fortis G11 Notebook PC」をメインに紹介されていた。
「特に新製品のHP Fortis Flip G1m 11 ChromebookはMediaTek製のプロセッサーを採用したことで軽量化が図れています。また、セミナーでも触れたとおり、厳しいテストをクリアしています。中でもランダム落下テストという、大型のドラム型洗濯機のような試験機の中でPCを繰り返し1,000回も落下させる試験をパスしているので、頑丈さは証明されています。また、HP eSIM Connect対応モデルは、通信環境を公平にする意味があり、家庭でも学校でも同じように使えるメリットがあるため、特にお問い合わせが急増しているソリューションになっています」(岡氏)。
ペンの収納場所はキーボード上部に設定されており、画面の上に手の平をついて書くことができるため、自然な書き心地を演出している。
子どもがキーキャップを外そうとしても簡単には抜けないような処理が施されている。頑強な設計と合わせて子どもたちの目線に合わせた仕様となっている。
DXハイスクールに欠かせないワークステーションも盛況だった。「専門の学科がある高校は別として、DXハイスクールは普通科の高校も対象となります。そこで人気なのはやはり生成AIです。今後大学入試共通テスト”情報”の採用に伴いコンピューターの知識も必要になるということで、HPでは様々なモデルをご用意しています」と木下氏。
実際にイベントではワークステーション上で動作するいわゆる個人情報の保護の観点からもニーズが高い「ローカルLLM」のデモが行われ、パフォーマンスの高さをアピールしていた。「ローカルLLMという面では、学生だけでなく先生方にも使って欲しいと考えています。例えば、過去の期末テストや中間テストのデータをAIに参照させ、今期用のテスト問題を作成させるなど、すでに学校が持っているデータだけでできることはたくさんあると思います」(木下氏)。
ワークステーションでは、ハイエンドモデルとして本格的な生成AI開発にも対応する
HP Z6 G5 A Workstation、機動性を活かして、どこでもパフォーマンスが発揮できるモバイルモデルとしてHP ZBook Firefly 14inch G11 Mobile Workstationシリーズ、ディスクリートグラフィックスを搭載し、デスクトップ型ワークステーションと匹敵する実力を持つ
HP ZBook Power 16inch G11 Mobile Workstationシリーズなどが人気になっていた。
一般的にはPCベンダーとして有名なHPだが、ソリューションプロバイダでもあることが分かるサービスが展示されていた。仮想空間に脅威を封じ込める「HP Sure Click Enterprise」、
HP Sure ClickやNGAVのHP Sure Senseといった最先端ソリューションがマルチベンダー環境で使える「HP Wolf Pro Security」などのセキュリティソリューションは導入する自治体や企業が急増しており、その信頼性を証明している。セキュリティソリューションには、様々なサービスがあるが、今回はMDM(Mobile Device Management)の「HP Protect and Trace with Wolf Connect」が紹介されていた。
「校務でもPCを外に持ちだす機会は増えていると思います。その際、盗難・紛失などに備えてどこの自治体もMDMすなわちモバイルデバイス管理ソリューションをご用意していると思います。ただし、多くのMDMはPCの電源が落ちていると機能しません。日本のWindowsユーザーのほとんどはPCから離れる際に電源を切る習慣があるため、その間に盗難・紛失があると打つ手がなくなるのです。HPでは電源が入っていない状態のPCであっても『探す』『ロック』『データ消去』がおこなえるソリューションです」と語る三浦氏。
説明の通り、HP Protect and Trace with Wolf Connectでは、電源が入っていない状態のPCであってもリモート管理で本体が今どこにあるのかをかなりの精度で調べることができる「探す」ための機能、BIOS/ファームウェアレベルの強力な「PCロック」や、復元不能レベルの強力な「データ消去」が命令できるソリューションになる。これにより、失ったPCに対する緊急措置をすることができるので、情報漏えいなどを未然に防ぐことが可能だ。
