HP Elite Dragonfly
Special Interview 04
haru./株式会社HUG 取締役、HIGH(er)magazine 編集
“同世代の人と一緒に考える場”として、インディペンデント雑誌「HIGH(er)magazine」を編集する一方で、取締役を務めるHUGでアーティストのマネジメントとコンテンツプロデュースを手がけるharu.氏。仕事と遊びの境界線をなくしながら軽やかに活動の幅をひろげてゆく彼女の生き方には、HP Elite Dragonflyが欠かせない。
株式会社HUG取締役、HIGH(er)magazine 編集haru.氏。インディペンデント雑誌の編集のほか、素晴らしい感性を持つアーティストのマネジメントとコンテンツプロデュースを手がける。
東京藝術大学に入学した年に創刊した「HIGH(er)magazine」は、メディアという形を借りていますが、同世代の人と一緒に考える「場」なんです。私の周辺で起きている気になる事象を扱っているのですが、世の中的にはタブーとされているテーマも含まれるので、編集を手がける私は主張の強い人だろうと誤解されることがあります。でも、そんなことはなくて。この雑誌も、幼少期から周囲に馴染めなかった私が、初めて自分の殻を割ることができたZINE(手作りの小冊子)が原点で、世界とつながる、人生をサバイブするための手段という感覚が近いんです。自分らしさを表現したいとか、主張を届けたいという意識はありませんね。人によって考え方はさまざまだと思いますが、自分らしさにこだわると、かえって不自由だな、と思うんです。自分はこういう人間だ、こうあるべきだ、という型に押し込むことで可能性がスポイルされてしまうというか。なので、ここだけは譲れないというところはこだわって、あとはなりゆきに身を任せ、それによって引き出される自分を楽しみたいと思っています。
ビジネスコミュニケーションにPCのメールを使わない人も増えたが、丁寧なやりとりができるメールを好むharu.氏。午前中に、コーヒーを飲みながら集中して対応する。
手を動かすことが好きなので、これからも制作活動は続けるのですが、私の周りにいる素晴らしい感性の持ち主を応援したくて会社を立ち上げました。マネジメントやコンテンツのプロデュースを行うHUGです。現在、フィールドの異なる何組かのアーティストの活動をサポートしていますが、そのうちの一組は小学生のときからの遊び仲間で、一緒にアパレルブランドを立ち上げました。彼らはチョッパーというバイクに乗っていて、普段は汚い(笑)格好をしているんですが、チョッパー好みのフォーマルウェアが世の中にはないという話になり、だったら作っちゃおう!ということではじめました。知識も経験もないので試行錯誤ですが、動きだせば助けてくれるひとはたくさんいるし、とにかく楽しい。仕事というと自分を偽ったり、辛いことを我慢したり、大変なのが当たり前とされていますが、好きな仲間と、好きなことで仕事をつくってしまえば、遊びとの境界線はなくなるんですよね。
よく、なんの仕事をしているの?と聞かれるんですが、一言で表すのが難しいな、と感じています。伝わりやすいので編集、プロデューサー、あるいは取締役といった肩書きを使っていますが、実際の仕事とフィットしているかというと、そうでもなくて。そもそもポジションや仕事の領域にこだわりがないんです。めざすゴールに向けてなんでもやろうと思っているし、逆に仲間と一緒なら、ひとりで抱えこまずに任せたい。型を決めずに、同時に複数のことを進めているから、頭の中は賑やかですね。コンセプトコピーを考えていたはずが、ふいに別プロジェクトのデザインイメージが浮かぶといったことも珍しくなく、アイデアがこぼれ落ちないようにWordの入力画面を切り替え、タッチペンでラフを描きはじめることもあります。このPCはスムーズに操作できるから思考が分断されなくていいですし、このタッチペンも描きやすい。筆圧を変えれば微妙な濃淡まで表現できるので、イメージを鮮明につなぎとめることができます。
仲間との打ち合わせは、遊びの計画を立てているようなラフなスタイル。雑談しながらタッチペンで落書きしているうちに良いアイデアが浮かぶことが多いという。
雑誌の制作、とくに原稿の執筆においては、デスクに向かって寡黙に行うのが一般的かもしれません。でも「HIGH(er)magazine」では、良い意味での軽さを大切にしています。編集部という閉じた世界でだした答えを一方的に提示するのではなく、そこに読者の方もいて、一緒に考えを深めてゆくような感覚でつくっているからです。だから、編集作業も原稿の執筆も、パソコンを持ち寄って、みんなでディスカッションしながら進めます。場所も決めてなく、今日は天気がいいからオープンテラスのカフェでやろうとか、気になるお店があるから行ってみようといった感じに、そのときの状況や気分にあわせて選びます。そんなスタイルを後押ししてくれるのが、このPC。原稿の執筆も、レイアウトや写真の加工もすべてできるから、ラクですね。それに、軽くて、頑丈。満員電車が嫌いな私は、少し離れた場所でもキックボードで移動するんですが、リュックだけでなく、斜めがけのカバンも使いたい。このPCなら背負わなくてもバランスがとりやすいし、うっかりぶつけても大丈夫なので、使えるカバンの選択肢が増えて嬉しいんです。
移動中に気持ちの良いスペースを見つけたら、そこで仕事をすることも。ディスプレイの見やすさが、環境にあわせて自動調整されるので、ストレスなく集中できる。
将来について聞かれると、うまく答えられない自分がいます。予測がつかない未来に向けて備えるよりも、目の前の好きなこと、やりたいことに集中したいし、そのときどきで悔いのない選択をしていれば、きっと良い場所にたどり着けると考えているので。そんな気持ちで、いま取り組んでいるのが、シアバターの商品化です。シアバターは肌にも髪にも、全身につかえる保湿クリームですが、アフリカのブルキナファソという村で作られているものが本当に素晴らしいんです。市場にでているものだと純度100%はなかなかないので、日本で展開していければいいなと思いますし、それによって現地に雇用を創出できたら、そこで暮らす方々に、これまでになかった選択肢を提供できると思っています。まだ始まったばかりのプロジェクトなので、軌道に乗るまではアフリカに行く機会も増えるかもしれません。ホテルの環境とかきちんと調べていませんが、でも、熱や乾燥にも強くて、長時間バッテリーが続くこのPCがあれば、いますぐにでも飛び立てると思っています。