「文教や自治体など、機密情報を持ち歩く機会が多いお客様を中心に問い合わせが多いソリューションです。働き方改革を進めると、PCを持ち出す機会が増えるのでリスク管理も徹底しなければなりません。そのために最適なソリューションをご用意していますので、どうぞお気軽にお問い合わせください」(三浦氏)。
HPはPolyを買収したことで、優れたWeb会議向けのソリューションがワンストップで提供できる強みを持っている。リモート授業が増えている現在、高品質なオンラインコミュニケーションツールは必須となるデバイスだ。
「USB接続で手軽にセットアップできる『Poly Studio R30』から、中規模教室に向いて
『Poly Studio』、そして講堂クラスまで使える『Poly G7500』など、施設のサイズや用途に応じたモデルをご用意しています」と語る菊池氏。
難しい設定なし、直感的にオンライン会議をセッティングできることはもちろん、授業中移動しながら話す教師に追従するといった様々な自動カメラフレーミング機能や、不要な環境音を除去するノイズブロック機能など、様々な機能を使うことで、より臨場感のある、明瞭なオンラインコミュニケーションが実現できる。
「ほかにもプロフェッショナル向けのヘッドセットから、使いやすいBluetoothモデルまで、ヘッドセットも様々なタイプをご用意しています。幅広いラインアップで、学校施設などの音響を支えることができますので、ぜひ一度Polyのサウンドや映像技術を体感していただきたいと思います」(菊池氏)。
HPは世界的なプリンターメーカーとしても有名だが、GIGA端末の普及により、授業の成果を紙に印刷して残すというニーズも生まれていることから、この分野でもシェアを伸ばしている。
「今、学校での使用に対して人気があるのが『HP Smart Tank プリンター』シリーズです。カートリッジ式とは違い、インクを補充する仕組みなのでランニングコストがとても低く抑えられるのが特長です。例えば、モノクロのみの場合、初期搭載のタンクだけで12,000枚、カラーでも8,000枚はすることができるので、大量印刷にも最適です」と語る高橋氏。
GIGA端末との相性も抜群で、特に設定をする必要なく、Chromebook上でアウトプットするだけで印刷できる点も魅力だ。実際に授業だけでなく、放課後のクラブ活動などで使うケースもあるなど、児童生徒たちの創意工夫で活用の幅が広がる製品でもある。
「導入される学校様もどんどん増えております。私たちとしてもよりよい学校生活のために、HPのプリンターを活用していただけるよう努力していきたいと思います」(高橋氏)。
イベントが多い学校や、新聞の発行が盛んな学校などを中心に注目されているのが大判プリンターだ。HPの大判プリンターはデザイン事務所や建築事務所などにも導入されるほど品質が良く、コストパフォーマンスが高い製品群があるのが強みだ。
「今回展示させていただいているのはHP DesignJet シリーズの『HP DesignJet T850 MFP A0』です。こちらは学校新聞や横断幕といった大型印刷物にも対応するほか、卒業式、入学式などの案内看板など、1回しか刷らないものが多い学校様の印刷コスト削減を実現します。最近では一度張り出した手書きの紙資料をスキャニングで読み込んでデータ化し、学校でアーカイブ。後進のために役立てるなど、使われ方の幅も広がっているようです」と留田氏は語る。
HP DesignJetプリンターには専用のユーティリティが付属しており、ファイルをドラッグ&ドロップするだけで、PC画面上で印刷イメージが確認できる。これにより、印刷時の紙の向きや、用紙サイズのミスを事前に防ぐことが可能だ。用紙や印刷コストの無駄をなくすために役立つツールだといえる。
「大判プリンターは難しいという印象があるので、手軽に簡単に印刷できる点をもっと多くの方に知っていただきたいと思います。児童生徒のみなさんでもプロフェッショナルクオリティの印刷が可能な時代なので、ぜひご活用いただき学校生活を充実させていただきたいと思います」(留田氏)。
後編はこちら
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